Yahoo!広告は、現在国内においてGoogle広告などと同じように有用なマーケティング手法として認知されています。しかし、なかにはまだどのような手法なのか把握しきれていない人もいるのではないでしょうか。
この記事では、Yahoo!広告について、以下のような内容を解説していきます。
・Yahoo!広告の種類
・Yahoo!広告の課金形態・費用感
・Yahoo広告とGoogle広告の相違点
・Yahoo!広告を用いて成果を出すためのコツ
Yahoo!広告について具体的に理解できるようになるので、現在活用を検討している方はぜひ参考にしてください。
Yahoo!広告とは
まずはYahoo!広告の概要について解説していきます。
詳しい内容について知る前に、どのような媒体なのか簡単に見ていきましょう。
Yahoo!Japanについて
Yahoo!Japanは国内でも最大級のユーザー数を誇る媒体です。
月間アクティブユーザーは8,400万人ほどで、国内におけるインターネット利用者のうち8割ほどの人が日常的にYahoo!サービスを活用しています。ニュースやオークションなど、さまざまなジャンルのサービスを利用できることが主な特徴です。
特に各メディアの情報をまとめて閲覧できるYahoo!ニュースや、Google検索エンジンと同じアルゴリズムを活用したYahoo!検索などが多くのユーザーに用いられています。
参考:「Yahoo!広告」だから、あなたの商品・サービスを探している人に届く!|Yahoo!広告
Yahoo!広告の概要
Yahoo!広告は、Yahoo!の関連サービス及び、提携しているパートナーサイトなどで活用できる広告のことです。
検索結果やYahoo!ニュースなど、多くの人が継続的に活用している場所に広告配信ができます。詳しくは後述しますが、検索結果ではテキストメインの広告を配信でき、パートナーサイトでは、画像・動画など情報量の多いクリエイティブも活用可能です。
事前の個別カウンセリングや配信後のサポートも徹底しているため、Web広告初心者でも安心して活用できるでしょう。
Yahoo!広告の種類
Yahoo!広告には、以下3つの種類が存在しています。
・ディスプレイ広告(YDA)運用型
・ディスプレイ広告(YDA)予約型
それぞれ詳しく見ていきましょう。
リスティング広告
リスティング広告は、検索エンジンの検索結果にて表示される広告です。
ユーザーが検索して特定の語句を調べた際、関連した広告が表示されます。リアルタイムで情報を求めている人を対象にできるため、広告に興味を持ってもらいやすいことが特徴です。曜日や時間など細かいターゲティングを設定でき、費用対効果も閲覧できるので、PDCAを回しやすくなっています。
ただし、文章をメインとした訴求になるため、興味を引くためのコピーを考え、クリエイティブに落とし込む必要があります。
ディスプレイ広告(YDA)運用型
ディスプレイ広告(運用型)は、Yahoo!トップページや広告掲載枠があるWebサイト上で表示される広告です。
画像や動画による訴求が可能なので、商品の特徴や完成するまでのストーリーを伝えるなど、さまざまなアプローチが可能になります。
具体的な種類としては以下の通りです。
ディスプレイ広告(YDA)予約型
画像引用:ディスプレイ広告(予約型)の特長 │ Yahoo!広告 – Yahoo!マーケティングソリューション
ディスプレイ広告(予約型)では、Yahoo!トップページでユーザーが一番最初に目にする部分に、ジャックするような形で広告を表示することができます。
目立つ広告を一定期間掲載可能であるため、様々なユーザに対して自社の認知度拡大とブランディングに活用できます。
ただし、高い効果が期待できる一方で、高い費用が必要だったり、配信できるアカウントの種類がYahoo!認定代理店アカウントや一部のYahoo!ビジネスアカウントに限定されていたりするため、注意が必要です。
Yahoo!広告のメリット
Yahoo!広告のメリットは以下4つです。
・予算が少なくても利用できる
・顕在層のアプローチが容易になる
・公平性の高いオークションによって順位が変動する
どのような利点を備えている広告手法なのか詳しく見ていきましょう。
多数のユーザーへ訴求できる
Yahoo!は100を超えるサービスを展開しており、パソコン・スマートフォンを合わせると840億ものページビューを獲得していることが特徴です。
Yahoo!Japanを活用している月間ユーザーは8,400万人いるため、広告を配信することで多くの人にアプローチできます。
また、年齢層は男女で半々になっており、利用者の年代は10〜60代と幅広くなっています。なるべく多くの属性を持ったユーザーに効率的に訴求したい場合、Yahoo!広告は有用な手法だといえるでしょう。
予算が少なくても利用できる
