マイクロコンバージョンとは、コンバージョンに至るまでの流れを細分化したもので、中間コンバージョンとも呼ばれます。マイクロコンバージョンを設置することで、ユーザーがどこで離脱しているのかを把握したり、機械学習を促進させたりとさまざまなメリットがあります。
今回は、実は意外と知られていないマイクロコンバージョンについて、デメリットも含めてご紹介いたします!
マイクロコンバージョン(MCV)とは?
マイクロコンバージョンとは、成果とするコンバージョンよりも手前の段階に設定する仮のコンバージョンを指し、広告運用における指標の1つです。
リスティング広告だけでなく、FaceookなどのSNS広告でも使用することができます。
通常、コンバージョンとは、コンバージョンタグを埋め込んだページにユーザーが流入することでタグが発火し、コンバージョンとみなされます。マイクロコンバージョンはコンバージョンの前段階のページに設置され、マイクロコンバージョン自体はコンバージョンではないので、間違えないように注意が必要です。
商材によりコンバージョンのポイントが異なるように、マイクロコンバージョンを設置するポイントも商材によって変わってきます。上の図のように、資料請求の申し込み完了がコンバージョンポイントの場合、マイクロコンバージョンを設置できるポイントの例は以下になります。
マイクロコンバージョン設置ポイントの例
- 資料請求はこちらボタンのタップ
- 申し込みフォームへの到達
- 姓入力欄のクリック
- 確認のボタンのタップ
このように、コンバージョンに至るまでの流れの中であれば、どこでもマイクロコンバージョンを設置することは可能になります。
マイクロコンバージョン(MCV)を設定することのメリット
次に、マイクロコンバージョンを設置することにおけるメリットを3つご紹介いたします!
コンバージョン以外の判断基準となる
広告の予算が少なかったり、不動産の購入や投資など、コンバージョンに至るハードルが高く、コンバージョンデータが月に数件しか取れない商材などがあります。この場合、指標となるデータが少ないため、何が良かったのか、悪かったのかの判断が難しくなります。
そのような時、マイクロコンバージョンを設置することによって、データ量を増やし、コンバージョン以外の判断基準とすることで、課題の発見にもつながります。
先ほど挙げた資料請求の例を用いた場合、ランディングページへの流入数は500人なのに対し、最終的にコンバージョンに到達したのは15人と、多くがコンバージョンに到達していません。ここでマイクロコンバージョンをみると入力フォームに到達したのは30人と、入力フォームに到達する前に多くのユーザーが離脱していることがわかります。
この結果からターゲットとしていない多くのユーザーが広告をクリックして流入してしまっていることが問題点として考えられます。そして改善策として、広告文を変えてユーザーの質を高めるといった施策が考えられるのです。
このように、マイクロコンバージョンを使用することでコンバージョン以外の判断基準を増やし、課題を見つけることができます。しかし、課題を見つけるといった点においては、アナリティクスでも十分代用できるので、これだけをやるためにマイクロコンバージョンを導入するのはあまり得策と言えません。
各媒体の機械学習を促進させる
広告の運用において、自動入札は今や定番となっていますが、機械学習のPDCAを回すにはコンバージョン計測のデータが必要ということをご存知でしたか?
実は、十分なコンバージョンデータが自動入札の予測精度を高めることにつながっているのです。各媒体の目標コンバージョン数は以下の通りです。
各媒体の目標CV数
- Google:過去30日間に50件以上の獲得を推奨(目標コンバージョン単価制の場合)
- Facebook:広告セットごとに1週間で50件のコンバージョン獲得を推奨
広告運用者ならすぐにご理解いただけると思いますが、上記の目標達成はかなり難しい数字です。ですので、マイクロコンバージョンを設置することで、媒体が推奨する目標値を達成し、機械学習のPDCAをより円滑に回していこう!という目的があります。
リターゲティング・類似(Facebook)に拡張できる
マイクロコンバージョンユーザーのオーディエンスを作成しリマーケティングや類似オーディエンスの作成に活用が可能になります。
マイクロコンバージョンを使用することで、ビジネスのさらなる可能性を広げることができるということです。
マイクロコンバージョンの設定方法
マイクロコンバージョンの設定方法は基本的にコンバージョンの設定方法と同じですが、効果をより発揮するための設定ポイント5つをご紹介いたします。
また、今回はGoogle広告におけるマイクロコンバージョンの設定方法をご紹介いたしますが、基本設定はYahoo、Facebookともに同じです。
①コンバージョンアクションのカテゴリを設定する
カテゴリの種類は申し込みやページビューなど様々あり、目的に合ったものを選択するようにしましょう。
②コンバージョン名を設定する
コンバージョン名はコンバージョンとマイクロコンバージョンを区別する際に重要になってきますので、ご自身が管理しやすい名前を設定することが重要です。
③カウント方法を初回のみに設定する
リピート購入などが想定される商材を除き、基本的にクリック1回につき1件のマイクロコンバージョンのみ記録されるように初回のみで設定を行います。
④コンバージョン列に含めるにチェックを入れる
自動入札を導入している場合は、このチェックを入れる必要があります。これをしないと自動入札戦略の最適化対象になることが出来ないので、注意が必要です。
⑤ アトリビューションモデルは減衰を採用する
減衰モデルを採用することで、マイクロコンバージョンに至るまでに検索されたキーワード、バナーを評価することができ、より詳細な分析が可能になります。
マイクロコンバージョンのデメリットと注意事項
最後に、忘れてはならないマイクロコンバージョンのデメリット&注意事項についてご紹介いたします。
管理画面上だとコンバージョン・マイクロコンバージョンが分かれていない
現状、管理画面ではコンバージョン・マイクロコンバージョンの項目は分かれておらず、CVの項目にまとめて集計されています。そのため、コンバージョンアクションという項目を選択し、レポートを出力することで確認が可能となります。
また、広告代理店運用者はクライアントとの認識の齟齬を防止するためにも、マイクロコンバージョン導入前に必ず確認を取るようにしましょう。
目標CPAの再設定が必要になる
マイクロコンバージョンを自動入札に用いる場合には、目標とするコンバージョン単価が導入前とは変わってきます。
特に、Google広告の目標コンバージョン単価制(tCPA)では、目標コンバージョン単価の設定が必要になりますので、マイクロコンバージョンから最終的なコンバージョンへの転換率から逆算して目標を定めるようにするのがよいでしょう。
5.まとめ
いかがでしたか?
今回はマイクロコンバージョンのメリットや設定方法についてご紹介いたしました!
ここで今一度忘れてはいけないことは、本来の目的はコンバージョンの数を増やすということです!ついつい管理画面の数値に惑わされてしまいがちですが、実際のコンバージョン数を常に把握し、マイクロコンバージョンを上手く活用して、改善を図っていくことが大切です。
是非、皆さんもマイクロコンバージョンを導入してみてはいかかでしょうか?