
Yahoo!検索広告を運用する上で、
広告の掲載順位やクリック単価に影響を与えるのが「品質インデックス」です。
この指標を正しく理解し、着実に改善していくことで、広告効果の向上が期待できます。
本記事では、
品質インデックスの基本から具体的な改善方法まで、実践的なノウハウを詳しく解説します。
1. 品質インデックスとは?
品質インデックスとは、
Yahoo!広告で「広告の品質」を数値で表した指標です。
Google広告でいう「品質スコア」とほぼ同じ考え方で、
キーワードごとに1〜10の10段階で評価されます。
数値が大きいほど、広告の品質が高いと判断されていることを意味します。
品質インデックスは、
ユーザーが実際に検索したキーワード(検索クエリー)と、
運用者が設定したキーワードが完全に一致している場合に評価されます。
そのため、
インテントマッチ(旧:部分一致)やフレーズ一致のキーワードでは、
実際の検索クエリーが完全一致するケースが少なく、
「完全一致の検索結果データ」が十分に集まらないと品質インデックスが算出されません。
このような場合、
管理画面上では「–(ハイフン)」と表示されることがあります。
また、
新しく追加したキーワードや、データが少ないキーワードは、評価に必要な情報不足のため、
品質インデックスが「–(ハイフン)」と表示されることがあります。
2. 「広告の品質」との違い
「品質インデックス」とよく混同される用語に、「広告の品質」があります。
広告の品質とは、
「ユーザーにとってその広告がどれだけ有用で、利便性が高いか」を判断するための指標です。
この広告の品質は、
広告の掲載可否や順位を決定する「オークションランク」の重要な構成要素の一つです。
オークションランクは、
入札価格や広告の品質など複数の要素によって決まります。
そのため、
広告の品質を高めることで、入札価格(ひいては、クリック単価)を抑えながら
上位掲載を狙うことが可能になります。
ただし、
広告の品質はシステムが内部的に算出しており、管理画面上で直接確認することはできません。
そのため、
広告の品質を改善する際は、同じく広告の品質を評価する指標である
「品質インデックス」を参考値として活用するのが一般的です。
広告の品質が高いと、次のようなメリットがあります。
- 広告が表示される可能性が高くなる:
オークションでより有利になり、広告が掲載されやすくなる - 掲載順位が上がりやすくなる:
同じ入札価格でも、品質の高い広告は上位に表示される可能性がある - クリック単価(CPC)を抑えやすくなる:
品質が高いと、少ない入札額でも掲載順位を維持しやすくなる - 広告表示アセット(旧:広告表示オプション)が表示されやすくなる:
広告表示アセットの表示は、広告の品質や掲載順位などを考慮して決定される
広告の品質についてより詳しく知りたい方は、以下の記を事ご覧ください。
3. 品質インデックスを構成する要素
品質インデックスは、次の3つの要素をもとに算出されます。
これらの要素が高いほど、品質インデックスのスコアも高くなります。
■ 広告の関連性
ユーザーが実際に検索したキーワード(検索クエリー)と、
広告文の内容がどれだけ一致しているかを評価します。
検索意図に合った広告ほど「関連性が高い」と判断され、スコアが上がります。
広告の関連性が低い場合は、広告文やキーワードの見直しが必要です。
■ ランディングページの利便性
広告をクリックしたユーザーにとって、
ランディングページ(最終リンク先URLのページ)が使いやすく、
目的の情報を見つけやすいかを評価します。
ページ内容と検索クエリーの関連性、読み込み速度、操作のしやすさなどが考慮されます。
■ 推定クリック値
広告が表示されたときに「どれだけクリックされるか」を示す推定値です。
過去のクリック数やインプレッション数などの実績データをもとに算出されます。
クリックされやすい広告ほどスコアが高くなる傾向があるため、
広告文や訴求内容を工夫してクリック率(CTR)を高めることを意識すると良いでしょう。
4. 品質インデックスの確認方法
品質インデックスと、
その算出要素(広告の関連性・ランディングページの利便性・推定クリック値)の評価は、
キーワード一覧やレポート機能での確認が可能です。
なお、算出要素の評価は次のいずれかで表示されます。
- 平均より上
- 平均値
- 平均より下
これらを参考にすることで、「どの要素を優先的に改善すべきか」が判断できます。
4-1. キーワード一覧での確認方法
キーワード一覧での確認は以下の手順で行います。
