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CPM(インプレッション単価)とは|CPCとの違いや計算方法、費用対効果を高めるコツを解説!

更新日:2023年05月22日

CPM(インプレッション単価)とは|CPCとの違いや計算方法、費用対効果を高めるコツを解説!

※この記事は2023年5月22日に更新されたものです。内容が古い可能性があります。

Web広告は、媒体によって様々なメニューが用意されていますが、それぞれの特性を正しく理解しておかなければ効果を高める運用にはつながりません。

特性の要素の中でも、課金形態が存在しています。

これらの用語は、一般的にCPMやCPC、CPV、CPIなどと表記されるため、どれがどの媒体のどういったメニューなのか分からなくなる担当者も少なくありません。

正しく理解した上で分析・解析していかなければ、広告効果を間違って分析し、効果につながらないばかりか無駄な広告出稿費の増加につながる可能性も起こり得ます。

そこで今回は、Web広告では欠かせないCPM(インプレッション単価)について、その概要からCPCとの違い、計算方法、費用対効果を高めるコツなどについてポイントを中心に紹介していきます。

CPMとは?

CPMとは、Cost Per Mile(コストパーマイル)の略語で、マーケティング用語としては自社の広告がインターネット上で1,000回表示されるごとに掛かる費用のことを指します。

なお、Mileは英語のマイルではなくラテン語で1,000を意味するMille(ミル)から来ています。

Web広告において、広告が1,000回表示されるたびに掛かる費用をインプレッション単価と呼んでおり、通常CPMはインプレッション単価を意味します。

また、この1,000回表示させるごとに費用が発生する広告手法のことをインプレッション課金型の広告といい、CPM方式と略される場合もあります。

Web広告の表示回数は、Googleアナリティクスなどの解析ツールや各媒体側で細かく計測することが可能です。

CPMも1件単位で計測は可能ですが、後述するCPCとは異なり1インプレッションに対する効果は測りきれず、ある程度まとまった数値で判断することが多いため、1,000回表示を一つの指標として効果検証に活用したり、広告メニューとしても設定されています。 

CPMの計算方法

CPMの計算方法は、CPCやCPAとの違いでもふれたように、以下にて算出できます。

CPM(円)=広告出稿費用÷広告の表示回数×1,000

Web広告におけるCPMの相場は、各媒体によって異なります。

総合系メディアの場合はユーザー数も多く、1ヵ月のインプレッション数も増加傾向にあるため、CPMは比較的安くなりますが、一般的には10円から100円程度となります。

一方で、業種業態やジャンルに特化したメディアの場合には、ユーザー数や1ヵ月のインプレッション数が少なかったとしても、その分コアなユーザーが集まるため、1件のインプレッションに対する重みが異なります。

広告効果もその分高くなる傾向にあるため、CPMは100円から500円程度になる場合もあります。

このように、CPMは単純に件数やコストだけで判断するのではなく、媒体の特性やユーザー属性なども加味して判断していくと効果的です。

CPCやCPAとの違いとは?

CPMと関連するマーケティング指標として、CPCやCPAというものも存在します。
これらはCPMと似通ったワードですが、指標の意味は異なります。

それぞれ簡単に紹介すると以下の通りとなります。

・CPM:自社の広告が1,000回表示されるごとに掛かるコスト
・CPC:自社の広告が1回クリックされるごとに掛かるコスト
・CPA:自社の広告経由で1回コンバージョン(購入や問合せなど)が発生するごとに掛かるコスト

まず、CPCは広告が1回クリックされるごとに発生するコストのことを指します。「広告コスト÷クリック数」によって算出することが可能です。

一方で、CPAとは広告経由でコンバージョンが発生するごとに掛かったコストのことを指します。この計算方法としては「広告コスト÷コンバージョン数」で算出することが可能です。

例えば、100万円を使い広告出稿した結果、100万回表示され、1万回クリック、100件のコンバージョンが発生した場合には以下となります。

・CPM:1,000,000円÷1,000,000回×1,000=1,000円
・CPC:1,000,000円÷10,000件=100円
・CPA:1,000,000円÷100=10,000円

