
Yahoo!のディスプレイ広告では、
「類似ユーザー」をターゲットに広告を配信できるメニューが用意されています。
これは、
過去にコンバージョンに至ったユーザーの属性や行動履歴をもとに、
近い特徴を持つ新たなユーザーにアプローチできる機能です。
そのため、
コンバージョン率の向上や、広告の費用対効果アップが期待でき、
業種を問わず多くの企業に活用されています。
本記事では、
Yahoo!ディスプレイ広告における類似ユーザーの基本情報から、メリットや設定方法までを
わかりやすく解説していきます。
1. Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーとは?
2. Yahoo!ディスプレイ広告のアップデート
2-1. データの蓄積期間の改善
2-2. 類似ユーザーを判別する指標の増加
3. Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを活用するメリット
3-1. コンバージョン獲得につながりやすい
3-2. 新規ユーザーに向けたブランディング効果
4. Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを活用するデメリット
4-1. 設定には一定の対象ユーザーが必要
4-2. 対象ユーザーの質によっては効果につながらない場合も存在する
5. Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーの設定方法
5-1. 新規のキャンペーンや広告グループの作成と一緒に設定する場合
5-2. 既存のキャンペーンや広告グループに追加設定する場合
6. Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを活用する上での注意点
6-1. ユーザー類似度の調整の活用
6-2. 入札価格の調整が必要
6-3. 手動で除外リストの設定を行う必要がある
7. まとめ
1. Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーとは?
Yahoo!ディスプレイ広告における「類似ユーザー」とは、
自社の既存顧客と属性や行動履歴が似ているユーザーをターゲットに広告を配信する手法です。
例えば、
既存顧客と年齢・性別・地域などの属性が似ていたり、
同じようなWebページを閲覧していたユーザーが対象になります。
このようなユーザーに広告を配信することでコンバージョンの可能性が高まります。
なお、
類似ユーザーはリマーケティング広告と混同されやすいです。
リマーケティングは「過去にサイトへ訪問したユーザー」に対して広告を配信するのに対し、
類似ユーザーは「既存顧客と似た特徴を持つ新たなユーザー」が対象です。
ちなみに、
Google広告にも同様の「類似ユーザー」ターゲティング機能があります。
2. Yahoo!ディスプレイ広告のアップデート
類似ユーザーにアプローチできるYahoo!ディスプレイ広告では、
ターゲティング精度を高めるためのアップデートが定期的に行われています。
直近のアップデートでは、主に以下のような改善が実施されました。
2-1. データの蓄積期間の改善
以前のYahoo!ディスプレイ広告では、
類似ユーザーの情報を蓄積するのに約30日ほどかかっていました。
しかし現在は、
最新データのみをもとに広告配信ができるように改善されています。
ユーザー行動の多様化やトレンドの短命化が進む中で、
リアルタイム性の高い広告運用がより重要になっています。
このアップデートにより、
機会損失を防ぎつつ、タイムリーで効率的な広告配信が可能となりました。
2-2. 類似ユーザーを判別する指標の増加
Yahoo!ディスプレイ広告では、
類似ユーザーを判別するために、年齢や性別、地域といったユーザー属性だけでなく、
利用デバイスや閲覧ページ、検索キーワードなどを要素として活用しています。
そこに加え、
Yahoo!オークションやYahoo!不動産といった
Yahoo!関連サービスにおける行動履歴なども判別の指標に加わりました。
これにより、
類似ユーザーを判別する指標が増え、ターゲティング精度をより高める効果が期待できます。
3. Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを活用するメリット
次に、
Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを活用するメリットについて紹介していきます。
類似ユーザーを活用したターゲティングにより、
以下のような効果が期待できます。
3-1. コンバージョン獲得につながりやすい
そもそも類似ユーザーは、
自社の顧客に近い属性を持っています。
そのターゲット層に対してアプローチすれば、
自ずとコンバージョン獲得につながりやすい特徴があります。
また、
Yahoo!ディスプレイ広告では、
テキストだけでなく画像や動画によってアプローチすることが可能です。
リスティング広告の場合、
文字制限のあるテキストのみの訴求なため、
ユーザーに対して十分に訴求出来ないケースも少なくありません。
これに対してディスプレイ広告であれば、
画像や動画によってより多くの情報量で訴求することができます。
そのため、
無駄な露出やコストを抑えることにもつながり、
費用対効果を高める上でも効果的です。
3-2. 新規ユーザーに向けたブランディング効果
類似ユーザーは、
基本的に新規ユーザーとなります。
とはいえ、
顕在層に近い新規ユーザーともいえるため、
ピンポイントのブランディング効果が期待できます。
また、Yahoo!ディスプレイ広告は、
日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」をはじめ、
Excite、All About、NAVER、COOKPADなどの主要な大手メディアにも広告を配信できます。
大手メディアに掲載された広告はそれだけで閲覧ユーザーからの信頼度も高まり、
認知度拡大とともにブランディング効果を高めることも期待できます。
4. Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを活用するデメリット
一方で、
Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーの活用にはデメリットも存在します。
