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【2023年最新】アトリビューションモデルとは?重要性や種類を徹底解説!

更新日:2023年07月10日

【2023年最新】アトリビューションモデルとは?重要性や種類を徹底解説!

インターネット回線の発展やスマートフォンの普及、SNSの浸透などにより、ホームページを中心としたマーケティング・プロモーションを考える上で、コンバージョン経路は多様化、複雑化しつつあります。アクセス解析やコンバージョン分析を行うことは、自社の商材やサービスの売上増加、利益拡大を図る上で欠かせません。

そのためには、多様化・複雑化するコンバージョン経路を正しく理解し、分析していく必要があります。このような現代におけるコンバージョン経路を分析する上で、重要な考え方がアトリビューションです。

とはいえ、「アトリビューションって何?」「コンバージョン前の消費者行動を見るだけではないの?」などと悩まれる担当者も少なくありません。

そこで今回は、アトリビューションの概要から、その重要性、代表的なモデルや成功事例などについて、ポイントを中心に紹介していきます

なお、Google広告のアップデートによりサポートが終了されるアトリビューションモデルなどもあるので、しっかりと把握していきましょう。

アトリビューションとは?

そもそもアトリビューションとは、プロモーション施策における目標・目的であるコンバージョンへの貢献度を分析するマーケティング要素のことを指します。帰属という意味もあり、Web広告などでコンバージョンに至った経路や要因を数値化した指標でもあります。

このアトリビューションを計測し、コンバージョンへの貢献度を分析することはアトリビューション分析とも呼ばれています。

アトリビューション分析とは?

アトリビューション分析は、単に直接コンバージョンにつながる接点を評価するのではなく、コンバージョンに至った経路を相対的に分析することです。

スマートフォンの普及やSNSの浸透などにより、ユーザーが最終的にコンバージョンに至ったのはどういった経路が寄与しているのか分析することは難しくなってきています。

従来であれば、コンバージョンに至った直前のページや申し込みフォームの離脱状況などを注視していればよかったものの、直接的な要因の分析や改善策につなげる上では、より詳細な経路分析が重要になってきます。

アトリビューション分析は、Web広告の解析・分析から、SNS、SEOに至るまで、多くのマーケティング・プロモーション施策において活用することが可能です。正しくコンバージョン経路を分析することで、その後のWeb広告やプロモーション施策にもつなげやすくなるため、多くの企業が自社の分析に取り入れています。


アトリビューションの重要性とは?

先程もふれたスマートフォンの普及やSNSの浸透などにより、近年ではユーザー行動の多様化が進んでいます。

インターネット上のマーケティング概念においては、古くはAIDMA(注意→興味→欲求→記憶→購入)と言われていましたが、その後にAISAS(注意→興味関心→検索・情報収集→購入→共有)、AISCEAS(注意→興味関心→検索・情報収集→比較→検討→購入→共有)と移り変わり、現在ではAIDCAS(注意→興味関心→欲求→確信→購入→満足)などとも言われています。

ユーザー心理や行動をふまえた上で、従来通りのコンバージョン直前の接点だけを重要視することは間違った分析結果につながりかねません。現在では間接的にコンバージョンに寄与(貢献)している接点も多くあるため、コンバージョンに至った経路を客観的に広く分析することが求められています。

そのような背景から、2023年の7月からは一部のルールベースのアトリビューションモデルのサポートが終了されるとの発表がありました。

サポートが終了されるアトリビューションモデルは下記になります。

・ファーストクリック
・線形
・減衰
・設定ベース

今後活用されるアトリビューションモデルとしては、データドリブンアトリビューションモデルと、任意で設定できるラストクリックモデルです。

アトリビューションのモデルの種類

続いて、アトリビューションの種類について紹介していきます。アトリビューション分析は、マーケティング・プロモーション施策に応じてコンバージョンに至った貢献度合いをどのように分析するかによって、大きく以下の3つに成果配分モデルが分かれます。

今回は2023年にサポートが終了するアトリビューションモデルもあわせて解説していきます。

ファーストクリック:2023年7月サポート終了

ファーストクリック型とは、ユーザーがコンバージョンに至る上で最初に接点を持った広告の貢献度合いを指標とする成果配分モデルです。

認知→興味関心→購入と大きく3つにユーザー行動を分類した場合、購入に至る直前の興味関心が終点モデルとなり、ファーストクリックは認知を促進した効果として分析することができます。

アトリビューションの観点から言えば、コンバージョンからは最も離れたユーザーとの接点となりますが、このファーストクリック型を貢献度合いとして評価しなければ、その後のコンバージョン増加も起こり得ません。ファーストクリックでは、主に純広告や動画広告のように自社の商材やサービスにおける認知拡大を狙った施策の分析に効果的です。

