スマートフォンの普及、SNSの浸透などに伴い、多くの企業がSNSを活用したマーケティングに注力しています。
中でもInstagram(インスタグラム)は、認知度拡大だけでなくコンバージョン獲得もふまえ展開する企業が増加傾向にあります。
Instagramに特化したマーケティング施策は、インスタグラムマーケティングと呼ばれ、注目度が高まっています。
今回は、注目度の高いインスタグラムマーケティングについて、基本的な概要からメリット、運用のコツなどポイントを中心に紹介していきます。
インスタグラムマーケティングとは?
インスタグラムマーケティングとは、その名の通りInstagramを活用したマーケティング施策のことを指します。
Instagramは、Facebookと同じMeta社が運営しており、Facebook広告としてInstagram内に広告訴求を行うことも可能です。
とはいえ、広告を出さずとも自社のInstagramアカウントを開設し、投稿によってフォロワーを中心にアプローチしていくこともできます。
このように、Instagramを活用して認知度拡大やコンバージョン獲得につなげる施策がインスタグラムマーケティングとなります。
他のSNSにおけるマーケティングとの違い
Instagramに限らず、近年では多くのSNS媒体が存在します。
代表的なSNSとしては、先ほどふれたFacebookをはじめ、X(旧Twitter)やLINE、YouTube、TikTokなどが挙げられます。
このようなSNS媒体とInstagramの違いとしては、画像や動画による投稿が可能という点にあります。
FacebookやXでは基本的にテキストが中心となり、YouTubeやTikTokは動画に特化されています。
LINEは友人限定のコミュニケーションツールとなり、それぞれ特徴が異なります。
画像や動画がメインのInstagramでは、ビジネスで見た際に訴求できる要素が多く、且つ動画のように制作コストを高くなり過ぎない点が魅力の一つとなります。
また、20代から30代の女性ユーザーが多いことから、様々な業種においてコンバージョン獲得が期待できる点も魅力として挙げられます。
インスタグラムマーケティングが向いている企業とは?
20代から30代の女性ユーザーを中心に、日に何度もアクセスするアクティブな層が多いInstagram では、特に業種による向き不向きはありません。
とはいえ、より効果につながりやすいという点では、BtoB関連の企業よりはBtoC向けの商品やサービスを取り扱う企業の方が効果を期待できます。
また、写真や動画が多く投稿され、それによってユーザー同士コミュニケーションを取るため、視覚的なアピールがしやすいファッションやコスメ、食品、美容などの業種は相性がいい傾向にあります。
特に、Instagramでは2018年6月からショッピング機能が追加され、自社のECサイトにユーザーを遷移しやすくなりました。
そのため、ECサイトを運用していれば、よりコンバージョン獲得につなげやすい傾向にあります。
インスタグラムマーケティングを実施するメリット
Instagramをマーケティングに活用することで、以下のような効果が期待できます。
① 商品やサービスの認知度拡大
画像や動画によって訴求できるInstagramでは、テキストよりも商品やサービスをアピールしやすい特徴があります。
例えば、ファッションやコスメなどの特徴を、テキストだけで伝えることは難しく、キャッチコピーなどにこだわる必要があります。
これに対し画像や動画であれば、ユーザーの視覚や聴覚に訴えることができるため、より購買意欲を高める効果が期待できます。
また、ファッションなどにおいては着心地やコーディネートなども合わせて訴求することが可能です。
そのため、ユーザーからの共感を得られやすく、認知度拡大につなげることができます。
② 商品やサービスのコンバージョン獲得
Instagramでは、認知度拡大だけでなくコンバージョン獲得にも効果が期待できます。
前段でもふれたように、Instagramでは2018年6月からショッピング機能が追加されました。
このショッピング機能では、投稿した画像の中にタグ付けを行い、自社のECサイトにユーザーを遷移させることが可能です。
これにより、ユーザーは興味を示した商品をスムーズに購入できるため、売上増加につなげることができます。
