Facebookは、国内でも多くのユーザーに利用されているSNSであり、広告出稿先として多数の企業に活用されています。Facebook内で配信できるFacebook広告は、マーケティング活動において高い効果を発揮するSNS広告のひとつです。
実際に広告配信を考えている人のなかには、Facebook広告の効果について詳しく知りたい人も多いのではないでしょうか。
本記事では、Facebook広告について以下の項目を解説していきます。
- Facebook広告の概要
- Facebook広告の効果
- Facebook広告で効果を上げるためのコツ
広告媒体を決める際は、強みやメリットについて把握して判断材料にすることが大切です。Facebook広告の活用を検討している方は、本記事を最後まで読んで、どのような効果を発揮するのか理解を深めていきましょう。
1.Facrbook広告とは
Facebook広告は主要なSNS広告のひとつです。現在、Facebookの利用者数は全世界で29億3,000万人おり、他のSNSと比較しても最大規模です。
日本国内においては2,600万人以上の利用者がいます。
特にビジネスで活用しているユーザーが多いため、情報感度の高いユーザーにアプローチできることがメリットです。
また、詳しくは後述しますが、Facebookを運営しているMeta platforms Incは、Instagramの提供も行なっているため、広告の出稿先として多様な配信面を利用可能です。
高精度なターゲティングも特徴なので、マーケティングにおいて高い効果を発揮します。
参考:フェイスブック ジャパン長谷川代表が語る「退任の真意」–独占ロングインタビュー|Cent Japan
2.Facebook広告の効果
Facebook広告の効果として、以下の3つが挙げられます。
- 認知拡大
- コンバージョン数向上
- 情報収集
Facebook広告を配信することで、どんな効果が発揮されるの詳しく把握しておきましょう。
2−1.認知拡大
Facebook広告は、新商品の訴求やイベントの告知など、認知を拡大するのに最適な手法です。
FacebookはSNS媒体として利用者数が多いことが特徴であり、配信できる場所も多数存在するため、商材に合わせて認知拡大に最適な広告配信ができます。
自社商品の質がどれだけ良くても、対策なしで世の中に普及することは困難です。まずは認知を広げてユーザーに知ってもらう必要があります。
ただ自社商品の名前を広めるだけでは不十分なので、Facebook広告を利用してLPに誘導し、商品の具体的な魅力を伝えていきましょう。
2−2.コンバージョン数向上
Facebook広告は、認知拡大だけでなくコンバージョン数の向上にも効果的です。新規顧客の獲得だけでなく、リピート率向上にも貢献できます。
コンバージョンの定義は企業や業種によって異なりますが、注文や資料請求、お問い合わせなども該当します。
特に、家や車など、人生において大きなイベントになる物に関しては注文以外の項目がコンバージョンポイントとして扱われることが多いです。
コンバージョン数を向上させたい場合、自社サイトへの流入を増やす必要があります。
Facebook広告を活用すれば、効率的に流入経路を確保して、コンバージョンを獲得することが可能です。
2−3.ユーザーの動向調査
Facebook広告のメニューのなかには、質問を2つ設置できる「アンケート広告」も存在しているため、情報収集をすることもできます。
Facebookユーザーに対して自社商品やブランドの印象を効率的に聞けるので、今後の事業展開に役立つでしょう。
アンケート広告は、素早く制作することができ、LPへの遷移とユーザーとのコミュニケーションができることがメリットです。
情報は現代においてマーケティングを成功させるのに重要な要素の1つなので、他のメニューと合わせて活用を検討して見てください。
3.Facebook広告の費用対効果が高い理由
Facebook広告の費用対効果が高い理由として、以下の3つが挙げられます。
- 詳細なターゲティング設定
- 豊富な配信面
- 低コストな費用
それぞれの項目について解説します。
3−1.詳細なターゲティング設定
Facebook広告では詳細なターゲティング設定によって高いコンバージョン率を実現しています。
Facebook広告で活用できるターゲティング設定は以下の通りです。
コアオーディエンスでは、年齢などの基本的な設定はもちろんのこと、詳細ターゲティングによって「興味関心・行動」も選択できます。
カスタムオーディエンスでは、連絡リストをアップロードしてすでに接点があるユーザーにアプローチできるので、行動を起こしてもらいやすいメリットがあります。
