近年のSNSの浸透に伴い、SNSをマーケティングや広告プロモーションとして活用する企業が増加傾向にあります。
SNSと一口に言ってもその種類は多岐に渡り、それぞれのSNSによって展開できる施策やメニューが異なり、集まるユーザーの属性も千差万別です。
今回は、SNSマーケティングにおける概要をはじめ、他社による成功事例から効果に繋げるコツなどについて、ポイントを中心に紹介していきます。
SNSマーケティングとは?
そもそもSNSマーケティングとは、各種SNSを活用したマーケティング施策のことを指します。代表的なSNSでは、FacebookやInstagram、Twitter、LINE、YouTube、TikTokなどが挙げられます。
これらのSNSは、それぞれ利用できる機能や特徴が異なり、それに伴って活用しているユーザーの属性なども変わります。
SNSは基本的にユーザーが日々の情報を投稿し、ユーザー間で共有し合う目的で利用していますが、ビジネスとして活用することも可能です。
企業が公式アカウントとして運用することもできるため、自社の商材やサービスを訴求したり、認知度拡大、売上増加に繋げることも期待できます。
SNSマーケティングの注目度が増している理由は?
SNSマーケティングへの注目度はなぜこんなにも注目されているのでしょうか。その理由として挙げられるのが、「SNSの普及」これ以外にありません。引用:「令和4年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」|総務省
どの世代も日常的にSNSを使用する時代になっており、マーケティングにおいては無視できない存在となっています。
特にYouTubeとLINEは10代~60代まで、男女問わずよく使用されているSNSです。画像参考:SNSで目にした商品、半数が購入に至る「SNSの利用実態に関する調査」|AMP
また、商品の購入を検討する際に、SNSの情報を参考にしている人が多いことも見逃せません。
SNS経由で興味を持った人の約半数が、興味を持ったものを購入すると答えています。
普及率が高く、かつ購買に直接的に影響を与えるSNSはマーケティングにおいて重要なものであると言えます。
SNSマーケティングの特徴
続いて、SNSマーケティングの特徴について紹介していきます。
SNSマーケティングは、目的や戦略によって期待できる効果も異なりますが、基本的に実施することで以下のような特徴が挙げられます。
①認知度拡大やブランディング効果
SNSマーケティングは、自社の商材やサービスにおける認知度向上やブランディング効果が期待できます。
投稿した内容はSNSの媒体問わずユーザーに広まり、いいね!やシェア、コメント、リツイートなどによって拡散されていきます。
特に、ハッシュタグと呼ばれる機能によって、関連した情報がすぐに共有できるため、ユーザーにとって魅力的な投稿や、興味を惹く内容であれば一気に拡散し、大きな認知度向上に繋がる可能性も高まります。
②情報伝達・共有の速さ
SNSは、日々の生活に無くてはならないほど浸透しており、一日に複数回アクセスするユーザーも少なくありません。
このように、日々目にするSNS媒体において投稿を行えば、ユーザーの目にふれる機会も増え、必要な情報を適切に訴求していくことができます。
キャンペーンや割引情報など期間限定のコンテンツは、ホームページに記載しても、ユーザーの目にふれる機会は少なくなります。
しかし、SNSにてあらかじめ自社のアカウントをフォローした状態であれば、投稿するだけですぐにユーザーに情報を届けることも可能です。
③コミュニケーションツールとしての活用
SNSは、企業とユーザーがコミュニケーションを取るツールとして活用することも可能です。
先ほどふれたように、一度繋がれば定期的に情報を発信しやり取りを行うことができます。
また、投稿内容に対してユーザーからいいね!やシェア、コメントがされれば、どういった内容に興味があり、どう改善する必要があるかといった課題解決に繋げることも可能になります。
日々SNSを通してコミュニケーションしていく中で、ファン化できれば、その後の売上増加や利益拡大にも効果が期待できるでしょう。
各種SNSのマーケティング成功事例
続いて、他社によるSNSマーケティングの成功事例について紹介していきます。
