タクシー広告とはタクシーの車内外を使って広告を掲載する交通広告の一種です。
特にその中でも動画広告はターゲットが絞りやすく、ビジネスマンや富裕層へのアプローチがしやすい媒体として注目が集まっています。
本記事ではタクシー広告の種類・費用から、メリット・デメリットまで徹底解説しています。最後までぜひ読んでみてくださいね。
タクシー広告とは?
タクシー広告とはタクシーの車内、車外を使った交通広告の1つです。他の交通広告と比べて、広告への積極距離が近く、よりプライベートな空間で訴求できるため、高い効果が見込めます。
タクシー広告には掲載場所によって種類と費用に差があります。特にタブレットを利用した動画広告の利用ができるようになってから、広告効果が高まり出稿利用者が増えています。
動画広告は首都圏のタクシーを中心に広がり、現在は地方にも波及中です。特にYouTubeなどの動画を見ない富裕層や経営者にアピールできる動画媒体として、注目が集まっています。以下の章で種類や費用などさらに詳しく解説していきます。
タクシー広告の種類と費用目安
ここではタクシー広告の種類と費用目安を解説します。タクシー広告はステッカー広告やラッピング広告のように、広告製作に時間や費用がかかるため、最低でも数ヶ月単位での出稿が普通です。
リーフレット(アドケース)
車内に専用のアドケースという専用のラックを設置し、ラックや配布用のリーフレットで訴求する広告です。
リーフレットは乗客が自由に手にとって持ち帰ることができます。リーフレットの減少スピードなどから、広告がユーザーに訴求できているかどうか分析することができます。
デジタルサイネージ(ダブレット動画)
運転席や助手席の背もたれ部分に設置されている、タブレットで配信される動画広告のことです。これまでの交通広告は紙媒体が中心でしたが、デジタルサイネージの技術ができたことで動画による訴求ができるようになりました。
この動画が配信される順番は決まっており、枠と呼ばれています。タクシーが出発した直後に最長1分間の動画が流れ、続けて最長30秒の動画が数本、また次の枠で別の動画が数本流れます。
動画で乗客の注意を引くことができるだけでなく、乗客が気になった広告があった場合は、乗客自身で操作をして広告の詳細をチェックすることも可能です。乗客が座って一番目に止まりやすい、目の前にタブレットが設置されているため、タクシー広告の中でも訴求度が高くなります。
総費用目安は月額200〜500万円/1万台ですが、さらに動画製作費によって金額が変わります。
さらに車窓サイネージ広告が新しい広告として始まっています。車窓にデジタルサイネージを投影する新技術を使用した広告です。まだ1週間あたり500万円/100台と高額ですが、話題性のある広告です。
ステッカー広告
ステッカータイプの広告です。掲載場所により種類が分けられます。以下掲載場所ごとに解説します。
ドアステッカー
タクシーのドアの内側に貼られているステッカースタイルの広告です。窓の下側に貼られ、乗客が乗り降りの際に訴求することができます。
アイキャッチステッカー
車内にある防犯ボードなどに貼るステッカータイプの広告です。運転席と後方席との間で、乗客の目線に止まりやすい場所に設置されていることがあり、乗客への訴求ができます。
サイドウィンドウステッカー
タクシーの窓に貼られるステッカータイプの広告です。窓の外側に貼られるタイプのため、乗車客の乗降時や歩行者へ訴求できます。
リアウィンドウステッカー・スーパーステッカー
タクシー後方の窓に貼られるステッカースタイルの広告です。歩行者や後方車に訴求できます。
ボディステッカー
タクシーの後方ドアをラッピングする広告です。走行時に歩行者や周囲の車に高い訴求力があります。車全体をラッピングするラッピング広告より掲載面が少ないため、予算が抑えられます。
ラッピング
タクシーの外側すべてに広告を掲載する方法です。ラッピング車は目立つため、ボディステッカーのように走行時に歩行者や周囲の車に高い訴求力があります。しかし制作自体に費用がかかるため、全体の広告費用が高くなります。
レシート
精算後に手渡すレシートに印刷される広告です。レシートの裏面に印刷される広告ですが、タクシーでレシートを求めるのは経費精算をしたいビジネスマンや、経営が多いために、より絞ったターゲットに訴求することができます。
サンプリング
ドライバーから乗客へ、直接サンプルを手渡すことができます。企業の商品サンプルや、広告の印刷されたポケットティッシュなど、役に立つものが多いため、乗客に受け取ってもらいやすいという特徴があります。
行灯
タクシーの屋根部分に設置されている、表示灯に取り付ける広告です。最近では行灯の光にLEDを採用している会社が増え、特に夜間に目立つ工夫がされています。
タクシー広告費用目安
タクシー広告は月額と台数での契約になります。以下は月額単位の費用目安です。
これに台数をかけた数字に製作費が加算されます。
筆者も以前タクシー広告をクライアントとして試したことがあるのですが、特にリアステッカーが思った以上に効果が高く、フリーダイヤルやURL訴求などシンプルなものに向いていました。
