Webマーケティングやプロモーションの効果を高めるためには、ユーザーの心情・真意を常に探りながら施策を講じる必要があります。
行動だけでなく、心情心理や本音を表す真意を可視化することで、よりニーズをふまえた施策につなげることが可能です。
このようなユーザー行動の真意を、マーケティング的にはユーザーインサイトとして表現しています。
ユーザーインサイトをふまえたWeb広告の出稿や、ホームページの改修、プロモーション施策などにつなげていけば、売上増加や利益拡大だけでなく、新たなビジネスの発掘も期待できます。
今回は、ユーザーインサイトの概要やメリットから、可視化するための方法などについてポイントを中心に紹介していきます。
ユーザーインサイトとは?
そもそもユーザーインサイトとは、ユーザーが内部に抱えている悩みやニーズ、欲望など心情心理を表す本質的な真意のことを指します。
普段何気ない行動であっても、深掘りして考えていくとそれぞれの行動には意味や背景が存在します。
このようなユーザーインサイトを可視化し、潜在的な本音を明確にすることで、その後のマーケティングやプロモーション施策において効果的に活用することが可能になります。
また、ユーザーインサイトを可視化すれば、自社のマーケティングやプロモーション施策に対する問題点や改善点を明確化することにもつながります。
例えば、何となく青色ベースで構築していたホームページは、赤色ベースの方がユーザーインサイトとマッチする可能性もあります。
このように、ユーザーインサイトを可視化しておけば、その後マーケティングやプロモーション施策にもつなげやすくなるため、多くの企業がユーザーインサイトの可視化に取り組んでいます。
ユーザーインサイトを可視化することの重要性
どれだけ魅力的な商品やサービス、斬新なデザインのホームページなどを構築したとしても、ユーザーに響かなければ意味がありません。
ビジネスを行う以上、売上増加や利益拡大といったコンバージョンや多くのリーチ数を稼ぐことができるブランディング要素が無ければ成り立ちません。
このようなコンバージョンやブランディング効果を高めるためには、ユーザーに興味を持ってもらい、購入や申し込み、閲覧や視聴してもらう必要があります。
様々なマーケティングやプロモーション施策を行っていると、企業中心で物事を考え、商品設計やプロモーション施策もターゲットを見失った訴求に終始してしまうケースは少なくありません。
一方で、情報過多の昨今においてユーザーは数ある商品やサービス、情報などから自身に合ったものを選定するようになってきています。
そのため、ユーザーの心理心情を表すユーザーインサイトを活用し、ユーザー目線で商品設計やマーケティング、プロモーション施策を行うことが求められています。
ユーザーインサイトとニーズの違い
ユーザーインサイトに近しい言葉として、ユーザーニーズというものが存在します。
この2つはどちらもユーザーの心情や意識に関連するため、混同される傾向にありますが、本質的には異なるマーケティングワードとなります。
まず、ニーズとは顕在的なユーザーの意識のことを指します。
例えば、商品を購入する場合に「便利だから」「安いから」「モテるから」などと理由が明確化できるような意識はニーズとして分類することができます。
これに対し、「好きだから」「気になったから」などのように漠然とした心情心理や潜在的なユーザー意識がユーザーインサイトとなります。
つまり、ユーザーインサイトからどういったニーズが考えられるのか深掘りしていくことで、ユーザーインサイトを可視化し、マーケティングやプロモーション施策に落とし込んでいくことが可能になります。
ユーザーインサイトを可視化するメリット
続いて、ユーザーインサイトを可視化することのメリットについて紹介していきます。
ユーザーの深層心理を把握することは、マーケティングやプロモーション施策において有効活用できます。
・コンバージョン効果の向上が期待できる
・新たなニーズの発見から新規事業の創出が出来る
①自社の商材やサービス、プロモーション施策などの問題点の把握が出来る
ユーザーインサイトを可視化することで、どういった点にユーザーは興味関心を持つのか、購買意欲を掻き立てられるのかなどといった点を把握することができます。
これを、自社の商材やサービス自体の改善につなげることで、より売上増加や利益拡大につなげることが期待できます。
目的に対してターゲットとする層が、自社の商材やサービスの特性に満足しなければコンバージョンにはつながりません。
この点は、プロモーション施策においても同様です。ホームページ内でデザイン訴求する内容がズレていれば、訪れたとしてもすぐに離脱してしまいます。
