Webサイトを制作するときは、パソコンだけでなくモバイル端末でも利用しやすいようにしなければいけませんが、その考え方をモバイルファーストといいます。
スマートフォンやタブレットの普及を受けて、モバイルファーストの重要性がさらに増しています。
今回は、このモバイルファーストの概要を説明してから、デザイン設計のポイントや活用事例を紹介しましょう。
モバイルファーストって何?
まずは、モバイルファーストの意味を確認しておきましょう。
モバイル端末で閲覧された際の使いやすさを意識すること
モバイルファーストとは、モバイルが第一ということで、スマートフォンやタブレット向けになったサイトを作ることです。
モバイル端末で閲覧されたときの使いやすさを意識してのサイト制作になります。
モバイル端末を優先したデザインづくりということです。
パソコンユーザーのことも忘れてはいけない
モバイルファーストだから、モバイル端末だけのことを考えておけばいいのかというと、そんなことはありません。
パソコンでサイトにアクセスするユーザーも多いのですから。パソコンでも利用しやすいようにしておく必要もあります。
モバイルファーストにするメリット
モバイルファーストにすると、様々なメリットが得られます。
どのようなメリットか、以下で紹介しましょう。
ユーザーエクスペリエンスの向上
モバイルファーストデザインを採用することで、ユーザーはモバイル端末を使って、Webサイトにアクセスしやすくなる、ページが閲覧しやすくなる、画面操作がしやすくなるなどの恩恵を受けられます。
その結果、ユーザーエクスペリエンスと顧客満足度も向上します。
またこのサイトを利用してみようという気持ちも高まるでしょう。
制作コストを抑えられる
モバイルファーストでモバイルに特化すると、パソコンで表示される画面もモバイル画面と同じになります。
モバイル画面をパソコン画面で使うようにすると、パソコン画面用のサイト制作費が必要なくなります。その分、コストが下がるでしょう。
ページの読み込み速度の向上
モバイルファーストでパソコンへの適応を最小限にすると、サイト制作で必要になるコード量が減ります。
コード量が減ると、軽量化し、ページの読み込み速度が速くなるのです。
おかげでユーザーはストレスなくサイトを閲覧できるようになるでしょう。
検索結果のランキングにおいて優遇される可能性がある
最近は、Googleもサイト評価においてモバイルを重視するようになってきました。
その結果を受けて、モバイルファーストデザインになっているサイトも、高い評価を得やすくなっています。
Googleから高い評価を受けられれば、検索ランキングでも優遇される可能性が高いです。
一貫性のあるWebサイトをユーザーへ提供できる
モバイルファーストデザインを取り入れると、スマートフォンやタブレットとパソコンでのサイト表示が統一されます。
ちぐはぐ感がなくなって、ユーザーに一貫性のあるサービスを提供できるようになります。
これはブランドや商品のアピールをするうえで大切なことです。
どのデバイスでも同じようなサイト表示になれば、ユーザーも安心して利用できるようになります。
モバイルファーストデザインを設計するポイント
以下では、モバイルファーストデザイン設計のポイントを解説しましょう。
レスポンシブデザインにする
モバイルファーストデザインを製作するうえでのポイントは、レスポンシブデザインにすることです。
パソコンとモバイル端末では画面サイズが違うので、それぞれの画面をそのまま持っていくと、うまく適用できません。
そこで利用したいのがレスポンシブデザインで、いろいろな画面サイズに対応できるようになります。
難しい技術は必要ですが、レスポンシブデザインにすることで、ユーザーがサイトを閲覧しやすくなります。
モバイルとパソコンで得られる情報の差をなくす
モバイルファーストデザインにして、モバイル端末とパソコンで表示される情報が異なるようなことがあってはいけません。
違う情報が表示されれば、ユーザーが安心して、サイトを利用できなくなります。
せっかくレスポンシブデザインにするのですから、モバイル端末とパソコンの画面で得られる情報の差はなくしましょう。
タップ・スワイプ操作のしやすさを意識する
モバイルファーストデザインでは、スマートフォンやタブレットでの使いやすさを意識しなければいけないので、タッチやスワイプ操作をしやすくする必要があります。
パソコンのマウス操作とは違った、操作性が求められます。
親指で操作できるか?
スマートフォンを片手操作する場合、親指を使ってという人もいるでしょう。
そのため、モバイルファーストデザインにするときも、親指で操作できるような画面にしておくと親切です。
小さなサイズで見やすい画面にする
パソコンに比べると、モバイル端末の画面は小さいです。
特にスマートフォンの画面はかなり小さいですね。
それだけに、モバイルファーストデザインでも小さな画面で見やすいようにサイト設計をする必要があります。
字が読みにくくなったり、画像がわかりにくくなったりしてはいけません。
パソコンでもモバイル端末でも同じように簡単に見られる画面にすることが大事です。
フォントサイズと行間を意識する
パソコンで表示した画面とモバイル端末で表示した画面では、フォントサイズも行間も変わります。
それぞれの画面で適切なフォントサイズや行間になるように設計することで、ユーザーはストレスなく、サイト閲覧ができるようになるでしょう。
通信環境の違いに注意
パソコンとモバイル端末では通信環境が違います。
パソコンの場合は、普通安定した接続ができますが、モバイル端末は外出先など通信環境の悪いところに行くこともあるでしょう。
その場合のことも考慮したモバイルファーストデザインにする必要があります。
モバイルファーストの成功事例
モバイルファーストで成功した企業の事例があるので、紹介しましょう。
SNSとしてだれもが知るInstagramですが、モバイルファーストの導入でも成功しています。
次のようなモバイルファーストデザインにすることで、動画視聴時間が80%アップしました。
・シンプルで視覚にアピールする画像デザイン
・直感的な操作性
・写真や動画のアップロード時間を早くし、閲覧をスムーズにする
・様々なデバイスに応じた一貫性のあるサイト提供
・Facebookフィード動画のスムーズなInstagramへの転用など
Amazon
世界最大規模とも言われるECマーケットプレイスのAmazonも、モバイルファーストデザインの導入で成功しています。
ストア構築でも、モバイルファーストアップデートを行いモバイル端末上で確認しやすくしました。
ユーザーも直感的でシンプルな画面で、商品のスピード購入が可能になり、顧客満足度も向上しています。
Googleでも様々なサービスでモバイルファーストデザインを採用しています。
画面の操作性も増し、読み込み速度が高速になり、ユーザーの利便性も増し、ユーザーエクスペリエンスも向上しました。
Googleの検索画面一つとっても、パソコン版でもモバイル端末版で同じように利用ができるため、便利です。
Uber
Uberはライドシェア・フードデリバリー・宅配便・貨物輸送などのサービスを展開しているアメリカの企業で、日本でも利用できます。
このUberもモバイルファーストデザインで成功しています。
直感的な操作画面、シンプルで使いやすいUI、スピーディに完了する予約と決済が特徴で、ユーザーからの評価も高いです。
まとめ
今回は、モバイルファーストについての解説でした。
現代では、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を利用する人が増えました。それだけにモバイルファーストの重要性はさらに増しています。
皆さん方のお店や企業でも、ユーザーフレンドリーなモバイルファーストデザインを採用し、顧客満足を上げてみてください。