
本記事では、
ディスプレイ広告の中でもYahoo!のプロダクトである、
YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)の配信可能なターゲティングメニューについて
概要を説明していきます。
Googleのディスプレイ広告と同じターゲティングがほとんどですが、
YDA特有のターゲティングもあるので、
しっかりと違いを掴んでおきましょう。
まずはディスプレイ広告とは何か、
GDNとの違いなど基本事項を簡単におさらいしていきましょう!
1. ディスプレイ広告とは?

リスティング広告の中でも、
大きく検索連動型広告とディスプレイ広告に分かれます。
検索連動型広告は、
検索キーワードに連動してGoogleやYahoo!などの検索結果画面に掲載される
テキスト(文字だけ)の広告です。
それに対しディスプレイ広告は、
サイトやアプリなど様々な配信枠に掲載され、
広告形態はテキストに限らず画像や動画など
様々な広告フォーマットを使用できます。
2. YDAとGDNの違いは?
ディスプレイ広告と言えば、
YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)と
GoogleのGDN(Googleディスプレイネットワーク)が代表的でしょう。
それではYDAとGDNの違いについて、
下記の3つの観点から簡単に解説していきます。
- 配信面
- 広告フォーマット
- 配信メニュー(ターゲティング)
2-1. 配信面の違い
以下のように、
YDAとGDNでは配信面について特徴が異なります。
| 配信面 | YDA | GDN |
| 配信面の特徴 | Yahoo!ポータルサイトが中心 その他、法人の提携サイト |
GメールやYouTubeに配信可能 個人ブログなども対象となり 配信面は無数 |
| 提携サイトの数 | 少ない | 多い |
| 主な提携サイト(配信面) | アメブロ・知恵袋・ クックパッド・ニコニコ動画 ・朝日新聞デジタル…etc |
ライブドアブログ・教えてgoo・ 食べログ・ピクシブ・YouTube…etc |
YDAの方が提携サイトの数が少ないものの、
自社のYahoo!ポータルサイトを中心に、法人の提携サイトが配信先となるため、
比較的信頼性の高いサイトへ広告を出稿することができます。
2-2. 広告フォーマットの違い
ディスプレイ広告にて使用可能なフォーマットは、
以下のようになっています。
| 広告フォーマット | 説明 | YDA | GDN |
| バナー広告 | 画像や動画のみの広告 | 〇 | 〇 |
| テキスト広告 | 文字のみの広告 | 〇 | 〇 |
| レスポンシブ広告 | 配信枠に合わせてサイズ等が変化 (文字のみ/画像+文字) |
〇 | 〇 |
| インフィード広告 | 記事と記事の間に掲載されるネイティブ広告 | 〇 | × |
| メール広告 | メール受信箱に配信される広告 | × | 〇 |
YDAでは、
Yahoo!トップページの上部に掲載できるブランドパネル枠や、
Yahoo!ニュースなど記事と記事の間に溶け込むインフィード枠に
配信可能な点が強みと言えます。
■ ブランドパネル広告

