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Google広告の自動化ルールとは?活用メリットや設定方法などを分かりやすく解説

更新日:2025年09月30日

Google広告の自動化ルールとは?活用メリットや設定方法などを分かりやすく解説

Google広告の運用では、入札単価の調整や成果の悪い広告の停止など、
日々の細かな作業に多くの時間がかかります。

こうした課題を解決できるのが「自動化ルール」です。
条件を設定しておけば、アカウント変更を自動で実行できるため、
工数削減と24時間体制の運用が可能になります。

本記事では、
自動化ルールの基礎から活用法までを解説し、効率的な広告運用に役立つポイント
紹介します。

1. Google広告の自動化ルールとは?

Google広告の自動化ルールとは、
あらかじめ設定した条件に応じて、アカウント内の変更を自動で実行できる機能です。
広告のステータス変更、予算の調整、入札単価の引き上げ・引き下げなどを自動化できます。

例えば、「広告が検索結果の1ページ目に表示されなくなったら、
キーワードの入札単価を自動で引き上げる」といったルールを設定することが可能です。

また、「条件を満たしたときにメールで通知を受け取る」といった使い方もできます。

自動化ルールを活用すると、
広告配信状況を常に監視して手動で調整する必要が減り、運用の効率化につながります。

設定したルールは、有効化・一時停止・編集・削除などが自由に行え、
ルールごとの変更履歴(ルールログ)やステータスも確認できます。

2. 自動化ルールの活用メリット


Google広告で自動化ルールを利用すると、次のようなメリットがあります。

  • 工数削減
  • 24時間体制での対応
  • 一貫性のある運用
  • スピード(即時対応)

■ 工数削減

毎回手作業で行っていた定型的な調整を自動化できるため、
より戦略的な業務に時間を使えるようになります。

■ 24時間体制での対応

深夜や早朝など、人が対応できない時間帯でも自動でルールが実行されます。

また、特定の条件が発生したときにメールで通知を受け取れるため、
算の使用状況など、「監視する役割」としても活用できます。

■ 一貫性のある運用

あらかじめ設定した条件に基づき、
常に同じ基準で判断・実行できるため、人的な判断ミスを防げます。

■ スピード(即時対応)

条件を満たした瞬間に処理が行われるため、
変化の早いオークション環境にも柔軟に対応できます。

ただし、ルールを複雑にしすぎると管理が難しくなったり、
想定外の動作をしてしまう可能性もあります。

そのため、なるべくシンプルな設定から始め、
定期的にルールの結果をモニタリングすることが重要です。

3. 自動化ルールでできること

自動化ルールは主に以下の単位で設定することができます。

  • キャンペーン
  • 広告グループ
  • 広告
  • キーワード / ディスプレイのキーワード
  • アセットグループ(主にP-MAXキャンペーン)
  • コンテンツ(プレースメント / トピック)
  • オーディエンス
  • ユーザー属性(年齢層 / 性別 / 子供の有無 / 収入)

上記のような、アカウント内のさまざまな階層ごとにルールを設定し、
条件に応じて自動的にアクションを実行できます。

以下に、主要なアクションの例をまとめます。

自動化ルールを設定する単位 アクション
キャンペーン 有効にする/一時停止する/予算を変更/ラベルを変更/メールで通知
広告グループ 有効にする/一時停止する/入札単価を変更/ラベルを変更/メールで通知
広告 有効にする/一時停止する/ラベルを変更/メールで通知
キーワード 有効にする/一時停止する/入札単価を変更/最終URLを変更/ラベルを変更/メールで通知
アセット
グループ
有効にする/一時停止する
オーディエンス 有効にする/一時停止する/上限クリック単価を変更/
上限インプレッション単価を変更/入札単価調整比を変更/メールで通知
コンテンツ 有効にする/一時停止する/上限クリック単価を変更/
上限インプレッション単価を変更/入札単価調整比を変更/メールで通知

これらのアクションは、指定した条件に応じて、
あらかじめ設定した頻度で自動的に実行されます。

例えば「インプレッションシェアが30%未満になったとき」など、
条件として指定できる指標は複数あります。
※利用できる指標は設定する単位(キャンペーン、広告グループ、広告など)により異なります。

4. 自動化ルールの活用イメージ

自動化ルールは、さまざまな場面で活用できます。

ここでは、Google広告でよく利用される自動化ルールの例を紹介します。
実際の運用シーンをイメージしながら、
自社のアカウントに合った活用方法を検討してみましょう。

■ キャンペーンの自動化ルール例

  • 予算使用率が90%を超えた場合にメールで通知し、予算を引き下げる
  • 予算による上部インプレッションシェア損失が発生しているキャンペーンの予算を引き上げる
  • 特定の期間に合わせてキャンペーンを有効化/一時停止

■ キーワードの自動化ルール例

  • 品質スコアが6以上のキーワードで検索結果1ページ目に広告が出るように入札単価を引き上げる
  • コンバージョン単価が1,000円未満で、掲載順位が3位を下回っているキーワードの入札単価を引き上げる
  • コンバージョン単価が目標値より200%超えているキーワードを一時停止する

■ 広告の自動化ルール例

  • 前日の表示回数が1,000回を超え、クリック率が0.1%を下回っている広告を一時停止する
  • 毎週末に「送料無料」など特定の訴求を含む広告を表示する
  • 特定の期間に合わせて表示する広告を切り替える

