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アップセル・クロスセルとは?意味と違い・メリットや活用例も紹介

更新日:2024年02月27日

アップセル・クロスセルとは?意味と違い・メリットや活用例も紹介

顧客単価を上げる手法にアップセルとクロスセルがありますが、今回はその意味と違いを解説します。それぞれのメリットや活用例もあわせて紹介します。
アップセルもクロスセルも企業が営業上抱える様々な課題を解決してくれるので、ぜひ取り入れてみましょう。

アップセルとクロスセルの意味

アップセルとクロスセルの意味を解説します。

アップセルとは?

アップセルとは、顧客が購入した商品と同じ種類の商品で、より高額な上位モデルを改めて購入してもらうことです。

アップセルにより、上位モデル、高額な商品・サービスを選んでもらえるため、顧客単価の上昇が期待できます。

クロスセルとは?

クロスセルとは、顧客が購入するつもりの商品、あるいは継続購入している商品に加えて、関連商品を購入してもらうことです

クロスセルにより関連商品も購入してもらえれば、やはり顧客単価が上がるでしょう。

アップセルとクロスセルの違い

上記の説明でアップセルとクロスセルの違いはお分かりになったでしょうが、改めてまとめてみましょう。

アップセルとクロスセルでは、顧客単価の向上の仕方が違います。

アップセルではより上位のモデル、つまりより高額な商品を購入してもらうことで顧客単価を上げ、クロスセルでは関連商品を購入してもらうことで目的を達成します。

アップセル・クロスセルのメリット

アップセルとクロスセルの意味と違いがわかったところで、それぞれにどのようなメリットがあるのかを考えてみましょう。

機会損失を防げる

アップセルでもクロスセルでも、機会損失を防ぐのに役立ちます。

顧客が望むより優れた商品やサービスを提供したり、顧客が求める関連商品を提供したりすることで、顧客の購買意欲も高まり、商品やサービスへの売上につながりやすくなります。

特に既存顧客が相手なら、すでに自社商品やサービスに親しんでもらっているので、他の商品やサービスの販売につながりやすいです。
企業にとっては売り込みチャンスを逃さずに済みます。

売上やLTVが増える

LTVとは、顧客生涯価値(Life Time Value)の略語で、顧客が自社を利用し始めてから利用を終えるまでにどのくらいの利益を企業にもたらすかを示す指標です。

アップセルとクロスセルの活用がうまくいくと、売上もLTVも向上します。

一般的に新規顧客の獲得には苦労するものです。多額の営業費用をかけなければならず、新規顧客が増えて売上が増えても、採算が取れるとは限りません。

一方、既存顧客に訴えるアップセルやクロスセルでは、LTVを向上させやすく、売上アップまでのプロセスも楽です。

また、アップセルやクロスセルにより、顧客が1回あたりに購入してもらう商品を多くし、購入金額も高くすることもできるので、これも売上アップにつながるでしょう。

さらに、アップセルとクロスセルを行ううちに顧客データも蓄積され、効果的なマーケティング活動もしやすくなります。

顧客満足度が向上する

アップセルやクロスセルにより、顧客ニーズに応えられる商品やサービスを提供できるようになれば、顧客満足度も向上します。

顧客は「こんな上位モデルが欲しい」「こんな関連商品を探している」と思っていることがあり、その要望に応じるような商品やサービスをいち早く出せるようになれば喜んでくれるでしょう。

リピート購入も増え、良い口コミも広めてくれます。
顧客満足度の向上はブランドイメージの向上にも役立ち、商品やサービスの売上アップに直接つながるものです。

アップセル・クロスセルを成功させるポイント

アップセル・クロスセルの効果を導き出し、成功させるためにはいくつか押さえておくべきポイントがあります。
どのようなポイントか、以下にまとめてみましょう。

顧客ロイヤリティを向上させる

ロイヤリティとは「忠誠心」のことですが、顧客ロイヤリティで顧客が企業に忠誠心を持っているという意味になります。
忠誠心というと少し大げさですが、簡単に言うと企業のファンになっているという意味です。

アップセル・クロスセルを成功させるには、この顧客ロイヤリティを向上させる必要があります。
顧客が企業のファンとなっていれば、その企業の上位商品や高額サービス、関連商品などを購入してくれる可能性が高まるからです。