※参考:PCブランドパネル(静止画・動画)について| Yahoo!広告ヘルプ
■ インフィード広告

※画像引用(出典:インフィード広告とは? 基本と費用、効果を出すポイントを解説|LINEヤフー for Business)
2-3. 配信メニュー(ターゲティング)の違い
以下より、配信可能なターゲティングの違いについて、
ユーザー属性、ユーザー行動、配信面に分けて説明していきます。
■ ユーザー属性
| ユーザー属性を ターゲティング (人) |
詳細 | YDA | GDN |
| 年代・性別 | 年代、性別毎に入札調整やターゲティング することができる。 |
◯ | ◯ |
| 地域 | 地域別(市区町村まで可)に入札調整やターゲティング することができる。 |
◯ | ◯ |
| 時間・曜日 | 時間・曜日別に入札調整やターゲティングすることが できる。 |
◯ | ◯ |
| デバイス | 配信するデバイス(スマホ・PC・タブレット等)を 入札調整やターゲティングすることが出来る。 |
◯ | ◯ |
| 子供あり・なし | 子供がいる(いない)ユーザーに入札調整や ターゲティングすることができる。 |
◯ | ◯ |
| 年収 | ユーザーの年収層に合わせて入札の調整や ターゲティングをすることが出来る。 |
◯ | ◯ |
| 家族構成 | 子供だけでなく親、祖父母、孫の有無を指定出来る。 (YDAのみ) |
◯ | ✕ |
| 学歴 | 最終学歴(大学、専門、大学院など)を指定できる。 (YDAのみ) |
◯ | ✕ |
| 仕事 | 仕事の中でも職業単位で指定できる。(YDAのみ) | ◯ | ✕ |
| ライフイベント | 大学卒業や就業状況、結婚・出産状況、引っ越し状況 などのライフイベントを指定出来る。 |
◯ | ◯ |
■ ユーザー行動
| ユーザー行動を ターゲティング (人) |
詳細 | YDA | GDN |
| フリークエンシー キャップ |
広告の接触頻度を調整できる。(一人当たりの配信数) | ◯ | ◯ |
| リマーケティング | サイトに一度訪れたユーザーをターゲティング。 | ◯ | ◯ |
| 類似ターゲティング | 特定の類似ユーザーをターゲティング。 (例:CVユーザーの類似、サイト訪問者の類似) |
◯ | ◯ |
| アフィニティ カテゴリ |
特定のもの(商材)に興味関心を抱くユーザーに 配信を行う。(認知向け) |
◯ | ◯ |
| カスタム オーディエンス |
特定のキーワードやURLに基づき購買意欲の高い ユーザーに配信を行う。(獲得向け) |
◯ | ◯ |
| 高度なセグメント | キーワード、URL等を指定し関連性の高いユーザーや その類似ユーザーに配信。(YDAのみ) |
◯ | ✕ |
■ 配信面
| 配信面を ターゲティング (場所) |
詳細 | YDA | GDN |
| プレイスメント | 配信サイトをURL単位で指定することができる。 | ◯ | ◯ |
| トピック | 配信サイトをトピック単位で指定することができる。 | ◯ | ◯ |
| コンテンツ | 配信サイトをコンテンツ(キーワード)単位で 指定することができる。 |
◯ | ◯ |
上記のように、
YDA、GDNともに多彩な配信メニューが存在します。
複数のターゲティングを組み合わせて、
より確度の高いユーザーに配信することもポイントです。
3. YDA特有のターゲティングメニューについて
ここではYDAの代表的なターゲティングについて、
「高度なセグメント」と「オーディエンスカテゴリ」を順に説明していきます。
3-1. 高度なセグメントとは?
2025年7月をもって、
従来の「サーチターゲティング」は提供を終了し、
「オーディエンスリストターゲティング」内の「高度なセグメント」
という機能に移行・統合されました。

※画像引用(出典:高度なセグメントで実現する進化版のサーチキーワードターゲティングとは?|LINEヤフーfor Business)
「高度なセグメント」とは、
特定のキーワードやWebサイト(URL)などを指定して
独自のオーディエンスリストを作成し、ターゲティングを行う機能です。
この機能は、
従来のサーチターゲティングからいくつかの点が変更されました。
主な変更点の一つは、
配信対象が拡張されたことです。
従来は指定したキーワードを過去に検索したユーザーが主な対象でした。
それに対し「高度なセグメント」では、
指定したキーワードやWebサイト(URL)などに関連する興味関心を持つユーザーや、
それに類似したユーザーへと配信対象が広がり、
より広いリーチが期待できるようになりました。
もう一つの変更点として、
機械学習による最適化が挙げられます。
従来必要だった「検索期間」や「検索回数」といった細かい手動での設定はなくなり、
代わりに機械学習が自動で最適なユーザーに配信する仕様になりました。
この機能を使えば、
例えば競合のサービス名やサイトURLを指定することで、
その競合に関心を持つユーザー層や、
それに類似したユーザー層へ効率的にアプローチすることが可能です。
3-2. オーディエンスカテゴリ(属性・ライフイベント)とは?
家族構成や年収、学歴や仕事など特定の属性を持っているユーザー、
もしくは就職や結婚などのライフイベントを迎える
ユーザーに対して広告を配信します。
属性やライフイベントでの絞り込みを目的とする
カテゴリータイプです。
選択可能なカテゴリは以下のようになります。
※これらは随時更新されるため、最新のデータはお問い合わせください。
■ 家族構成/子人年収/世帯年収/世帯遺産

■ 学歴/仕事/ライフイベント

4. まとめ
いかがでしたか?
YDAでは2020年から大幅なアップデートが実施され、
ターゲティングメニューも拡充されました。
特に、
ユーザー属性を詳細に指定できるオーディエンスカテゴリは
Meta広告並みのセグメントが可能です。
従来のディスプレイ広告の運用では
主にリターゲティングに依存していた傾向もありますが、
ITPの問題もあるので、
これからは他のターゲティングを駆使して集客を行うことが
重要となるでしょう。
ディスプレイ広告では特にターゲティングをどのように設定するか、
広告はどのようなものがいいか、など運用者のプランニングにかかってきます。
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