
Yahoo!広告を運用している広告主の皆様に重要なお知らせです。
LINEヤフー株式会社は、
2025年6月30日(月)をもって
検索広告における「拡張クリック単価」の提供を終了する
と発表しました。
現在拡張クリック単価を利用している広告アカウントでは、
6月18日(水)より順次
「手動入札:個別クリック単価」に自動的に移行されることになります。
本記事では、
この重要な変更について解説し、広告主が取るべき対応策について具体的に説明します。
1. 拡張クリック単価終了の背景と理由
1-1. 自動入札技術の進歩による判断
2. 終了スケジュールの詳細
2-1. 段階的な終了プロセス
2-2. 重要な期限
3. システムによる自動移行の詳細
3-1. 移行プロセスの内容
3-2. 移行時の注意点
4. 推奨される代替入札戦略
4-1. コンバージョン測定を行っている場合の選択肢
4-2. コンバージョン測定を行っていない場合の選択肢
4-3. 選択時の重要な考慮事項
5. 移行前に実施すべき準備事項
5-1. A/Bテストの活用検討
5-2. レポートデータの事前取得
5-3. キャンペーン設定の事前確認
6. 各入札戦略の特徴と使い分け
6-1. 獲得を重視する場合の戦略
6-2. サイト流入を重視する場合の戦略
7. 今後の対応(アクション例)
8. まとめ
1. 拡張クリック単価終了の背景と理由
LINEヤフーが拡張クリック単価の提供を終了する背景には、
”自動入札技術の進歩”があります。
これまでYahoo!広告では、
自動入札タイプの拡充および機能改善を行ってきました。
その結果、
「コンバージョン数の最大化」
「コンバージョン価値の最大化」
といった自動入札が、
拡張クリック単価と同等かそれ以上の成果を出せる可能性があると判断され、
拡張クリック単価の終了が決定されました。
2. 終了スケジュールの詳細
2-1. 段階的な終了プロセス
拡張クリック単価の終了は段階的に実施されます。
「拡張クリック単価」の新規設定と有効化が不可能に
⇓
システムによる自動移行が順次実施
⇓
6月30日(月)
提供が終了

2-2. 重要な期限
広告主および代理店は、
6月17日(火)までに適切な入札戦略への変更を完了することが推奨されています。
この期限を過ぎると、
システムによる自動移行が開始され、広告主の意図しない設定変更が発生する可能性
があります。
3. システムによる自動移行の詳細
3-1. 移行プロセスの内容
システムによる移行では、
「拡張クリック単価」を有効にするためのチェックボックスが自動的に外され、
「手動入札:個別クリック単価」に変更されます。
この移行はアカウント毎に順次実施されますが、
具体的な実施タイミングについては事前に通知されません。
3-2. 移行時の注意点
システムによる移行が完了すると、
新たに「拡張クリック単価」を利用することはできなくなります。
ただし、
システムによる移行が完了する前であれば、
手動で「拡張クリック単価」を無効にすることは可能です。
また、
操作履歴にはシステムによる操作として記録されるため、
後から確認することができます。
4. 推奨される代替入札戦略
4-1. コンバージョン測定を行っている場合の選択肢
コンバージョン測定を実施している広告主には、以下の選択肢が推奨されます。
目標値を設定したい場合
- 目標のコンバージョン単価でコンバージョンを最大限獲得したい場合は
「コンバージョン単価の目標値」 - 目標の平均広告費用対効果(ROAS)で高いコンバージョン価値を獲得したい場合は
「広告費用対効果の目標値」
予算内で最大化したい場合
- 予算内でコンバージョンを最大化したい場合は
「コンバージョン数の最大化」 - 予算内で価値の高いコンバージョンを最大限獲得したい場合は
「コンバージョン価値の最大化」
4-2. コンバージョン測定を行っていない場合の選択肢
コンバージョン測定を実施していない広告主には、以下の選択肢があります。
クリック数や広告の視認性を重視する場合
- クリック数を最大化したい場合は
「クリック数の最大化」 - 検索結果のページ最上部に広告が表示されるようにしたい場合は
「ページ最上部掲載」
4-3. 選択時の重要な考慮事項
コンバージョン測定を行っている場合で自動入札タイプを選択する際は、
“変更前の一定期間(1カ月以上)に十分なコンバージョン数の発生が見込めるキャンペーンか”
を確認することが重要です。