これから類似ユーザーの活用を検討している場合には、
以下の要素は注意点として押さえておくと効果的です。
4-1. 設定には一定の対象ユーザーが必要
Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーは、
一定の対象ユーザーのリストが無ければ設定できません。
そのため、
新規のマーケティング活動や、初めてYahoo!ディスプレイ広告を実施する場合には
類似ユーザーを活用できないケースもあるため注意が必要です。
4-2. 対象ユーザーの質によっては効果につながらない場合も存在する
類似ユーザーは、
自社の顧客をはじめとするユーザーの属性や行動履歴などに紐づき、
関連するユーザーに対しアプローチする手法となります。
それゆえに、
対象ユーザーの質によっては効果につながらない場合も存在します。
コンバージョン獲得につなげ、費用対効果を高めるためにも、
対象ユーザーの質にはこだわることが重要です。
5. Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーの設定方法
続いて、
Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを設定する方法について紹介していきます。
類似ユーザーの作成はYahoo!ディスプレイ広告の管理ツールより行います。
設定手順
① 広告管理ツールにログイン
② 右上の「ツール」をクリック
③「ライブラリ」の中にある「オーディエンスリスト」を選択
④「オーディエンスリストを作成」をクリックし、「類似ユーザー」を選択
⑤ 任意の「オーディエンスリスト名」を入力
⑥ 「基にするオーディエンスリスト」から抽出元にしたい類似ユーザーを選択
⑦ 「類似ユーザーの拡張範囲」を設定→「作成」ボタンをクリック
これで類似ユーザーの作成は完了です。
続いて、
作成した類似ユーザーを広告のターゲットとして設定していきます。
この設定方法は以下の2種類に分けられます。
5-1. 新規のキャンペーンや広告グループの作成と一緒に設定する場合
設定手順
① 広告管理ツールにログイン
②「キャンペーン」から「+キャンペーン作成」を選択
③ キャンペーンの目的を選択
④「オーディエンスリスト」の選択項目から「オーディエンスリストを指定して配信」を選択
⑤ 作成したオーディエンスリストを設定
以降は通常のYahoo!ディスプレイ広告の設定と同様の流れとなります。
5-2. 既存のキャンペーンや広告グループに追加設定する場合
設定手順
① 広告管理ツールにログイン
② メニューから「オーディエンスリスト」を選択→「編集」をクリック
③ 類似ユーザーを設定したいキャンペーンと広告グループを選択
④「決定して進む」をクリック
⑤「オーディエンスリストを指定して配信」を選択
⑥ 作成した類似ユーザーを選択→「配信」にチェック
⑦「設定」をクリック
続いて、
すでにあるキャンペーンや広告グループに類似ユーザーをターゲットとして設定する方法
を紹介します。
設定手順
① メニューより「オーディエンスリスト」を選択→「編集」をクリック
② 類似ユーザーを設定したいキャンペーンと広告グループを選択
② →「決定して進む」をクリック
③「オーディエンスリストを指定して配信」を選択
③ →先ほど作成した類似ユーザーを検索→「配信」にチェック
こちらも以降は通常のYahoo!ディスプレイ広告の設定と同様の流れとなります。
6. Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを活用する上での注意点
最後に、
Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを活用する上での注意点について紹介していきます。
類似ユーザーの活用は、闇雲に実施しても効果にはつながりません。
以下のポイントを押さえて運用していくと効果的です。
6-1. ユーザー類似度の調整の活用
類似ユーザーと一口に言っても、
どれくらい近い属性なのかはユーザーごとに異なります。
Yahoo!ディスプレイ広告では、
この類似ユーザーのレベル(類似度)を10段階に分けています。
1に近いほど類似度が高くなり、
コンバージョン獲得につながる可能性も高まります。
一方で、
類似度が上がれば露出できる面が狭くなるため、リーチ数が少なくなる傾向にもあります。
そのため、
目的に応じて類似度の調整を行い、適宜カスタマイズしていく必要があります。
6-2. 入札価格の調整が必要
類似ユーザーを活用して、自社の顧客に似たターゲット層にアプローチすることで、
コンバージョンの獲得が期待できるため、入札価格を高めに設定しても効果が見込めます。
とはいえ、
必ずしも類似ユーザーへのアプローチがコンバージョン獲得につながるとは限りません。
ユーザーの質によっては思うような効果が出ず、
高い入札価格のまま無駄なコストが発生してしまうケースもあります。
そのため、
コンバージョン状況などを確認しながら、適宜入札価格を調整していく必要があります。
このような運用は手間や工数がかかるため、
広告代理店に依頼することも含めあらかじめ検討しておくと効果的です。
6-3. 手動で除外リストの設定を行う必要がある
Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザー機能では、
自社のホームページに訪れたユーザーも、
類似ユーザーとしてカウントされるケースがあります。
このような場合、
そのままの状態では本来設定したいターゲットと異なる可能性も起こり得ます。
そのため、
類似ユーザーの設定とともに除外するリストを用意する必要があります。
除外リストの設定は、
Google広告であれば自動で行うことができますが、
Yahoo!ディスプレイ広告では手動で設定しなければなりません。
よりターゲティング精度を高め、
効果につなげる上でも手動で除外リストを設定しておくと効果的です。
7. まとめ
自社のWeb広告における効果を高める上で、
ターゲティング設定は欠かせません。
自社の顧客の属性や行動履歴に近いユーザーにアプローチできれば、
コンバージョン獲得にもつなげやすくなります。
この精度を高める上で、
Yahoo!ディスプレイ広告の類似ユーザーを設定することは効果が期待できます。
とはいえ、
闇雲に類似ユーザーを活用しても効果にはつながりません。
今回紹介した内容も参考に、目的をふまえ適切にアプローチしていきましょう。