アフィリエイト広告では、コンバージョン促進の意識が強くなりすぎるあまり、ユーザーに対して虚偽や誇大表示を含む表現も多くみられ、問題視されてもいます。
このような背景もあり、2022年6月よりアフィリエイト広告に関する管理措置指針の改正が行われ、規制が強化されました。
さらに、2023年10月からは景品表示法に基づいて、ステルスマーケティング規制など企業側の広告表示に対する規制もさらに強化されていきます。
改正された法律や規制をふまえたアプローチを行わなければ、広告掲載の停止だけでなく罰則につながる可能性もあります。
そこで今回は、アフィリエイト広告における規制について、基本的な概要から押さえておくべきポイントなどについて紹介していきます。
アフィリエイト広告とは?
そもそもアフィリエイト広告とは、各種アフィリエイトプログラムを利用した成功報酬型の広告手法のことを指します。
企業側が目的に応じてあらかじめ提供するバナーや広告クリエイティブを、アフィリエイターとも呼ばれる媒体側が自社のWebサイトに掲載していきます。
企業側は、対象サイトに訪れたユーザーが、そのバナーを通してコンバージョンに至ることで、媒体側に報酬を支払う仕組みとなります。
成果報酬にて広告運用できるため、中小企業やスタートアップ企業を中心に、プロモーション施策として活用することが多い傾向にあります。
また、一般的に媒体側も運営するメディアのジャンルやPV数などに制限なく報酬を得ることができるため、個人ブロガーなどが副業として活用するケースもあります。
このように、アフィリエイト広告では基本的に企業側が提供する広告クリエイティブを、媒体側は自由に活用することができるため、多くの報酬を獲得するために虚偽や誇大表記を行うケースも少なくありません。
アフィリエイト広告における規制の概要
アフィリエイト広告には、他のWeb広告と同様に基本的なガイドラインやルールが多く用意されています。
これらに違反すると、当然ながら罰則や罰金などの対象となります。
ただ、企業が運営する媒体とは異なり、個人ブロガーなども含まれるアフィリエイト広告では、この規制を遵守するケースが少ない傾向にもあります。
例えば、他社の画像や記事の転載やテレビ番組などのコンテンツの無断利用は著作権法に違反するため禁じられています。
とはいえ、集客数を稼いだり、成果報酬を増やすために隠れて活用するケースも多々あります。
ただ、アフィリエイト広告の規制強化に伴い、仮にWebサイトの広告表記に関してアフィリエイターに任せていたとしても、虚偽や誇大表現があった場合の責任は広告主側が負うことになります。
そのため、アフィリエイト広告の出稿前にはアフィリエイターと表記に関してすり合わせておく必要があります。
場合によっては契約書などを取り交わし、徹底しておくことも重要です。
アフィリエイト広告の規制が強化された背景
続いて、アフィリエイト広告の規制が強化された背景について紹介していきます。
アフィリエイト広告は、市場環境の変化やユーザー行動の多様化などに伴い、規制が強化されてきました。
主な要因としては以下の要素が挙げられます。
①広告メディアの増加
スマートフォンの普及やSNSの浸透などに伴い、現在Web広告は様々な種類が存在します。
例えば、SNS広告やYouTube、TikTokなどの動画を活用したアフィリエイト展開も可能です。
このような広告メディアの多様化が、アフィリエイト広告の自由度を加速化させ、結果として悪質な訴求も増加したことで、規制強化につながっています。
②アフィリエイターの増加
働き方改革などもあり、副業としてアフィリエイトを活用するユーザーが増加したことも、規制強化に影響しています。
アフィリエイターが増えれば、自然とアフィリエイター同士の競争が激化し、いかに成果報酬につなげるかが重要視されています。
また、アフィリエイターがメディアの集客を強化するためには、SEOに力を入れる傾向にありますが、このSEOもキーワードによっては上位化が難しく、訪れたユーザーを確実にコンバージョンへ導くために虚偽や誇大表記を行うことも少なくありません。
③クレームや虚偽・誇大表記に関する事例の増加
成果報酬を増やすために悪質なアフィリエイターが増加した影響もあり、実際にユーザーからのクレームや、虚偽・誇大表記による法律違反の事例も増えていきました。
このような事例は、SNSなどで拡散されることで世の中に広く認知されるようになり、規制強化につながっています。
アフィリエイト広告に対して消費者庁が問題視している点
