メールマーケティングはメールをより詳細なマーケティング施策に活かしたもので、重要視されつつあります。
今回は、メールマーケティングの基本的な概要から、メルマガとの違いや代表的な手法、効果を高めるコツなどについてポイントを中心に紹介していきます。
メールマーケティングとは？
メールマーケティングとは、ユーザーニーズや行動履歴などをふまえ、個別に内容を変えながら配信するマーケティング手法のことを指します。
メールを配信するためには、ユーザーからメールアドレスを収集する必要があります。
ただ、Webマーケティングが多様化する昨今において、ユーザーがメールアドレスを登録するタイミングは多岐に渡ります。
例えば、商品を購入時にメアド登録したユーザーと、興味関心を示して会員登録時にメアドを登録したユーザーとではニーズが異なります。
このようなユーザーに対して同じ内容でメール訴求を行っても効果を高めることにはつながりません。
一方で、ユーザーニーズや行動履歴などを分析し、ターゲットとなるユーザーに即したアプローチができれば、よりコンバージョン獲得にもつながりやすくなります。
そのため、ユーザーのステータスやアクションに応じたメールマーケティングは、注目度が高まり、多くの企業が活用しています。
メルマガとの違い
メールマーケティングの中には、一般的なメルマガも含まれます。
とはいえ、メールマーケティングはメルマガとは異なります。
基本的にメルマガとは、登録リストに対して一斉に配信する手法のことを指します。
不特定多数に向けて広くアプローチできるため、多くのユーザーにリーチすることが可能です。
これに対し、メールマーケティングではユーザーに対してニーズや行動履歴などをふまえアプローチしていくため、配信内容を分けて作成します。
メールマーケティングを行う重要性・メリット
メールは効果的に自社のマーケティングに活用することで以下のような効果が期待できます。
① メール需要はまだまだ高い
近年、SNSの浸透などもありメールよりもLINEやDMを重宝する傾向にあります。
また、BtoBにおいてもレスポンスの早いチャットシステムを利用する企業が増加傾向にありますが、このような中にあってもメール需要はまだまだ存在します。
メールは、興味を示した内容は開封だけでなく熟読率も高くなる傾向にあります。
そのため、訴求する内容やタイトルなどにこだわり、ユーザーニーズに応じてアプローチすれば、より効果を高めることも可能になります。
② ユーザーとの継続的なコミュニケーション強化
メールは、ユーザーとの継続的なコミュニケーションを取る上で効果的に活用することができます。
SNSの場合、ユーザーの中には利用していないSNS媒体も存在します。
これに対し基本的にメールは多くのユーザーが活用しています。
そのため、ユーザーとのコミュニケーションを図るためにわざわざSNSを管理・運営する必要もなく、効率的にマーケティングに活かすことが可能です。
ユーザーと継続的にコミュニケーションを取ることができれば、顧客育成からファン化につなげることで、中長期的な売上増加や利益拡大という点でも効果が期待できます。
③ 費用対効果の向上
メールマーケティングは、既存のメール会員におけるニーズや行動を深掘りし、その傾向にあわせてアプローチする手法のため、新たに広告を出稿したりシステムを導入する必要はありません。
そのため、費用を抑えた形で運用できます。
例えば、過去の購買履歴をもとに関連するユーザーに絞った訴求を行ったり、関連する商品をアプローチすれば売上増加や利益拡大につながる可能性も高まります。
メール会員のユーザーは、少なからず自社に興味のあるユーザーといえます。
このようなユーザーに対し、ニーズをふまえたアプローチができれば、費用対効果を高めた運用につなげることも可能になります。
④ 効果測定しやすい
効果測定から効率的なPDCAサイクルを回し運用できる点も、メールマーケティングの魅力の一つです。
メールマーケティングでは開封率やクリック率など、その後の反響を可視化しやすい特徴があります。
ニーズをふまえた配信に対して、さらにユーザー行動を検証できれば、より精度の高いアプローチにつなげやすくなり、次の戦略や企画立案にも役立てることが可能です。
メールマーケティングを行う際の注意点
実施の際には、以下の点は注意点として押さえておくと効果的です。
① 人的なリソースが必要
メールマーケティングは、ユーザーニーズや行動履歴などを加味し、個別にアプローチしていく手法となります。
そのため、一人ひとりに対してメール内容にこだわり運用していく場合には、大きな手間と工数が発生します。
継続的にコミュニケーションを取るためには、1回の配信で終わるのではなく、タイミングに応じてアプローチしていくことが求められます。
このような対応を社内で賄えなければ、中途半端に終わってしまい効果を高めることができません。
実施の際にはあらかじめ人的リソースの確保を行い、効率的に進めることが重要です。
② ユーザー動向には常に注視する必要がある
効果的なメールマーケティングにつなげるためには、常にユーザー動向に気を付け、市場や競合の変化などもあわせ確認していく必要があります。
ユーザー動向の多様化が進む昨今においては、ブームやトレンドの短期化も顕著に表れます。