コンバージョン促進を目的とした場合、広告がいくら表示されたとしても、クリックして自社のページに訪れさせなければ効果にはつながりません。

さらに、クリック数が多くてもコンバージョンに至らなければ意味がありません。

逆にいうと、コンバージョン数を増やすためには効果的なクリック数を増やす必要があり、そのためにはインプレッションを稼ぐことが求められます。

また、CPMの数値が悪ければ、媒体側にて広告出稿が上手くいっていない可能性があり、CPCが悪ければ広告クリエイティブに問題が、CPAの場合は遷移先のLPや訴求ページに改善余地がある可能性が考えられます。

このように、CPMだけでなく関連するCPCやCPAといった意味とあわせて理解し、分析・解析していくことで問題点や改善点を見つけやすくなり、費用対効果を高める運用につなげることが可能になります。 

eCPMとの違いは?

CPMに関連したマーケティング用語にeCPMと呼ばれるものも存在します。

eCPMはeffective Cost Per Mile(エフェクティブコストパーマイル)の略語で、事実上のインプレッション単価という意味を持ちます。

そもそもCPMには、概要でもふれたようにCPM方式やインプレッション課金型という意味合いも含まれます。

これに対し、広告出稿費とは別にインプレッション1,000回に対する費用を想定・予測した場合の表記を確定的なCPMとは異なりeCPMと分けて表記しています。

そのため、eCPMの計算方法はCPMと同様です。

例えば、クリック課金型で広告出稿していた場合、クリックに応じて課金対象となるため、通常インプレッション数は課金においては参考外となりますが、仮にこの場合のCPMを算出した場合には、eCPM(想定金額)として表記を分けて分析しています。 

vCPMとの違いは?

また、vCPMもCPMに関連したマーケティング用語です。

vCPMはviewable Cost Per Mille(ビューアブルコストパーマイル)の略語で、1000回広告が実際にユーザーの視界に入った時にかかる費用のことを指します。

CPMでは、広告がブラウザーに読み込まれた時点で表示回数としてカウントされます。そのため、広告がページ下部にあってユーザーのデバイスの画面上に表示されなかったとしても、課金の対象になります。

これに対し、vCPMでは実際にユーザーの視界に入った時に表示回数としてカウントされます。

「実際にユーザーの視界に入る」定義は広告媒体によって異なり、Yahoo!広告の定義では、「広告の50%以上の範囲が1秒以上連続して表示された場合」に表示回数としてカウントされます。

CPMをもとにWeb広告を運用するメリット

次に、CPMをもとにWeb広告を運用するメリットについて紹介していきます。

①クリック率を高めた運用に注力することが可能

CPMは、インプレッション数に応じて課金対象となる広告手法のため、いくらユーザーにクリックされたとしても広告費が高騰することはありません。

そのため、いかにクリック数やクリック率を高められるかに注力し、広告運用することが可能です。クリック課金の場合、クリック数が多くなればなるほど広告費も高くなります。

コンバージョンなど効果につながるクリックであれば良いですが、ターゲットと異なるユーザーからのクリックなど、無駄なクリックが増えてしまえばその分コストも高くなってしまいます。

一方で、CPMで運用していれば広告費の高騰を抑えつつ、クリック数を高めることに注力できるため、効率的に広告運用につなげることが可能です。

②想定外のコストの高騰を抑え運用することが可能

CPM方式による広告運用は、想定外のコストの高騰を抑えることも可能です。

①に関連しますが、クリック課金型は予期せぬ広告費の増加につながる可能性もあります。
例えば、出稿先のメディアがテレビに取り上げられたり、SNS経由でバズった運用をした場合、一気にユーザーからのアクセスが集まり、無駄なクリックが増えることも起こり得ます。

このような事象は、運用側でコントロールすることが難しく、結果的にクリック単価が上がったり、総コストが高まることも少なくありません。

一方でCPMであればユーザー側のアクションに影響を受けることが少なく、媒体側でコントロールがしやすいため、急なコストの高騰を抑え、安定した広告運用につなげることが可能です。 

CPMをもとにWeb広告を運用するデメリット

一方で、CPMをもとにWeb広告を運用する際にはデメリットも存在します。

これからCPM方式の広告出稿を検討している場合には、以下のデメリットは注意点として押さえておくと効果的です。

①クリック率が低くなる場合がある

CPMは、出稿先の媒体の特性やユーザー属性を把握しておかなければ、クリック率が低くなり、効果につながらない可能性も起こり得ます。

一般的に総合系のメディアは情報が雑多化し、ユーザー属性もバラバラであることが多くなります。

このようなメディアに広告出稿した場合、自社の広告で訴求する商材やサービスによっては上手くマッチせず、インプレッションが多くてもクリックされない可能性が高まります。