なお、このモデルは2023年7月以降は使用できなくなります。

線形モデル:2023年7月サポート終了

線形モデルとは、ユーザーがコンバージョンに至るまでに接点を持った広告に対し、全て均一に貢献度合いを評価する成果配分モデルです。

均等配分モデルとも呼ばれています。ユーザー行動の多様化に伴い、複雑なユーザー心理を分析することは至難の業です。例えは、SEOにおいて「〇〇 費用」と「〇〇 比較」のどちらをユーザーが先に検索するかは分かりません。

このような場合には、一定量のまとまった数値・データが必要にはなりますが、貢献度合いを均等に評価し、客観的にどちらが貢献につながったのかを分析すると効果的です。

なお、このモデルも2023年7月以降は使用できなくなります。

減衰モデル:2023年7月サポート終了

減衰モデルでは、コンバージョンまでの時間が寄り近い広告アクションにより多くの貢献度を割り当てます。

ラストクリックに近いですが、その他の経路を加味してそれぞれ評価するところが少々異なっている点といえるでしょう。

なお、このモデルも2023年7月以降は使用できなくなります。

接点ベース:2023年7月サポート終了

接点ベースモデルでは、コンバージョン経路の最初と最後の両方の広告アクションに40%、それ以外の広告アクションに残りの20%を均等に割り当てするモデルです。

コンバージョンに繋がったアクションの初回経路と、コンバージョンに繋がった直接のアクションの重要度が同じくらいであるという考え方です。

なお、このモデルも2023年7月以降は使用できなくなります。

ラストクリック

ラストクリック型とは、コンバージョンに至った直前にユーザーがラストクリックした広告の貢献度合いを指標とする成果配分モデルです。

比較的費用対効果をあわせやすくリスティング広告をはじめWeb広告ではデフォルトでコンバージョントラッキングの際に設定が用意されており、多くの企業が自社のコンバージョン計測やアクセス解析を行う上で指標にしているモデルとなります。

また、2023年7月以降も任意で設定すれば活用することが可能です。

データドリブン:今後のデフォルト

今後のデフォルトはこのデータドリブンアトリビューションというものになります。

データドリブンアトリビューションとは、コンバージョンに至るまでにクリックされたキーワード、その属する広告グループやキャンペーンを、過程に応じて貢献度を割り振るモデルです。
コンバージョンに至った経路と至らなかった経路のすべてを把握して貢献度を割り当てします。

このコンバージョンに至った、至らなかったに関係なく情報を収集するため、データが多くなるにつれて貢献度は変化し、変化する情報を加味して入札に最適化をかけることができます。

アトリビューションを活用した成功事例

最後に、アトリビューション分析を行い成功した事例をいくつか紹介していきます。アトリビューション分析は、先ほどの代表的な成果配分モデルを含め自社の商材やサービスの特性、マーケティング・プロモーション施策などに応じて使い分ける必要があります。

その上で、以下は他社がアトリビューション分析をもとに効果につなげた一例になります。

①求人メディアにおける事例

アルバイトを中心に求人情報を紹介するメディアを運営している会社では、動画配信による広告施策を行い、そのコンバージョン状況を分析する上でアトリビューションを活用しました。その結果、広告動画を視聴したユーザーの方が、視聴していないユーザー以上にその後のリスティング広告経由のコンバージョン率が高い(動画広告はコンバージョンに貢献している)ことが分かりました。

②ECサイトにおける事例

コスメ系のECサイトを運営する会社では、ECサイトとは別にSEOを活用し集客目的で情報サイトを運営していました。ところが、この情報サイトのPV数は増加しつつあるものの、ECサイトへの送客は上手くいかずコンバージョンにつながっていない悩みがありました。

そこで、アトリビューションを活用して分析した結果、情報サイトに訪れたユーザーは、その後別のECサイトに遷移しコンバージョンにつながっていることが分かりました。情報サイト自体は集客というコンバージョンには寄与していることが分かり、導線設計を見直すことで売上増加につなげることができました。

③通信教育系サービスにおける事例

通信教育の会員増加を図る会社では、マーケティング・プロモーション施策全体の傾向を分析するためにアトリビューションを活用しました。単にラストクリックだけを評価するのではなく、広告自体のPV数なども貢献度合いに含め分析したところ、バナー広告による訴求によって潜在層のユーザーに広くアプローチすることができ、結果としてコンバージョンに寄与していることが分かりました。

その結果、リスティング広告だけでなくバナー広告もコンバージョンに間接的に効果があるとして、プロモーション施策を見直し効果につなげた結果となりました。

6.まとめ

アトリビューションは、コンバージョンに寄与した貢献度合いを多角的に分析するマーケティング手法のことを指します。

多様化するユーザー行動の中において、単にラストクリックだけを効果指標の一つにするだけでは、効果につながるプロモーション施策にはなりません。ユーザーがコンバージョンに至るまでに複数回アクセスしたり、検討期間が長い商材やサービスを取扱う場合には、アトリビューション分析を行うことで費用対効果を高めることにもつながります。

今回紹介した内容も参考に、コンバージョン経路を適切に分析し、効果につながるマーケティング・プロモーション施策にしていきましょう。

この記事を書いた人

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