WEBマーケティングに携わる人間なら誰もが使う言葉である「コンバージョン」。
何となく使っているけど、
コンバージョンがどのように計測されているか、コンバージョンにどんなアクションを設定できるか、といった仕組みについてはしっかり答えられる自信がないな……という方は少なくないと思います。
今回はそんな「コンバージョンの基礎」について、ご説明していきます。
1.コンバージョンの定義
辞書を開くと、”conversion”には以下のような意味があります。
転換(すること)、転化、改装(すること)、改造、変説、転向、改宗、(紙幣の)兌換(だかん)、(外国通貨の)換算、両替
この中でWEBマーケティングにおける「コンバージョン」に一番近いのは「転換」でしょう。
え、何から何に「転換」!?
ネット広告初心者のころの筆者はこう思いました。
答えは、「サイト訪問者から(見込み)客への転換」です。
多数のサイト訪問者の一部が実際に商品を購入やお問い合わせをします。
その収益化の基準となる行動をコンバージョンと定めています。
1-1.購入(難易度:商品単価による)
ネットで決済が完結する商材を扱うときに、収益化の基準となるアクションはやはり「購入」でしょう。
ただ、購入数が多くてもリピート率が低かったり複数商品を展開している場合は一回の購入あたりの購入額が少なかったりすると、広告投資の利益率は低くなります。
1-2.申し込み/予約(難易度:高)
セミナーの予約やイベント参加、個人面談の申込みなど、購入フローにオフラインでの接触を必要とする場合に必要なアクションです。
店舗集客における「予約」などもこれに属します。
しかし、これらのアクションはユーザーにとって予定調整や当日の時間、労力を費やすためハードルが高いアクションとも言えます。
見込み顧客を取りこぼさないよう、申し込みと並列して難易度の低いコンバージョンポイントを用意することもあります。
1-3.お問い合わせ(難易度:中)
BtoBサービスや、商材単価の高い商材は「まず話を聞いてみないと分からない」という心理になりがちであるため「お問い合わせ」を送ってもらうのが有効です。
しかし、一部のユーザーは「これを送ったらしつこく営業が来るんじゃないか」と警戒することもあります。
1-4.資料請求(難易度:低)
見込み顧客向けに配布している資料がある
合は、それをフックにコンバージョンポイントを置くのが有効です。
直接相手とコミュニケーションをとる可能性が低いため、アクションの心理的なハードルも低く、コンバージョンの数を増やしやすい傾向にあります。
その後商談や成約に繋がる可能性はその後の対応によって大きく変動するため、社内の対応マニュアルを整備しましょう。
1-5.メルマガ登録/LINE追加(難易度:低)
興味を持ってからサービスの利用、商品の購入までにタイムラグがある商材(求人サイトなど)や、継続的に接点を持ってリピート率を上げたい店舗集客などで有効なアクションです。
これも資料請求を同じく、その後の対応(メルマガやLINEメッセージの頻度、内容)によって、収益化率が全く異なるため、これらの既存顧客の対応を万全にした状態で広告キャンペーンをスタートするのが良いでしょう。
このように、一口にコンバージョンと言っても、ビジネス領域や対応できるリソースによって様々な種類があります。
インターネット広告を始める際は、最初にどのようなコンバージョンを設定するべきかを考えましょう。
2.コンバージョンの仕組み
続いて、コンバージョンの仕組みについてお伝えします。
コンバージョンが計測されるのは、「コンバージョンタグが発火する条件を満たした」からです。
広告によるコンバージョン計測を行う際は、コンバージョンタグを、サンクスページのソースコード内に記述します。
コンバージョンにあたるアクションを完了した時に表示されるページを「サンクスページ」と呼びますが、サンクスページをただ表示するだけではコンバージョンタグは反応しません。
広告経由でサンクスページを表示させることで初めてタグの発火条件を満たします。
そしてコンバージョンタグは通常、該当ページの「bodyタグの直後」に設置することが多いですが、弊社では「/bodyの直前」に設置します。
何らかのソーストラブルやサーバーのエラーによって、ページ全体を読み込めなかった時に、誤発火しないための工夫となります。
3.コンバージョンの種類
ここまでご説明した以外にもコンバージョンにはいくつもの種類があり、ご参考までにいくつか挙げていきます。
3-1.ユニークコンバージョン(初回のみ)
ユニーク(固有の)ユーザーによるコンバージョンを指します。
Google広告のコンバージョン設定で「初回のみ」を選択した場合、ユニークコンバージョンを計測していることになります。