Yahoo!で配信される検索広告や運用型のディスプレイ広告では、主にクリック課金が採用されています。
1日にかかる費用やキャンペーンごとの予算について任意で指定ができ、自社の広告予算に合わせて適切な予算が設定可能です。「まずは小額からスタートさせたい」と考えている方にも検討をおすすめできます。
顕在層のアプローチが容易になる
Yahoo!のリスティング広告を活用すると、情報を能動的に調べているユーザーを対象にして広告配信ができます。
検索エンジンで情報をリサーチしているユーザーは、自分のニーズを把握している顕在層であるため、広告にも興味を示す可能性が高いです。広告を配信する目的として、コンバージョンの獲得を第一優先にしている場合は、リスティング広告で高い成果を期待できるでしょう。
公平性の高いオークションによって順位が変動する
Yahoo!のリスティング広告やディスプレイ広告(運用型)で配信される広告の順位は、公平性の高いオークションによって決定します。
公式サイトによると、配信される広告が決定するまでの具体的な手順は以下の通りです。
②検出されたなかから掲載対象にならない広告を除く
③オークションランクの高い広告から配信される
オークションランクは入札価格だけでなく、推定クリック率やLPの利便性、検索クエリと広告文の関連度などを加味した「広告の品質」によっても決定します。入札価格が低くても品質が高ければ配信される可能性があるため、なるべく高い質を保っておくことが大切です。
Yahoo!広告が掲載される場所はどこ?
Yahoo!広告の掲載面としては、以下2つの場所が挙げられます。
・提携しているパートナーの広告配信面
それぞれ詳しく解説していきます。
Yahoo!Japanの各種ページ
Yahoo!広告は、Yahoo!Japanが提供している検索エンジンやニュース、天気サイトなど各種ページに広告を配信可能です。
国内でトップのユーザー数を誇るYahoo!Japanにて、さまざまな場所に広告を配信できれば、狙っているターゲット層にも容易にアプローチできます。
Yahoo!が提携しているパートナーの広告配信面
Yahoo!が提携しているパートナーは以下の通りです。
引用:広告掲載メディア|Yahoo!Japanマーケティングソリューション
引用:広告掲載メディア|Yahoo!Japanマーケティングソリューション
検索広告、ディスプレイ広告と広告の種類によってもパートナーが変わるので、掲載したいサイトがないか合わせて確認しておきましょう。
Yahoo!広告に関して知っておくべき4つのポイント
Yahoo!広告について知っておくポイントとして、以下4つが挙げられます。
・予算の設定は自由にできる
・広告掲載基準を把握しておく
・Yahoo!広告とGoogle広告では狙えるユーザー層が違う!
事前に把握しておくことが推奨されるのでそれぞれ確認していきましょう。
課金方式によって費用が決まる
検索広告とディスプレイ広告(運用型)は、広告がユーザーにクリックされるたびに費用が発生するクリック課金方式を採用しています。
クリックする確率が高いユーザーに対して積極的に広告が配信されるため、費用対効果が高い課金方式です。広告費と成果を元にして分析がしやすいため、PDCAを回しやすいメリットもあります。
ただし、商材のジャンルやキーワードによっては入札価格が高騰することもあるので注意が必要です。
一方で、ディスプレイ広告(予約型)は複数の課金形態が用意されています。用意されている課金形態は下記のとおりです。
予算の設定は自由にできる
Yahoo!広告では、1日にかかる費用やクリックごとの費用など自由に設定可能です。自社の予算を鑑みて費用を設定できるため、誰でも無理なく配信を始められます。
ただし、予算が少ない場合、広告のクリックが集中した後掲載がされず、獲得していたはずのコンバージョンを逃すこともあるので注意が必要です。適切な設定ができているか不安な場合は、自動入札設定を活用して広告配信を行いましょう。
また、費用の入金方法はクレジットカードと銀行振り込みがあります。広告の配信前に入金をしておき、その金額から広告費が使用されていきます。
なお、入金金額がゼロになった時点で広告の配信が停止するため、注意が必要です。
広告掲載基準を把握しておく
Yahoo!広告では、他の媒体と同様に広告掲載基準が設けられています。確認せずに広告作成をしてしまうと、後になって配信ができず焦ることもあるので事前に確認しておきましょう。
Yahoo!広告で審査に落ちやすい表現や違反としては、以下のようなものが挙げられます。Googleよりも比較的審査基準が厳しい傾向にあるため、場合によってはGoogle広告と表現を変更する部分も出てくるかもしれません。
Yahoo!広告とGoogle広告では狙えるユーザー層が違う!
