
優れた機械学習を備え、レコメンド広告として多くの企業が配信しているCriteo広告。
Criteo広告はトップページだけでなく、
商品詳細タグ、商品一覧ページタグ…といったように細かく階層ごとのタグ設置を行い、
それに合ったフィードを連動させることで機械学習を働かせ、
ユーザーに適した広告をレコメンド式にて表示するという優れた機能を備えています。
今回は、そんなCriteo広告にて成果を出すために非常に重要な
データフィードの設計や最適化ポイントを徹底的に解説していきます!
1. Criteoデータフィードとは何か
1-1. Criteo広告におけるデータフィードの重要性
1-2. データフィードが広告パフォーマンスに与える影響
2. Criteoデータフィードの16項目を徹底解説
2-1. 必須項目5つの正しい設定方法
2-2. 任意項目11種類の活用ポイント
2-3. 業界別に推奨される項目の違い
3. Criteoデータフィード最適化の5つのポイント
3-1. item_group_idを活用した同一商品管理の秘訣
3-2. product_typeカラムで効果的な商品推薦を実現する方法
3-3. バッジ機能を活用した訴求力向上テクニック
3-4. additional_image_linkによる商品魅力の最大化
3-5. extra_atpを活用した価格以外の情報訴求法
4. 更新頻度がパフォーマンスに与える影響
5. まとめ
1. Criteoデータフィードとは何か
Criteo広告でダイナミック広告を配信するために欠かせないのが「データフィード」です。
データフィードとは
ECサイトなどの商品リストをもとにCriteoの仕様に合わせて作成したデータのことです。
商品カタログや商品フィードとも呼ばれ、
Criteo広告の効果を最大化するための重要な要素となっています。
Criteoは
優れた機械学習エンジンによる費用対効果の高さから多くの企業が活用している
広告プラットフォームです。
このCriteo広告において、データフィードは以下の2つの重要な役割を担っています。
- 広告クリエイティブの自動生成:
データフィードに登録された商品情報(タイトル、説明文、価格、画像など)が自動的に
広告に反映されます。
Criteoエンジンはこれらの情報を元に、
最適な組み合わせとレイアウトで広告を表示します。 - レコメンデーション精度の向上:
Criteoエンジンは、
ユーザーの行動データとデータフィードの情報を組み合わせて、
そのユーザーが興味を持ちそうな商品を予測し、広告表示します。
データフィードの内容が充実しているほど、この予測精度が高まります。
つまり、
データフィードはCriteo広告の「見た目」と「効果」の両方に直接影響する要素なのです。
1-2. データフィードが広告パフォーマンスに与える影響
適切に設計・最適化されたデータフィードは、
Criteo広告のパフォーマンスに大きなプラスの影響を与えます。
具体的には以下のような効果が期待できます。
- CVR(コンバージョン率)の向上:
商品情報が適切に設定されているとユーザーの購買意欲を高める広告が表示されるため、
コンバージョン率が向上します。
- CTR(クリック率)の上昇:
魅力的なタイトルや説明文、適切な画像を設定することで、
広告のクリック率が高まります。
- ROAS(広告費用対効果)の改善:
レコメンデーション精度が向上することで、
より効率的な広告配信が可能になりROASが改善します。
一方、データフィードに不備がある場合は、以下のような問題が生じる可能性があります。
- 在庫切れ商品の広告表示による顧客体験の低下
- 価格情報の不一致による信頼性の低下
- 商品カテゴリの分類が不適切なことによるレコメンド精度の低下
そのためCriteo広告の運用においては、
データフィードの品質管理と最適化が非常に重要なのです。
2. Criteoデータフィードの16項目を徹底解説
Criteoでは、業界別に推奨のデータフィード仕様が定められています。
ここでは一般/小売向けのデータフィードである
「Criteo Performance Product Feed(CPPF)」の16項目について解説します。
2-1. 必須項目5つの正しい設定方法
Criteoデータフィードには、配信に必須となる5つの項目があります。
これらの項目が正しく設定されていないと、広告が適切に表示されない可能性があります。
①id(必須)
単一の商品を表す一意の識別子
タグで送信される商品IDとフィードのidは必ず一致させる必要あり
例:abc123-hogehoge-45
注意点:同一商品のカラー・サイズ違いなどはそれぞれ固有のIDが必要
②title(必須)
バナーに表示される商品名
最小6文字、最大26文字程度が表示される(バナーサイズによって変動あり)
例:プルオーバー(ブラック)
注意点:重要な情報は文頭に配置し、改行は削除すること
③link(必須)
バナーをクリックしたときに遷移する商品のリンク先URL
例:https://example.com/item/knit/12345678
注意点:URLは正確に、パラメータも含めて設定すること
④image_link(必須)
特定の商品の画像へのファイルパスを指定するURL
例:https://example.com/item/image/12345678.png
注意点:高画質で商品が明確に写っている画像を使用しなければならない
⑤price(必須)
バナーに表示される商品の価格
例:1234.56
注意点:通貨記号は不要で、数値のみを入力する