InstagramのSNSマーケティング事例
まず、Instagramにおける成功事例です。
Instagramは、写真や動画をもとに投稿・共有するSNSで、主に20代から30代の女性を中心に多くのユーザーが活用しています。
ファッションや料理レシピなど視覚的にも伝わりやすい投稿が多い傾向にあります。
また、ショッピング機能も搭載されているため、EC通販など直接売り上げに繋げる導線として活用する企業も増加傾向にあります。
①青山商事株式会社
画像引用:aoyama_girls – 洋服の青山【ガールズアカウント】|Instagram
「洋服の青山」に代表されるように、主にスーツをメインに製造・販売している青山商事株式会社は、Instagramを活用して若年層の女性をターゲットとしたマーケティングを実施しています。
洋服の青山【ガールズアカウント】というアカウントでは、主に女子高生に向けたコンテンツを発信しており、「ジャージに合う髪型」や「夏の制服コーデ」などスーツに限らず女子高生受けする情報を提供しています。
Instagramの特性を活かし、写真素材にもこだわることで、多くのフォロワー獲得に繋げています。
中長期的な視点でユーザーをファン化させることで、就活時のスーツ販売に繋げ、売上増加を図る戦略として大きな成功に至っています。
②KENZO
画像引用:KENZO (@kenzo) • Instagram photos and videos|Instagram
ファッションブランドとして老舗のKENZOも、独自の世界観とセンスによる画像や動画をInstagram上で投稿することで、ユーザーの興味を誘い、220万人以上のフォロワーを獲得しています。
また、Instagramのショッピング機能も活用し、Instagramから直接自社のECサイトへユーザーを遷移させ、購入に繋げることで売上も増加させることに成功しています。
モデルを活用したスタイリッシュな画像は、ファッション雑誌を読んでいるような感覚にさせ、より購買意欲を駆り立てます。
TwitterのSNSマーケティング事例
次に、TwitterにおけるSNSマーケティングの成功事例について紹介していきます。
Twitterは、140文字という短い文章で投稿できるSNSとなり、主に10代から20代の若年層を中心に日々の生活に関する情報発信・共有が行われています。
いいね!やハッシュタグといったSNS全般の機能は搭載していますが、Twitterの場合ではリツイートという投稿内容を共有する機能が特徴的です。
このリツイートは拡散性が高く、投稿内容が興味を惹けば、一気に多くのユーザーにリーチされる可能性も高まります。
①シャープ株式会社
画像引用:SHARP シャープ株式会社|X
自社のSNS投稿は自社の宣伝に特化したものにしがちですが、シャープの場合には他社の紹介や自虐的な投稿も行い、大きな反響に繋がっています。
大手企業であれば投稿を控えるような内容も、むしろ積極的に実施している姿からファンも増え、フォロワー数は83万人以上にもなります。
このような投稿は、ネタとしてユーザーの興味を惹き、リツイートされることで認知度拡大やブランディング効果にも繋がるだけでなく、度々ネットニュースになるほど集客効果にも寄与しています。
②株式会社ローソン
画像引用:ローソン|X
ローソンでは近年販売された「バスチー」というスイーツのプロモーションとしてTwitterを活用しました。
バスチーは、商品設計からSNSを意識し、いいね!やリツイートされやすいパッケージを採用、発売時にはTwitter上で商品画像とともにキャンペーンを組み合わせて展開しました。
結果、多くのシェアやリツイートなどによって認知拡大だけでなく、発売から4ヵ月ほどで1,900万個の売上を達成しました。
FacebookのSNSマーケティング事例
次に、FacebookのSNSマーケティングにおける成功事例について紹介していきます。
Facebookは、他のSNSと異なり実名制であるため、投稿する情報や内容などにおいて信頼性や信ぴょう性が高い傾向にあります。
また、30代から40代くらいのユーザーが多く、比較的固めの傾向があることから、ビジネスに活用するケースも多くあります。