画像引用:ネット検索で Google を使う人、Yahoo! を使う人の特徴を分析してみた|マナミナ
Yahoo!とGoogleは、国内でもたびたび比較される媒体ですが、ユーザー層が違うため、広告でもリーチできる層が異なります。マーケティングコンサルティングなどを行っている株式会社ヴァリューズの「マナミナ」で発表されたデータでは、Yahoo!は高年層・専業主婦などの利用者が多いです。
特に、50代以上の男性割合が高い傾向にあり、ビジネスで決定権を持っている世代が多く利用していることが分かります。
一方でGoogleは、若年層の利用者が比較的多く、会社勤めの人の割合が高めです。広告配信を行う際は、単純な利用者数だけでなく、職業・年齢層などの属性で利用するべき媒体を見極めていきましょう。
参考:ネット検索で Google を使う人、Yahoo! を使う人の特徴を分析してみた|マナミナ
また、PCとスマホの使用デバイスも、Yahoo!とGoogleとで違いがあります。
Yahoo!はGoogleに比べてPCの利用者数が多いことが特徴です。
そのため、申込等で入力する項目が多い商材を扱っている場合は、Yahoo!広告で広告を配信することで、高い効果を期待できます。
Yahoo!広告とGoogle広告の相違点
Yahoo!広告とGoogle広告では、ユーザー層以外にも以下のような相違点があります。
・入稿規定
・ターゲティング
・広告表示オプション
・審査時間
トップシェアを誇る両媒体においてどのような違いがあるのか細かく見ていきましょう。
Yahoo!広告の配信面
Yahoo!広告の掲載面は、検索結果やニュース・知恵袋などの各種サービス及び、提携しているサイトです。提携しているパートナーサイトは公式サイトで確認でき、前述した朝日新聞DIGITALやLINEなどが挙げられています。
Google広告でも、検索結果はもちろんのこと、GoogleマップやYouTube、Gmailなどの各種サービスに広告を配信可能です。提携しているサイトやアプリにも広告を配信でき、多方面での掲載ができる点がメリットとして挙げられます。
なお、Googleと提携しているパートナーサイト・アプリについて細かい情報は明示されていませんが、200万を超えるサイトに広告を配信可能です。
入稿規定
Yahoo!広告とGoogle広告における入稿規定の違いは以下の通りです。
設定できない記号や文字を使用しないように、こちらも事前に把握しておきましょう。
更に、記号だけでなく入稿文字数についても違いがあります。
タイトルの文字数はYahoo!広告、Google広告共に最大で30文字とかわりはありません。
しかし、説明文についてはGoogle広告が最大で90文字、Yahoo!広告が80文字と違いがあります。
また、Yahoo!広告はGoogle広告よりも、配信できる広告に制限があります。
例としては、性的内容、国内で未承認の医薬品や医療機器の内容等を含む広告があげられます。
これらの制限は掲載できない広告 – ヘルプ|Yahoo!広告にて詳細がありますので、広告を出稿する前に確認しましょう。
ターゲティング
Google広告とYahoo!広告は、どちらも高精度なターゲティングでユーザーにアプローチできる点がメリットです。
年齢・性別などの属性から興味関心など、さまざまな項目で配信対象を絞ることができます。
しかし、なかには設定範囲や名称が異なるターゲティングもあるので注意が必要です。
例えば、設定できる年齢の範囲では、以下のような違いがあります。
・Google広告:18~65歳以上
また、興味関心でユーザーを絞れるターゲティングは、Yahoo!では「オーディエンスカテゴリー」という名称ですが、Googleでは「アフィニティカテゴリ」と呼ばれています。
両方の広告を活用する際、名称や内容の微妙な違いで戸惑う可能性もあるので、相違点があることについて留意しておきましょう。
広告表示オプション
広告表示オプションは、検索広告が配信される際に、電話番号など追加情報を表示できる機能です。検索結果で占有面積を広げられるため、ユーザーの目に留まりやすくなる利点があります。
また、ユーザーとしても、欲しい情報をすぐに入手できる点がメリットです。Yahoo広告で実装できる広告表示オプションは下記になります。
画像引用:広告表示オプションとは|Yahoo!広告ヘルプ
GoogleとYahoo!では、異なる名称で同じような広告表示オプションがそれぞれ用意されています。例として、広告について補足情報を追加するオプションは「コールアウト表示オプション(Google)」「テキスト補足オプション(Yahoo!)」と呼称されます。
また、Google広告でしか設定できない広告表示オプションとして「住所表示オプション」などが挙げられます。検索広告を活用する際は積極的に活用すべき機能なので、それぞれの媒体で設定できる項目や名称について理解を深めておきましょう。
審査時間
Yahoo!広告やGoogle広告を配信する際は、媒体側の審査に通過して許可を獲得する必要があります。
審査時間も以下のようにそれぞれの媒体で異なるので、事前に確認しておいてください。
・Google広告:1営業日程度が目安
上記の日程を過ぎても可否について連絡がない場合は、媒体側に問い合わせしてみましょう。
なお、Yahoo!広告では、審査の状況や審査に通らなかった理由などについて管理ツールで確認することが可能です。
Yahoo!広告の費用感はどのくらい?