このように、自動化ルールでは条件とアクションを複数組み合わせて設定でき、
人の手では行き届かない調整を自動でカバーすることができます。

5. 自動化ルールの設定方法

5-1. 設定の始め方

Google広告で自動化ルールの設定を始める方法は大きく2つあります。
それぞれの手順について順番に解説します。

■ ツールの「ルール」画面から始める方法

①  左側メニュー「ツール」の「一括操作」から「ルール」を選択
→「+」をクリック

②  どの単位で自動化ルールを作成するかを選択→設定を開始

■ 対象画面から始める方法

①  自動化ルールを設定したい単位の画面を開く(例:キャンペーン)

②  この画面の右側「詳細」から「自動化ルールを作成」をクリック
→設定を始める

③  または、設定したい特定のキャンペーンを選択→「編集」をクリック

④  メニューの中から「自動化ルールを作成」をクリック
→設定を始めることも可能

5-2. 設定の方法

自動化ルールの設定画面を開いたら、具体的な内容を設定していきます。
以下は実際の設定画面イメージです。

自動化ルールの設定項目は大きく分けて以下の3つの要素で構成されています。

  • アクション
  • 頻度
  • 結果をメールで通知

それぞれの設定項目について説明します。

■ アクション(操作内容)

自動化ルールの中心となる設定で、最大5件まで指定できます。
実行順序も調整可能です。

  • 適用:どのキャンペーンや広告グループなどにルールを適用するかを選択
  • 条件:「インプレッション数が1000回未満」「CPAが1,000円を超えた」など
    ルールが発動する条件を指定、使用する指標は「適用」の内容によって異なる
  • アクション:条件を満たした際に実行する内容を決定
    例:「キーワードを一時停止する」「入札単価を20%引き上げる」など

■ 頻度(チェックのタイミング)

条件をどのくらいの間隔で確認するかを設定します。
選べる頻度は以下の通りです。

  • 1回のみ
  • 1時間ごと
  • 毎日
  • 毎週
  • 毎月

あわせて「時間」と「使用するデータの期間」を指定できます。

■ 結果をメールで通知(通知設定)

ルールが実行された際の通知方法を選択できます。

  • ルール実行のたび通知
  • 変更やエラーがある場合のみ通知
  • エラーがある場合のみ通知
  • 通知なし

自動化ルールには「プレビュー」機能があり、設定内容を事前に確認できます。

実行前にプレビューを確認しておくことで、意図しない変更を防ぎ安心して運用できます。

以下は「プレビュー」をクリックした際の画面イメージです。

6. 自動化ルール運用時の注意点

自動化ルールは便利な一方で、
設定や運用を誤ると意図しない結果につながることがあります。

以下のポイントを押さえておきましょう。

■ 複雑なルールは避ける

条件を詰め込みすぎると、挙動を予測しにくくなりトラブルの原因になります。

特に、同じ項目に複数のルールを同時適用すると競合が発生する可能性があるため、
できる限り避けるか、適用時間をずらして運用しましょう。

■ 入札単価の毎日変更は慎重に

入札単価を毎日変更するルールは
データの期間を「前日」に設定するのが一般的です。

大きな変更はリスクが高いため、まずは5%程度の小幅な調整から始め、
結果を確認しながら運用してください。

■ 特定キーワードの適用除外

一部のキーワードを手動で管理したい場合は、
条件を設定してルールの対象から除外できます。

例えば「不動産投資」を含むキーワードだけを除外し、
それ以外のキーワードに自動調整を適用する、といった使い方です。

■ 上限・下限を設ける

入札単価や予算にはなるべく上限や下限を設定し、
極端に高騰・低下しないように制御しましょう。

これにより無駄なコスト増や機会損失を防げます。

■ 十分なデータに基づく運用

少ないデータで入札や予算を変更すると誤った判断につながります。

一定期間のインプレッション数など、
条件にデータ要件を加えてから運用するのがおすすめです。

■ 定期的な監視とメンテナンス

自動化ルールは一度設定したら放置して良いわけではありません。

ルール画面の「結果」タブを確認しエラーがないか、
レポートを確認し効果的に機能しているかを定期的にチェックしましょう。

■ ルール画面の「結果」の見方

左側メニュー「ツール」の「一括操作」から「ルール」を選択
→「結果」タブをクリックします。

この画面で自動化ルールの実行内容や、問題なく実行されているかを確認できます。

7. まとめ

Google広告の自動化ルールは、
運用の効率化や24時間体制での最適化を可能にする便利な機能です。

ただし、複雑な設定や放置は思わぬリスクを招くため、
シンプルなルールから始め、定期的に監視・調整を続けることが大切です。

まずは成果不良キーワードの自動停止や、予算使用状況のメール通知など、
リスクの少ない設定から始めてみましょう。

※本記事の参考:
Google広告ヘルプ 自動化ルールを作成する, Google広告ヘルプ 自動化ルールの一般的な使用例, Google広告ヘルプ 自動化ルールを管理する

※本記事の画像引用(出典:Google広告管理画面

※本記事は当社の見解を含んでおり、効果や成果を保証するものではありません。

この記事を書いた人

大学3年生から内定者インターンを開始し、2020年にインフィニティエージェント新卒3期生として入社。 約5年半の運用者経験を活かし、現在はチーフ職としてマネジメントも行いながら、新規顧客の開拓やメディア編集長に従事。 冷麺が好きで1週間に何度も食べているという偏食な一面も。

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