データが不十分な場合、自動入札の効果が十分に発揮されない可能性があります。
5. 移行前に実施すべき準備事項
5-1. A/Bテストの活用検討
「変更する入札戦略の選択に迷う」
「実績を確認してから変更したい」
こんな方々には、
A/Bテストの活用を検討することをお勧めします。
ただし、
A/Bテスト期間中であっても拡張クリック単価のシステムによる移行は順次実施されるため、
正しく広告のパフォーマンスを比較・検討できるよう、
システムによる移行前までにA/Bテストが完了する設定にしておくことが重要です。
5-2. レポートデータの事前取得
システムによる移行が完了後、
拡張クリック単価についての項目がレポート上から削除されます。
過去のデータを保持したい場合は、
システムによる移行前までに必要なレポートを取得しておくことをお勧めします。
5-3. キャンペーン設定の事前確認
移行前に、
現在の広告配信状況やパフォーマンスデータを詳細に確認し、
最適な代替入札戦略を慎重に選択することが重要です。
特に、
季節性のあるビジネスや特定の時期に集中して配信を行っている場合は、
移行のタイミングも考慮に入れると良いでしょう。
6. 各入札戦略の特徴と使い分け
目的に合った入札戦略を選ぶために、
それぞれの特徴を理解しておきましょう。

6-1. 獲得を重視する場合の戦略
コンバージョン獲得を目的とする場合、以下の戦略が効果的です。
- コンバージョン数の最大化:
設定した予算内で最大数のコンバージョンを獲得することを目指します。
コンバージョン単価(CPA)の目標値がない場合や、
とにかく獲得数を増やしたい場合に適しています。 - コンバージョン価値の最大化:
設定した予算内で最大のコンバージョン価値を獲得することを目指します。 - コンバージョン単価の目標値:
目標とするCPAを設定し、
その範囲内でコンバージョン数を最大化することを目指します。
明確なCPA目標がある場合に適しています。 - 広告費用対効果の目標値:
目標の平均ROASを維持しながら、
できるだけ多くのコンバージョン価値を獲得することを目指します。
6-2. サイト流入を重視する場合の戦略
認知度向上やサイト流入数の増加を目的とする場合、以下の戦略が効果的です。
- クリック数の最大化
→ 設定した予算内で最大数のクリックを獲得するよう入札価格が自動調整されます。 - 手動入札:個別クリック単価
→ キーワードごとに個別にクリック単価を設定できるため、細かな調整が可能です。
経験豊富な運用者がいる場合や、
特定のキーワードに対して戦略的な入札を行いたい場合に適しています。 - ページ最上部掲載
→ 目標とする割合で、
検索結果ページの最上部に広告表示されるよう入札価格が自動調整されます。
ブランド防衛や競合対策として効果的です。
7. 今後の対応(アクション例)
即座に実施すべき事項
- 現状把握:現在拡張クリック単価を使用しているキャンペーンの洗い出し
- パフォーマンス分析:各キャンペーンのパフォーマンスデータの確認
- 目標設定:各キャンペーンの目的と目標値の再確認
6月17日までに完了すべき事項
- 入札戦略の決定:各キャンペーンに最適な代替入札戦略の選択
- 設定変更:選択した入札戦略への変更実施
- モニタリング体制の構築:変更後のパフォーマンス監視体制の整備
継続的に実施すべき事項
- パフォーマンス監視:新しい入札戦略によるパフォーマンスのモニタリング
- 最適化:必要に応じた入札戦略や目標値の調整
- レポーティング:定期的なパフォーマンス分析と入札の調整
8. まとめ
Yahoo!広告の拡張クリック単価終了は、広告運用に影響を与える重要な変更です。
しかし、
適切な準備と対応を行うことで、
この変更をより高度な自動入札機能を活用する機会として捉えることができます。
重要なのは、
6月17日という期限を意識して早めの対応を行うことです。
システムによる自動移行を待つのではなく、
各キャンペーンの目的に応じて最適な入札戦略を主体的に選択し、
設定変更を実施することをお勧めします。
また、
新しい入札戦略への移行後も継続的なモニタリングと最適化を行うことで、
拡張クリック単価を使用していた時期と
同等以上のパフォーマンスを実現することが期待できます。
この機会を活用して、より効果的な広告運用を実現していきましょう。
※本記事の参考:LINEヤフー株式会社 【検索広告】自動入札タイプ「拡張クリック単価」の提供終了について 2025年5月27日