
2023年8月15日(米国時間)
ファインド広告がデマンドジェネレーションキャンペーンに
アップグレードされることがGoogleから発表されました。
広いターゲット層に広告を配信することができ、
認知の拡大、獲得においても有効なキャンペーンだったファインド広告ですが、
アップグレードされることにより、
どのような機能が追加されるのでしょうか?
本記事では、
「デマンドジェネレーションキャンペーン」について解説していきます。
1. Googleデマンドジェネレーションキャンペーンとは?
1-1. Googleデマンドジェネレーションキャンペーンとは?
デマンドジェネレーションキャンペーン(Demand Gen campaigns)は、
ファインド広告の後続となるキャンペーンタイプです。
配信面にYouTubeショートやインストリームが追加されたり、
最適化指標やオーディエンスの種類も追加されるとのことで、
より幅広いターゲットにリーチできる配信プラットフォームとなりそうです。
主に、
視覚的に魅力的な広告をディスカバーフィードに表示することで、
潜在的なニーズを引き出し、
ブランド認知や新しい顧客獲得に繋げることができます。
1-2. Googleディスカバーフィードとは?
そもそも、
今回広告を配信できるようになった
Google Discover Feedとはどのようなものなのでしょうか。
Google Discover Feed は、Googleアプリを開くと表示されます。
毎月10億人を超えると言われている
アクティブユーザーが行き交うGoogle Discover Feedに
広告を配信することで、
大幅にリーチを広げることが可能となります。
1-3. ファインド広告との違いは?
Googleデマンドジェネレーションキャンペーン(旧:ファインド広告)と
ファインド広告にはいくつかの重要な違いがあります。
■リーチ
ファインド広告の配信面である
YouTubeホーム面やDiscovery、Gmailに加えて、
YouTubeショート・インストリームにも配信ができるようになります。
ディスカバーフィードを活用することで、
ユーザーが積極的に情報を検索していない段階でもリーチできるため、
リーチの範囲が広がります。
■クリエイティブ
画像や商品フィードに加え、
動画の設定が可能になります。
動画を使用した配信が可能になり、
ユーザーの注意を引きやすくなります。
広告作成画面では、
動画、画像、カルーセルの3種類から選んで
広告の作成ができるようになります。
また、
プレビュー機能の充実により、
配信面ごとの表示を確認したり
ABテストでクリエイティブの検証を行うことが可能です。
■入札の最適化指標
今までのファインド広告では
コンバージョンを最適化対象としていましたが、
デマンドジェネレーションキャンペーンでは
クリックを最適化対象とする入札戦略が追加されています。
「エンゲージメント」や「インプレッション」を
重視しているアカウントは、
クリック数やインプレッションの獲得に焦点を当てることが可能になり、
広告効果を最大化できます。
■レポート・計測
既に提供されていた通常のレポートや
コンバージョンリストなどの他に、
ブランドリフトとサーチリフトの計測方法が追加されます。
■オーディエンス
デマンドジェネレーションキャンペーンでは、
既存のターゲティングに加えて類似セグメントを利用できるようになります。
2. ファインド広告のメリット・デメリット
2-1. メリット
デマンドジェネレーションキャンペーンには、
以下3つのメリットがあります。
- Googleを活用した広告配信
- 能動的ユーザーへの広告の提供
- ブランドイメージ低下のリスク軽減
ほかの広告より優れている点を把握できるので、
運用を検討している方はぜひお読みください。
■Googleを活用した広告配信
Googleデマンドジェネレーションキャンペーンの大きな特徴は、
Googleが提供するさまざまなサービス上での
情報に基づいた広告配信ができる点です。
ユーザーがGoogle内で行った検索や閲覧、
視聴したコンテンツに基づいて広告を出稿できるため、
精度の高いターゲティングが可能となります。
特に、
サードパーティクッキーの利用が制限される中で、
Googleサービスが持つ豊富なユーザーアクティビティデータに
基づいた広告配信の価値はますます高まっています。
これにより、
非常にターゲットを絞った広告が展開できるため、
効果的なアプローチが可能となります。
■能動的ユーザーへの広告の提供
GoogleのYouTube、Discover、Gmailなど、
広告掲載先が限られているため、
比較的能動的に情報を探しているユーザーに対して
広告を配信できます。
このようにターゲットが絞られることで、
ユーザーに対して一貫した広告を提供することが可能となります。
広告主は、