また、類似オーディエンスを活用できることもFacebook広告の特徴です。類似オーディエンスでは、カスタムオーディエンスと似ているユーザーを対象にできるので、新規開拓に効果を発揮しやすいです。
3−2.豊富な配信面
Facebook広告では、豊富な配信面を揃えていることも大きなメリットです。Facebook上だけでなく、MessengerやInstagramに広告配信ができます。
Instagramは国内の利用者が3,300万人以上いる人気のSNSの1つです。ニュースフィードやストーリーに広告を配信することで、自社製品について知ってもらう機会を増やせます。
ユーザー層もFacebookとは異なり、比較的若い世代の女性が多いため、商材のターゲットに合わせて配信すれば、高い効果が期待できるでしょう。
また、Facebook広告では、外部アプリケーションも広告掲載先として利用できます。Facebookと提携しているアプリにて、イティブ広告やバナー広告、インタースティシャル広告を配信可能です。
視聴することで報酬を得られる「リワード広告」も配信できるので、ゲームアプリ内にて、ユーザーに不快感を感じさせないように訴求できます。
3−3.低コストな費用
Facebook広告は、最低出稿金額が存在しないため、数百円から簡単に始めることができます。
広告手法で他にリスティング広告が挙げられますが、業界によっては競合性が高く、クリック単価が1000円を越えるケースもあります。予算が潤沢にないと出稿ができたとしても獲得に至らず、しっかりとした検証ができない可能性があります。
初めて広告運用を実施する場合、リスクの少ない方法を選択してノウハウを集めることも大切です。費用が安く、精密なターゲティングが可能で、配信面も選べるFacebook広告は費用対効果が高いといえるでしょう。
4.Facebook広告で効果を出すための事前チェックリスト
Facebook広告で高い成果を目指したい場合、事前に以下の項目を確認しておくことがおすすめです。
- 効果測定の導入
- 広告セットの数
- 広告クリエイティブの状態
- 予算・期間の設定
配信後にトラブルが発生しないように上記4つについて確認しておきましょう。
4−1.効果測定の導入
Facebook広告を利用する際は、効果測定の導入が適切に行われているかチェックしてください。
タグの設定が正常に完了しているのかを確認しないと、配信後にデータを確保できなくなることもあります。効果測定で得たコンバージョン率などの情報は、広告配信後に改善を施す際、重要なデータとして活用されます。
4−2.広告セットの数
広告セットを設定する際は、コンバージョンの最適化をするための情報として1週間につき50件以上のデータが必要になります。
広告セットを多く設定しすぎると、情報が集まりづらくなることもあるので注意が必要です。
4−3.広告クリエイティブの状態
Facebook広告だけに限ったことではありませんが、配信時には画像や動画、テキストの設定が適切な状態になっているか確認しましょう。
クリエイティブの設定が間違っていると、広告がうまく表示されないトラブルにつながります。
また、SNS広告では、他媒体の訴求用に制作したバナー画像よりも、コンテンツに馴染み、違和感なく訴求できるクリエイティブの方が効果を発揮しやすいこともあります。
他の媒体で利用したクリエイティブを使い回すのではなく、配信面にあったクリエイティブを設定することが大切です。
4−4.予算・期間の設定
予算と期間の設定で間違いが生じていると、機会損失につながる可能性が高まるので注意してください。
特に、年末などの季節的なイベントに合わせて期間を設定する場合は要注意です。
クリスマスやハロウィンなど、イベントが過ぎたときにも配信されたままだと、無駄な費用が発生してしまいます。
本来、他の施策に割けるはずだった費用が使えなくなってしまうと、今後のマーケティング活動にも大きな支障が出るでしょう。
広告配信をする際は、今一度予算・期間の設定を念入りに確認することがおすすめです。
5.Facebook広告で効果を上げるためのコツ
Facebook広告で効果を上げるためのコツは以下の4つです。
- 目的に合ったキャンペーンの策定
- 適切なオーディエンスの設定
- 広告ライブラリの活用
- クリエイティブの変更
Facebook広告による効果を最大限に引き上げるために、上記についても把握しておきましょう。それぞれのコツについて解説していきます。
5−1.目的に合ったキャンペーンの策定
Facebookを活用する際は、認知拡大やコンバージョンなど、目的に合わせてキャンペーンを選択することが大切です。Facebook広告では広告を活用する目的として以下の6つが存在します。
目的によって最終的なゴールが変わるので、配信面やクリエイティブも変える必要があります。漠然とした目的だと広告による効果が期待できず、無駄な費用だけがかかることもあるので注意してください。
