Web広告やプロモーションで、専用のLP(ランディングページ)に遷移させることは多くあります。
記事LPは、読み物コンテンツを主体としたLP(ランディングページ)で、通常のLPよりも広告色が薄いため、ユーザーに自然な形で商材やサービスを訴求することが可能です。
広告出稿先媒体や参照元ページとも関連性が高いため、LPよりも離脱率を押さえ、興味関心を惹くことも期待できます。
今回は、記事LPの概要から一般的なLPとの違い、メリットや効果につなげるためのコツなどについてポイントを中心に紹介していきます。
記事LPとは?
そもそもLP(ランディングページ)とは、広義の意味ではユーザーが自社のホームページにおいて初めて閲覧するページを表しますが、狭義では広告経由で訪れたユーザーに訴求するためのページのことを意味します。
日本におけるマーケティング領域としては、LPは狭義の意味で活用するケースが多く、広告からのリンク先として自社の商材やサービスの購入や申し込み、資料請求、問合せなどのコンバージョンにつなげるための専用ページのことを指します。
一般的にこのLPはコンバージョン獲得を目的に、画像や動画といったビジュアルにこだわり、CTAボタンを適宜配置し、縦に長い構成のページが多くなります。
広告経由で興味を示したユーザーを確実にコンバージョンへとつなげるため、分かりやすく且つ情報量が多いページになる傾向にあります。
これに対して記事LPは、Web系のメディアやブログ、コラム記事のような体裁で構成されたページのことを指します。
広告経由で訪れたユーザーをコンバージョンにつなげる点で、一般的なLPと目的は同じですが、読み物形式の構成であることから広告色は薄く、掲載するコンテンツ内容も、よくある質問や悩み解決などが多いため、興味を示したユーザーの関心意欲をより高めることが可能です。
また、一般的なLPよりも広告色を薄くすることで、広告出稿先の媒体との関連性や親和性も高まるため、ユーザーの離脱率を低下させ、コンバージョンにつなげることも期待できます。
記事LPを活用するメリット
続いて、記事LPを活用するメリットについて紹介していきます。
記事LPは、一般的なLPとは見た目や掲載コンテンツも異なるため、効果的に活用することで様々なメリットにつなげることが期待できます。
①離脱率の抑制
従来の一般的なLPは、広告経由で訪れたユーザーを確実にコンバージョンにつなげるため、画像や動画といったビジュアルにこだわったり、強みやメリットの強調、コンバージョンさせるボタンの多用など、情報を盛り込んだ構成になる傾向にありました。
このようなページは従来であればコンバージョン増加につながる可能性もありましたが、多様化するユーザー行動の中にあって、かえってマイナスに影響することも少なくありません。
近年では広告と分かるだけで離脱してしまうユーザーも多くいます。
このような背景もあり、広告色を薄めた記事LPを活用することで、離脱率を抑制することが可能です。
広告経由で訪れたユーザーは、自社の商材やサービスに多少興味を示したものの、まだまだ潜在層といえます。
このようにユーザーを離脱させなければ、結果的にコンバージョン数増加につなげることも期待できます。
②潜在顧客の興味関心意欲の向上
また、記事LPを活用することで、潜在顧客の興味関心意欲を高めることも可能です。
記事LPは、広告色が薄い分だけユーザーが欲する情報をコンテンツとして掲載することができます。
例えば、よくある質問をはじめ不安や悩みを解消するためのコツなどを掲載することで、漠然と興味を持ったユーザーに対してもう一歩踏み込んだアプローチを行うことが可能になります。
広告手法の多様化やユーザーの興味関心意欲の短期化などもあり、一般的なLPでいくら訴求をかけたとしても、潜在顧客がすぐにコンバージョンにつながる可能性は高くはありません。
一方で記事LPであれば、広告出稿先媒体や参照元ページとの関連性や親和性も高くなることから、ユーザーの興味関心を更に熟成させることで、コンバージョンにつなげやすくもなります。
記事LPに向いている商材はなに?
一般的に記事LPはどのような商材が向いているのでしょうか?
よく活用されている例としては、サプリや美容、クリニック、法律事務所などの商材です。
上記の商材はCVの地点が「購入」であることが多く、ユーザーに意思決定させるために時間が掛かるため、記事型のLPを活用する事が多いです。
クリニックや法律事務所は金額が大きくなることがあるため、直ぐにお申込みとはなりにくいでしょう。長い時間悩む中で記事中で疑問を解決し、申し込みのモチベーションを高めて行きます。
更に、上記のサプリや美容、クリニックは広告配信の際、通常のLPだと審査に通りにくい傾向にあります。センシティブな言葉や人の悩みなどの直接的な言葉をそのまま使ってしまうと、媒体の審査基準にひっかかり、広告が配信できない、なんてこともあります。
記事にすることで直接的でなく、やんわりとした表現の文章にし、審査に通るように工夫されることが多いです。
記事LPの基本的なフォーマットおよび効果につなげるためのコツとは?