➀ 広告管理画面のサイドメニューから「キーワード」をクリック
➁ 右上の「表示項目」から「表示項目の編集」をクリック
➂ 品質インデックスに関する項目にチェックを入れて「適用」をクリック
④ キーワード一覧に指標が追加され、品質インデックスと算出要素の評価を確認できる
4-2. レポート機能での確認方法
キーワード一覧やレポート機能では、
指定した表示期間に関係なく、常に現在の品質インデックスの値が表示されます。
例えば、
表示期間を「先月」に設定しても、
品質インデックスの欄には現時点の最新の値が表示されます。
過去の品質インデックスや、
その算出要素(広告の関連性・ランディングページの利便性・推定クリック値)の履歴を
確認したい場合は、レポート機能を活用しましょう。
レポート作成時に、
「品質インデックス(履歴)」や「広告の関連性(履歴)」など、
(履歴)と付いた項目を追加します。
これらの「(履歴)」項目では、
選択したレポート期間の最後に記録された評価値が表示されます。
具体的な確認方法は以下の手順で行います。
➀ 右上の「レポート」をクリックし、レポート画面を表示
➁「+レポート・テンプレート作成」をクリック
➂ 基本レポート内の「キーワード」を選択し、「適用」をクリック
④ 基本項目>品質(履歴)内の項目をすべて「+」を押して追加
➄ 日付を押してレポートの期間を指定し、「適用」をクリック
➅「ダウンロード」をクリックして、完了
※[4. 品質インデックスの確認方法]での画像引用(出典:Yahoo!検索広告管理画面)
5. 品質インデックスの改善方法

品質インデックスを確認した際に、
「平均値」や「平均より下」と表示されている要素がある場合は、改善の余地があります。
品質インデックスを改善する方法は様々ありますが、
まずはクリック率(CTR)の改善から取り組むのがおすすめです。
以下のポイントを参考に、段階的に改善を進めていきましょう。
5-1. 広告文を見直す(クリック率向上の第一歩)
広告文を一度作ってそのままにしてしまうのではなく、
定期的に分析し、改善を行うことが重要です。
訴求軸などを変えた複数の広告を作成し、
A/Bテストで効果を比較しながら継続的に改善していきましょう。
■ クリック率を上げる広告文作成のコツ
- ターゲットに合わせた訴求を行う:
広告文を作成する前に、顧客のニーズや課題を明確にする
たとえば「主婦必見」「20代女性向け」など、誰に向けた広告かを明示すると効果的 - 行動を促すフレーズを使う:
「今すぐ購入」「無料で相談」「資料請求はこちら」など、行動を後押しする言葉を入れる
特に「無料」など、心理的ハードルを下げる表現を用いることで、
クリック率が上がりやすくなる - 具体的な数値や記号を使う:
「月額1,000円」「50%オフ」など、具体的な数字を入れることで訴求力を高められる
【 】や!などの記号を活用し、視認性を高めるのもおすすめ - 季節やトレンドに合わせて表現を変更する:
「春の新生活応援」「年末セール開催中」など、
時期に合ったキーワードを取り入れるとユーザーの目を引きやすくなる
■ 広告表示アセット(旧:広告表示オプション)の活用
クリック率向上には、広告表示アセットの設定も効果的です。
広告文では伝えきれない補足情報や、特定ページへのリンクを追加できるため、
広告の表示面積が広がり、ユーザーの視認性が向上します。
| 広告表示アセットの種類 | 説明 |
| クイックリンクアセット | 広告タイトルとは別のリンク先を追加(最大6件表示) |
| 電話番号アセット | 電話番号を表示(スマホではワンタップで発信可能) |
| テキスト補足アセット | 広告文に入りきらない補足情報を追加 |
| カテゴリ補足アセット | サービスの特徴に合わせたカテゴリ情報を表示 |
| 画像アセット | 画像を追加し、視覚的に訴求 |
| ファビコンアセット | ロゴを表示して広告の視認性を向上 |
■ アドカスタマイザーの活用
アドカスタマイザー(カスタマイザー広告)は、
広告文内にあらかじめ登録した文字列や数値を自動で挿入できる機能です。
広告グループを細かく分けなくても、キーワードごとに広告文の内容を動的に変更できます。
例えば、
商品/サービス名や掛け合わせ語句などを自動で差し替えることで、
ユーザーの検索意図によりマッチした広告表示が可能になります。
これらの機能を活用することで、
「クリック率の向上 → 推定クリック値の向上 → 品質インデックスの向上 → 掲載順位の向上」
と、連鎖的な改善効果が期待できます。
5-2. キーワードを見直す
