口コミマーケティングというマーケティング手法があるのを知っていますか?
口コミマーケティングは、SNSが広く普及した現代において、重要なマーケティング手法の1つです。
時代の変化と共に人々が商品やサービスを選ぶ際には、口コミを重要視するようなってきました。そのため、口コミマーケティングの手法を熟知しておくことで、効率的な顧客獲得に役立てられます。
本記事では口コミマーケティングとは何なのか、概要から事例までを詳しく紹介します。
1.口コミマーケティングってどんな手法?
口コミマーケティングとは一般の消費者の口コミを利用して、商品やサービスの情報を広める手法のことです。企業がSNSなどを使い、キャンペーンを通して消費者同士で話題に上がるようにするプロモーション活動を指します。
口コミは本来、消費者同士の間で自然に広まるものですが、企業が口コミを発生しやすい環境を作ることで、より効率的に世の中に情報を広げられます。
口コミマーケティングはあらゆるマーケティング手法の中でも信頼性が高く、多くの人に情報を伝えることに長けている手法です。
さまざまな企業がサービスや商品を広めるために口コミマーケティングを取り入れており、今後もその数は増えていくことが予想されます。口コミマーケティングについて知ることで、普段どのように商品やサービスが私たちに行き渡っているのか、より理解が深まります。
まずは、口コミマーケティングという手法について、基本的なことを理解していきましょう。
1-1.口コミマーケティング手法の種類
口コミマーケティングにはバズマーケティングとバイラルマーケティングの2つの種類が存在します。
SNSなどで商品やサービスを話題にあげて、短期間に爆発的に情報を拡散するのがバズマーケティングです。一方で、中長期で既存顧客に向けて徐々に広まっていくようにする手法をバイラルマーケティングと呼びます。
両方とも口コミを広げるという点は一緒ですが、情報の広げ方が微妙に違うため、目的によって使い分けることが大切です。
1-2.口コミマーケティングが重要視される理由
口コミマーケティングはSNSが普及した現代において、とても重要視されており、さまざまな企業に利用されています。
以前までは、テレビCMなどのマスメディアを利用することが代表的なマーケティング手法でした。しかし、マスメディアの衰退後、人々は他の人の口コミを意識して商品やサービスを利用するようになったのです。
テレビCMのような一方的な広告よりも、実際に使用した人の意見の方が信用されるため、口コミマーケティングはとても重要な手法です。
2.口コミマーケティングのメリット
口コミマーケティングにはさまざまなメリットが存在します。主なメリットは以下の通りです。
・多方面から消費者にアピールできる
・消費者からの信頼を獲得しやすい
口コミが重要視される現代において、消費者の動きを意識して、マーケティングを行うことはとても大切です。それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
2-1.上手く活用すれば高い費用対効果が見込める
マーケティング手法は口コミマーケティング以外にも多様なものがありますが、中には高額な費用を掛けたにもかかわらず、良い結果がでないものもあります。
口コミマーケティングは、消費者が情報を拡散してくれるため、他の手法と比べると、費用を抑えて商品やサービスを効果的に宣伝できます。上手く活用すれば、マーケティングの運用に時間を掛けなくてよくなり、会社の生産性向上に繋げられるため、費用対効果が高い手法です。
2-2.多方面から消費者にアピールできる
口コミマーケティングでは、主にSNSやブログなどを利用して、自社の商品やサービスの情報を拡散します。
SNSやブログの利用者は年々増加傾向にあるため、多方面から消費者にアピールすることが可能です。また、インターネットで情報を拡散することにより、本来ターゲットとして想定していなかった層の人々にも、情報を伝えることができます。
2-3.消費者からの信頼を獲得しやすい
消費者からの信頼を獲得しやすいことは、口コミマーケティングの大きなメリットです。
インターネットが普及したことにより、商品やサービスを選ぶときに、実際の口コミを参考にする人が増えてきました。
口コミマーケティングは消費者同士で情報を拡散し合うため、口コミを自然な形で拡散することができます。意図的に流された情報よりも、自然に流された口コミの方が信頼性が高いため、一般的な広告よりも口コミの方が信頼性が高くなります。
3.口コミマーケティングのデメリット
口コミマーケティングにはさまざまなメリットが存在しますが、デメリットもあります。主なデメリットは以下の通りです。
・ブランドイメージに傷が付いてしまう可能性がある
口コミマーケティングは大勢の人に情報を効率的に伝えることができますが、利用する際にはしっかりとデメリットを考えることが重要です。それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
