現在、多くの企業で当たり前のように利用されているインターネット広告ですが、過去にどのような歴史を辿ってきたのか詳しく理解している方は少ないのではないでしょうか。
この記事では、インターネット広告の歴史について詳しく解説します。
最後まで本記事を読むことで、インターネット広告がどのようなものなのか理解が深まるでしょう。
1.インターネット広告について
インターネット広告の歴史について詳しく解説する前に、以下の内容を解説します。
- インターネット広告の概要
- インターネット広告の現在
それぞれ詳しく確認していきましょう。
1−1.インターネット広告の概要
インターネット広告はWebサイトやスマートフォンアプリなどに掲載できる広告のことです。
SNS広告やリスティング広告などさまざまな種類が存在しており、多くの企業で活用されています。
ネットを活用して情報収集をするユーザーが多い現代では、顧客への認知拡大やコンバージョン数向上などに効果があります。
1−2.インターネット広告の現在
現在、インターネット広告はターゲットを絞りやすく、少額の予算からでも利用できるため、有用なマーケティング手法として認知されています。
これまではマスメディア広告や交通広告などが代表的な手法でしたが、現在ではインターネット広告も主流となっています。
電通が発表しているデータによると、国内におけるインターネット広告総費用は「2兆7,052億円」で、マスメディア広告よりも多いことが分かっています。
今後はより多くの企業に活用されていくことが予想できるため、種類ごとの情報について事前に把握しておくことがおすすめです。
参考:2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析|電通
2.インターネット広告の歴史(黎明期)
1996〜1999年頃までのインターネット広告の歴史では、以下のような手法が誕生しました。
- バナー広告
- メール広告
- アフィリエイト広告
黎明期にどんな歴史があったのか見ていきましょう。
2−1.1996年頃~|バナー広告・メール広告
1996年4月に国内初の商用検索サイトとして「Yahoo!JAPAN」がスタートしました。
また、1996年7月にはYahoo!JAPANにてバナー広告の提供も始まっています。バナー広告は2022年現在も主流なWeb広告手法の一つです。
同年にテキストメール広告も提供がスタートしましたが、1996年ごろにはまだ数行程度の文章による訴求でした。
今ではHTML形式によって画像やフォントを活用して、視覚的なアプローチが可能になっています。
2−2.1999年頃〜|アフィリエイト広告
世界で最初のアフィリエイトプログラムとして、Amazon.comが「アソシエイトプログラム」を提供開始しました。
国内でも1999〜2000年の間に「ValueCommerce」や「ファンコミュニケーションズ」が誕生しています。
アフィリエイト広告は、成果報酬型の広告としてさまざまな人に活用されており、広告主にとっても認知拡大に良い影響を与えられるメリットがあります。
3.インターネット広告の歴史(成長期)
2000〜2003年頃までの間はインターネット広告の成長期に該当し、以下のような手法が誕生しています。
- リスティング広告
- コンテンツマッチ広告
上記の内容について詳しく触れていきましょう。
3−1.2002年頃〜|リスティング広告
Googleは、2002年9月に国内のサービスをスタートしており、Yahoo!も2002年11月から提供を始めています。
リスティング広告は、自ら検索行動をするユーザーに向けて広告配信ができることから、顕在層へのアプローチに最適です。
少額で始められることも利用者にとっては大きなメリットで、特に利点が多い広告手法として認知されています。
3−2.2003年頃~|コンテンツマッチ広告
コンテンツマッチ広告は、ユーザーの興味やサイトの内容に合わせて広告が配信されます。
ページ構造やテキストなどから情報を取得し、マッチした広告が配信できるようになったことで、コンバージョン数の向上が期待できるようになりました。
ユーザーにとっても興味のあるジャンルで広告が配信されるため、不快感を感じづらいメリットがあります。
4.インターネット広告の歴史(成熟期)
2005〜2008年頃まではインターネット広告の成熟期です。
- 行動ターゲティング
- アドネットワーク広告
上記2つの内容について詳しく見ていきましょう。
4−1.2005年頃~|行動ターゲティング
2005年頃は、ユーザーの行動を分析してターゲティングする行動ターゲティングが普及しました。ターゲティングはインターネット広告において重要な要素の一つです。
行動ターゲティングが誕生したことで、適切なユーザーに適切なタイミングでの広告配信が可能になりました。
4−2.2008年頃~|アドネットワーク広告
複数のWebサイト上で広告を配信するアドネットワークは、2008年ごろに誕生しています。
多くの媒体に対して一気に広告を掲載できるようになったため、多数のトラフィック量を確保できるようになりました。
広告主は掲載媒体の種類を選択することもできるので、ターゲットに合った訴求が可能です。
5.インターネット広告の歴史(変革期)
2011年〜2017年頃まではインターネット広告の変革期にあたります。
- DSP
- オーディエンスターゲティング
- 動画広告
- ネイティブアド
- コンテンツマーケティング
- AIの導入
変革期に誕生した上記6つの項目について詳しく解説します。
5−1.2011年頃~|DSP・オーディエンスターゲティング
「Demand-Side Platform」は、複数のアドエクスチェンジやネットワークを一元管理する広告配信の統合プラットフォームです。
広告主の運用にかかる手間を削減できるため、クリエイティブの作成や施策立案など他の重要な作業に集中できるメリットがあります。
また、2011年頃から普及が始まった、行動履歴を元にして人の特徴を推測し、ターゲティングする手法を「オーディエンスターゲティング」と呼びます。
5−2.2012年頃~|動画広告
2012年頃からは、視覚と聴覚からインパクトを与える動画広告が利用可能になりました。
テキストや画像をメインとした広告よりも多くの情報量を与えることができるため、商品について詳しく訴求する方法として有用です。
また、ストーリー性を持たせることでユーザーからの興味も惹きやすくなります。
デバイスの普及やインターネットの高速化によって、現在でも多くの企業に注目されている手法です。
5−3.2014年頃~|ネイティブアド
ネイティブアドはコンテンツの中で自然に溶け込む広告です。
Web広告が浸透するにつれてユーザーの間ではネット広告疲れが発生していましたが、ネイティブアドによって不快感のない訴求が可能になりました。
SNSの投稿やメディアの記事など、さまざまな形態に合わせたネイティブアドが存在しています。
5−4.2015年頃〜|コンテンツマーケティング
2015年頃からは、インターネット広告以外にもメールマガジンやブログなどのコンテンツマーケティングが普及しました。
インターネット広告は認知を広げたり新規顧客を獲得したりするのに向いてますが、リードナーチャリングなどにつなげることは難しいです。
コンテンツマーケティングは、価値のある情報を提供しながら顧客との接点を確保し、購買に誘導する効果があります。
中長期的な目線でマーケティングを実施する場合はネット広告と組み合わせることも効果的です。
5−5.2017年頃~|AIの導入
2017年以降は、AIを導入したツールの誕生によって、運営にかかる手間を削減可能になっています。
FacebookやYahoo!の広告でもすでに自動運用が導入されており、任意の設定に合わせて運用工数を減らすことが可能です。
2022年現在でも多くのAIツールが日々開発されているため、今後はさらに人手をかけずにインターネット広告を活用できるようになっていくでしょう。
6.まとめ
いかがでしたか?
インターネット広告は低リスクで利用できるマーケティング手法です。現在は普及が進み、ネットを利用していると目にする機会が多くなりました。
黎明期から成長期などを通して、過去にさまざまな出来事が発生しているので、興味がある方は情報を確認してみることがおすすめです。
これからは、インターネット広告がAIの台頭などによって、どのような変化を見せてくれるのか注目していきましょう。