精度の高いターゲティングで最近注目されているFacebook広告ですが、自動配信に任せて何も手を加えていない広告担当者様も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
実はFacebook広告においても推奨されているアカウント構造があり、その構造に近づけていくことでより獲得効率を向上させることが出来ます。本記事では効果を最大化するアカウント構造と導入のためのステップをお伝えします。
1.Facebook広告における媒体推奨のアカウント構造とは?
精度の高いターゲティングで成果の最大化を図ることが出来るFacebook広告ですが、その精度を高めるためには機械学習を進めるための”データを集めてあげる”ことが重要となります。その条件として媒体が推奨しているのが、各広告セット毎に1週間で50件以上のCV数を担保するということです。
CV数が50件以下となってしまうと配信の精度が落ち、獲得見込みの低いユーザーへの配信量が増えてしまうことでCPAが高騰しまう恐れがあるほか、徐々に広告の配信量自体も減ってしまう可能性があります。
逆に、各広告セット毎に週50件のCV数を担保することができればより獲得見込みの高いユーザーへの配信ボリュームを増やすことができ、CV数を拡大したり、CPAを低減したりできる可能性が高まります。
週50件のCV数を担保すると聞くと難しいと思いがちですが、適切なアカウント構造にすれば多くのアカウントで達成することが可能です。今回は広告セット単位で週50件のCV数を担保するための弊社なりのメソッドをお伝えします。
2.アカウント構造のポイント1:最終目標はオーディエンスの集約
重要なことなので何度も申し上げますが、Facebook広告においては”データの収集”が何よりも大切です。基本的に広告セットはオーディエンス単位で分けられているかと思いますが、広告セットをあまりにも多く分けすぎてしまうとデータが分散してしまい、情報収集にかなり時間がかかってしまいます。
データをいち早く集め、より獲得見込みの高いユーザーに広告を配信していくためにもオーディエンスはなるべく1つの広告セットに集約していくことが良しとされています。
ただし、やみくもにオーディエンスを集約しても良いアカウント構成とは言えません。適切なオーディエンスでクリエイティブの検証を行うことでパフォーマンスの高い広告セットを確立していきましょう。
3. アカウント構造のポイント2:週50件のCV数を担保するための検証項目
ここからは、より最適なアカウント構造に近づけていくための検証項目をお伝えします。
3-1.オーディエンスの精査
まず検証したいのは、オーディエンス(広告の受け手)です。
Facebook広告の強みは様々なオーディエンスに広告を配信できることです。LPに一度は訪問したことがある顕在層に広告を配信するリターゲティングはもちろんですが、そのユーザーに似ている新規ユーザーに広告を配信できる類似ターゲティングも大きな魅力の1つです。オーディエンスによっては今までリーチできなかった獲得見込みの高い新規ユーザーにも配信が可能となります。(何をもとに似たユーザーをターゲティングしているかは未公表となっておりますが、行動データやログイン情報などが利用されていると考えられています。)
既にCVしているユーザーや、エントリーフォームに到達したものの離脱してしまったユーザーに似ている新規ユーザーに対して広告を配信すると獲得見込みが高い傾向にありますが、その他にも類似濃度などの選択も可能であるため様々なオーディエンスを試し貴社の売り上げに貢献する新たな顧客を発掘していきましょう。
3-2.クリエイティブの検証
オーディエンス同様にクリエイティブの検証も重要です。
クリエイティブにおいてもデータを集約するために、1広告セットあたり5~6本のクリエイティブを配信することが推奨されています。複数のクリエイティブをまわしすぎている場合は一度効果の良いものを選定すると良いでしょう。
また、古いクリエイティブはユーザーの目を飽きさせてしまうため定期的に差し替えることをおすすめします。むやみやたらにクリエイティブを差し替えてもキリがなくなってしまうため、ある程度期間を定めてバナーの検証やテキストの検証(訴求以外にも絵文字の有り無しなど)を行い、クリエイティブの勝ちパターンを見極めていきましょう。
3-3.集約
ある程度獲得に繋がりやすいオーディエンスを見極めたら、獲得効率の良いオーディエンスを1つの広告セットに集約します。そうすることでデータをより早く集約し、パフォーマンスを安定させることが出来ます。
わかりやすくするため、例として挙げていきます。
まずは悪い例です。
上記の広告セットは男性のキャンペーンになっているのですが、広告セットを年齢ごとに分けています。各広告セットで週に10~20CVしか計測されないため、機械学習がかかりにくい構造になっています。
良い例は下記になります。
広告セットごとでターゲティングを大きくとり、週に50CV計測される構造にすることが大切です。週に50CVを担保することで機械学習がうまくかかり、成果が出やすくなる傾向にあります。
商材によってはターゲティングごとに50CVが計測できないこともあるでしょう。その場合にはMCV(マイクロコンバージョン)というCVに至るまでの中間地点をコンバージョンとしておき、CV数をためていくことをおすすめします。
オーディエンスの検証を行わないまま集約してしまうと逆に効果の悪化につながりかねないので、オーディエンスの検証は絶対に怠らないようにしましょう。
4.日予算設定の目安
「検証を重ねることで、獲得効率の高いオーディエンスやクリエイティブを見極めていく重要性は分かったけど、日予算をどのくらいかけたらいいかわからない」という方も多くいらっしゃるかと思います。目安として、広告セット毎に1週間で50件のCV数を担保するためには(1週間に)50CV÷7日間で1日に7件のCV数を担保する必要があるという計算になります。
つまり実績CPAに、1日に獲得したいCV数の7件をかけることで日予算の目安を確認することが出来ます。ただし、CV数が少ない、実績CPAが高いなどの理由により目安とする日予算が想定より高くなりすぎてしまう場合は、CV指標になるべく近いポイントにおいてmCV(マイクロコンバージョン)の導入を検討しましょう。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
Facebook広告において、オーディエンスやクリエイティブの検証を繰り返し、集約していくことでより効率よく学習を進めることができ、今よりも安定した成果を担保できるようになります。ぜひ積極的に効果検証を行い、自社にとって最適なアカウントを作成してください。
Facebook広告の運用でお困りの方は、お気軽に弊社へご相談ください!