またこれは、広告を出稿しなくとも自社アカウントで展開できるため、費用対効果を高めた運用につなげることができます。
インスタグラムマーケティングを実施する上での注意点
一方で、インスタグラムマーケティングにはデメリットも存在します。
以下の要素は注意点として押さえておくと効果的です。
① 写真や動画にこだわる必要がある
Instagramでは、写真や動画による見栄えが悪ければ効果にはつながりません。
そのため、いかにユーザーの興味関心を惹く投稿にこだわるかが重要になります。
当然ながら、金融系やコンサルティング、IT商材など画像や動画による訴求が難しいものは、Instagramと相性が悪い場合も存在します。
とはいえ、これらもユーザーニーズを分析し、悩みや不安、要望などにマッチした投稿を行うことで興味を引き出すことも可能です。
② 拡散力が高いわけではない
SNS媒体は、拡散力の高さが魅力の一つでもあります。
投稿内容が興味を惹けば、一気にユーザー間で広まり、認知度拡大やコンバージョン獲得につながる可能性もあります。
ただ、Instagramにはシェアやリツイートといった、他のSNS媒体にある拡散を誘発する機能が無いため、そこまで多くの拡散を期待できるわけではありません。
一方で、ハッシュタグによって拡散につなげることは可能なため、投稿内容と合わせハッシュタグを有効活用していくと効果的です。
インスタグラムマーケティングの手法
Instagramでは、様々なマーケティング展開が可能です。
ここでは代表的な手法について紹介していきます。
① ストーリーズやリールの活用
基本的にInstagramでは、投稿機能を用いて自社の商品やサービスを訴求していきます。
それとは別に、ストーリーズとリールという機能も用意されています。
ストーリーズは、フォロワー向けに24時間限定で投稿する手法で、リールは縦型のショート動画による投稿となります。
いずれも通常の投稿よりユーザーの目に留まる可能性が高いため、投稿と合わせて展開することで、マーケティング効果を高めることが期待できます。
② キャンペーンの実施
インスタグラムマーケティングの効果を高めるためには、キャンペーン企画を活用することも効果的です。
例えば、いいねやフォローしてくれたユーザー限定の訴求や、ハッシュタグをつけて投稿してくれたユーザーに特典をつけるなど、目的やターゲットに応じて使い分けると反響につながりやすくなります。
特に、キャンペーンと絡めてハッシュタグやコメントを促すことで、拡散性が高まり、認知度拡大やコンバージョン獲得にも効果が期待できます。
③ 広告の活用
自社のInstagramアカウントを開設したとしても、いきなり多くのフォロワーが集まるわけではありません。
このような場合には、インスタグラムの広告を出稿することも効果的です。
インスタグラム広告は、ユーザー属性だけでなく閲覧履歴や購入履歴などの行動などでもターゲティングできるため、精度を高めることで効率的にアプローチすることが可能です。
また、低額からでも実施できるため、初期段階では広告を併用することで運用効果を高めることも効果的です。
④ インフルエンサーとのタイアップ
Instagramには多くのフォロワーを抱えるインスタグラマーと呼ばれるユーザーが多くいます。
このようなインフルエンサーとタイアップすることで、認知度拡大やコンバージョン獲得につなげることも可能です。
ユーザーの中には、インフルエンサーの投稿を参考にしているケースも多くあります。
そのため、インフルエンサーに自社の商品やサービスを訴求してもらえば、多くのユーザーに興味関心を促す効果も期待できます。
なお、インフルエンサーとのタイアップには別途費用が発生することも多いため、実施の際には注意が必要です。
インスタグラムマーケティングの効果を高める上でのコツ
ただ単にInstagramアカウントを開設し、投稿していくだけでは効果にはつながりません。
Instagramならではの特性を理解し、適切に活用していくことが重要です。
① 自社アカウントのプロフィールの充実化
インスタグラムマーケティングの効果を高めるためには、より多くのフォロワーを獲得していく必要があります。
ユーザーが自社のフォロワーになるためには、アカウントのプロフィール欄から登録していきます。