テレビCMのタイミングなど、メディアミックスでの利用がおすすめです。クリエイティブ次第でタクシー広告は、まだまだ伸びる媒体だと思われます。
タクシー広告は動画がおすすめな理由
たくさんあるタクシー広告の種類ですが、その中でもおすすめなのが動画広告です。ここではその動画広告をさらに解説します。
動画広告「デジタルサイネージ」
タクシー広告のデジタルサイネージとは、動画広告のことです。
運転席や助手席のヘッドレストの後ろにかかっているダブレットで表示されます。元々タクシー広告では、リーフレットやステッカーなどの広告が主流でしたが、動画配信ができるようになったことで、より広告効果が上がり、出稿量が増えました。
2016年以降タクシー事業者と広告事業者との連携が進み、首都圏を中心に急速に普及が進んでいます。2019年の株式会社サイバー・コミュニケーションズ(本社:東京都中央区)らの共同調査によると、市場規模は以下のように倍々で伸びていくと予測されています。
画像参考:CCI、デジタルサイネージ広告市場調査を実施~2019年のデジタルサイネージ広告市場規模は749億円の見通し、2023年には1,248億円と予測~ ― CCI
顔認証機能
デジタルサイネージは顔認証機能によって性別や年齢を識別し、乗客にあわせた広告を配信することができるものもあります。訴求効果が高く、主に企業向け、富裕層向け、高齢者向けのジャンルで活用されています。
個人情報保護法により、顔認証されていることは表記され、顔画像は保存されないようになっているそうです。
ターゲットとセグメント配信
デジタルサイネージの媒体によっては、時間帯・曜日・地域でセグメントできるものもあります。絞ったターゲットだけに配信できるため、これまでの紙媒体と違ってより効果の高い訴求が可能になりました。
タクシー広告のメリットと効果
タクシー広告にはいくつか他の媒体とは違うメリットがあります。以下3つ紹介します。
ターゲット層にビジネスマン・富裕層・高齢者を狙える
タクシーの利用者はビジネスマンや富裕層の乗車率が高いため、タクシー広告はそのままターゲット選定になります。高額商品やサービスなど富裕層へむけたマーケティングができます。
さらに経営者や会社役員に対して、業務効率化のツールやアウトソーシングサービスなど、BtoB商材の広告も訴求することができます。
広告への接触時間が長い
インターネット広告やSNS広告などは、ユーザー主導で広告との接触を止めることができます。数秒で接触時間が切られることも普通です。しかしタクシー広告ではユーザーが乗車中は広告に触れることになるため、通常よりも接触時間が長くなります。
タクシーの平均乗車時間は、Tokyo Prime社の調査では18分です。乗客は乗車中、スマートフォンを触っていることが多いのですが、乗降の際や、精算時などは目線が動き、囲まれた広告に触れることになります。
特にいつも利用するビジネスマンや経営者層は利用頻度も高いため、少しずつでも無意識も含め何度も広告に触れることが多いようです。接触頻度が上がり、印象度アップにつながります。これはザイオンス効果と呼ばれます。
参照:Media Sheet ― Tokyo Prime
閉鎖空間で深く接触ができる
タクシー広告は閉鎖空間で、かつ狭い場所で接触できる特殊な広告です。このため乗客に半ば強制的に見てもらうことが可能です。また手持ち無沙汰になりやすい上に、プライベートな空間になるため、広告に目を向ける機会も増えます。
特にデジタルサイネージでは目の前60cmと距離も短く、広告到達度も72.9%と高い結果になっています。
画像参考:Media Sheet ― Tokyo Prime
タクシー広告は「うざい?」デメリット
タクシー広告は閉鎖空間で接触できる分、半ば強制的に広告に接触させることができます。しかしその反面「うざい」と感じてしまうユーザーもいるようです。
ここではデメリットを紹介します。
最低料金が高い
タクシー広告はテレビなどのマス媒体に比べると安いかもしれませんが、リスティング広告やSNS広告に比べると最低料金が高いのがデメリットです。
1台ごと1ヶ月あたりでは1,000円からのものもありますが、最低契約台数などの縛りがあり、数百円から出稿ができるネット広告と比べると、まとまった予算が必要になります。
契約期間に縛りがある
タクシー広告では配信媒体によって、それぞれ契約期間に縛りがあります。印刷物系の媒体は4ヶ月からの配信になります。
またステッカーなどの場合は、制作期間もかかるためインターネット広告に比べ、タイミングなども含め早めの企画・準備が必要です。
まとめ
いかがでしたか?
タクシー広告に関して、種類や料金、メリットからデメリットまで紹介してきました。
これからさらに伸びそうなタクシー広告ですが、YouTubeなどすでに動画広告に取り組んでいる場合にはデジタルサイネージはおすすめの媒体です。特にターゲットが富裕層の場合やBtoB商材をお持ちの場合は、トライアル価値のある出稿先といえるでしょう。