次に、記事LPの基本的なフォーマットについて紹介していきます。
近年のユーザー行動や心理などをふまえると、「①認知」>「②興味関心」>「③比較検討」>「④コンバージョンページへの遷移」という流れが重要になります。
それぞれのタイミングにおけるフォーマットについて紹介していきます。
①認知
広告経由で訪れたユーザーに、いきなり自社の商材やサービスを訴求したのでは、一般的なLPと同じになります。
記事LPでは、ユーザーが興味を示しそうな悩みや不安ごとを解消する内容を明記することが重要です。
その際、広告出稿先媒体や参照元ページを考慮しながら展開することで、直帰や離脱を防ぎ、自然な流れで記事LPの内容を閲覧してくれるようになります。
②興味関心
ユーザーが興味を示しそうな内容を掲載した後で、その悩みや不安ごとを解消するための方法として、自社の商材やサービスを訴求していきます。
前段で①の認知に関するコンテンツがあることで、ユーザーは自然な形で自社の商材やサービスを知ることができます。
その結果、興味関心意欲をさらに高めることにもつながります。
③比較検討
ユーザーの興味関心意欲を高めることができたら、もう一押しとして比較検討のコンテンツを掲載すると効果的です。
競合他社と違って自社の商材にどういったメリットがあるのか、他社サービスと違う強みはどこにあるのか掲載していきます。
その際、自社目線の情報だけでなく客観的な視点における具体的且つ信ぴょう性のある情報を、数値・データをもとに掲載できると効果的です。
④コンバージョンページへの遷移
ここまでの流れで、訪れたユーザーに対して自社の商材やサービスに関する訴求は基本的には出来ています。
そのため、最終的なコンバージョンにつながるCTAボタンを設置し、確実に刈り取る施策を講じると効果的です。
また、場合によってはここから更に一般的なLPへと遷移させ、再度訴求することも有効です。
ただ、その場合にはコンバージョン迄の導線が長くなり、離脱につながる可能性もあるため注意が必要です。
記事LPを作成する上での注意点
最後に、記事LPを作成する上での注意点についても紹介していきます。
これから記事LPの作成を検討している場合には、以下の点を押さえておくと効果的です。
①ターゲットをふまえた記事作成に努める
記事LPは、ターゲットをふまえた構成を意識することが重要です。
ユーザーの興味関心は日々変わります。
ブームやトレンドも目まぐるしく変わるため、今求めている情報が数ヶ月後には廃れている可能性も起こり得ます。
そのため、常にターゲットユーザーの興味関心を意識し、数ヶ月先を見据えて作成していく必要があります。
例えば、「夏の紫外線から効果的に肌を守るには?」このような記事を冬に掲載しても意味がありません。
また、記事LPはあくまで自社のプロモーション施策の一部ですので、商材やサービスに関係ない情報を掲載してもコンバージョンにつながる導線は限りなく低くなります。
ターゲットとともに自社の商材やサービスの特性を活かした記事作成に努めることが重要です。
②広告出稿先媒体や参照元ページを意識する
記事LPは、一般的なLPと同様に広告出稿先の媒体や参照元ページからの受け皿として展開していきます。
そのため、どういった媒体に広告出稿するのか、参照元ページとの関連性や親和性も重要になります。
広告出稿先媒体に応じて関連する記事を作成するのか、記事LPを作成し、その上で参照元ページを選定するのかは、マーケティング戦略やプロモーション施策によって異なります。
とはいえ、記事LPはどういったユーザーに対してアプローチしていくのか明確化した上で作成していくことが重要です。
③LPOの実施
記事LPは、広告からの遷移先に設定したからといってすぐに効果につながるわけではありません。
広告出稿の状況などにもよりますが、ページビュー数だけ伸びてもコンバージョンにはなかなかつながらないということも起こり得ます。
そこで重要になるのがLPO(Landing Page Optimization)です。
LPOとは、ランディングページの最適化のことを意味し、記事LPに訪れたユーザーの行動を確認しながら、コンバージョンにつなげるために改善を行うことを指します。
例えば、CTAボタンや掲載コンテンツの位置を調整したり、色やフォントによってコンテンツの誇張を施すなどで、効果が全く変わることも起こり得ます。
この際、ヒートマップツールが活用できると更に効果的です。
ヒートマップツールによって、ユーザーが記事LPのどこをよく見ているのか、どこで離脱しているのか、クリックが多い箇所などを可視化することができるため、よりLPOにもつなげやすくなります。
まとめ
記事LPは、広告慣れしたユーザーが増えてきた近年において、広告色を薄めることでよりコンバージョン効果を高める効果が期待できます。
広告経由で訪れた潜在顧客に対して、関連する記事コンテンツを訴求することで、興味関心意欲をさらに高めることが期待できます。
とはいえ、広告との関連性や親和性、ターゲットをふまえた記事作成を意識しなければ、記事LPであっても効果につなげることは出来ません。
今回紹介した内容も参考に、Web広告と記事LPを効果的に活用しながら、スムーズなコンバージョン獲得につなげていきましょう。