そのため、プロフィールを充実させ、訪れたユーザーがフォロワーになりたいという気持ちにさせる必要があります。
会社名など必要な情報はもとより、どのような商品を扱っているのか、特徴や強みなどを分かりやすく明記しておくと効果的です。
② 画像や動画のクリエイティブにこだわる
画像や動画によってコミュニケーションを取るInstagramでは、そのクリエイティブがマーケティング効果に影響してきます。
どれだけ他社にはない強みがあったとしても、それが適切にユーザーに伝わらなければ効果にはつながりません。
画像や動画は、テキストよりも多くの情報をユーザーに届けることが可能です。
そのため、構成やデザインだけでなく、キャッチコピーなどにもこだわりながら訴求していくと効果的です。
また、投稿内容には一貫性を持たせることも重要です。
統一感のない投稿内容では、ターゲットがブレてしまいユーザーの離脱につながる可能性も高まります。
取り扱う商材によってターゲットが大幅に異なるのであれば、それぞれアカウントを分けて展開することも検討していくと効果的です。
③ ハッシュタグを意識する
Instagramで拡散を促すためには、ハッシュタグが重要な意味を持ちます。
ハッシュタグによって情報を収集するユーザーも多く存在するため、投稿内容と合わせハッシュタグにもこだわると効果的です。
「#ファッション」や「#コスメ」など、あまり広めのキーワードによるハッシュタグは、競合性も高く埋もれてしまう可能性も高まります。
ユーザーニーズや競合他社の投稿内容なども参考に、自社の目的やターゲット、商材などにマッチしたハッシュタグを設定することが重要です。
インスタグラムマーケティングの成功事例
最後に、他社によるインスタグラムマーケティングの成功事例について紹介していきます。
以下の企業は、Instagramを効果的に活用することで、マーケティングを成功に導いています。
① ユニクロ
画像引用:ユニクロ公式 (@uniqlo_jp) • Instagram photos and videos
アパレル大手の株式会社ユニクロは、インスタグラムマーケティングによって売上増加につなげています。
投稿内容では季節ごとのコーディネートや着心地を訴求し、ショッピング機能によって自社サイトに遷移させ、コンバージョン獲得につなげています。
また、女性向けコーデやキッズ向けなど、同じアパレルであってもターゲットに特化したアカウントを用意することで差別化を図り、マーケティング効果を高めています。
② スターバックス
画像引用:スターバックス公式 (@starbucks_j) • Instagram photos and videos
コーヒーチェーン大手のスターバックスも、インスタグラムマーケティングを活用しています。
主に新商品の紹介を画像や動画をもとに投稿しており、「#スタバ新作」などのハッシュタグでは多くの拡散につなげています。
また、「バリスタによるコーヒーの選び方」などのLIVE配信イベントも定期的に実施しており、ユーザーとのコミュニケーションを図るとともにフォロワー獲得につなげています。
③ ダイソー
画像引用:ダイソー公式アカウント (@daiso_official) • Instagram photos and videos
100円ショップ大手のダイソーも、インスタグラムマーケティングを活用して認知度拡大につなげています。
ダイソーでは投稿内容にこだわり、「バイヤー一押し商品」や「おすすめ節電グッズ3選」など、ユーザーの興味を惹くタイトルによってフォロワー獲得につなげています。
このような投稿は、ユーザーの購買意欲を促し、結果的に来店促進や売上増加につながっています。
まとめ
Instagramは、20代から30代の女性を中心に多くのユーザーで活用されています。
また、画像や動画によって訴求することができるため、近年では企業が自社のアカウントを開設し、マーケティングとして活用するケースも増えています。
とはいえ、このようなインスタグラムマーケティングを成功に導くためには、目的やターゲットをふまえ戦略的に運用していくことが求められます。
Instagramには、ストーリーズやリール、ショッピング機能など様々な機能が用意されています。
今回紹介した内容も参考に、Instagramを効果的に自社のマーケティングに活用していきましょう。