アフィリエイト広告の規制強化は、主に消費者庁が管轄しています。
この消費者庁では、主に以下の点を問題視しているため、運用時には押さえておく必要があります。
①アフィリエイターによる依存
アフィリエイト広告は、広告主だけでなくアフィリエイターが独自に広告クリエイティブを作成し、訴求する傾向があります。
そのため、広告主側で表記内容の審査がしにくいため、虚偽・誇大表記といった法律違反につながりやすくなります。
②アフィリエイターの質
アフィリエイターの中には、報酬を目当てに虚偽・誇大表記を行うケースも多々あります。
自由度が高いことが逆にマイナスにつながりやすいとして問題視されています。
このような問題点は、根本的に改善する必要があると考え、規制強化につながったと考えられています。
アフィリエイト広告における景品表示法で押さえておくべきポイント
次に、アフィリエイト広告における景品表示法で押さえておくべきポイントについて紹介していきます。
アフィリエイト広告では、様々な法律を遵守しながら運用していく必要がありますが、中でも景品表示法は特に注意しておく必要があります。
景品表示法とは、各種提供する商材やサービスにおいて、その概要や品質、価格などを偽って表示することを規制する法律となります。
この景品表示法は、アフィリエイト広告においては以下の行為が主に該当します。
・「初めて」「世界初」「業界内で唯一」などの表記をしているにも関わらず、実際の事実と異なる行為
・広告を装うステルスマーケティング
このような景品表示法違反に該当する行為には、2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されるケースもあります。
アフィリエイト広告における規制強化の対応策
最後に、アフィリエイト広告における規制強化の対応策について紹介していきます。
アフィリエイト広告の規制に対応するためには、企業だけでなくアフィリエイターとの連携が欠かせません。
以下の点を考慮しながら運用していくと効果的です。
①アフィリエイト広告の法令に関する理解と遵守
アフィリエイト広告は、従来であれば仮に法令違反があったとしても、アフィリエイターが勝手にやったこととして責任を逃れることもできます。
ただ、規制が強化された現在においては、逆に広告主である企業側に責任が問われるようになってきています。
法令違反につながれば、罰則や罰金だけでなく社会的な信用問題にまで発展しかねません。
SNSが浸透する昨今においては、悪質な行為はすぐに拡散され、マイナスイメージが世に広まる可能性も高いです。
このようなリスクを回避するためにも、まずはアフィリエイト広告に関する法令について、正しく理解するとともに遵守を徹底することが重要です。
②アフィリエイターとの連携強化
仮に企業側がアフィリエイト広告の法令を理解・遵守していたとしても、アフィリエイター側が勝手に行うことで法令違反につながる可能性も起こり得ます。
アフィリエイターの中には、残念ながら報酬目的で悪質な行為を行うケースも存在します。
そのため、アフィリエイターを見極めるとともに、自社の広告を訴求してもらう上で法令遵守を徹底してもらう必要があります。
注意喚起や教育指導だけでなく、事前に契約書などを結んでおくことも重要です。
③定期的なアフィリエイト広告の監視
アフィリエイト広告は、アフィリエイターに依存する傾向が強いため、最初の確認だけでなく訴求内容を定期的に監視することも重要です。
掲載開始のタイミングでは法令を遵守していたものの、成果が発生しなければより報酬を得るために虚偽や誇大表記を加えてくる場合もあります。
また、今回アフィリエイト広告の規制が強化されましたが、ステルスマーケティング規制の強化をはじめ、今後も法令自体が追加・変更される可能性もあります。
このような場合には、最新の法令に応じてアフィリエイト広告の表記を見直していく必要があります。
一度掲載確認したら終わりという訳ではなく、定期的に確認するとともにアフィリエイターとの連携強化も図り、適切なアプローチを行っていくことが重要です。
まとめ
アフィリエイト広告は、成果報酬型でもあるため予算が立てやすく、中小企業やスタートアップ企業などを中心に多くの企業で活用されています。
ただ、個人のアフィリエイターもいる中で、適切に運用していかなければ法令違反によって、大きな損害につながる可能性も起こり得ます。
近年、アフィリエイト広告の規制は強化されつつあります。
今回紹介した内容も参考に、アフィリエイターとも連携しながら適切な運用につなげていきましょう。