これらの必須項目は、Criteo広告の基本的な表示に関わる重要な要素です。
特にidとtitleは広告の効果に直結するため、慎重に設定しましょう。
2-2. 任意項目11種類の活用ポイント
必須項目に加えて、Criteoには11の任意項目があります。
これらの項目も可能な限り設定することで、広告効果を高めることができます。
①additional_image_link(任意)
メイン画像とは別の角度や詳細を示す追加画像のURL
例:https://example.com/item/image/12345678_2.png
活用ポイント:色違いやモデル着用画像など、複数の画像を登録することで商品の魅力を多角的に伝えられる
②sale_price(任意)
セール中の商品価格
例:99.99
活用ポイント:割引率が自動計算され、「10%OFF」などのバッジ表示に活用
③availability(任意)
商品の在庫状況
「in stock」(在庫あり)、「out of stock」(在庫切れ)、「preorder」(予約受付中)3種類
活用ポイント:在庫切れ商品は広告表示から除外され、無駄なクリックを防ぐ
④description(任意)※Facebookに広告出稿する場合は必須
バナーに表示される商品説明文
例:女の子らしく可愛く仕上げたキャミソール。伸縮性にも優れ着心地バツグン
活用ポイント:商品の特徴や魅力を簡潔に伝え、ユーザーの興味を引く
⑤google_product_category(任意)
Googleの商品分類に基づいたカテゴリーを指定
例:2271 または アパレル&アクセサリー > トップス > キャミソール
活用ポイント:適切なカテゴリー設定によりレコメンデーション精度が向上
⑥product_type(任意)
「>」の区切り文字で、3つまでの商品属性を指定
例:FFブランド > Tシャツ > 女性向け
活用ポイント:類似商品のレコメンデーションに活用
⑦brand(Criteoリテールメディアで必須)
商品のブランド名を指定
例:Anagrams
活用ポイント:ブランド検索ユーザーへのターゲティングに活用
⑧star(任意)
アイテムの評価(レビュー評価)
例:4.5
活用ポイント:高評価商品をアピールできる
⑨item_group_id(任意)
商品カタログ内でバリエーション商品をグループ化する識別子
例:abc123
活用ポイント:同一商品の色・サイズ違いなどを関連付けられる
⑩adult(任意)
すべてのユーザーに商品を提示しても安全かどうかを示す属性
「yes」または「no」で指定することができる
活用ポイント:適切なオーディエンスにのみ広告が表示されるようになる
⑪extra_atp(任意)
価格エリアに表示される内容で、price項目より優先して表示
例:サマーセール開催中!
活用ポイント:価格以外の情報を訴求したい場合に活用
これらの任意項目もCriteoエンジンの学習に活用されるため、
可能な限り全ての項目に情報を入れることをおすすめします。
2-3. 業界別に推奨される項目の違い
Criteoでは、業界ごとに最適なデータフィード項目が異なります。
主な業界別の特徴は以下の通りです
EC・小売業界
- 必須項目に加え、sale_price、availability、descriptionの設定が重要
- 季節商品や在庫変動が激しい場合は、availabilityの更新頻度を高めることがポイント
旅行業界
- destination_cityやcheck_in_dateなどの旅行特有の項目が追加で推奨される
- extra_atpを活用して「残り3室」などの希少性をアピールすると効果的
不動産業界
- property_typeやlocationなどの不動産特有の項目が重要
- additional_image_linkで物件の様々な角度からの写真を提供すると魅力が伝わりやすい
金融業界
- product_typeで商品カテゴリ(ローン、保険、投資商品など)を明確に区分けすることが
重要 - descriptionで金融商品の特徴を分かりやすく伝えることがポイント
業界ごとの特性を理解しそれに合わせたデータフィードの最適化を行うことで、
Criteo広告の効果を最大化することができます。
3. Criteoデータフィード最適化の5つのポイント
ここからは、
Criteoデータフィードの効果を最大化するための5つの重要な最適化ポイントについて
解説します。
3-1. item_group_idを活用した同一商品管理の秘訣
item_group_idは任意項目ですが、
同一商品に複数のバリエーション(色、サイズなど)が存在する場合には極めて重要な役割
を果たします。
活用のメリット
- レコメンド精度の向上:ユーザーが閲覧した商品と同じシリーズの別カラー・サイズ商品をレコメンドできます
- 広告効率の向上:同一商品のバリエーションとして認識されるため、類似商品の重複表示を防げます
設定のポイント
- 同一商品のバリエーションには必ず同じitem_group_idを設定する
- idとitem_group_idは異なる値にする必要がある
- 例:赤、青、白のTシャツがあれば、それぞれidは
「t123-red」「t123-blue」「t123-white」、item_group_idは全て「t123」とする
この機能を活用することで、
Criteoエンジンはより精度の高いレコメンドを実現し、CVRの向上につながります。
3-2. product_typeカラムで効果的な商品推薦を実現する方法
