老若男女問わず、多くの人が動画を見るようになりました。広告も、動画の時代に合わせた新しい形態が続々と誕生しています。その中でもインストリーム広告は、これからますます影響力のある広告手法として活躍するといわれています。
そこで本記事では、インストリーム広告の基本的な特徴を解説し、目的や用途に応じてさまざまなタイプを使い分ける方法を紹介します。
1.インストリーム広告とは?仕組みや原理について
YouTubeなどの動画サイトで、動画の再生中に広告が流れてくることがありますよね。実はあのような広告のことを専門的にはインストリーム広告と呼びます。
インストリーム広告は、動画を再生している限り、必ず視聴者の目に触れるようになっています。いわば、テレビコマーシャルと同じ原理です。
インストリーム広告を流せば、一般的なバナー広告よりもアピールがしやすく、高い集客効果を見込めるといわれています。
しかも、テレビコマーシャルよりも尺を取れるため、ドラマ仕立ての長い広告動画をつくることができ、表現の幅が広がっているのが大きな特徴です。
そのためインストリーム広告は、近年ではWeb広告業界の柱として人気を集めており、ベンチャー企業だけでなく、有名企業も積極的に活用しています。
現在では、インストリーム広告の種類も多様になってきており、長時間の動画の途中に何度も挿入される仕様や動画終了後に流れたりするようになっています。
インストリーム広告の対義語的な位置づけとしてアウトストリーム広告がありますが、こちらは動画の外(アウト)に表示される動画広告です。
動画の中(イン)に表示される動画広告がインストリームで、外(アウト)がアウトストリームです。このように覚えておけば、区別がしやすいです。
アウストリーム広告について詳しく知りたい方は【意外な盲点?】アウトストリーム広告の活用で集客を補強しようをご覧ください!
2. インストリーム広告にはどんな種類がある?
インストリーム広告は以下の6種類あります。
・ミッドロール広告
・ポストロール広告
・スキッパブル広告
・ノンスキッパブル広告(完全視聴型広告)
・バンパー広告
プレロール広告
動画が再生される前に表示される広告をプレロール広告と呼びます。
これから動画を見ようと思っている人に対して、冒頭でいきなり広告を表示する仕様になっているため、必ず目に触れるという最大のメリットがあります。
ミッドロール広告
動画の再生中に流れる広告をミッドロール広告と呼びます。こちらもまた、みなさんにとって馴染み深いインストリーム広告だといえるでしょう。
現在のYouTubeでは、8分を超える動画に挿入できるとされているようです。最初の5秒間はスキップできない仕様となっているため、この5秒間に訴求力のある導入を作成するのがポイントです。
ポストロール広告
動画を見終わった後の締めくくりに流れる広告をポストロール広告と呼びます。
動画を飛ばして見たり、好きなところだけを見て動画を切る視聴スタイルのユーザーには届きにくい広告形態ですが、動画を作業BGM代わりに流しっぱなしにしたり、連続再生設定をしたりしている人には有効な広告です。
スキッパブル広告
動画広告を数秒後にスキップできるボタンが設置されている広告をスキッパブル広告と呼びます。YouTubeなどをよく視聴する方には、かなり馴染み深いのではないでしょうか。
30秒以上再生されると広告費用が発生する仕組みになっているため、5秒でスキップするユーザーに対しては費用が発生せず、余計なコストをかけずに済むというメリットがあります。
ただし、長い尺の動画広告を作成しなければスキッパブル広告のメリットを享受できないため、その点には注意が必要です。
途中でスキップ(再生停止)して、見たい動画コンテンツにすぐ移行できる動画広告です。
一般的には○秒後にスキップ可能などと字幕が表示され、その時間が経過するとクリックによってスキップが可能となります。また広告のスキップが可能となるまでの時間は、5秒が主流となっています。
ノンスキッパブル広告(完全視聴型広告)
テレビコマーシャルと似ていて、15秒ほどの尺で動画広告を流すタイプの広告をノンスキッパブル広告と呼びます。
こちらはその名の通り、ユーザーが任意でスキップをすることができないため、不可避的に広告視聴が実現するシステムになっています。
ただしこの広告手法は、ユーザーにやや強引な印象を持たれるため、注意しましょう。
バンパー広告
6秒という短い尺でユーザーにストレスをほとんど与えず、うまくいけばかなりの集客も期待できる広告をバンパー広告と呼びます。
ノンスキップの動画広告が6秒間流れることになるため、ユーザーはその広告に集中できます。インパクトのある広告を作れるかどうかがカギです。
バンパー広告について詳しく知りたい方は【YouTube】バンパー広告を活用して6秒で成果を上げる!をご覧ください!
3.インストリーム広告を運用する主なメリット
世界中の企業が導入しているインストリーム広告には、以下のようなメリットがあります。
低コストで大きな集客効果を期待できる
従来の広告ビジネスでは、どれだけ効果があるかわからない戦略に対して、多額の費用をかけていました。
しかしインストリーム広告では、広告動画に関心のあるユーザー、すなわちスキップしないで最後まで動画を見てくれたという事実に対して費用が発生する仕組みになっています。
そのため、不特定多数のユーザーに動画広告を流しつつ、手ごたえのありそうなユーザーにのみ訴えることができれば、低コストで高い集客効果を期待することができるのです。
認知度を広めるという点でも意義がある
たとえ動画広告がスキップされたとしても、最低でも5秒間はユーザーの目に触れます。
つまり、その5秒でインパクトのあるキャッチーな導入を作れば、実質的に無料で多数のユーザーに周知をすることができるのです。
4.インストリーム広告を運用する際の注意点やデメリット
インストリーム広告を活用する際にはどんなことに注意するべきなのでしょうか。
動画広告費用が発生する
ユーザーへのインパクトが命ともいえる動画広告は、専門性の高い業者に動画作成を依頼することになるため、そこで費用が発生します。
どのような動画にすれば集客につながるのかという問いには正解がないため、試行錯誤をふまえながら色々と試してみる必要があるでしょう。
スキップできない広告が企業イメージを悪くしてしまうことも
インストリーム広告は、本来ユーザーが見たいと思っている動画に挿入する広告なので、多かれ少なかれ、ユーザーのストレスを煽ってしまうことになります。
スキップのできないタイプのインストリーム広告だとなおさらです。かえって企業イメージを損ねてしまう恐れがあるので、運用にはくれぐれも注意しましょう。
5.インストリーム広告で集客効果を上げるには?
クリエイティビティの高いインストリーム広告は、まだまだ未知数の可能性を秘めています。
これからインストリーム広告を活用してみようとする方のために、ちょっとしたポイントを紹介します。
メッセージは明確に
インストリーム広告は長尺で動画を作成できるため、テレビコマーシャルよりも創造性が豊かで、ユニークな特徴を持っています。
しかし、短尺にせよ長尺にせよ、5秒という導入部分で多くのユーザーの関心を引くようなメッセージ性は大切にするようにしましょう。
ターゲットを絞る
誰しもができるだけ多くの人に見てほしいと思ってしまいますが、万人受けの当たり障りのない広告をつくるよりも、ややマニアックである代わりに、特定の層に響くような広告のほうが、集客につながる可能性があります。
インストリーム広告でも、ペルソナを明確にして動画を作成しましょう。
6.まとめ
いかがでしたか。
インストリーム広告は、テレビから動画の時代へといわれる時代を象徴する広告形態です。
近年ではベンチャー企業はもちろんのこと、多くの大企業も積極的に活用しています。ぜひみなさんも活用してみてください。