3-1.コントロールが難しい
口コミマーケティングは企業がプロモーション活動を行い、口コミが発生しやすい状況を作りだす方法です。しかし、口コミの内容までは操作することができません。
場合によっては企業にとってマイナスのイメージにつながる口コミまで拡散してしまう可能性があります。一度広がってしまった情報はコントロールできないため、あらかじめマイナスな口コミが広がったときの対応を考えることが大切です。
3-2.ブランドイメージに傷が付いてしまう可能性がある
口コミマーケティングは使用方法を間違えると企業のブランドイメージに傷が付いてしまう可能性があります。口コミマーケティングは成功すれば、企業の知名度やブランドイメージを向上させられますが、中には失敗してしまった事例も多数存在します。
あからさまな宣伝は消費者から毛嫌いされてしまうため、あくまでも企業は情報を拡散するタネを作ることに注力しましょう。
4.口コミマーケティングの過去の成功事例
口コミマーケティングによって、企業の認知度向上につながった事例は多数存在します。特に日本で有名なのは以下の2つです。
・ダイオウイカ天(はなまるうどん)
ロコミマーケティグを成功に導くためには、過去の成功事例から学ぶことが大切です。それぞれの成功事例について詳しく解説します。
4-1.ポッキーの日(江崎グリコ)
ポッキーの日は、日本を代表する食品メーカーである江崎グリコが行った、代表的な口コミマーケティングです。
1999年から11月11日をポッキーの日と大々的に宣伝することにより、多くの人がポッキーを買い求め、情報をシェアしました。2013年には、ポッキーを含んだツイート数で1日に最も多くツイートされたブランドのギネス記録を目指す企画を開催しました。
さまざまな人が企画に参加し、情報を拡散したことによって、ギネス記録達成を成し遂げ、今でも11月11日はポッキーの日として人々に認知されています。
画像参考:「ポッキー」世界記録更新!“ポッキー”を含んだツイートで、 11月11日(月)に371万44ツイートを記録 ― PRTIMES
4-2.ダイオウイカ天(はなまるうどん)
ダイオウイカ天は日本を代表するチェーン店である、はなまるうどんがエイプリルフールに行った口コミマーケティングです。
2013年の4月に体長18mの大王イカを丸ごと天ぷらにして提供するという、エイプリルフールネタを流しました。
情報のインパクトから、瞬く間にSNSで拡散され、多くの人々に情報が拡散されたのです。結果として、はなまるうどんのサイトのアクセス数が24倍にまで伸び、1億円以上の広告効果に繋がりました。
画像参考: 数ある“ウソ”の中で、「ダイオウイカ天」がリツイートされ続けた理由 ― AdverTimes
5.口コミマーケティングを実施する際の注意点
口コミマーケティングを利用する際には特に注意しなければならないことが2つあります。
・ステルスマーケティングは避ける
口コミマーケティングは利用の仕方によっては、少ない費用で大きな成果を出せます。しかし、最大限の力を引き出すためにはしっかりと注意事項を意識することが大事です。
それぞれの注意点について詳しく解説します。
5-1.悪い口コミへの対応
口コミが広がりやすい状況を作り出すことによって、プラスの口コミを広げ、企業の認知度やブランドイメージを向上できます。しかし、中にはマイナスな口コミも存在するため注意が必要です。
マイナスな口コミは、一度広がると歯止めが効かなくなる可能性があるため、迅速に対応することを心がけましょう。
対応する際は感情的にならずに、まず事実確認をして、誠実に対応することが重要です。また、あらかじめどのようなマイナスのイメージを持たれるのか、イメージしてから口コミマーケティングを利用することで、迅速に的確な対応ができます。
5-2.ステルスマーケティングは避ける
ステルスマーケティングとは企業内の人など、関係性のある人物が自分たちにとって都合の良い情報を流すことを指します。
ステルスマーケティングを実行すると、商品やサービスに精通した人物が情報を拡散できます。そのため、情報を求めている人にとって的確な情報を流すことができますが、消費者からは良い印象を持たれません。
なぜなら、消費者は自然に流れる情報を好み、評価するからです。ステルスマーケティングをしていたことが露呈してしまうと、一気に企業イメージの低下につながってしまう可能性があるため、避けた方が無難です。
6.まとめ
いかがでしたか?
口コミマーケティングはインターネットが一般に普及し、情報が拡散しやすくなった現代において、非常に有用な手段です。口コミという信頼性の高い情報を意図的に流すことにより、効率的に自社の商品やサービスを知ってもらい、企業のブランドイメーの向上も狙えます。
しかし、使い方によっては、企業のイメージ低下につながってしまうため、利用する際はデメリットや注意事項をしっかりと意識しましょう。