フリークエンシーは、その中でも効果検証を適切に行い、費用対効果を高める上で重要度が増している指標になります。
自社の広告がユーザーに対して何回表示されたのかを意味し、認知度拡大やその後のコンバージョンにつなげる上でもファーストステップとなる指標になります。
とはいえ、「フリークエンシーという言葉は聞いたことがあるけど、詳しくは分からない」「リーチ数と同じではないの?」などと悩まれる担当者も少なくありません。
そこで今回は、フリークエンシーの概要からリーチ数との違い、効果測定のコツなどについてポイントを中心に紹介していきます。
フリークエンシーとは?
そもそもフリークエンシーとは、一定期間において同一ユーザーに対して自社の広告が何回表示されたのかを表す指標のことを指します。
インターネットを活用して様々な媒体を閲覧していると、同じ広告が何度も表示されることが多々あります。
企業がリターゲティング広告などを実施していれば、1度広告をクリックしたユーザーに対して追従する形で何度も広告を表示させ、認知度拡大やブランディング訴求を行うことができます。
このような場合、フリークエンシーを多く設定することで、同一ユーザーに対する広告表示回数を増やすことができ、反対にフリークエンシーを少なくすれば同一ユーザーには何度も広告を表示させなくすることも可能です。
フリークエンシーの設定には、ブラウザのCookie機能を活用しています。
そのため、PCとスマートフォンを使い分けているユーザーの場合には同一ユーザーと判別されず、別ユーザーとして計測される場合もあります。
フリークエンシーとリーチ数の違い
フリークエンシーと近しい言葉として、リーチ数という指標も存在します。
Webマーケティングやプロモーションの担当者の中には、リーチ数の方がフリークエンシーよりも馴染みのあるケースも少なくありません。
ただ、フリークエンシーは同一ユーザーに対する広告表示回数を表すのに対し、リーチ数は自社の広告を閲覧したユーザーの数を意味します。
例えば、1人のユーザーに3回広告表示された場合、フリークエンシーとしては3件が対象数値となり、リーチ数では1件が対象となります。
何回広告訴求するのかという指標と、何人に広告訴求するのかという指標では、結果やその後の対策にも異なる影響を及ぼします。
そのため、フリークエンシーとリーチ数は混在することなく、別の指標として効果検証につなげていく必要があります。
フリークエンシーを確認することの重要性
ユーザー行動の多様化に伴い、Web広告を一度見たからといってそこからすぐにコンバージョンにつながる率は低くなってきています。
このような中にあって、何度も広告を訴求し、認知度向上を図るとともにコンバージョンにつなげる動きは、様々なWeb広告においてメニューとして用意されるようになってきています。
そのため、フリークエンシーを確認しながら広告をコントロールしていくことは重要な施策の一つとなります。
短期的なプロモーション施策の場合、同一ユーザーに何度も広告訴求することで、コンバージョンにつなげる可能性も高まります。
一方で、フリークエンシーの設定を高め、何度も広告訴求しすぎることは、かえってマイナスイメージにつながる可能性も起こり得ます。
そのため、必ずしもフリークエンシーを高めることが効果的という訳ではなく、適切なフリークエンシーを見極めながら広告運用していくことが重要です。
フリークエンシーの最適な効果測定のコツ
続いて、フリークエンシーの最適な効果測定のコツについて紹介していきます。
重要性でもふれたように、フリークエンシーは必ずしも多く表示させる設定にすれば良いという訳ではありません。
何度も広告訴求しすぎることで、ユーザーにまた同じ広告かと思われてしまい、マイナス効果につながる可能性も起こり得ます。
最適なフリークエンシーの回数は、明確な基準がある訳ではないため判断が難しい傾向にあります。
とはいえ、適当に設定することは機会損失につながるリスクもあるため、最低限以下の要素をふまえて設定していくと効果的です。
企業やプロモーション施策によってフリークエンシーは異なる
前提として、フリークエンシーは企業やプロモーション施策に応じて様々なパターンが存在するため、明確な基準がある訳ではありません。
例えば、認知度拡大やブランディングを目的とした場合、フリークエンシーは多く設定した方が効果につながる可能性は高まります。
一方で、Webに慣れたユーザーが集まる業種業態や、企業ブランドなどを重要視した場合には、何度も広告訴求させることによるマイナスリスクを避け、フリークエンシーも少なめに設定した方が良いケースもあります。
認知度拡大を取るか、リスク回避を取るかは企業の目的やスタンスにもよるため、フリークエンシーを活用する場合には、事前に検証しながら運用していくことが重要です。
テストを行いながら判断していく
実際に、フリークエンシーを活用する場合には、自社の目的やスタンスをふまえた上であっても、テストを行いながら判断していくことが効果的です。
効率的に広告訴求していくための基準は、実際に試さない事には分かりません。
機会損失やマイナスリスクを避けつつ、自社における最適なフリークエンシーを見つけるためには、小規模でスタートし、コンバージョン数や費用対効果を確認しながら徐々にフリークエンシーを増やしていくと効果的です。
フリークエンシーが高くなってしまったら?
