だんだんと蒸し暑い日が増えてきて、夏の近づきを感じられますね。
さて、今回も6月の後半にあったアップデート情報について解説していきます。
Google広告アップデート情報
始めに、Google広告のアップデート情報について解説していきます。
アプリキャンペーンの改善
6月15日に、Google広告はアプリキャンペーンにて実施されている改善策を発表しました。
発表された内容は下記のとおりです。
・広告グループ単位での遅延ディープリンク設定が可能に
・Google Playにてユーザー向けの自動インストール機能を追加
・新しいクリエイティブテストツールがリリース
それぞれの内容を確認していきましょう。
Google Playの検索結果ページにて関連性の高い広告を表示
Google Playにおいて、今年後半から特定のアプリを検索した際に、検索結果ページの上部に関連性の高い広告が表示されます。
そのため、インストール獲得までの重要なタイミングで、インストールする可能性が高いユーザーに訴求できます。
広告グループ単位での遅延ディープリンク設定が可能に
遅延ディープリンクにて、広告単位での設定が可能になりました。
そのため、広告グループのテーマにあわせた、アプリ内ページへのユーザーの誘導が可能になります。
ディープリンクとは、広告をクリックした際に、特定のアプリ内のコンテンツに移動するためのリンクです。
Google Playにてユーザー向けの自動インストール機能を追加
Google Playにて、事前に登録したユーザーを対象に自動インストールの機能が追加されました。これにより、アプリのリリースと同時に自動的にインストールされるため、アプリがスムーズにインストールされます。
新しいクリエイティブテストツールがリリース
年内に、新しいクリエイティブテストツールがリリースされます。
このクリエイティブテストツールでは、様々な動画アセットのパフォーマンスの比較ができます。
現在、この機能はベータ版テストで利用できます。
Yahoo!広告アップデート情報
続いて、Yahoo!広告のアップデート情報についてです。
マッチタイプ「部分一致」の判断要素を追加
Yahoo!広告の検索広告において、マッチタイプ「部分一致」の判断要素が追加されると発表されました。アップデートは7月上旬に適用予定です。
マッチタイプとは、設定したキーワードとユーザーが検索したキーワードが、どの程度一致している場合に広告を配信するかを決めるものです。
マッチタイプの中には、「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」の3つがあります。
「完全一致」では、設定したキーワードと同じ意味や意図のキーワードでユーザーが検索した場合に広告が配信されます。
また「フレーズ一致」では、設定したキーワードの語順と同じキーワードで検索された場合に広告が配信されます。
一方で、今回のアップデートの対象である「部分一致」では、設定したキーワードに加えて、関連のあるキーワードに対しても広告を配信します。
例えば、設定したキーワードが「プレゼント」の場合、完全一致では「プレゼント」のみで広告が配信されますが、「部分一致」では「贈り物」や「ギフト」等でも配信することができます。
関連するキーワードでも配信できるため、ユーザーが検索するキーワードの変化にも対応できます。また、3つのマッチタイプの中で最も広告の配信が多くなります。
今回のアップデートでは、この部分一致の判定要素に下記の2点が追加されます。
・同一広告グループの配下にある他のキーワード
この2つの要素が追加されたことで、「部分一致」で配信できる幅の広さを確保しつつ、より高い精度での配信が可能になります。
具体的に、ユーザーが「青梅」というキーワードを用いて検索したと想定しましょう。
「青梅」は東京都の地名であり、梅の果実でもあります。
従来の部分一致では、過去のユーザー行動からこれらのキーワードに対して広告を配信するか否かを決定していました。
しかし今回の判定要素の追加によって、よりユーザーの意図にあった広告を配信することが可能となります。
なお、完全一致とフレーズ一致のマッチタイプでは判定要素の追加はされません。
LINE広告アップデート情報
次に、LINE広告のアップデート情報についてです。
LINEアプリ内のWeb検索を「Yahoo!検索」に変更
2023年10月のLINEとYahoo! Japanの合併に先立ち、利便性向上を目的としたWeb検索の変更が行われます。
画像引用:LINEとヤフー、検索事業における連携を強化 ユーザーの検索体験向上のため「LINE Search」web検索を「Yahoo!検索」へ切り替え | ニュース | LINE株式会社
下記3つの検索機能が、Yahoo!検索となります。
・記事内に差し込まれるリンク
・LINE NEWSのウィジェットの検索
これに伴い、LINEアプリを起動した状態でのYahoo!検索が可能になります。
Yahoo!検索は、施設名を検索すると、基本情報だけでなく、混雑予報や口コミ情報を確認することができ、ユーザーがより便利で快適に検索ができるような環境を提供しています。