このような指標は、UIやUXを改善していくことで最適化させることも可能です。
②コンバージョン効果の向上が期待できる
可視化したユーザーインサイトを用いてUIやUXの改善につなげたり、元となる商材やサービスを改善させることで、コンバージョン率をたかめることも期待できます。
このような改善は、ユーザーの満足度やロイヤリティ、利便性の向上にもつながり、結果的に売上増加や利益拡大に結び付きやすくなります。
例えば、ユーザーインサイトをふまえてホームページ内のCTAボタンの位置を少し上に表示させることで成果につながることも起こり得ます。
ユーザーインサイトが分かれば、心情心理とともに行動理由やプロセスなども明確化することができ、これらを改善していくことでコンバージョン率を高めることが期待できます。
③新たなニーズの発見から新規事業の創出が出来る
ユーザーインサイトをふまえて既存ビジネスの改善を行っていると、新たなニーズの発見から新規事業につながるヒントを導き出すことも期待できます。
潜在的なユーザーの心情心理を深堀すると、自社でカバーでききれていない領域や競合が目を付けていないビジネスチャンスを明確化することにもつながります。
既存の商材やサービスのオプションとして付加価値をつけるのか、新たなビジネスとして展開させることで、売上増加や利益拡大につなげるケースも少なくありません。
ユーザーインサイトの確認方法
最後に、ユーザーインサイトの確認方法について紹介していきます。
ユーザーインサイトの確認は、対象となるユーザー自身も無意識的な行動をとることがあるため、容易ではありません。
・ヒートマップからの確認
・インタビューやアンケートなどによる確認
一つの手法だけではなく、様々な観点から傾向を掴んでいくことが重要です。
①アクセス解析からの確認
Webマーケティングにおいてアクセス解析を活用した分析は重要です。代表的なアクセス解析ツールとしてはGoogleアナリティクスが挙げられます。
Googleアナリティクスではアクセス数以外にも閲覧ページ別に滞在時間や直帰率、コンバージョン率などを把握することができます。
このようなユーザー行動を、数値・データで可視化できるため、ユーザーインサイトを把握する上でも効果的に活用できます。
また、Googleサーチコンソールではユーザーがどういったキーワードで検索し、自社のホームページに訪れたのか把握することも可能です。
検索キーワードは、ユーザーニーズを把握する上で重要な要素となるため、Googleアナリティクスとあわせ活用すると効果的です。
②ヒートマップからの確認
ヒートマップとは、ユーザーが自社のホームページに訪れた際に、どの部分までスクロールしているのか、どこに集中して確認しているのかなどを視覚的に確認できるツールです。
クリックの位置なども把握できるため、CTAボタンの是非やデザイン構成などとあわせユーザーインサイトを確認することが可能です。
ホームページ全体というよりは、LPなど特定の遷移先ページに設置し分析することで、効率的な効果検証につなげることができます。
③インタビューやアンケートなどによる確認
ユーザーインサイトを把握する上で、ユーザーに直接ヒアリングする方法も有効です。
インタビューやアンケートを行うことで、アクセス解析やヒートマップだけでは分からないユーザーの生の声を集めることができます。
選択式の項目だけでなく、フリー回答できる項目も用意しておけば、ユーザーからより詳細な悩みや課題、新たなニーズなどを発掘することも可能です。
この手法は、FacebookやInstagram、TwitterといったSNSを活用した手法も増加傾向にあります。直接対面で行うインタビューやアンケートよりも、SNSの方が気軽に回答してくれる可能性もあります。
一方で、自社に有利になるようなアンケート項目は、本来のユーザーインサイトの把握にはつながらなくなる可能性も起こり得ます。
そのため、インタビューやアンケートを行う際には、あくまで客観的な視点に注力することが重要です。
まとめ
ユーザーインサイトは、企業のマーケティングやプロモーション施策の効果を高める上で欠かせない指標となります。ユーザーの真意が分かれば、コンバージョン効果を高めるだけでなく、新たなビジネスチャンスを創出することにもつながります。
とはいえ、潜在的なニーズであるユーザーインサイトを把握することは簡単ではありません。
今回紹介した内容も参考に、アクセス解析やヒートマップ、インタビュー、アンケートなども活用しながら心情心理や本音を表す真意を可視化していきましょう。