企業として展開するためには、Instagramと同じくビジネスプロフィールというアカウントを開設する必要があります。
①ハーゲンダッツジャパン株式会社
画像引用:ハーゲンダッツ Häagen-Dazs|Facebook
アイスクリームの開発・販売大手のハーゲンダッツジャパン株式会社は、Facebookを活用したプロモーションを実施し、認知度拡大に繋げました。
Facebook以外にもInstagramやTwitter、LINEなども同時に展開し、各SNS媒体によって戦略を変えながらSNSマーケティングとして運用していきました。
Facebookでは、実名制で信頼性が高い点をふまえ、企業としてオフィシャルな情報を提供するコンテンツとして活用し、他のSNS媒体と差別化を図ることで、認知度拡大・ブランディング効果を高めていった結果、多くのユーザーからのフォロー獲得に繋がりました。
②ドミノ・ピザ
画像引用:ドミノ・ピザ|Facebook
ピザ販売チェーン大手のドミノ・ピザは、画像や動画を共有できる点に着目しました。
ピザの製造シーンをコンテンツとして投稿していくことで、ユーザーに対して視覚的に訴え、売上増加に繋げていきました。
また、投稿のタイミングにもこだわり、夕食準備にかかる時間帯などに投稿することで、「今日の夕飯はピザにしよう」というニーズを引き出し、集客増加とともに売上に繋げていきました。
YouTubeのSNSマーケティング事例
続いて、YouTubeのSNSマーケティングにおける成功事例について紹介していきます。
YouTubeは動画による投稿や共有に特化したSNSです。
テキストや画像では伝えきれない情報量であっても、動画であれば数分の中で訴求することが可能です。
視覚や聴覚に訴えることで、よりインパクトの高い訴求を行うことができます。
近年では、より短くまとめられたショート動画も若年層を中心に人気が高く、ビジネスとしても専用チャンネルを開設して運用する企業も増加傾向にあります。
①Indeed Japan株式会社
求人情報をまとめた検索エンジンを提供するIndeed Japan株式会社は、漫画・アニメの「ワンピース」とコラボしたテレビCMを配信し、そのメイキングなども合わせた動画をYouTube上にも配信したところ、大きな反響に繋がりました。
テレビCM制作時からターゲットを意識した戦略を取っていましたが、横展開として興味を持ったユーザーにより深掘りさせる施策としてYouTubeを活用しました。
この動画は、テレビCMにあわせ複数本シリーズ化されていますが、一番多い再生回数では730万回再生を超すものもあります。
SNSマーケティングを効果に繋げるコツ
最後に、SNSマーケティングを成功に繋げるためのコツについても紹介していきます。以下の点を押さえておくと効果に繋がる可能性が高まります。
①目的やターゲットの明確化
SNSマーケティングに限らず、目的やターゲットの明確化は重要です。
ターゲットが明確化されれば、訴求するべきコンテンツも明確にしやすくなります。
これは、SNSマーケティングで展開する媒体選定にも影響してきます。
若年層を中心に動画で訴求した方が響きやすいのであれば、YouTubeが効果的かもしれませんし、信ぴょう性のあるコンテンツを訴求したいのであればFacebookの方が有効かもしれません。
②ユーザーに響くコンテンツを作成
どれだけ魅力的だと思っても、ユーザーに響かなければフォローやイイね、リツイートなどは起こりません。
SNSマーケティングには目的やターゲットの明確化と同じように、コンセプトを固めておく必要があります。
このコンセプトの根幹には、ユーザーに響くコンテンツであることを突き詰めると効果的です。
ユーザーが興味を持つためには、事前に何に悩んでいるのか、不安や悩み、要望といったニーズを探るとともに、それを解決する情報を提供していくことが重要です。
好感を抱いてもらい、且つユーザーがその情報を有益だと判断し、共有したくなるようなコンテンツを作成していくと効果的です。
まとめ
SNSマーケティングを成功に導くためには、まず他社の事例を見ることが重要です。
自社の目的をふまえ、他社事例を参考にすることで、成功に繋がるヒントを導き出すことも可能になります。
今回紹介した内容も参考に、成功に繋がるSNSマーケティングを目指していきましょう。