インタビューを利用したマーケティング手法にマーケティング・インタビューがあります。
今回は、このマーケティング・インタビューの概要、やり方のポイント、活用例などを紹介しましょう。
インタビューで得られる情報はマーケティング活動をするうえでも貴重なものですから、正しく行う必要があります。
マーケティング・インタビューとは?
まず、マーケティング・インタビューの基本的な意味を解説しましょう。
マーケティングリサーチをするためのインタビュー
マーケティング・インタビューはマーケティングリサーチを行うための調査活動をインタビューという形ですることです。
商品やブランドの課題を洗い出し、解決するために消費者や専門家に聞き取り調査を行います。
アンケートとは違う点
マーケットリサーチというと、アンケートという手法もありますが、アンケートでは決められた質問に対して相手が記入していくという一方的な情報交換になります。
一方、マーケティング・インタビューでは、質問と会話のやりとりという双方向コミュニケーションになり、それぞれが今まで気がつかなかったことに気づく機会が得られるのが特徴的です。
その気づきをマーケティングに役立てられます。
マーケティング・インタビューのポイント
マーケティング・インタビューを行ううえでのポイントがあるので、解説しましょう。
調査目的をはっきりさせる
マーケティング・インタビューを行うときは、調査目的を明確にしておきましょう。
どのような調査を行い、何を明らかにし、何に使用するのかがはっきりすれば、マーケティング・インタビューの方向性も見えてくるでしょう。
調査の全体計画を立てる
マーケティング・インタビューを行うに当たって大事になるのが全体計画です。
どのようにインタビューを行うのか計画を立てなければいけません。
ポイントは以下のようになります。
・インタビューの形態:
オンラインインタビューかオフラインインタビューかチャット形式のインタビューか?
・インタビュー対象者の人数
・インタビューのスケジュール
・インタビュー時間
・確保できる予算
計画を綿密に立てたうえで、マーケティング・インタビューを行う必要があります。
質問項目を決めて、インタビューフローを作成する
次に、マーケティング・インタビューでどのような質問をするのかをあらかじめ決めておき、インタビューフローを作成します。
実際の場面では状況により質問内容が変わることもあるでしょうが、基本的な項目は定めておきましょう。
インタビューフローとは、インタビューする項目の順番や配分時間などのことです。
インタビュー全体の流れも事前に決めておく必要があります。
対象者を募集する
続いて、マーケティング・インタビューにふさわしい対象者を募集します。
ここでのポイントは以下の通りです。
・インタビューテーマに関心がある対象者か?
対象者の本音を聞き出す
準備が整い、対象者の募集ができたら、いよいよマーケティング・インタビューの開始です。
ここではいかに対象者の本音を引き出すかがポイントになります。
インタビュアーが、答えを誘導するようなことがあってはいけません。
対象者の回答にはニュートラルな反応を返し、相手が落ち着いて自分の気持ちを答えられるように導きましょう。
内容を分析し、今後に活かす
マーケティング・インタビューが完了したら、内容を分析し、今後のマーケティング活動に活かしていきます。
対象者の意見は貴重なものですから、マーケティングに役立つ情報もたくさん得られるでしょう。
マーケティング・インタビューの活用例
実際にマーケティング・インタビューを行って、上手にその結果を活用している例があるので、紹介しましょう。
商品・サービスの詳細な利用実態や意思決定プロセスを確認する
マーケティング・インタビューにより、商品・サービスの詳細な利用実態や意思決定プロセスを確認している例があります。
アンケートでもある程度状況は確認できますが、マーケティング・インタビューの方が詳細な調査をしやすいです。
時には質問を繰り返し、掘り下げることも可能。かなり踏み込んだ実態調査もできます。
プロモーション施策の見直しや改善
プロモーションの改善にマーケティング・インタビューを活用している例もあります。
例えば、広告物に対する評価を聞き出して、デザインやテキストの改善に繋げる、広告物のイメージを確認して、今後のイメージ作りに役立てるなどです。
対象者の声を聴くことで、より効果のあるプロモーション施策ができるようになります。
商品・サービスの改善
マーケティング・インタビューの結果を元に、実際の商品やサービスを改善している例もあります。
インタビューでは、商品やサービスの使い心地や使った感想などを聞く場合もあり、それが次の商品やサービスの開発に役立つこともあります。
新商品やサービスの開発ということもあるでしょうし、既存商品やサービスの見直しということもあるでしょう。
ペルソナやカスタマージャーニーマップの精度を高める
マーケティング・インタビューにより、ペルソナやカスタマージャーニーマップの精度を高めた例もあります。
マーケティング・インタビューで得られる情報は確かなものですから、商品やサービスを売り込む際のペルソナ設定にも役立ちます。
カスタマージャーニーも正確になり、より効果的なマーケティングができるようになるでしょう。
マーケティング・インタビューで必要なこと
マーケティング・インタビューで必要なことがあるので、確認しておきましょう。
基本的なルールを対象者に示す
マーケティング・インタビューを行う前に基本的なルールを対象者に示しておきましょう。
ルールが示されれば、対象者もそのルールに則って安心して回答できます。
ルールが明確になっていないと、回答のポイントがずれたり、問題のある回答がされたりすることもあります。
インタビュアーは心身の状態を整えておく
インタビュアーは心身の状態を整えたうえで、実際の場面に臨んでください。
インタビュアーが落ち着いていないと、回答者も落ち着いて答えられなくなるほか、集中できずに的外れな回答をしてしまうこともあるでしょう。
表情や視線、姿勢や動作で相手の関心を惹きつける
インタビュアーは表情や視線、姿勢や動作を意識して、相手の関心を惹きつけるようにしましょう。
ちょっとした動作で相手に与える印象も変わり、回答者の本音を導き出す手助けになります。
表情や視線、姿勢や動作のポイントは以下のような点です。
・目を相手に向ける
・顔だけでなく、体全体を相手に正対する
・腕や足は組まない自然体になる
声の質や話す速度に気を付ける
インタビュアーの声や話す速度も大事です。
時間制限があるインタビューでは、時間に迫られるとついつい焦ってしまい、それが声のトーンやスピードに表れてしまうことがありますが、それでは相手も落ち着いて答えられません。
時間配分を上手にしながら、冷静なトーンで早口になりすぎず、相手が答えやすくなるように配慮しましょう。
自然に応答する
マーケティング・インタビューでは、回答者の回答に対して自然に応答することも大事です。
適度なテンポで相づちを返したりうなずいたりし、ときには伝え返しなども行い、相手の真の声を引き出しましょう。
まとめ
今回は、マーケティング・インタビューについての説明でした。
企業がマーケティングリサーチを行う方法はいくつかありますが、そのうちの1つがマーケティング・インタビューです。
対象者を選別し、商品やブランドに対する評価を聞き出して、以降の施策に活かす手法です。
皆さん方の企業でも、ぜひマーケティング・インタビューを行って、効果的なマーケティング施策に活用してみてください。