LINEアプリ内でもこのYahoo!検索が利用できるようになることで、より手軽に快適な検索環境を実現することができます。
広告主側のメリットとしては、LINEアプリ内からYahoo!検索が利用できるようになったことで、Yahoo!広告で配信している広告を表示できる回数が増えることがあげられます。
そのため、ユーザーへのリーチ数の増加を期待できます。
記事中広告にカルーセルを表示できるように
記事中広告にて、対応するフォーマットにCatouselが追加されました。
画像引用:LINE広告
記事中広告とは、記事の段落と段落の間に広告を表示させることができる広告です。
なお、本アップデートは6月16日から適用されています。
今回のアップデートに伴い、記事中広告に対応しているフォーマットは下記のとおりとなります。
・1080×1080(静止画、動画)
・Carousel
・友だち追加広告(CPF)
・DPA
来店計測機能の展開
LINE広告にて、来店計測機能が発表されました。
この機能では、LINE広告メニューで広告を見たユーザーの来店を計測できるようになります。また、広告を見たユーザーの来店率や属性などのレポートが無償で利用できます。
なお、後述しますが利用には条件がありますので注意が必要です。
機能提供の背景
来店計測機能が展開される背景として、デジタル化が進む昨今においても実店舗が最大の顧客接点であり続けている点があげられます。
コロナ禍やデジタル化が進む反面、BtoC市場の実店舗での購買率は92%となっており、店舗を持つ広告主が、広告のKPIとして広告効果を設定することも多くなっています。
また、店舗集客が目的のデジタル広告の市場規模が拡大しています。
これらの状況を受けて、来店計測機能の提供が開始されます。
計測方法
来店計測機能を利用するには、まずソフトバンク社指定のWi-Fi機器を店舗に設置する必要があります。また、ソフトバンクWi-Fiスポット以外にLTEを活用した計測ができる場合がありますので、詳細はLINE広告の営業担当者まで連絡してください。
計測は店舗に設置したWi-Fi機器と来店者のスマートフォンを利用して行われます。通行人や店員などを除外し、来店者を高精度に計測できます。
具体的には、電波の強弱や滞在時間、営業時間中の検知か否かで来店が判定されます。
画像引用:LINE広告
なお、計測を行うには、ユーザーのスマートフォンのキャリアがソフトバンクであり、Wi-Fiを有効にしている必要があります。
計測の対象になっている広告メニュー
対象になっている広告メニューは下記のとおりです。
LINE広告
・LINE NEWS
・LINE VOOM
・LINEマンガ
・LINE BLOG
・LINEポイント
・LINEショッピング
・LINE広告ネットワーク(LINE Ads Platform for Publishers) 等
Talk Head View Custom
各広告メニューの詳細はLINE Business Guideをご確認ください。
なお、来店計測機能を利用するには、1メニューで300万円以上での広告の出稿が必要です。
また、来店計測用として作成したキャンペーンでのタグ入稿が必要となり、来店計測を行わない広告を同じキャンペーンで配信することはできません。
利用可能のレポート
来店計測機能では多様なレポートが準備されています。
利用できるレポートの種類は下記のとおりです。
計測開始までの流れ
来店計測機能を利用するまでの流れは下記のとおりです。
なお、広告掲載までに要する期間の目安は、およそ20営業日です。
また、下記に加えて通常の広告掲載も同時並行で行う必要があります。
・計測地点の決定
・利用申請タグの発行(広告掲載の10営業日前の17時まで)
・タグの入稿(広告掲載の5営業日前まで)
・計測開始
一部セグメントの提供を終了
6月29日より、一部セグメントの提供が終了します。
削除の対象となるセグメントは、βマークがついていないセグメントです。
6月29日の正午以降、オーディエンスが段階的に減少し、利用できなくなります。
なお、趣味・関心のセグメントに関してはアップデートの適用時に利用不可になります。
アップデート完了後は、削除されたセグメントを選択することができなくなります。
また、セグメントの削除に伴い、リリースされた(β)セグメントへの切り替えが必要です。設定変更をしていない場合、設定状況に応じて配信に影響が出る可能性があるため注意が必要です。
削除対象のセグメント
削除対象のセグメントは下記のとおりです。
なお、下記のターゲティングは7月27日に提供が終了します。
ターゲティング提供の終了後の挙動
ターゲティングの削除後も、削除対象のターゲティングを利用した場合の挙動は下記の通りとなります。
下記の挙動を避けるために、事前の設定変更が必要です。
まとめ
いかがでしたか。
6月後半にあった、広告媒体各種のアップデートについて解説しました。
LINEアプリの中にYahoo!検索の機能が搭載されていると知り、実際に機能を使ってみたところ、検索結果にオーガニック検索だけでなく広告も表示されていました。
LINE社とYahoo!社の提携によって今後どのような機能が備わるのかが気になるところですね!