
Google広告を運用していると
「コンバージョンリンカー」という言葉を耳にすることがあるが、
具体的にどんな役割を持つのか分からない、という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、
コンバージョンリンカーの基本や仕組みから、実際の設定方法、注意点まで
広告運用者向けに分かりやすく解説します。
1. コンバージョンリンカー(CVリンカー)とは?
コンバージョンリンカーは、
Googleが提供するタグの一つで、
広告のクリック情報を記録し、コンバージョン計測を補完する役割を持ちます。
Googleでは広告クリック後に、
ユーザーが訪れる可能性のあるページすべてに設置することを推奨しています。
ただし、
すべてのページに「Googleタグ」が設置されている場合、
コンバージョンリンカーは不要です。
2. CVリンカーの仕組み
従来のコンバージョントラッキングは、
主にCookieを利用してユーザーの行動を把握していました。
しかし、
SafariのITP(Intelligent Tracking Prevention)などのブラウザによる
プライバシー保護機能や、サードパーティCookieの制限により、
計測が難しくなるケースが増えています。
コンバージョンリンカーは、
ユーザーが広告をクリックした際に、そのクリック情報を自動的に検出します。
そして、そのクリック情報を
広告主のドメイン上のファーストパーティCookieと
ブラウザのローカルストレージに保存します。
これにより、
ブラウザ制限の影響を受けにくく、コンバージョン計測を補完できるよう設計されています。
ここで、記事上の難しい用語を整理しておきましょう。
- Cookie:
ブラウザに保存される小さなデータ。
ユーザーの行動や設定を記録するために利用されます。 - ファーストパーティCookie:
ユーザーが訪問しているWebサイトのドメインから直接発行されるCookie。 - サードパーティCookie:
訪問中のWebサイトとは異なる外部のドメインから発行されるCookie。
広告計測や追跡に使われることが多い。 - ITP(Intelligent Tracking Prevention):
Apple社のSafariブラウザに搭載されている機能。
サードパーティCookieの利用を制限し、プライバシー保護を強化する仕組み。
3. CVリンカーの設定方法
コンバージョンリンカーの設定方法にはいくつかの選択肢があります。
本記事では、
利用頻度の高い Googleタグマネージャー(GTM) を使った方法を解説します。
■ GTMを使用したコンバージョンリンカーの設定方法
① GTM管理画面の左側メニューで「タグ」を選択
②「作成」をクリック③ 分かりやすいようにタグの名前を付ける(例:コンバージョンリンカー)
④「タグの設定」をクリック
⑤ タグタイプ「コンバージョンリンカー」をクリック
⑥ 任意でオプションを設定
※基本的には不要ですが、例えば複数ドメインにまたがるページを計測する場合(クロスドメイン計測)
「ドメイン間でのリンクの有効化」にチェックを入れます。
⑦「トリガー」をクリック
⑧「All Pages(ページビュー)」を選択
⑨「保存」をクリック
⑩「公開」をして完了
※[3. CVリンカーの設定方法]での画像引用(出典:GTM管理画面)
4. CVリンカーの設定時の注意点
コンバージョンリンカーを正しく活用するために抑えておくべきポイントを3つ解説します。
- タグの役割を理解する
- 設置が不要なケースがある
- タグの発火タイミング
■ タグの役割を理解する
コンバージョンリンカー単体では計測できないため、
別途コンバージョンタグを設置する必要があります。
あくまで「計測を補完する役割のタグ」 と理解しておきましょう。
■ 設置が不要なケースがある
すべてのページに「Googleタグ」が設置されていれば、
コンバージョンリンカーを設置する必要はありません。
■ タグの発火タイミング
公式の明確な推奨はありませんが、
GTMでコンバージョンタグと併用する場合は、
「タグの順序付け」機能を使ってコンバージョンリンカーを先に発火させるよう設定すると安心です。
これにより、
コンバージョンリンカータグの発火漏れ(広告クリック情報の保存漏れ)を
防ぎやすくなります。
5. まとめ
コンバージョンリンカーは、
プライバシー保護が強化される現代のデジタル広告運用において、
正確なコンバージョン測定を支える欠かせない仕組みです。
従来のサードパーティCookieに依存した計測では不十分となりつつある中、
ファーストパーティデータを活用して測定精度を補完できる点は大きなメリットといえます。
本記事で紹介した仕組みや設定方法、注意点を理解し、
環境に合わせて正しく導入することで、
安定したデータ計測と広告運用の成果向上につなげていきましょう。
※本記事の参考:タグマネージャー ヘルプ
※本記事は当社の見解を含んでおり、効果や成果を保証するものではありません。