例えば、特定のページに興味があって訪れたユーザーに対し、1週間後にメールでアプローチしても、既に興味は薄れていたり、別の商材を購入している場合もあります。
このような機会損失を防ぐためにも、日々ユーザー動向を注視するとともに、スピーディーなメールマーケティングを心掛けることが重要です。
メールマーケティングの代表的な手法
メールマーケティングといってもその種類は多岐に渡り、目的に応じて以下のような手法が展開できます。
① メルマガ（メールマガジン）
メルマガは、不特定多数に向けて広くアプローチするメールマーケティング手法です。
一斉配信のため多くのユーザーに対してリーチすることができますが、一方でニーズにマッチしないユーザーにも配信されてしまうため、開封率の低下や購読解除につながる可能性も高まります。
② ターゲティング（セグメント）メール
ターゲティング（セグメント）メールとは、メール配信先のユーザーを絞り、ターゲットに対してアプローチするメールマーケティング手法です。
基本的には年齢や性別、地域といったユーザー属性に応じてターゲットを絞って配信するケースが多くなります。
ターゲットを絞ることで、属性に応じたアプローチが可能になるため、開封率やクリック率などを高める効果が期待できます。
ただ、ターゲット（セグメント）を絞り過ぎると配信できる数が減ってしまうため、配信数には注意が必要です。
③ ステップメール
ステップメールとは、ユーザーの行動などに伴い段階的にアプローチするメールマーケティング手法です。
例えば、メール会員の登録直後と1週間後、1か月後にそれぞれ異なる内容のメールを配信することで、顧客育成につなげることが可能になります。
この条件は、企業によって任意に設定することができ、タイミングに応じたキャンペーンや割引などを組み合わせることで、効率よくコンバージョン獲得に導くことができます。
④ シナリオメール
シナリオメールは、ユーザー行動に応じて自動で異なる内容を配信するメールマーケティング手法です。
ステップメールと近しい手法となりますが、メール内のユーザー行動に応じてシナリオを変えながら展開できる点が違いとなります。
例えば、メール内の対象リンクをクリックしたユーザーには、別のタイミングで連動した内容を訴求することが可能です。
ユーザーのメール内アクションに応じて独自のシナリオを設定できるため、メールから効果的にコンバージョン獲得へと導くことが期待できます。
⑤ リターゲティングメール
リターゲティングメールとは、自社の対象ページに訪れたユーザーに対して配信するメールマーケティング手法です。
例えば、特定の商品ページを訪れたユーザーに詳細やキャンペーンなどの内容をメールで送信したり、解約ページに訪れたユーザーに、解約防止のメールを送ることが可能です。
指定のアクションに応じてメール訴求できるため、開封率やクリック率、コンバージョン率を高める効果が期待できます。
メールマーケティングの効果を高めるコツ
メールマーケティングは、ユーザーニーズや行動履歴などに応じてアプローチできますが、闇雲に実施しても効果にはつながりません。
運用効果を高めるためには、以下の要素を押さえておくと効果的です。
① 目的やターゲットの明確化
メールマーケティングの効果を高めるためには、まず目的やターゲットを明確化しておく必要があります。
コンバージョン獲得一つとっても、購入や資料請求、セミナー参加などの着地点によってアプローチ内容は異なります。
どういった目的でどのようなニーズを抱えたユーザーにアプローチするのか明確化しておかなければ、効果を高めることにはつながりません。
そのため、あらかじめ目的やターゲットを明確にしておくことは重要です。
② 配信タイミングにこだわる
ステップメールやシナリオメール、リターゲティングメールなどは、ユーザー行動に応じてアプローチできるメール手法です。
そのため、どのタイミングでメールを配信するのか、内容と合わせてこだわることが重要です。
商品ページを訪れたユーザーに、1ヵ月後メールを送ってもユーザーは忘れているかもしれません。
情報量が多く、ユーザー側にて日々取捨選択している昨今だからこそ、必要なタイミングで必要な情報を届ける必要があります。
③ 配信後の効果検証とPDCA
最後に、メール配信後には必ず効果検証を行い、改善につなげることが重要です。
メールマーケティングでは、開封率やクリック率、その後のコンバージョン率などメールを起点としたユーザー行動を数値やデータによって可視化することが可能です。
そのため、ただ配信して終わるのではなく、開封率が高いタイトル文やクリックされやすい構成、コンバージョン率が高い遷移先など分析するとともに、PDCAサイクルによって改善していくと効果的です。
まとめ
メールマーケティングは、ユーザーにメールを通じてアプローチを行い、集客やコンバージョン獲得に繋げるマーケティング手法で、多様化するユーザーニーズや行動をふまえアプローチできるマーケティング施策となります。
今回紹介した内容も参考に、効果的なメールマーケティングにつなげていきましょう。
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