ユーザーが関心を持ちやすいタイミングで効果的にアプローチできるので、
広告の質が高まります。
■ブランドイメージ低下のリスク軽減
ディスプレイ広告は、
広範囲にリーチできる反面、
広告が表示される場所やコンテンツに不安が残る場合もあります。
しかし、
Googleデマンドジェネレーションキャンペーンでは、
広告配信先が特定のGoogleサービスに限定されるため、
好ましくない場所に広告が表示されるリスクを最小限に抑えられます。
この点では、
ブランドイメージの保護にもつながり、
企業にとっては大きなメリットとなります。
2-2. デメリット
デメリットも把握しておきましょう。
デマンドジェネレーションキャンペーンには、
以下のデメリットがあります。
- 配信面の指定ができない
- コンテンツターゲティングの設定ができない
■ 配信面の指定
YouTube、Gmail、Discoverなど、複数の配信先がありますが、
特定のサービスに絞った広告配信はできません。
広告の配信先は、
広告の目的やパフォーマンスに応じて自動的に調整されるため、
基本的にはどのサービスで表示されるかを
個別に指定することはできません。
ユーザーがどの状況で広告を見るかを考慮し、
クリエイティブを調整することが最適な方法です。
■コンテンツターゲティング
デマンドジェネレーションキャンペーンでは、
コンテンツを閲覧している瞬間ではなく、
ユーザーのフィードやGmailの受信ボックスなど
他の場所に広告が表示されます。
そのため、
特定のコンテンツを閲覧しているユーザーを
ターゲットにすることはできません。
もし、
ユーザーがコンテンツを閲覧しているタイミングで広告を出したい場合は、
通常のディスプレイ広告を検討するのが良いでしょう。
3. 設定方法・活用方法
3-1. 設定方法
それでは、
実際のGoogle広告管理画面を用いてキャンペーンと広告グループの作成手順を
確認していきましょう。
■作成手順
① Google広告の管理画面にアクセス
Google広告の管理画面で「キャンペーン」をクリック→画面右側の「+」ボタン
→「新しいキャンペーンを作成」を選択
②「マーケティング目標を選択」画面→キャンペーンの目的を選ぶ
※「アプリのプロモーション」や「来客数と店舗売上の向上」では、
デマンドジェネレーションキャンペーンの選択はできません。
③ キャンペーンタイプの選択
「デマンドジェネレーション」を選ぶ
④ コンバージョン目的の選択
⑤ 予算と配信日程の設定
キャンペーンの予算/広告を配信する日程を指定
⑥ ターゲット地域と言語の選択
※ターゲット層に最適な地域と言語を設定しましょう。
⑦ オーディエンスの作成
特定の属性や行動に基づいてターゲティングを行う
⑧ 広告アセット(画像、テキスト、動画など)をアップロード
→広告を作成
3-2. 活用方法
デマンド ジェネレーション キャンペーンで効果を高める方法を、
以下の3つ紹介します。
- 類似オーディエンスへの配信
- 学習期間を確保する(短期間で設定を変更しない)
- さまざまなターゲティングオプションを使用する
■類似オーディエンスへの配信
デマンドジェネレーションキャンペーンは、
広範囲のユーザー層にリーチする能力を持っています。
一つのキャンペーンでさまざまなターゲットに広告を配信でき、
さらに類似オーディエンス機能を使うことで、
既存の顧客に似た新規顧客層にも
広告を届けることが可能です。
これにより、
より多くの潜在顧客にリーチできるチャンスが広がります。
■学習期間を確保する(短期間で設定を変更しない)
デマンドジェネレーションキャンペーンでは、
入札や配信の最適化に機械学習が利用されており、
そのためキャンペーン開始後は学習期間が必要です。
この学習期間中にパフォーマンスに
変動が見られることがありますが、
成果を最大化するためには、
設定を頻繁に変更せずデータ収集を安定させることが重要です。
設定変更が多いと
機械学習がうまく機能せず最適化が進まない恐れがあるため、
少なくとも2週間はデータ収集に集中し学習期間を確保することが求められます。
■さまざまなターゲティングオプションを使用する
デマンドジェネレーションキャンペーンは、
ターゲティングの設定が豊富であり、
ユーザーの属性や行動データに基づいて最適な広告を配信できます。
複数のターゲティングオプションを使い分け、
最適なオーディエンスに向けてアプローチすることで、
より効果的なキャンペーン運用が可能です。
4. まとめ
今回は
デマンドジェネレーションキャンペーンについて解説していきました。
配信面の拡大や類似セグメントが追加されたことで、
認知拡大を目的としたキャンペーンとして確立されていくことが予想されます。
また、
YouTubeショートの配信面が追加されたところも注目のポイントです。
今後も更なるアップデートが考えられますので、
引き続きデマンドジェネレーションキャンペーンについては注目です!