CPM方式の広告出稿であっても、コンバージョンを目的とした場合には、媒体の特性やユーザー属性と自社のターゲットがマッチするのか検討しておく必要があります。

先ほどの総合系メディアであっても、ジャンルやカテゴリによって広告出稿できるページを選定できる場合もあります。

また、ユーザーの性別や年齢、地域・エリアなどによってコンテンツを出し分け、広告出稿できる媒体もありますので、クリック率を高めた運用を意識しながらCPMの媒体選定を行うと効果的です。

なお、コンバージョンではなく認知度向上、ブランディングを目的としていた場合、いかに多くのユーザーに広告を訴求できるかが重要になるため、CPMによる課金方式は効果的に運用していくことが可能です。

②実際に広告がユーザーの目にふれたのか計測しにくい

CPM方式の広告出稿の場合、必ずしもインプレッション数がユーザーの目にふれた回数という訳ではありません。

インプレッション数は、広告が掲載されている媒体元のページがブラウザ上で表示されたタイミングでカウントされるため、仮に目にふれていなかったとしても1件として計測されます。

例えば、広告が表示される位置がページ下部の場合、対象ページが表示され、広告が表示されている位置までスクロールしないで離脱した場合にも課金対象になります。

総合系メディアの場合には、広告よりも見るべき情報が多く、例えインプレッションにカウントされたとしてもユーザーは広告に気づいていないケースもあります。

このように、CPMでは実際に広告がユーザーの目にふれたのか計測しにくいため、効果検証や改善策につなげにくい点もデメリットとして挙げられます。

クリック率やコンバージョン状況などとあわせながら、PDCAを回していくことが重要です。

CPMの費用対効果を高めるコツ

最後に、CPMの費用対効果を高めるコツについて紹介していきます。

メリットやデメリットの中でも一部ふれていますが、CPMの費用対効果を高めるためには、以下のポイントを押さえておくと効果的です。

①CPMだけに頼らず目的に応じて広告手法は検討する

CPMによる課金方式は、一般的に認知度向上やブランディングを目的とした場合には有効活用できます。

認知度向上とは、自社の商材やサービスを幅広いユーザーに知ってもらうことにあり、新商材を販売したばかりの場合には効果が期待できます。

一方で、商材の購入やサービスの申込みといったコンバージョン数の増加を目的とした場合には、いくら表示されてもクリックや、コンバージョンに至らなければ意味がないため、CPMよりはCPCの課金方式の方が効果につながる可能性もあります。

とはいえ、クリックさせるためには商材やサービスを知ってもらわなければなりません。

そのため、CPMとCPCの課金方式を組み合わせながら運用していくことも効果的です。

近年、ユーザー行動は多様化しており、1つの情報だけで興味関心から購入まで至ることは限りなく低い傾向にあります。

そのため、カスタマージャーニーマップなどによって自社におけるユーザー行動を細分化し、その上でCPMを活用していくと効果的です。

②広告クリエイティブにこだわる

CPMの場合、広告をいくらクリックされても課金対象にはなりません。
そのため、いかに自社の広告に興味をもたせられるかが重要なポイントになります。

興味を惹く広告は、出稿先の媒体によっても異なります。
そのため、媒体の特性やユーザー属性をふまえ、広告文であればキャッチコピー、バナーであれば色味やデザインにこだわり、ユーザーがクリックしたくなるような広告クリエイティブを用意していく必要があります。

1つの広告クリエイティブだけではなく、何パターンか用意し、ABテストなどを行いながら効果検証していくと効果的です。 

まとめ

CPM(インプレッション単価)は、Web広告を運用していく上で重要なマーケティング指標の一つです。

クリック数が増えても出稿費用に変わりはないため、いかにユーザーを効率的にクリックさせるかが重要になります。

今回紹介した内容も参考に、CPMだけでなくCPCやCPA、eCPMなどの特性も正しく理解した上で、効果的な広告運用につなげていきましょう。

この記事を書いた人

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