関連性の低い検索クエリーで広告が頻繁に表示されると、
クリック率が下がり、品質インデックスの悪化につながります。
そのため、
対象外キーワード(除外キーワード)を適切に設定し、
不要な検索クエリーでの広告表示を防ぎましょう。
これにより、
- 関連性の高い検索のみで広告が表示されやすくなる
- クリック率や推定クリック値が改善し、品質インデックスが向上する
- 余分なクリックが抑えられ、費用対効果の改善につながる
といった効果が期待できます。
5-3. キーワード × 広告文 × ランディングページの関連性を高める
キーワード・広告文・ランディングページ(LP)の内容を一貫させることが重要です。
この3つの要素にずれがあると、
品質インデックスを構成するほぼ全ての要素に悪影響を及ぼします。
■作成の流れ
最初に次の流れを意識すると、より一貫性のある構成にできます。
- キーワードをもとに広告文を作る
- 広告文をもとにLPの内容を調整する
■改善のポイント
すでにある要素を改善する際のポイントは以下の通りです。
- キーワード・広告文・LPのコンテンツを一致するよう見直す
- 広告文で使用しているキーワードをLP内にも自然に盛り込む
- 広告で「購入できる」と伝える場合は、LP内に購入ページを設置する
キーワード → 広告文 → LPの内容をそろえることで関連性が高まり、
品質インデックスの改善につながります。
5-4. ランディングページ(LP)を見直す
広告のクリック後、
ユーザーが訪れるランディングページの利便性と関連性も、
品質インデックスに大きく影響します。
「ユーザーが求める情報にスムーズにアクセスできるか」がポイントです。
■ 改善のポイント
- 広告とメッセージを一致させる:
広告で「購入できる」と訴求しているなら、LP上でも購入導線を明確にする - ファーストビューを改善する:
広告の訴求と同じキーワードや画像を使用し、内容の一貫性を高める - スマートフォン対応(レスポンシブ対応):
モバイルで見やすい構成にし、離脱率を下げる - 読み込み速度を最適化する:
画像の圧縮や不要なコードの整理を行い、「PageSpeed Insights」などで定期的に確認する - CTA(行動喚起)ボタンを見直す:
目立つ位置とデザインで配置し、「無料で相談」「今すぐ試す」など行動を明確に伝える文言にする
■ 信頼性向上の方法
ランディングページの信頼性が低いと、
ユーザーが不安を感じて離脱してしまいます。
次のようなポイントを意識して、信頼性を高めましょう。
- 会社情報、実績、連絡先などを明記する
- URLを「http」から「https」に変更し、通信を暗号化する
- Yahoo!広告のクローラーが正しく情報を取得できるよう、
JavaScriptの使いすぎを避ける - 個人情報を取得する場合は、利用目的を明記する
信頼性を高めることでユーザー満足度が向上し、
ランディングページの利便性評価も改善しやすくなることが考えられます。
6. まとめ
品質インデックスは、
Yahoo!広告における広告品質を数値化した重要な指標であり、
広告の関連性・ランディングページの利便性・推定クリック値など、
複数の要素によって決まります。
品質インデックスを高めることで、
クリック単価(CPC)の抑制や掲載順位の向上が期待でき、
最終的には広告効果の最大化につながります。
改善の第一歩は、クリック率の向上と関連性の強化です。
広告文の訴求を定期的に見直し、季節やトレンドを取り入れた表現を工夫するほか、
広告表示アセットやアドカスタマイザーを活用することで、
より多くのユーザーに響く広告を作成できます。
さらに、
キーワード・広告文・ランディングページの内容を一致させ、
利便性・信頼性の高いページに改善することも欠かせません。
品質インデックスは一朝一夕で上がるものではありませんが、
ユーザーにとって価値のある広告体験を提供することが大きな改善策です。
日々の分析と改善を積み重ね、より効果的で質の高い広告配信を目指しましょう。
※本記事の参考:Yahoo!広告ヘルプ(品質インデックス【検索広告】, 広告の品質について【検索広告】, 広告表示アセットとは, アドカスタマイザーについて), LINEヤフー for business
※本記事は公式情報をもとに作成していますが、一部当社の見解を含みます。また、記載内容は効果や成果を保証するものではありません。設定内容や挙動はご利用の環境や時期などによって異なる場合があります。



















無料E-Bookダウンロード
無料マーケティング診断
お問い合わせ