参考:Meta広告マネージャーで適切な目的を選択するには|Metaビジネスヘルプセンター
5−2.適切なオーディエンスの設定
詳細については先述しましたが、Facebook広告では3つのターゲティング設定が存在します。
それぞれ特徴が異なるので、3つあるオーディエンスの中から自社にあったものを設定することが重要です。
- コアオーディエンス
- カスタムオーディエンス
- 類似オーディエンス
類似オーディエンスは新規開拓で成果を発揮しやすいですが、属性を同じにすると自社広告でターゲットが被ってしまいます。
結果的に費用だけが嵩む可能性があるので注意しましょう。
また、オーディエンスを活用する際は基本的に複数設定することがおすすめです。
パターンを増やして配信を行うことで、データ効率的に獲得して次のアクションに繋げやすくなります。
5−3.広告ライブラリの活用
広告ライブラリでは、Facebookのアプリ内などで配信されたクリエイティブを閲覧できます。
競合の調査を効率的に実施できるため、自社の広告で足りないものを探す際に便利です。
誰でも活用できるので、デザインのイメージが湧かないときも活用できるでしょう。
なお、広告ライブラリでアルコールやギャンブルに関連した広告クリエイティブを見る場合、年齢制限があるので注意してください。
5−4.クリエイティブの変更
訴求に効果的なクリエイティブは、季節や流行などによって変わります。したがって、状況に合わせてクリエイティブの変更を行うことが大切です。
テキストの内容や色を少し変えるだけでも効果に変化が現れるので、A/Bテストを実施して効果検証をしていきましょう。
施策の効果が明確にわかるように、クリエイティブ全体を変えるのではなく、ポイントごとに変化をつけることがおすすめです。
前述した広告ライブラリを活用した競合調査も実施してクリエイティブを刷新し続ければ、より成果の高い広告を作成できるようになります。
6.Facebook広告で効果を発揮した事例
Facebook広告の成功事例について以下3つをご紹介します。
- 株式会社ワンダーマーク
- エン・ジャパン株式会社
- セガ ヨーロッパ
過去の事例について知ることで、自社でも導入するメリットがあるのかある程度判断できます。それぞれの企業がどのような広告配信を実施したのか確認しておきましょう。
6−1.株式会社ワンダーマーク
株式会社ワンダーマークは、文具や雑貨を扱う日本の企業です。
「Ambiance Paper」というブランドを2020年に提供開始した同企業は、Instagram広告とFacebookカタログを活用して認知・売上の向上を図りました。
また、広告を活用するにあたって、戦略に関するサポートを専門家から受けられる「 Meta Business Partners」も活用しています。
カスタムオーディエンス・類似オーディエンスによって購買意欲の高い層にアプローチし、カルーセル形式の広告や動画広告を合わせて認知・売上UPにつなげました。
参考:株式会社ワンダーマーク|Meta
6−2.リノベ不動産
リノベ不動産は、主に中古住宅のリノベーションを実施しています。
まだ日本で浸透しきっていない中古住宅のリノベーションについて認知を広げ、適切なタイミングでユーザーにアプローチするためにFacebook広告を活用しました。
写真広告や動画広告を活用し、カスタムオーディエンス・類似ターゲティングで潜在層への訴求を強化した事例です。
Facebook広告によってお問い合わせ獲得単価が50%削減し、月間平均で85%のお問い合わせ件数アップも達成しました。
参考:リノベ不動産|Meta
6−3.セガ ヨーロッパ
セガは、これまで「ソニック」や「龍が如く」など世界的に人気なタイトルを提供してきた企業です。歴史ストラテジーゲーム「HUMANKIND」の認知度向上のためにFacebookの動画広告を活用しています。
結果的に、通常の広告に比べてブランド想起リフト単価が50%減少し、アクションの意向リフト単価も34%減少しました。
利用者層データと興味・関心による高精度なターゲティングだけでなく、FacebookのA/Bテストツールも有効活用して成果を上げた事例です。
参考:セガ ヨーロッパ|Meta
7.まとめ
いかがでしたか?
Facebook広告は、他の媒体と比較しても高い効果を期待できるSNS広告です。
複数の配信面・ターゲティングから自社にあったものを選択することで、効果を最大限に発揮できます。
実際に広告を掲載するときは、認知拡大やコンバージョンの獲得など、目的を事前に設定することが重要です。
また、配信後も広告ライブラリを活用した競合の調査や、クリエイティブの適宜変更をおこなうことも忘れないようにしましょう。