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【ITP2.1】によってSafariでの1st Party Cookieの扱いはどう変わるのか

更新日:2024年06月13日

【ITP2.1】によってSafariでの1st Party Cookieの扱いはどう変わるのか

2018年9月に「ITP2.0」が発表され、3rd Party Cookieの即時破棄(実質、使用不可!)にWEBマーケティング界隈が騒然としましたが、
2019年3月に更なるアップデートとしてITP2.1が発表されました。

広告経由のコンバージョン計測に大きな影響がある「ITP問題」ですが、
ITP2.1ではどのようなアップデートが行われたのかを確認していきたいと思います。

話は少し逸れますが、日本国内のスマホ市場におけるiPhoneのシェアは他の国に比べても高いと言われています。
2017年の全世界のスマホシェアはAndroidが約72%で、iOSは約20%に過ぎません。

しかし日本ではこれが逆転し、同じく2017年のシェアはiOSが約69%と過半数を大きく上回り、Androidが約30%なのです。

理由はどうあれ、到底無視できるレベルではありません。
iPhone所有率が高いということは、そのブラウザであるSafariの実装率も高いということ。
つまりITPの影響も大きいということです。

参考:スマホシェア率を比較!世界・日本のAndroid・iPhone比率は?

まずはアップデートを把握し、今後のWEB集客施策に展開できるよう準備をしていきましょう。

1.ITPについてのおさらい

ITP(Intelligent Tracking Prevention)とはそもそもどういうものだったのか、一度おさらいしたいと思います。

ITPはApple系デバイス(Mac,iPad,iPhoneシリーズ)のブラウザであるSafariに搭載されている、
「Cookie情報の保持期間を短縮もしくは一切なくし、広告トラッキングを制限する」という機能です。

広告ドメインがリダイレクトなどを用いて発行するCookie情報「サードパーティCookie」が本来の規制対象であり、
広告主サイト側がHTMLなどを用いて発行する「ファーストパーティCookie」に関してはITPの規制対象外でした。

サードパーティCookieを用いてトラッキングを行うことで、ログイン情報やショッピングカートリストが保持されるなどの利点もあります。
一方で、Cookie情報をきっかけにリターゲティングの対象となり、ユーザーからすると「シンプルに邪魔」だとか、
「いつも同じ広告が付いてきて気持ち悪い」だとか、「他人に画面を見られた時に気まずい」などと思われる可能性も多くあったわけですね。

リターゲティングは長らくディスプレイ広告の代表的かつ最もコンバージョン獲得をしやすいターゲティングでしたが、
一部のユーザーにとっては不快に思われるものでもありました。

そこでAppleはITPをリリースし、スマホ利用ユーザーのアクセス情報というプライバシーを守る立場を確立しました。

ITPは、そのバージョンを1.0→2.0→2.1とアップデートしたわけですが、何が違うのでしょうか?
実際にどこが変更されたのかをお伝えできればと思います。

2.ITP2.0→ITP2.1でのアップデート内容

まずはバージョンごとの変遷を追っていきます。

▼ITP1.0

Safari上のサードパーティCookieは24時間後に削除

▼ITP2.0

Safari上のサードパーティCookieは即時削除

▼ITP2.1

Safari上のJavascriptで生成された ファーストパーティCookieは7日間で削除

段々とCookie規制が厳しくなっていることがわかります。
今回、とうとうサイト側が発行していると見なされるファーストパーティCookieにまでその影響範囲が広がりました。

Cookie情報の保持期間が短くなることでリターゲティングリストが減少するため、リターゲティング広告全般の効力が弱まると想定できます。
動的リターゲティングを実装するDSPも増えている中、このアップデートはアドテク業界全体の痛手となったことは確かです。

2-1.リターゲティングできない!?

これが最も大きな影響ではないでしょうか。

今となっては当たり前の存在ですが、ディスプレイ広告における「リターゲティング」は2000年代後半に市場を席巻し、とても革新的な機能として注目されました。

それまでディスプレイ広告では「どんなウェブサイトに広告を表示するか」といったターゲティングが主でしたが、
「どんなユーザーに広告を表示するか」という行動ターゲティングの概念を持ち込んだのがリターゲティングだったのです。

サイト訪問履歴のあるユーザーは、それ以外のユーザーと比べてその商材の検討を行っている可能性が高く、ディスプレイ広告施策の鉄板となりました。

そんなリターゲティングが今回のアップデートで制限を強化されることになりました。
通常30日間保持できる情報が7日間破棄されるようになったからです。

リターゲティングは直近に訪問したユーザーの方が見込みが高い、とも言われますが、BtoB商材や高額の商品など、
検討期間の長い商材では90~180日の長期のリターゲティングリストを作成することもあります。

ディスプレイ広告によって多くのコンバージョンを獲得しているアカウントは、費用の縮小もしくはコンバージョンを単価の高騰が想定されます。

2-2.起きたはずのコンバージョンが計測できない!?

リターゲティングのみならず、コンバージョンの計測自体が過去のCookie情報を元にした行為です。
そのため、広告に接触して7日以上経ったユーザーは、再度広告に接触しない限りコンバージョンしてもそのカウントは広告アカウント上では発生しません。

3.現在できる対策について

ITP2.1の対策については、残念ながら現状「対策はありません」(2019年4月現在)という回答になってしまいます。

ITP2.0までは、例えばGoogle広告であれば自動タグ設定やGoogleタグマネージャ(コンバージョンリンカー必須)を使用することで回避できましたが、
ITP2.1についてこれがそのまま有効であるのか、ということについてはまだ疑問が残ります。

JavascriptやHTMLの編集が出来る方は、ソースの書き換えによる対策法を紹介している以下の記事をご覧ください。
(参考:『Qiita』ITP2.1対策 Safari 12.1 でCookieの有効期限を8日以上に延長する方法

4.最後に

ITPは日々更新され、「どのCookieがいつまで有効なのか」の情報が錯綜しがちです。
ある月から突然「リターゲティングでコンバージョン取れなくなってきているな…」と感じた時、それはITPの影響である可能性があります。

私達インターネット広告代理店はこうしたITPに関する情報に誰よりも早く気付き、クライアントの皆様に共有し、出来る限りの対策を取るという使命があります。

引き続き、当メディアでもITP関連の最新情報を随時更新していきますので、気になる方はTwitterのフォローやFacebookのいいね!をしてもらえると運営者はとても喜びます。

この記事を書いた人

超シンプルに一目惚れで入社。入社2ヶ月で編集長に就任し、Infinity-Agent Labを軌道に乗せました♪(←自慢です。笑)編集長の経験から、各媒体の最新情報のキャッチアップの早さには自信があります。生粋のEXILEオタクです!

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