SDKは、アプリケーション開発を円滑に進められるソフトウェア開発キットのことです。
開発の効率化やコストの削減など多くのメリットがありますが、具体的にどのようなものなのか把握しきれていない方もいるのではないしょうか。
この記事では、SDKの意味やメリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。
実際の使用例や製品例についても触れていくので、SDKがどのようなものなのか知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
1.SDKとは
SDKについて以下の項目から確認していきましょう。
・APIとの相違点
それぞれ解説していきます。
1−1.SDKの意味
SDKは「Software Development Kit」の略称で、アプリケーション開発で必要な機能が搭載された開発キットのことです。
開発作業で求められるツールが揃えられているため、開発を効率化できる点がメリットとして挙げられます。
パッケージ化されている機能から必要なものを抽出して利用することも可能なので、用途に合わせてさまざまな使い方が可能です。
1−2.APIとの相違点
API(Application Programming Interface)は、提供されているサービスやアプリの機能を一部利用できるインタフェースです。
特定の機能を利用したいユーザーがリクエストすることで、提供側が応答します。
APIは他サービスから機能を使いたい方への窓口の役割を果たしていますが、SDKはソフトウェアを開発するためにパッケージ化されたキットです。
SDKはAPIも含めたさまざまな開発ツールを提供しています。
2.SDKのメリット
SDKには以下のようなメリットがあります。
・コストの削減につながる
・サイトスピードの低下を防げる
それぞれの利点について確認していきましょう。
2−1.開発の効率化を実現できる
SDKは、開発に必要なツールがセットになっているため、業務の効率化を図れる点が大きなメリットです。
仕様書やドキュメントなどが含まれているため、一から開発を行うよりもスムーズに作業を進められます。
手間がかかる根底の機能作成を省き、欲しい機能の実装に集中できるので、負担を減らしながら作業を行いたい場合は利用してみましょう。
2−2.コストの削減につながる
アプリケーション開発を一から行う際は、時間と人材リソースにコストを大きく割くケースが多いです。
一から開発を行うことが困難な場合は、サンプルコードなどが含まれているSDKを活用することで、開発にかかる費用も削減できます。
開発に必要な人件費を削減することで、より便利な機能の実装に注力することも可能です。
アプリケーション開発のコストを抑えつつ、さらに好循環を生み出せることがSDKのメリットといえます。
2−3.サイトスピードの低下を防げる
サイトスピードは、快適なWebサイト活用を実現するために重要な要素です。
開発を行う際、欲しい機能を次々に追加していくと、サイトスピードが遅くなってしまうことがあります。
開発に必要な機能が揃ったSDKを導入すれば、サイトスピードの低下を防げます。
サイトスピードが遅くなると訪問したユーザーがすぐに離脱してしまい、SEOの観点においても評価が下がる可能性があるので注意が必要です。
3.SDKのデメリット
SDKには以下のようなデメリットも存在します。
・バグを含んでいる可能性がある
メリットと合わせて上記についてもそれぞれ把握しておきましょう。
3−1.最新の仕様に対応していない可能性がある
SDKは開発に活用する機能が含まれている便利なツールですが、なかには最新の仕様に対応していないケースもあります。
定期的なメンテナンスで機能の追加や、新しいOS対応などがされているか確認しておきましょう。
数年前から開発がストップしていると、新しいセキュリティへの対策が不十分なこともあるので注意が必要です。
3−2.バグを含んでいる可能性がある
SDKを利用する際は、バグを含んでいる可能性も考慮しましょう。
バグが含まれていると、修正を行うためにアプリケーション開発を遅らせたり、最悪の場合ストップして修正を待ったりすることがあります。
開発者が意図しない範囲で不具合が発生することもあるため、SDKを提供している企業の情報や実際の口コミなどを詳しく参考にして導入することが大切です。
4.SDKの使用例
SDKの使用例は以下の通りです。
・ゲームの開発
・Web開発
・IoT
・クラウドコンピューティング
具体的な使用例についても理解を深めておきましょう。
4−1.モバイルアプリの開発
SDKには、モバイルアプリに必要なツールやライブラリが含まれています。
また、アプリケーションのパフォーマンスの監視やデバッグなど、最適化するための機能も利用可能です。
SDKを利用することにより、iOSやAndroidといったさまざまなプラットフォームに対してアプリを展開できます。
4−2.ゲームの開発
ゲーム開発向けのSDKには、制作をサポートするためのサンプルコードやチュートリアルなど、便利な機能が複数ついています。
ゲームの動きを自然にする物理エンジンや3Dグラフィックス、人工知能なども含まれているので、開発を効率的に進められます。
4−3.Web開発
SDKには、Webアプリケーションの見た目や動きを作成するツールや、裏側で情報処理を行うためのデータベースやサーバーといったプログラムも含まれています。
またWebアプリの公開や、複数の人物が使用しても問題ないようにするためのホスティングやスケーリングといったツールもついています。
4−4.IoT
IoT(Internet of Things)は、インターネットに接続されているデバイスが、センサー・ネットを経由して情報のやり取りを行うことです。
SDKを活用することで、センサーと接続して周囲の情報を収集し、分析するIoTアプリを制作できます。
SDKは定期的にアップデートやセキュリティへの修正を行うため、管理やデバイスの改良を簡単に行える点もメリットです。
4−5.クラウドコンピューティング
クラウドコンピューティングは、インターネットを通してリモートのサーバーやリソースを利用し、データの保存・処理・アプリケーションの実行を行う技術です。
SDKは、クラウドストレージやデータベース、データ解析など、クラウド上で提供されるサービスへの接続に必要なAPI・ライブラリなどを提供します。
開発者は選択したプログラミング言語を活用し、SDKを用いてクラウド上のサービスと連携させることが可能です。
5.SDKの製品例
SDKの製品例としては以下のようなものが挙げられます。
・iOS SDK
・Android SDK
それぞれどのような製品なのか解説していきます。
5−1.Microsoft Windows SDK
Microsoft Windows SDKは、Windowsプラットフォームでソフトウェアを作るためのツールやリソースのセットです。
WindowsデスクトップアプリやWindowsサービスなどを作成するための機能があるため、開発を効率化できます。
具体的には、Windowsアプリケーションを作成するのに必要なライブラリやデバッガ、サンプルコードなどが含まれています。
5−2.iOS SDK
iOS SDKは、Appleによって提供されているソフトウェア開発キットです。
iPhoneやiPadといったiOSデバイスのアプリケーション開発で利用されるプログラミングインターフェースやフレームワーク、サンプルコードなどが含まれています。
また、Xcodeという統合開発環境によって、効率的なアプリの作成やテスト、デバッグなども可能です。
5−3.Android SDK
AndroidSDKはGoogleによって提供されている開発キットで、Androidプラットフォーム上でアプリ開発を行うためのツールが含まれています。
iOS SDKと同様に、Androidアプリ開発でライブラリやサンプルコード、ドキュメントなどが利用可能です。
Android SDKにはAndroid Studioという統合開発環境があるため、効率的にテストやデバッグもできます。
6.まとめ
いかがでしたか?
SDKは、アプリケーション開発を効率的に進められる開発キットのことです。
ライブラリやサンプルコードといった機能が含まれているので、一から開発にリソースを割く必要がなくなります。
開発者の負担軽減や費用削減といったメリットがあるので、リソースが限られている方は特に活用することがおすすめです。
提供している会社や口コミなどもチェックしながら、マッチするツールを選択しましょう。