近年、ネット広告に注目する企業が増えています。
商品・サービスについて認知度を拡大するだけでなく、購買促進やブランディングでもネット広告は有用です。
この記事では、ネット広告を活用しようと思っている方に向けて、メリット・デメリットや種類について解説していきます。
ネット広告について広く理解できるので、活用しようと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
1.ネット広告とは
ネット広告は、検索エンジンやWebサイトなど、ネット上の媒体に掲載できる広告の総称です。
細かく分けると、リスティング広告やディスプレイ広告など種類は数多く存在します。
比較的安価で活用でき、短期間で成果が出ることから、近年導入する企業が増えています。
認知度向上や購買の促進など、さまざまな目的で活用できる点もメリットです。
2.ネット広告のメリット
ネット広告のメリットは以下の5つです。
・少額から掲載できる
・データ測定ができる
・柔軟な広告運用ができる
・短期間で効果を期待できる
それぞれ解説していきます。
2−1.ターゲットを詳細に設定できる
ネット広告では、媒体に登録されたユーザー情報や閲覧しているコンテンツなどをもとにして、詳細なターゲティング設定が可能です。
ターゲットを細かく設定することで、自社商品にマッチするユーザーにピンポイントで訴求ができます。
無駄な広告費用が発生しにくいため、高い費用対効果が期待できるでしょう。
2−2.少額から掲載できる
ネット広告では、クリック課金やインプレッション課金などさまざまな課金形態を採用しており、少額からスタート可能です。
クリック課金の場合、1回クリックされるたびに30〜100円程度の費用がかかります。
媒体によっては最低出稿金額がなく、1円からでも利用できるため、お試しで広告運用を行ってみたい方にもおすすめです。
2−3.データ測定ができる
ネット広告は、配信後に取得したデータをもとにして、結果を細かく測定できます。
広告のクリック率やコンバージョン率などの数値をもとにできるので、さらに効果が見込める手法を見出せるでしょう。
テレビCMなどマス広告ではデータ測定が難しいこともあるため、PDCAを回しやすい点はネット広告ならではのメリットです。
2−4.柔軟な広告運用ができる
ネット広告は配信を行った後も状況を見て停止・終了が可能です。
また、クリエイティブの調整やターゲティング設定の変更なども柔軟に実施できます。
効果を確認しながら各ポイントを調整して運用できるため、より効果的な配信がしやすいです。
ただし、成果の高い運用を行うには、広告・マーケティングについて一定の経験や知識が必要です。
2−5.短期間で効果を期待できる
ネット広告は、配信直後に効果が見込める点も大きなメリットです。
SEOやSNS運用など他マーケティング手法では、数ヶ月〜1年ほどの時間がかかることもあります。
なるべく短期間で認知度・コンバージョン率向上などの成果を得たい方は、ネット広告の活用を検討してみましょう。
3.ネット広告のデメリット
ネット広告には以下のデメリットも存在します。
・意図しない掲載面に配信される可能性がある
メリットと合わせて上記についても把握しておきましょう。
3−1.広告の分析と見直しを継続的に行う必要がある
ネット広告は、配信した後も適宜分析や施策を実施して調整する必要があります。
継続的にPDCAを回すことでさらに高い成果を期待できますが、運用に手間がかかる点に注意が必要です。
専門的な知見を身につける必要があるため、社内で人員を確保することが難しい場合もあります。
もしもリソースが足りないのであれば、社外に依頼することも検討しましょう。
3−2.意図しない掲載面に配信される可能性がある
複数の媒体に一括で配信できるネット広告を活用することで、意図しない掲載面に自社の情報が載ってしまうこともあります。
親和性が低い媒体や低品質なメディアに広告が掲載されることで、自社のブランディングに悪影響が及ぶので注意しましょう。
設定が可能な場合は管理画面上から適宜調整を行うことが大切です。
4.ネット広告の種類
ネット広告には以下のような種類があります。
・ディスプレイ広告
・リターゲティング広告
・バナー広告
・動画広告
・純広告
・アフィリエイト広告
・記事広告
・メール広告
それぞれの広告の特徴やメリットを解説していきます。
4−1.リスティング広告
リスティング広告は、Google・Yahoo!など検索エンジンで掲載される広告です。
テキストがメインですが、自然検索の上部に表示されるため目につきやすく、クリックされる確率が高いです。
ユーザーが検索した情報に合わせて掲載内容が変わるため、顕在層に向けたアプローチに効果を発揮します。
4−2.ディスプレイ広告
テキストや画像・動画を活用して配信できるディスプレイ広告は、豊富な情報量でユーザーに訴求できる点が大きなメリットです。
媒体としてはGDN(Google)・YDA(Yahoo!)が代表的で、関連サービスや提携しているサイトに広告を配信できます。
4−3.リターゲティング広告
リターゲティング広告は、自社サイトに訪問したユーザーをターゲティングして再度商品情報を訴求できます。
一度興味を持ったユーザーが対象になるため、高い確率で反応してもらえる点が魅力です。
4−4.バナー広告
バナー広告は、ディスプレイ広告の一種で主に画像やキャッチコピーを用いて訴求を行います。
テキストのみの広告より情報量が多く、視覚的なアプローチが必要な商材で効果を発揮しやすいです。
4−5.動画広告
動画を活用した広告は、画像・テキストを活用した広告よりもさらに情報量が多く、商品の特徴やメリットを効率的に伝えられます。
ただし、ユーザーが動画を視聴し続けるかどうかは最初の5秒程度で決定してしまうため、インパクトを与える工夫が必要です。
ストーリーを用いた構成や、有名人の起用などで視聴者の注意を惹きましょう。
4−6.純広告
