
2025年9月3日より、
検索広告において地域ターゲティングの半径指定が可能になりました。
この機能により、
任意の地点から半径を指定し、
その範囲にいるユーザーや関心を持つユーザーに広告を配信することが可能です。
本記事では、
「半径ターゲティング」の概要、設定方法、利用イメージを解説します。
1. 半径ターゲティングについて
2. 半径ターゲティングのメリット
2-1. より精緻な範囲へのターゲティング
2-2. 実店舗からの距離をもとにターゲティング
2-3. 距離に応じた入札価格の調整
3. 業界別の活用イメージ
3-1. 飲食店での活用イメージ
3-2. 不動産業界での活用イメージ
3-3. 自動車ディーラーでの活用イメージ
4. 半径ターゲティングの設定方法
5. 追加で設定可能な項目
5-1. 入札価格調整率
5-2. エリアの表示名
6. エリア重複時の配信仕様
6-1. 地域名指定(配信)と重複した場合
6-2. 地域名指定(除外)と重複した場合
6-3. 他の半径指定と重複した場合
7. パフォーマンスレポートで実績を確認
8. まとめ
1. 半径ターゲティングについて
2025年9月3日より、
検索広告の地域ターゲティングに「半径指定」機能が追加されました。
任意の地点を中心に半径距離を設定することで、
その範囲に所在するユーザー、該当エリアに関心を示すユーザーに広告を配信可能です。
例えば、
店舗など任意の地点から半径10km以内に訪れた人をターゲティングすることが可能です。
これまでの地域ターゲティングは、
地域名(都道府県名または市区町村名)での指定でした。
今回リリースされた半径指定の機能により、
指定した地点を中心とした円形のエリアでターゲティングが可能になります。
■「半径指定」機能の詳細
対象範囲の 指定方法 |
スポット名、住所、郵便番号、緯度経度のいずれかを入力 → 候補の中から指定・地図上でピンを立てて指定 |
半径距離 | 1~80kmの範囲内で指定 |
ターゲティング | 配信設定のみ(除外設定はできない) |
広告配信の方法 | 「対象地域に所在する可能性のあるユーザー」 「対象地域に関連する語句で検索したユーザー」 「対象地域に関心を示している可能性のあるユーザー」 に広告を配信 「対象地域に所在する可能性のあるユーザー」 にのみ広告を配信 |
設定はキャンペーン単位で行います。
設定件数には上限があります。
半径指定は1キャンペーンにつき最大500件
地域名指定と合計した場合は最大10,500件となっています。
また、
指定できるエリアは「日本国内」に限られます。
指定範囲内に一定数のユーザーがいない場合や、
海上などの広告が配信できない地域の場合、
広告が配信されないため、設定後は実績を確認することが重要です。
2. 半径ターゲティングのメリット
地域ターゲティングの半径指定が可能になったことで、次の3つのメリットが期待できます。
- より精緻な範囲へのターゲティング
- 実店舗からの距離をもとにターゲティング
- 距離に応じた入札価格の調整
2-1. より精緻な範囲へのターゲティング
従来の地域名指定に比べ、より細かなエリア設定が可能になりました。
例えば、
市区町村全体を配信対象にするのではなく、
特定の地点を基準とした小さな範囲だけを指定して広告を配信することが可能です。
2-2. 実店舗からの距離をもとにターゲティング
実店舗から半径指定した距離でターゲティングが可能なため、
効率的な店舗への集客が期待できます。
例えば、
来店の可能性が高いエリアのみに配信を絞ることが可能です。
2-3. 距離に応じた入札価格の調整
設定した範囲ごとに入札調整率が設定可能なため、
距離に応じて入札の強弱をつけられます。
例えば、
店舗に近い範囲は入札を強化し、遠い範囲は抑えるといった柔軟な運用が可能になります。
3. 業界別の活用イメージ
公式が発表している地域ターゲティングの半径指定機能を活用した運用例を3つ紹介します。
- 飲食店
- 不動産業界
- 自動車ディーラー
3-1. 飲食店での活用イメージ
来店促進を目的に、
店舗周辺エリアを半径指定し、広告を配信します。
店舗を中心に「1km圏内は+50%」「3km圏内は+20%」と入札価格を調整することで、
距離ごとに入札の強弱をつけ、
来店可能性の高いエリアに重点的にアプローチすることが可能です。
3-2. 不動産業界での活用イメージ
モデルルームへの来場予約を目的として、近隣ユーザーへ広告を配信します。
モデルルーム周辺だけでなく、
最寄り駅などターゲットが集まるエリアのターゲティングを行うことで、
ユーザー獲得の機会損失を抑えた配信が可能です。
3-3. 自動車ディーラーでの活用イメージ
店舗ごとに「周辺エリア×キャンペーン」を組み合わせて広告を配信します。
店舗ごとに周辺の顧客層が反応しやすい車種など、
広告の訴求を変えることで、エリアごとに最適化された配信が可能です。
4. 半径ターゲティングの設定方法
地域ターゲティングの半径指定は以下の流れで行います。
■ 地域ターゲティングの設定方法
① キャンペーン設定画面を開く
➁「地域を指定して配信」を選択➂ 指定地点のしたい「スポット名・住所・郵便番号・緯度経度」いずれかを入力し候補を指定
➂ または、表示されるマップ上でピンで指定し、半径距離を1km~80kmの範囲内で指定④ 広告配信の方法を選択
※指定エリアで配信可能なユーザー数が少なくなる可能性があるため、「ユーザーの所在地、検索キーワードに含まれる地域、ユーザーが関心を示している地域(推奨)」を推奨

