
カスタマーマッチを使用すると、顧客から提供されたオンラインやオフラインのデータを活用して、情報を提供した顧客や類似顧客を広告のターゲットに設定できます。
それにより、検索、ショッピング、Gmail、YouTube、ディスプレイを利用している顧客にアプローチしたり再アピールしたりすることができます。
ブランド認知度やコンバージョンの促進など、さまざまな用途で活用できるカスタマーマッチについて説明いていきます。
1. カスタマーマッチとは?
まず最初にカスタマーマッチについて説明していきます。
1-1. マッチングの仕組み
カスタマーマッチとは、自社が保有するメールアドレスや電話番号から、顧客情報に基づいたユーザーリストの作成が可能なGoogle広告のターゲティング機能です。広告管理画面で顧客データをアップロードすることで、簡単に設定することができます。
カスタマーマッチにおけるマッチングは、メールアドレスや電話番号、住所などの顧客データと企業が所有する情報を照合して、マッチしたリストを配信対象にできる仕組みとなっています。マッチ率は平均して20~30%程度となっていますが、マッチングには最低1,000件以上のデータが必要なので注意が必要です。
1-2. ディスプレイ広告での利用が可能に!
これまでは、検索連動型広告、動画広告、Gmail広告、デマンドジェネレーション広告、ショッピング広告で利用可能でしたが、今回のアップデートによりついにYouTube広告ディスプレイ広告などのGoogleネットワークを利用しているユーザーへのアプローチでも利用できるようになりました。
1-3. 類似オーディエンスリストも対応
カスタマーマッチのユーザーリストに基づいた類似ユーザー ターゲティングは、検索、YouTube、Gmail、ディスプレイで利用できます。
類似ユーザーリストは、カスタマーマッチのユーザーリストが最低要件を満たしている場合に自動的に作成されます。類似ユーザーリストを使用するには、カスタマーマッチあるいはリマーケティングリストの場合と同様に、キャンペーンあるいは広告グループに追加します。
2. カスタマーマッチを利用する際の注意点
続いて利用する際の注意点です。
2-1. 利用条件を満たしている必要がある
カスタマーマッチはどのGoogleアカウントでも利用できる訳ではありません。いくつかの条件を満たしている必要があります。
- これまでポリシーを遵守してきた実績があること
- これまでお支払いに関して問題が発生していないこと
- 90日以上の Google 広告のご利用実績があること
- ご利用金額が全期間で5万米ドルを超えていること(米ドル以外の通貨でアカウントを管理している広告主様のご利用金額は、その通貨の月別平均換算率により米ドルに換算されます)
上記の条件を満たす場合でもGoogleのアカウント担当にリクエストする必要があります。
また現在、カスタマーマッチのご利用実績がなく、、上述の要件を満たしていないアカウントでは、現在のところカスタマーマッチを利用できません。Googleのアカウント担当が決まっていない場合は、上記の条件を満たしていても、現在カスタマーマッチできないとのことです。
参考:カスタマーマッチ – Google 広告ポリシー ヘルプ
2-2. マッチングには最低1,000件以上のデータが必要
カスタマーマッチはメールアドレスと電話番号でマッチングを行うことが可能ですが、マッチングをするには最低でも1,000件以上のデータが必要になります。
また、1,000人分のリストを所有していたとしても、1,000人のGoogleアカウントとマッチするとは限らないので注意してください。
2-3. 個人情報の取り扱いに注意する
カスタマーマッチは自社が所有する顧客の情報を使用するため、個人情報の扱いを慎重に行う必要があります。
ただし、顧客情報を広告に活用する機能上、データの取り扱い方法は事前にクライアントなどと十分に協議しておくのがよさそうです。
カスタマーマッチのデータ利用にあたっては、Googleのヘルプで説明がされています。詳しくは、以下をご確認ください。
参考:Google によるカスタマーマッチ データの使用について– Google 広告ポリシー ヘルプ
参考:ハッシュ化したデータをアップロードするためのフォーマット ガイドライン – Google 広告ポリシー ヘルプ
3. カスタマーマッチの利用方法
カスタマーマッチの作成方法には、メールアドレス、電話番号、住所、名前のいずれかを使用した方法の他、リマーケティングタグに追加した識別子user_idを元に特定の顧客を内部で関連付けるユーザー ID、顧客データを取得しているアプリデータを使用したモバイルデバイス IDがありますが、今回はメールアドレス、電話番号、住所をアップロードする方法でご紹介します。
① 管理画面のツールと設定からオーディエンスマネージャーを選択
②データセグメントから+ボタンをクリックし、顧客リストをクリック
③オーディエンス名ファイルを手動でアップロードするをタップし、続行を選択入力
④セグメントを入力アップロードする顧客データの種類はメールアドレス、電話番号、住所をアップロードを選択
⑤データの種類を選択
※この時、メールアドレス・電話番号・住所を用いるか、収集した識別子(ユーザーID)データを用いるか、モバイルデバイスIDを用いるか、または自社で使っているデータプラットフォームから直接顧客データをアップロードするかを選べます。
⑥アップロードするデータを指定の位置にドロップ(参照も可)持っているデータに合わせてハッシュ化されていない書式なしテキストデータをアップロードするまたはハッシュ化データをアップロードするを選択し、CSVデータをアップロード
⑦ 「Googleのカスタマーマッチに関するポリシー」を読み、同意(チェックをつける)Googleのカスタマー マッチに関するポリシーを確認して同意
⑧有効期限は期限切れなしか期限を任意で設定して選択(※1日~540日の間で設定可能)
⑨セグメントの説明を追加 ※省略可リストをアップロードして作成をクリック
⑩保存して次へ
4. カスタマーマッチの活用事例
最後にカスタマーマッチの活用事例を紹介していきます。
Googleにて作成した顧客リストの類似オーディエンスに対してMeta広告を配信した結果、Meta広告における獲得率が4.22%→5.48%まで向上し、獲得単価も7,196円→5,196円へと改善させることに成功しました。
カスタマーマッチ利用なし | カスタマーマッチ利用あり |
40% | 60% |
カスタマーマッチ利用なし | カスタマーマッチ利用あり |
50% | 65% |
顧客リストはどういった顧客をカスタマーマッチとして活用するかという観点だけでなく、オーディエンス内のユーザー数やユーザーの鮮度も非常に重要とされています。
顧客リストのユーザーの数に関しては、アップロードしたリストの照合率(マッチ率)を上げるためにも、電話番号やメールアドレスなどの情報項目は出来るだけ多くインポートすることをおすすめします!
また、ユーザーの鮮度については定期的に最新版顧客リストをアップロードして更新することで改善されますので、ぜひ試してみてください。
5. まとめ
いかがでしたか?
カスタマーマッチは自社の顧客データを活用することで、より効果的な広告の配信を行うことができます。
検索広告やショッピング広告、Gmail広告、YouTube広告など配信面も多岐にわたるほか、既存顧客に類似しているユーザーにも広告を配信することができます。カスタマーマッチの利用方法ついて、ぜひ実践してみてください。