広告運用に携わるみなさんは、Cookieやトラッキングという言葉を聞いたことがあると思います。しかし、周りの話を止めない程度には分かっているけど、説明を求められると難しい…という方も意外と多いと思います。
今回は、今一度Cookieとトラッキングの意味や仕組みについておさらいして、チームの仲間や後輩に意味を聞かれたとき、淀みなく答えられるようにしましょう!
1.Cookieとは?
2.Cookieが利用される場面
2-1.ECの場合
2-2.フォーム画面の場合
3.Cookieは2種類ある
3-1.1st Party Cookie
3-2.3rd Party Cookie
4.トラッキングとは?
5.Cookie、トラッキングのデメリット
6.まとめ
1.Cookieとは?
今回解説するCookieは、当然ながらお菓子ではありません。笑
Cookieとは、Webサイトの閲覧時にWebサーバからの支持により閲覧履歴の記録としてIDが発行され、それらがブラウザに保存されます。
再度そのサイトに訪問する際、そのCookieの情報をWebサーバに送信し、Webサーバ側でその情報を照合し、その固有のブラウザからのアクセスであることを識別します。
この通信で取り扱う情報はアクセスに関するもののみであり、ユーザーの行動そのものや、ユーザー自身の個人的なデータは保存されません。
2.Cookieが利用される場面
具体的にCookieが利用される場面の代表例を2つ紹介します。
2-1.ECサイトの場合
たとえば、Amazonや楽天で買い物をする時に、欲しいものがあったらカートに入れます。ブラウザを閉じてから再度そのサイトを見たときに、カートに入れた商品がまだカート内に表示されている経験はみなさんもありますよね?この現象はCookieによって実現しているのです。
もしCookie情報を保存しないよう設定しているデバイスなら、買い物中に間違えてブラウザを閉じてしまったとき、再度サイトを開いてもカートは空っぽのまま…。これでは買う気が失せてしまうこと間違いなしです。
ユーザーがサイトを訪問したときにCookie情報がブラウザに対して付与されます。すると、同じく訪れた時に前回の情報を呼び出して表示してくれるのです。
サイト運営側としても離脱防止策となり、便利な機能です。
2-2.フォーム画面の場合
会員登録フォームへの入力作業中、メールアドレスを入力しようと思ったら、既に候補に自分のアドレスが。そんな場面に遭遇したことはなかったでしょうか?
実はこれもCookieを利用した機能の1つです。フォーム画面で過去に入力した情報を一時的に保存して、次の訪問時にそれらを呼び出すことができます。すると2度目、3度目の入力が容易になるので、ユーザーとしても楽ですし、離脱のリスクも軽減できます。
このように、インターネット生活が便利になるようにCookieが活躍しています。
3.Cookieは2種類ある
何かと便利なCookieですが、ややこしいことにCookieは以下の2種類が存在します。
- 1st Party Cookie
- 3rd Party Cookie
続いては、この2種類の特徴を説明します。
3-1.1st Party Cookie
この2つのドメインの大きな違いは、発行元にあります。
1st Party Cookieは、訪問中のサイトのドメインから提供されるCookieです。
基本的に1st Party Cookieはクロスブラウザでの計測ができないため、例えば1度目の訪問がGoogle Chromeだとしたら、次の訪問がSafari経由だった場合、Chromeの情報は呼び出されません。
3-2.3rd Party Cookie
3rd Party Cookieは、広告媒体側のドメインから提供されるCookieのことを言います。
Webサイト自体のサーバーとは別に、たとえばサイトが広告枠を持つ場合、それらの通信はアドサーバーによって行われており、そのサーバーが発行するのが3rd Party Cookieです。
広告のリターゲティングやコンバージョン計測が目的として使われることが多く、非常に重要な役割を果たしておりましたが、ユーザーからすると、勝手にCookieが付与され、情報を吸い出されるため、個人情報保護の観点から問題となっています。
3rd Party Cookieは1つのブラウザに限定したものでないため、クロスブラウザでの計測も可能でしたが、たとえばChromeに保存されたCookieを別ブラウザであるSafariが読むということはできません。1st Party Cookieでも同じです。
ただし、異なるブラウザであっても、同じGoogle アカウントのユーザーがログインしている場合に、アクティビティをリンクするようではあります。あくまでも一方のブラウザが他のブラウザのCookieを読むということではありません。
Googleは、AID、DSID、TAIDというCookieも使用しています。これらのCookieは、ユーザーが別のデバイスで Googleアカウントにログイン済みの場合に、デバイス間でユーザーのアクティビティをリンクするために使うものです。
GoogleはこのようにCookieを利用して、各デバイスでユーザーに表示される広告を調整したり、コンバージョン イベントを測定したりします。こうした Cookie は、google.com/ads、google.com/ads/measurement、googleadservices.comのいずれかのドメインに設定されます。
参考:Google による Cookie の利用方法 – Google ポリシーと規約
4.トラッキングとは?
Cookieの概要を説明したところで、次はトラッキングについて説明していきます。
トラッキングとは、ユーザーのサイト閲覧情報を収集して分析することを指します。
トラッキングとは、特定のユーザーが、サイト内でどこを閲覧しているのかを追跡、分析することである。どこから来た人が(インターネット広告や検索エンジン)、どのようなページを見て(製品紹介・事例)、コンバージョン(資料請求・商品購入)に結びつくのかを追跡する。またコンバーションしなかった場合も、サイト内のどこに問題があったのか分析する事ができる。どの広告から来た人がコンバージョンに結びつきやすく、コンバージョンに至らない人はどのページで離脱しているのかを調べる事は、新聞広告やチラシ・テレビCMなどの従来の広告では、知る事の出来なかった消費者行動データであるため重要である。施策ごとのデータを分析する事で、施策ごとの費用対効果を明らかにし、施策の最適化を進める事ができる。
デジタルマーケティングにおいて、トラッキングは成果を計測するために不可欠です。そして、そのトラッキングに参照される情報こそがCookieなのです。
5.Cookie、トラッキングのデメリット
ここまで良いこと尽くしなCookie。デメリットは存在しないのでしょうか。実はデメリットとして、ITPによる広告の機会損失が挙げられます。
ITPを初めて聞いたという方は、下記のITPについての記事を参照ください。
参考:【図解】3分で分かるITP2.3|広告マーケ担当者が知っておきたいこと
Cookieを用いた広告施策であるリターゲティングは、ディスプレイ広告の中でも反響率が良く、非常に便利です。しかし受け手の目線に立つと、「しつこい」「同じ広告ばかり出てきて怖い」と感じることはないでしょうか。
実際、Googleトレンドで検索してみると…
インターネット広告の市場が大きくなる一方で、過度な広告表示に辟易しているユーザーも増えています。
そして、この現状を受けてのApple社のITP施行とも言えるでしょう。ITPは定期的にアップデートが行われています。Infinity-Agent Labでは、今後も最新のITP対策情報を随時更新していきますので、是非チェックしてください。
6.まとめ
いかがでしたか?
今回はCookieとトラッキングについて解説しました。インターネット広告界隈には、何となく理解しているつもりでも説明するには難しい用語が溢れています。
そして近年ITPの脅威により、「Cookie」についての知ったフリも難しくなりました。本記事がみなさんのお役に立てたなら幸いです。
また、「Cookieはもう分かったけど、インターネット広告自体に課題を感じているよ」という方はお気軽にお問い合わせください!