Webサイト上の枠を購入し、一定期間掲載するタイプの広告を純広告と呼びます。
Yahoo!のトップページなど目立つ場所は高額になるケースが多いですが、掲載面によっては多数のユーザーに継続的なアプローチが可能です。
また、有名な媒体の広告枠を買い取ることで、自社のブランディングにも良い影響を与えます。
4−7.アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は、広告主が設定した目標が達成された際に報酬が支払われる成果型の広告です。
会員登録や面談など、ゴールに到達することで費用が発生するため、無駄な広告費を削減しやすいメリットがあります。
不特定多数のメディアに掲載されるため、認知度向上も期待できる点が特徴です。
4−8.記事広告
記事広告は、Webメディアなどで掲載される記事の形式を活用した広告の総称です。
コンテンツと同じ形式にすることで広告らしさを減らし、自然な訴求を実現できます。
コンテンツ内容の後に商品を勧めるため、ユーザーの悩みやニーズを事前に満たすことが大切です。
4−9.メール広告
メールを活用した広告も、ネット広告の一種です。
イベントや資料請求などのアクションをもとに収集したメールアドレスを活用することで、自社に興味を持っているユーザーを対象にできます。
不特定多数の人に一度に訴求でき、画像や動画などカスタマイズ性が高い点もメリットです。
5.ネット広告の選び方
ネット広告を選ぶ際は、以下2つの方法があります。
・ターゲットで選ぶ
それぞれの選び方について解説していきます。
5−1.目的で選ぶ
広告を配信する目的は、購入数の拡大や認知度向上など、企業によってさまざまです。
ただ漠然と広告を導入するのではなく、最終的なゴールから逆算して最適な手法を選択しましょう。
例えば、認知度向上には一定期間で掲載枠を買い取る純広告が効果的です。
5−2.ターゲットで選ぶ
想定しているターゲット層によっても効率的なアプローチ方法は異なるので注意が必要です。
マーケティングで考えられる顧客層としては、以下のようなものが挙げられます。
・潜在層
・顕在層
・既存顧客層
それぞれどのようなターゲット層なのか確認しておきましょう。
5−2−1.無関心層
無関心層は、自社の商品や関連しているサービスに対して興味がない、または知らないユーザー層です。
まずは自社の情報について触れてもらう必要があるため、純広告など不特定数へのアプローチが可能な広告をおすすめします。
記事広告など、自然な訴求ができる広告も、無関心層に興味を持ってもらう機会作りになります。
5−2−2.潜在層
潜在層は、ニーズがあるものの、どのような商品が適切なのか詳細を把握しきれていないユーザー層を指しています。
ニーズを掘り起こすことができれば顧客になってもらえる確率が高いため、画像・動画を活用できるディスプレイ広告などで悩みを深掘りして最適な情報を提案することがおすすめです。
5−2−3.顕在層
ニーズや必要な商品について理解している層を顕在層と呼びます。
顕在層は自社商品に対してすでに関心があるため、さらに詳しいメリットや特徴を伝えることで顧客になる可能性が高まります。
具体的なサービス名や会社名で情報検索することが多いので、リスティング広告を活用することで効率的に訴求できるでしょう。
5−2−4.既存顧客層
すでに自社商品を利用したことがある顧客層には、リターゲティング広告で再購入を促すことがおすすめです。
また、取得したメールアドレス宛に最新の製品情報などを配信することで、再度顧客になってもらえる確率が高くなります。
メール広告で良質な情報を届けて、顧客のロイヤリティ向上を目指していきましょう。
6.ネット広告運用のポイント
ネット広告を運用する際のポイントは以下の4つです。
・ターゲットを明確にする
・ターゲットにあった広告を配信する
・PDCAを回す
効果的な運用ができるようにそれぞれ確認していきましょう。
6−1.目的を明確にする
新商品の認知度拡大や購入数の増加など、それぞれのゴールに合わせて手法・媒体を選択しましょう。
目的が明確になっていないと、後のクリエイティブ作成でも方針が曖昧になるため注意が必要です。
配信後も、担当者間で最終的な目標についてすり合わせを行い、中間指標などを細かく決定しておくことをおすすめします。
6−2.ターゲットを明確にする
ネット広告を活用する際は、ターゲットを明確にすることも大切です。
潜在層・顕在層や、年齢などの属性によっても適切な媒体は変わります。
また、色彩や素材など最適なクリエイティブ内容もユーザー層によって異なるため、事前にどのようなユーザーに向けた広告なのか定義しておくことがおすすめです。
6−3.ターゲットにあった広告を配信する
ターゲットについて定まったら、効果を発揮できそうな広告を選定します。
前述したように、潜在層の場合はディスプレイ広告、顕在層の場合はリスティング広告がおすすめです。
高齢者層をターゲットにする場合は、新聞広告やポスティングなどオフラインの手法も視野に入れましょう。
6−4.PDCAを回す
ネット広告を配信した後は、抽出されたデータをもとにPDCAを回す必要があります。
クリック率やコンバージョン率といった数値を参考に、クリエイティブなどで足りない箇所があれば適宜修正を行い再度配信を実行しましょう。
一度の配信で最大の成果を得ることは難しいため、傾向を追いながらより成果の見込める施策を作り出すことが大切です。
7.まとめ
いかがでしたか?
ネット広告は、デバイスや通信環境が整った現代において欠かせないマーケティング手法です。
ネット広告と一言でいっても、リスティング広告やディスプレイ広告など多様な種類が存在するため、それぞれの特徴について理解して選定してください。
実際に活用する際は、目的やターゲット層も参考にして媒体・手法を選ぶことが大切です。
配信した後も、具体的な数値をもとにターゲット・クリエイティブなどを調整して、さらに高い成果を目指しましょう。