例えば「1人のユーザーが広告の初回接触から30日以内に3回コンバージョンした」とします。
この場合、計測されるユニークコンバージョン数は「1回」となります。
ただし、2回目のコンバージョンが初回接触から「31日以降」だった場合は、同ユーザーであったとしても「2回」として計測されます。
このコンバージョンの計測期間はアカウント内で変更することも可能です。
お申込みや資料請求等、1人に対して1回の計測で十分なコンバージョンの場合は、ユニークコンバージョンで計測することでより正確な成果測定が出来るでしょう。
3-2.総コンバージョン(すべて)
ユニークコンバージョンとは逆に、「1人のユーザーが30日以内に3回コンバージョンした」時に「3回」計測されるのが「総コンバージョン」です。Google広告のコンバージョン設定で「すべて」を選択すると、この方式で計測されます。
ECサイトなど、1ユーザーが複数回コンバージョンすることで得られる利益が変わるキャンペーンでは、総コンバージョンを計測するのが良いでしょう。
3-3.クリックスルー(ポストクリック)コンバージョン
上記2種類のコンバージョンは「クリックスルー(ポストクリック)コンバージョン」に属します。
その名の通り、広告のクリックを通じて発生したコンバージョンの総称をクリックスルーコンバージョンと呼びます。
3-4.ビュースルーコンバージョン
「クリックスルーコンバージョン」と対比されることが多いですが、「ビュースルーコンバージョン」は、「広告のインプレッションを通じて、その後ほかの方法での接触から発生したコンバージョン」のことを指します。
つまり、広告をクリックしていないので、「クリックスルーコンバージョン」としては計測されません。
ですが、広告表示後にコンバージョンをしたユーザーは広告を見ることをきっかけに商材を認知し、定期的にリターゲティング広告が表示されることで商材名を記憶に保持するケースがあります。
ディスプレイ広告や動画広告など、検索広告と比べると直接コンバージョンを狙いづらいメニューを評価する指標として便利です。
4.コンバージョンの2つの注意点
コンバージョンを計測する中で頻出する2つの注意点について共有します。
4-1.戻りコンバージョン
実際にコンバージョンした日と、広告アカウント上のコンバージョンした日が異なる場合、「戻りコンバージョン」が発生しています。
「戻り込みコンバージョン」や「後追いコンバージョン」呼ばれることもあります。
例えば下記のような戻りコンバージョンの事象は日常的に起こります。
<例>
2月7日に広告をクリックしたユーザーが、3月1日にコンバージョンした場合、このコンバージョンは、2月と3月どちらのコンバージョンとしてカウントされるでしょうか?
答えは「2月」です。
広告への最初のクリックから30日後まで(もしくは任意の計測期間内)であれば、最初のクリックが行われた月のコンバージョンとして見なされるという意味です。
たとえば3月1日に作成した2月分の広告レポートと、3月10日に再度作成したレポートを比較するとコンバージョンの数が増えていることがあります。
レポーティングのミスではないので、この仕様をしっかり説明できると良いでしょう。
4-2.重複コンバージョン
複数の広告メニューに接触したユーザーがコンバージョンした場合に起こる事象です。
例えば、あるユーザーが以下のような経路で複数の広告メニューに接触した結果コンバージョンすると、ラストクリックのFacebook広告だけでなく4つの広告メニュー全てでコンバージョンが発生します。
Google広告→Yahoo!スポンサードサーチ→YDN→Facebook広告(ここでコンバージョン)
本来コンバージョンは1回しか発生していないため、レポート上の4件のコンバージョンとは大きく乖離します。
よって、実際の顧客データと広告パフォーマンスとの感覚のズレが生じる可能性があります。
対策としては、Googleアナリティクスでラストクリックの参照元を確認する、アドエビスに代表されるアトリビューション計測ツールで数値を確認する、などが挙げられます。
5.まとめ
今回はコンバージョンの仕組みについて説明しました。
コンバージョンの定義や計測は、広告の成果に直結するため非常に重要な項目です。
把握不足によりトラブルが起きてしまう恐れもあります。
正しいコンバージョンを設定し、WEBマーケティングを加速していきましょう。
また、コンバージョン以外についても、インターネット広告についてお悩み、課題がある方は気軽にご相談ください。
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