5. 追加で設定可能な項目
地域ターゲティングの半径指定機能では、以下の項目が設定できます。
- 入札価格調整率
- エリアの表示名
5-1. 入札価格調整率
半径指定したエリアごとに入札価格調整率の設定が可能です。
ターゲティングでエリアが重複している場合、
配信面積の小さい方の入札価格調整率が適用されます。
5-2. エリアの表示名

半径指定したエリアごとに表示名を変更することが可能です。
例えば、
「○○店」など店舗名を設定しておくことで、店舗ごとの実績を確認しやすくなります。
※[5. 追加で設定可能な項目]での画像引用(出典:LINEヤフー 【検索広告】地域ターゲティングにおける半径指定機能の追加 2025年9月4日)
6. エリア重複時の配信仕様
地域ターゲティングは複数設定することが可能です。
そこで、
指定した半径が他の指定範囲と重複した場合の配信について説明します。
6-1. 地域名指定(配信)と重複した場合
地域名指定(都道府県名または市区町村名)と配信設定が重なった場合、
重複部分は入札価格調整率の設定値に関わらず、
配信面積の小さい方が優先されて広告配信されます。
6-2. 地域名指定(除外)と重複した場合
半径指定したエリアが地域名指定(都道府県名または市区町村名)の除外設定と重なった場合、
重複部分は広告が配信されなくなります。
6-3. 他の半径指定と重複した場合
半径指定したエリアが他の半径指定と重なった場合、
重複部分は入札価格調整率の設定値に関わらず、
配信面積の小さい方が優先されて広告配信されます。
7. パフォーマンスレポートで実績を確認
地域ターゲティングを実施した後は、
パフォーマンスレポートで実績を確認しましょう。
今回のアップデートに伴い、
パフォーマンスレポートの設定項目に以下が追加されます。
- 地域指定種別:「地域名指定」または「半径指定」が出力される
- 緯度経度:設定した緯度経度が出力される
なお、
プリセットでは「地域ターゲティングレポート」から「キャンペーン」を選択することで、
レポートを表示できます。
ターゲティングは設定したら終わりではなく、
配信実績を確認・分析し、入札の調整や広告改善に役立てることが重要です。

8. まとめ
地域ターゲティングに半径指定を行う「半径ターゲティング」は、
従来の地域名指定よりも精緻な配信を可能にする新機能です。
店舗周辺の集客やエリアに合わせた訴求の最適化など、幅広い運用に活用できます。
半径ターゲティングを正しく活用し、エリア特性を踏まえた広告配信を行うことで、
効率的なマーケティング施策が可能になるでしょう。
※本記事は2025年9月時点の情報およびイメージ画像に基づいて作成しています。今後、仕様や内容が変更される可能性があります。なお、記事内には当社の見解が含まれており、成果の向上を保証するものではありません。