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クロスデバイスとは?マルチデバイスとの違いや効果的な解析方法などについて解説

更新日:2023年05月29日

クロスデバイスとは?マルチデバイスとの違いや効果的な解析方法などについて解説

※この記事は2023年5月29日に更新されたものです。内容が古い可能性があります。

近年、スマートフォンやタブレット端末の普及に伴いユーザー行動は多様化しつつあります。

昼間はスマートフォンやタブレットを活用し、夜はPCでインターネットを楽しむユーザーも多く、様々なデバイスを横断した分析・解析を行うためには、クロスデバイスに対応することが重要です。

クロスデバイスにより、自社のホームページに訪れたユーザー行動に対し、デバイスを横断した形で引き継いで分析・解析することが可能になります。

ユーザー行動を正しく分析・解析することは、自社のマーケティングやプロモーション施策の効果を高める上で欠かせません。

その上で、近年のユーザー行動を加味し、クロスデバイスに対応した分析・解析が重要視されてきています。

そこで今回は、クロスデバイスの概要からマルチデバイスとの違いに関してや、効果的な解析方法などについてポイントを中心に紹介していきます。 

クロスデバイスとは?

そもそもクロスデバイス(Cross Device)とは、デバイスを横断する意味を持ち、PCやスマートフォン、タブレットといったデジタル機器を複数横断したとしても、ユーザー情報を引き継ぐ手法のことを指します。

近年、インターネット回線の発達やスマートフォン・タブレットの普及などもあり、1人の同じユーザーが複数の端末を使い分ける傾向が強くなってきています。

朝の通勤や通学時にはスマートフォンを活用し、昼間はタブレットで、夜はPCなどと時間帯や目的に応じて端末を使い分けることは少なくありません。

このような場合、それぞれの端末で同じページを閲覧した場合には、アクセス数が3件となりますがユーザー数は1件のカウントとなります。

マーケティングやプロモーション施策の効果を高めるためには、数値・データをもとにユーザー行動を適切に分析・解析する必要があります。

とはいえ、クロスデバイス対応を行っていなければ、3件と1件のズレを正しく認識できず、間違った分析や戦略につながる可能性も起こり得ます。

このようなリスクを防ぐ上でも、クロスデバイスに対応させ、複数のデバイスを介したユーザー行動を適切に把握することが重要です。 

クロスデバイスでユーザー行動を把握する仕組み

クロスデバイスでは、ユーザー行動を主にユーザーIDによって識別しています。

Googleなどをはじめ、多くのインターネット上のサービスでは、ユーザーIDを付与する傾向にあります。

一度ログインした状態で各種サービスを活用することで、過去の履歴や関連情報を継続して活用できることから、ユーザー側にとって効率化が図れます。

これは企業側にとっても、自社のホームページに訪れたユーザー属性が、デバイスが変わったとしても継続して識別できるため、クロスデバイスに対応した計測が出来るようになります。 

マルチデバイスとの違い

クロスデバイスに近しい言葉として、マルチデバイスというものも存在します。
マルチデバイスとは、主にユーザー目線にて複数のデバイスからでもコンテンツやサービスを利用できることを指します。

一方で、クロスデバイスではどちらかというとサービス提供者や企業側の目線にて、複数のデバイスからであっても閲覧したユーザー行動などを引き継いで確認できることを意味します。

そのため、マルチデバイスに対応できることが前提としてあり、その上でクロスデバイスに対応できるということができます。 

クロスデバイスの解析を行う背景や重要性

続いて、クロスデバイスの解析を行う背景や重要性について紹介していきます。

ユーザー行動の多様化に伴い、インターネットを活用する環境は室内に留まらず多岐に渡ります。

このような中でマーケティングやプロモーション施策の効果を高めるためには、以下の点を考慮しておく必要がでてきました。

・1人複数台のデバイスが一般化
・効果を高める分析・解析の精度の向上

下記で詳しく解説していきます。

①1人複数台のデバイスが一般化

近年、1人1台スマートフォンを持つことは当然で、中には複数台の端末を使い分ける傾向も増えつつあります。

従来であればインターネットはPCで閲覧し、その後の購入や申し込みもPCから直接行われる傾向にありましたが、複数のデバイスを所持することに伴い、この流れは複雑化しています。

スマートフォンで情報収集を行い、タブレットで詳しく確認し、PCで比較検討を行い、再度スマートフォンから購入するといったケースも起こり得ます。

このように、デバイスを横断したユーザー行動の多様化により、PC経由のユーザー行動だけを把握すればいいということではなくなり、様々な視点で分析・解析することが求められています。