フリークエンシーが高くなってしまった、、、そのようなときにはどのような対応をすればいいのでしょうか。
具体的には下記の2つの対処法があります。
・フリークエンシーキャップの活用
クリエイティブの差し替え
フリークエンシーが高いときの対処法としては、バナーや広告文などのクリエイティブの差し替えがあります。
クリエイティブが違うものに差し替えられれば、「何度も見たことのある広告だな」とは感じないでしょう。
見せ方を変えたり、また訴求内容を変えることで今まで魅力を感じていなかったユーザーに届けることができ、コンバージョンに至る可能性もあります。
フリークエンシーキャップの活用
フリークエンシーが高くなるたびにクリエイティブを差し替えていくのは正直手間がかかる、、、と思った方もいるでしょう。
その時に活用したいのが「フリークエンシーキャップ」です。フリークエンシーキャップとは、同一ユーザーに対する広告表示回数に制限を設けることができる機能のことを指します。
Google広告やYahoo!ディスプレイ広告などには設けられており、活用することで、例えば「同一ユーザーに対して表示させる広告は、1ヵ月の期間中は週に10回まで」といった制限を設けることが可能です。
あらかじめ上限設定を行っておけば、それ以上の広告が表示されることはないため、広告に対するマイナスイメージを減らすことが期待できます。
また、無駄な広告コストを抑えることにもつながるため、費用対効果を高めることも期待できます。
とはいえ、フリークエンシーキャップを設定していたとしても、この制限はブラウザに紐づくため、ユーザーが複数のブラウザを活用している場合には制限が利かない場合もあります。
例えば、1ヵ月の期間中は週に10回までの制限を設けていたとしても、対象期間中にPCで広告が10回表示されたユーザーが、スマートフォンを利用していた場合には11回目が表示されることが起こり得ます。
様々なブラウザや端末を使い分けるユーザーは少なくありません。フリークエンシーキャップを活用したとしても全てを網羅してコントロールできるわけではない点は、十分注意しておく必要があります。
フリークエンシーの設定・確認方法
次に、フリークエンシーの設定・確認方法について紹介していきます。
ここでは代表的なフリークエンシーを活用した広告手法であるGoogle広告とYahoo!のディスプレイ広告における設定方法について紹介していきます。
Google広告におけるフリークエンシーの設定方法
Google広告では、管理画面からフリークエンシーの設定を行うことが可能です。
(2)「その他の設定」から「フリークエンシーキャップ」をクリック
(3)「制限を設定」から対象の広告グループやキャンペーンを選択
(4)期間やフリークエンシー回数を入力し「保存」をクリック
また、確認方法としては以下となります。
(2)「表示項目の変更」をクリック
(3)「リーチの指標」から「平均表示頻度」にチェックを入れ「適用」をクリック
これで確認できるようになります。
Yahoo!ディスプレイ広告におけるフリークエンシーの設定方法
Yahoo!広告ディスプレイ広告でのフリークエンシーの設定方法は以下となります。
(2)「編集」から「フリークエンシーキャップ」を選択し「設定する」をクリック
(3)対象の広告グループやキャンペーンを選択し、期間やフリークエンシー回数を入力し「編集内容を保存」をクリック
また、Yahoo!広告ディスプレイ広告には、レポート機能の中に「フリークエンシーレポート」という項目が用意されています。この中で設定したフリークエンシーの状況を確認することが可能です。
まとめ
運用型のWeb広告を中心に、同じユーザーに対して何度も広告訴求を行う手法は増加傾向にあります。
このような設定に対して、フリークエンシーは非常に効果的に活用することが可能です。
表示させる広告のタイミングや頻度によっては、認知度向上とともにコンバージョンにつながる可能性も高まります。
一方で、正しく運用しなければ何度も広告訴求を行うことがかえってマイナス影響につながる可能性も起こり得ます。
今回紹介した内容も参考に、フリークエンシーやフリークエンシーキャップを適切に活用し、Web広告の費用対効果を高めていきましょう。