検索広告やディスプレイ広告(運用型)では、広告がクリックされるたびに費用が発生するクリック課金方式を採用しています。上限単価や日ごとの予算などは広告主が定めるため、決まった費用はありません。
オークション制になっているため、設定したキーワードなどによっても費用は変わりますが、目安としては、1クリックごとに数十円〜数百円です。なかには千円を超えるような場合もあるため、広告費用は余裕があればあるほど良いでしょう。
ただし、オークションの結果は、前述したように金額だけでなく品質スコアも加味されて決定します。場合によっては他の広告主より低い料金設定でも上位に表示される可能性があるので、利便性などの項目を一定に保つことが大切です。
なお、Yahoo!ディスプレイ広告(予約型)の場合は、Yahoo!セールスパートナー経由で申し込んだうえ、担当者と内容について相談する必要があります。金額は数十万円〜数千万円など高額になるため、広告費に相当な余裕がある場合は利用を検討してみましょう。
Yahoo!広告で成果を出すために意識すること
Yahoo!広告で成果を出すためには、以下3つのことを意識して運用していくことが大切です。
・リスティング広告の活用で効果を最大化
・データを用いた分析と改善
効果的な配信ができるように、それぞれ確認していきましょう。
コンバージョンを狙えそうなターゲットの選定
Yahoo!広告に関わらず、マーケティングではターゲットの選定によってその後の効果が大きく変わります。
ターゲットの想定が間違っていると、クリエイティブの内容や広告配信の設定でミスマッチが発生するので注意が必要です。
年齢や性別など、基本的な属性の掛け合わせだけでも無数にあり、それぞれ好むスタイルが違います。自社商品は誰に向けた物なのか、魅力を感じるのはどのような人物なのか、具体的に策定しておきましょう。
ターゲット選定を適切に行いたいときは、ペルソナやカスタマージャーニーマップなどを活用することがおすすめです。
リスティング広告の活用で効果を最大化
Yahoo!広告の中でも、リスティング広告は特に効果を発揮しやすい特徴があります。
現在進行形で情報を調べている顕在層にアプローチができるので、次のアクションに促しやすい点がメリットです。リスティング広告の活用を積極的に行い、効果を最大化していきましょう。
ただし、成果が見込みやすいリスティング広告でも、ある程度のテクニックは必要になります。キーワードアドバイスツールによるキーワード選定なども徹底的に実施し、無駄のない配信を行うことが大切です。
データを用いた分析と改善
Web広告は、クリック数やインプレッション数などの情報を、ツールを活用して閲覧できる点が大きなメリットです。
広告を配信した後は、ただ経過を待つのではなく、データを用いて分析と改善を施していきましょう。データを用いて新しい仮説を立て、PDCAを回し続けることで、さらに効果が見込める手法を編み出していくことが可能です。
効果が出ないキーワードやクリエイティブがあれば撤退したり、刷新を試みたりすることが推奨されます。自社の状況だけでなく、競合がどのような広告を配信しているか確認し、クリエイティブに取り入れてみることもおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?
Yahoo!広告は、国内でも最大規模のユーザー数を誇るYahoo!の各サービスでさまざまな広告を配信できます。200を超えるサービスだけでなく、提携しているパートナーサイトにも配信が可能なため、豊富な掲載面で多数のユーザーにアプローチが可能です。
主な種類としては、リスティング広告とディスプレイ広告があり、テキスト・画像・動画など、目的にあったクリエイティブをそれぞれ活用できます。少ない予算でも利益が見込めるため、まずWeb広告を試してみたい方にもおすすめです。
Google広告と比較すると、ユーザー層やターゲティング、広告表示オプションなどで細かい違いがあります。どちらを利用するか迷っている方は、双方の機能について理解を深めて目的に合った媒体を選択することが大切です。