product_typeは、
ユーザーが閲覧した商品の属性から興味を持ちそうな他の商品を予測するために使われる
重要な項目です。
効果的な設定方法
- 階層構造の活用:「>」を区切り文字として3階層までの属性を記述
(例:「ブランド > カテゴリ > 性別」) - 適切な粒度設定:同一product_typeのアイテムが10点未満にならないよう注意する
- 一貫性の確保:同じカテゴリの商品には同じ記述パターンを使用する
粒度設定の例
- 細かすぎる例:「FFブランド > Tシャツ > 女性向け > 半袖 > Vネック」(5階層)
- 適切な例:「FFブランド > Tシャツ > 女性向け」(3階層)
- 粗すぎる例:「アパレル」(1階層のみで情報不足)
適切な粒度でproduct_typeを設定することで、
類似商品のレコメンド精度が向上し、CTRやCVRの改善につながります。
3-3. バッジ機能を活用した訴求力向上テクニック
Criteoのバッジ機能は、「10%OFF」や「送料無料」などの
訴求ポイントをアイコン表示で目立たせることができる機能です。
バッジ設定のポイント
- データフィード条件の活用:sale_priceとpriceの差から割引率を自動計算させる
- 複数バッジの準備:様々な条件に合わせた複数のバッジを設定しておく
- 優先順位の設定:複数バッジが適用可能な場合の表示優先順位を決めておく
効果的なバッジの例
- 「送料無料」:送料無料商品に適用
- 「新着商品」:新規追加商品に適用
- 「残りわずか」:在庫数が少ない商品に適用
- 「〇%OFF」:割引率に応じて自動表示
バッジは全ての商品に必ず表示されるわけではなく、
エンジンが効果的と判断した場合にのみ表示されます。
訴求したいポイントはバッジで表現できるよう設定しておくことで、
広告の効果を高めることができます。
3-4. additional_image_linkによる商品魅力の最大化
additional_image_linkを活用すると、
メイン画像だけでは伝わりにくい商品の魅力を複数の画像で訴求することができます。
活用のポイント
- 多角的な商品紹介:正面・側面・背面など様々な角度からの画像を登録
- 使用シーンの提示:商品の使用方法や着用イメージがわかる画像を追加
- 商品詳細のアピール:素材感や細部のディテールがわかる接写画像を含める
設定方法
- 複数画像URLをカンマで区切り、一つのセル内に収める
- 例:https://example.com/item/front.jpg,https://example.com/item/side.jpg,https://example.com/item/detail.jpg
- 注意点:データフィード上に情報を追加するだけでなく、
Criteo担当者への取込依頼と専用レイアウトの追加が必要
additional_image_linkを活用することで、
ユーザーに商品の魅力をより効果的に伝えることができ、
CTRやCVRの向上につながります。
3-5. extra_atpを活用した価格以外の情報訴求法
extra_atpは、
クリエイティブの価格表示エリアに「price」項目より優先して表示される項目です。
価格以外の情報を訴求したい場合に非常に効果的です。
活用シーン
- 期間限定キャンペーン:「サマーセール開催中!」など
- 商品の希少性アピール:「残り3室のみ」「本日入荷」など
- 特典情報の訴求:「ポイント2倍」「特典付き」など
- 価格帯の表示:「5,000円〜」など固定価格がない場合
設定のポイント
- 短く簡潔な文言にする(表示スペースに限りがあるため)
- 期間限定の場合は、データフィードの更新タイミングを考慮する
- 最も強調したい情報のみを記載する
extra_atpは特にEC以外の業界(旅行、不動産、金融など)で効果を発揮します。
固定価格がない商品や、価格以外の魅力がある商品の訴求に積極的に活用しましょう。
4. 更新頻度がパフォーマンスに与える影響
最後に、データフィードの更新頻度についても触れておきます。
いくら内容を最適化しても、その情報が最新でなければ効果は限定的です。
データフィードの更新頻度は、広告パフォーマンスに大きな影響を与えます。
特に以下のような点で重要です。
適切な更新頻度のメリット
- 在庫情報の正確性確保:在庫切れ商品の広告表示を防止できる
- 価格情報の一貫性維持:サイトと広告の価格不一致を避けられる
- 新商品の即時反映:新着商品をタイムリーに広告に反映できる
業態別の推奨更新頻度
- 在庫変動が激しいEC:1日2〜4回
- セール頻度の高い小売:1日1〜2回
- 商品情報変更が少ない業種:1日1回
Criteoでは通常1日最大4回まで更新が可能です。
サイト上で価格や商品が頻繁に変動するようなビジネスでは、
更新頻度を可能な限り多く設定しましょう。
不正確な情報が広告に表示されると、
CTRやCVRの低下だけでなくブランドイメージの低下にもつながる可能性があります。
データフィードの品質は常に最新かつ正確な状態を維持することが重要です。
5. まとめ
Criteoデータフィードは、
広告パフォーマンスを左右する重要な要素です。
この記事で解説した16項目の設定と5つの最適化ポイントを押さえることで、
Criteo広告の効果を最大化することができます。
今回紹介したポイントを押さえながら、自社のCriteoデータフィード設計を見直してみてください。
適切な最適化を行うことで、
広告パフォーマンスの向上と、それに伴うROIの改善が期待できます