リスティング広告では、タイトルや説明文といった広告クリエイティブ以外に、構造化スニペットと呼ばれる表示オプションも用意されています。
今回は、構造化スニペットの基本的な概要から活用のメリット、注意点や設定方法などについてポイントを中心に紹介していきます。
構造化スニペットとは?
構造化スニペットは、Googleのリスティング広告において広告文の枠を拡張できる表示オプションのことを指します。
Yahoo!のリスティング広告でも同様の手法は展開可能ですが、Yahoo!ではカテゴリ補足オプションと呼ばれています。
Googleリスティング広告では、一般的に対象のキーワードでユーザーが検索した際に、検索結果画面の上部に自社の広告を表示させることが可能です。
この広告文は、タイトルと説明文からなり、ユーザーがこの広告文をクリックすることで初めて課金対象となります。
構造化スニペットでは、タイトルと説明文の下に、商材の特徴やサービスの補足説明などを追加で表示させる機能となります。
これにより、自社で訴求できる広告の枠が大きくなるため、ユーザーの目に触れやすくなり、クリックにもつなげやすい特徴があります。
無料で活用できるオプション機能のため、適切に活用することで広告効果を高めることが期待できます。
構造化スニペットの仕組み
構造化スニペットは、リスティング広告にて表示される説明文の下に、ヘッダーとリストと呼ばれる見出しとカテゴリを表示させることが可能です。
Google側であらかじめ用意されたヘッダーを選択し、それに付随するサービスやブランドなどを意味するリストを指定することで、説明文の下に表示させることができます。
このヘッダーは13種類用意されており、付随するリストは3つまで設定することが可能です。
とはいえ、それぞれのヘッダーやリストに対して固有のリンク先URLを設定することができません。
また、構造化スニペットによって自社でヘッダーやリストを設定することはできますが、実際に表示されるかはGoogle側のアルゴリズムによって決定します。
このアルゴリズムは、ユーザーが検索したキーワードや位置情報、過去の履歴などの情報をもとに判別しているため、設定した構造化スニペットが全く表示されない場合もあれば、別のものが表示されるケースもあります。
例えば、自社の商品名やサービス名などで検索したユーザーは、その商材やサービスをすでに知っていて、詳細を求めていることが考えられます。
このような場合には、商品ジャンルやサービスに付随するワードは構造化スニペットとして表示される可能性は低くなります。
特に、自社の商材やサービスにおけるキャンペーンや割引情報といったアピールポイントなどは、表示されない傾向にあります。
このように、あくまでGoogle側も広告効果を最大化させる目的でアルゴリズムを構築しているものの、必ずしも表示されるわけではないため注意が必要です。
構造化スニペットで用意されているヘッダーの一覧
現在、構造化スニペットでは以下の13種類のヘッダーが用意されています。
それぞれの特徴は下記のとおりです。
構造化スニペットを活用するメリット
構造化スニペットは、適切に活用することで以下のような効果が期待できます。
① 広告認知度の拡大
構造化スニペットを活用すれば、リスティング広告における自社の広告表示面積が拡張され、ユーザーの目に留まりやすくなります。
競合他社が多い業種やユーザーが比較検討を行う機会が多い商材やサービスの場合には、いかにユーザーに自社の広告を認知させるかが重要になります。
広告が目に留まらなければ、クリックされずコンバージョン獲得にもつながりません。
このような中で、検索結果画面に広く露出できるという点は、認知度拡大につながる効果が期待できます。
② 訴求したい内容を端的に説明可能
リスティング広告における広告文は、文字制限があるため訴求内容をすべて伝えるには限界も生じます。
この広告文の中に情報量を詰め込みすぎると、かえってユーザーには響かず、クリックにもつながらなくなります。
このような場合に、構造化スニペットを活用すれば、必要な情報を端的に分かりやすく訴求することができるため、広告文のクオリティを高めることが可能です。
タイトルや説明文で伝えきれない情報を、構造化スニペットによって補足できれば、広告自体の品質向上にもつながります。
③ 費用対効果の向上
広告自体の認知度が高まり、端的に分かりやすく説明することで興味関心を促すことができれば、無駄なクリックの軽減にもつながり、リスティング広告の費用対効果を高める効果も期待できます。
広告で伝える情報量が増えれば、クリックからのコンバージョン率向上にもつながります。
また、広告の品質向上によってリスティング広告のアカウント全体における評価が高まれば、出稿キーワードの表示位置も向上し、且つCPCを抑えた運用につなげることも可能になります。
構造化スニペットを活用する上での注意点
構造化スニペットには、細かな運用上の規定や要件があります。
そのため、以下の点を考慮しつつ運用していくことが重要です。
① 必ずしも全て表示されるわけではない
構造化スニペットは、設定したからといって必ずしも全てが表示されるわけではありません。
Google側のアルゴリズムをもとに様々な関連性から判断されるため注意が必要です。
特に、競合他社が多く通常であっても検索結果の上位に表示されない場合には、構造化スニペットが表示される可能性も低くなります。
このような場合には、まずは自社の広告が対象キーワードで上位に表示されるよう、クリエイティブやLPなどを見直していくと効果的です。
② 審査に落ちる可能性もある
構造化スニペットは、通常のリスティング広告とは別の審査基準が設けられています。
そのため、仮に通常の広告文は表示されたとしても、構造化スニペットが審査落ちし表示されない場合も起こり得ます。
構造化スニペットの設定には、先ほどふれたヘッダーから指定する必要があります。
このヘッダーに自社の商材やサービスに合ったジャンルやカテゴリがない場合も存在します。
そのような場合には、無理にヘッダーに合わせるのではなく、既存のリスティング広告によって効果を高めていくことも効果的です。
③ テキストはできる限り短くし、PDCAを回す
構造化スニペットの効果を高めるためには、ヘッダーにあわせてテキストをできる限りコンパクトに表現することが重要です。
テキストを端的に表現できれば、表示される値を増やすことが可能になります。
また、仮に審査落ちしたとしてもペナルティの対象になるわけではありません。
そのため、様々な構造化スニペットを試しつつ、PDCAサイクルを回していくことも効果的です。
このような運用には工数がかかりますが、無料で活用できる構造化スニペットを最大限活用していくことで、運用効果を高めることが期待できます。
構造化スニペットの設定方法
構造化スニペットは、Google広告の管理画面から簡単に設定することが可能です。
具体的な手順は以下となります。
① Google広告の管理画面にログイン
② 「広告表示オプション」から「+」ボタンを選択
③ 「構造化スニペット表示オプション」をクリック
④ 「追加先」の選択
⑤ ヘッダーのタイプを選択
⑥ 設定する値を順番に入力し、「保存」をクリック
構造化スニペットはGoogle広告の仕様となり、Yahoo!ではカテゴリ補足オプションと呼ばれています。
このカテゴリ補足オプションの手順も基本的にはGoogleと同様の考え方となります。
まとめ
リスティング広告の効果を高める上で、構造化スニペットは有効活用できます。
設定することで検索結果画面に表示される広告枠を拡張でき、認知度拡大やクリック数の増加などにつなげることも可能です。
とはいえ、構造化スニペットにはヘッダーやリストをはじめ細かな規定が設けられています。
今回紹介した内容も参考に、構造化スニペットの特性を正しく理解し、広告効果を高めていきましょう。