②効果を高める分析・解析の精度の向上

クロスデバイスに対応した分析・解析は、精度の向上につながり、ひいてはマーケティングやプロモーション施策を高めることにもつながります。

例えば、スマートフォン経由では滞在時間が長いものの離脱率が高いページと、PC経由では滞在時間が短いもののコンバージョン率が高いページがあった場合、それぞれをページ単位だけで分析すると間違った戦略につながる可能性も起こり得ます。

このような場合、クロスデバイスに対応した上で分析すると、スマートフォンとPC経由で訪れたユーザーは同一ユーザーの可能性もあり、興味関心時にスマートフォンで、最終購入はPCで行った可能性も考えられます。

正しい分析・解析ができなければ、その後の戦略にも影響を及ぼしかねません。

逆に、クロスデバイスを分析・解析する際に効果的に活用すれば、費用対効果を高めた戦略につなげることも期待できます。 

クロスデバイスでコンバージョンを解析する効果的な方法

続いて、クロスデバイスでコンバージョンを解析する効果的な方法について紹介していきます。

クロスデバイスでコンバージョン計測を行うためには、各解析ツールに応じて事前に設定しておく必要があります。

代表的な解析ツールに応じた設定方法について紹介していきます。

・Googleアナリティクス
・Google広告
・YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)
・Facebook広告

下記で詳しく解説していきます。

①Googleアナリティクス

多くの企業が解析ツールとして活用しているGoogleアナリティクスでは、ユーザーIDが無かったとしても、Googleシグナルという設定を活用することでクロスデバイスに対応させることが可能です。

具体的な手順は以下となります。

(1)Googleアナリティクスにログイン
(2)左メニューから「ユーザー」>「クロスデバイス」>「複数デバイスによる重なり」をクリック
(3)対象のプロパティを選択し、Googleシグナルを「有効にする」をクリック

これによりクロスデバイスに対応した計測が可能になります。

②Google広告

Google広告では、クロスデバイスに対応した計測を行う上で、特に事前に設定しておかなければならない項目はありません。

通常通りGoogle広告の設定を行うことで、自動でGoogle側がユーザー情報を読み取り、クロスデバイスに対応した計測結果を表示させることが可能です。

③YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)

Yahoo!のディスプレイアドネットワークでは、広告管理ツールからクロスデバイスの設定を行う必要があります。

具体的な手順は以下となります。

(1)YDNの広告管理ツールにログイン
(2)左側メニューから「コンバージョン測定」をクリック
(3)「デバイスをまたいだコンバージョンの測定」>「する」に変更

この設定により、管理画面やレポートの数値においてクロスデバイスのコンバージョン計測が可能になります。

また、YDNではクロスデバイスの情報をもとにリマーケティング広告に活用することも可能です。

④Facebook広告

Facebook広告においても、クロスデバイスに対応した計測を行う上で、特に事前に設定しておかなければならない項目はありません。

管理画面やレポートの数値においてクロスデバイスのコンバージョン計測が可能です。 

クロスデバイスの設定における注意点

最後に、クロスデバイスの設定における注意点についても紹介していきます。

これからクロスデバイスの設定を検討している場合には、以下の点は押さえておくと効果的です。

・すべてのユーザーを正確に把握できるわけではない
・広告運用時には表示回数が増加する可能性がある

下記で詳しく解説していきます。

①すべてのユーザーを正確に把握できるわけではない

まず、クロスデバイスの設定を行うことで、全てのユーザーを正確に把握できるわけではありません。

例えば、Googleのログイン情報をもとにクロスデバイスの計測をしていた場合、スマートフォンとPCで別アカウントを運用していたユーザーは同一ユーザーとして識別することができません。

同様に、先ほどのYDNやFacebook広告に関しても、Googleとは違う専用のユーザーIDで識別しているため、Facebook広告→YDN→Google広告で訪れたユーザーを同一人物として識別するのは難しくなります。

そのため、クロスデバイス対応したからといって、必ずしも全てを把握できるわけではないという点は考慮しておく必要があります。

②広告運用時には表示回数が増加する可能性がある

リマーケティング広告などを実施している場合には、クロスデバイスに対応することで表示回数が増える可能性があります。

クロスデバイスに対応することで、それまで広告配信できていなかったデバイスにも出稿できます。

その結果、表示回数が増え思わぬコスト増加につながる可能性もあるため、あらかじめ注意が必要です。

まとめ

近年、スマートフォンを中心に1人1台ではなく、PCやタブレットを含めそれ以上のデバイスを所持する傾向が高まってきているため、ユーザー行動をより適切に分析・解析するためには、クロスデバイスに対応しておく必要があります。

より正確な数値・データに伴う分析・解析ができれば、その後のマーケティングやプロモーション施策を効率的に運用していくことにも繋がるでしょう。

今回紹介した内容も参考に、クロスデバイスを効果的に活用していきましょう。

この記事を書いた人

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