カスタマーサクセスを導入する

カスタマーサクセス(customer success)をそのまま日本語に訳すと、「顧客の成功」ということになりますが、マーケティングの世界では、「顧客の成功を支援する業務」という意味になります。

もう少しわかりやすく説明すると、「商品やサービスを購入した顧客に能動的に働きかけ、成功体験が得られるようにサポートする」といえばいいでしょう。

アップセルやクロスセルでは、顧客に新たな出費を求めることになります。
そのため、顧客が自社商品やサービスを利用して、どのような成功体験が得られるのかをアピールしなければいけないのです。
それがカスタマーサクセスの導入で、成功体験が得られるとなれば、顧客も上位商品や関連商品の購入へと進むでしょう。

顧客ニーズを正確に把握する

アップセルやクロスセルで、上位商品や関連商品を購入してもらおうと思ったら、まず顧客ニーズを正確に把握する必要があります。
顧客がなにを求め、どのようなものを欲しているかを調査した上で、上位商品や関連商品を提案すれば、購入につながりやすくなります。

タイミングを計る

アップセル・クロスセルを行うタイミングも重要です。
顧客ニーズの把握とともに、タイミングについても適切に図ることで、売上上昇につながります。
次のようなタイミングはアップセル・クロスセルを行う絶好の時期といえるでしょう。

・市境が変化した
・顧客側で事業拡大し、新たなサービスが必要になった
・企業側で顧客の課題を解決できる新商品を開発した

タイミングがぴしゃりと合うアップセル・クロスセルを行うと、成果も出やすくなります。

顧客のことをよく理解する

ここまで挙げたアップセルとクロスセル成功のポイントの基本は、「顧客のことをよく理解する」という一言に集約されるでしょう。
顧客のことがわからなければ、アップセル・クロスセルの成功もおぼつかなくなります。

ただ、顧客を理解するといっても、手作業でデータを集めて、対応するのは大変です。今の企業環境の中では、無理かもしれません。

そこで活用したいのがCRM(顧客関係管理ツール)やSFA(営業支援ツール)、顧客データの蓄積や分析に役立つツールです。

アップセル・クロスセルの活用例

アップセル・クロスセルを実際に活用した企業の例があるので、紹介しましょう。

Dropbox

Dropboxはオンラインストレージサービスを提供している会社で、効果的なアップセルを行っています。

まず基本プランは、個人ユーザー向けで2GBまで無料で使えます。
この基本プランでは物足りなくなり、容量増加、高い機能を求めるユーザーには上位プランへのアップグレードを促しています。

上位プランを利用しているユーザーへは、行動分析を行った上で別のプランへの移行を勧めています。

またDropboxはキャンペーンを実施しています。
既存ユーザーが新規ユーザーを招待すると、容量がアップする仕組みも構築しました。

Amazon

Amazonはクロスセルがうまいです。

商品の購入画面には、「よく一緒に購入されている商品」や「あわせて購入:」などのコーナーを掲載し、組み合わせ買いを促進させます。
顧客も「こんな関連商品があるのか」ということで興味を覚え、購入してくれる場合があります。

より機能の高い商品の表示もあるので、アップセルも期待できるでしょう。

マクドナルド

マクドナルドでハンバーガーを注文すると、「ポテトやドリンクも一緒にいかがですか」と提案されます。
これなども関連商品を購入してもらうためのクロスセルの典型例です。

また、お得なセットメニューも用意し、クロスセルの促進を図っています。

株式会社カオナビ

株式会社カオナビはあらゆる人材情報を一元化・可視化して分析し、組織の人材活用を応援する会社です。

同社でも、顧客の課題に合わせた最適なオプションと関連サービスを提供しています。
アップセル・クロスセルといえます。

顧客の要望は開発チームに適切にフィードバックし、サービスの価値向上、機能改善に努めています。

まとめ

いかがでしたか。

今回は、アップセルとクロスセルについて解説しました。

アップセルとは、より高額な上位モデルを購入してもらうことで、クロスセルとは、関連商品を購入してもらうことです。

アップセルとクロスセルには様々なメリットがある一方で、成功に導くためには緻密な分析が必要になります。

ぜひ記事を参考に、アップセルとクロスセルを成功に導いてください。

この記事を書いた人

インフィニティエージェントラボ編集部です。 媒体最新の情報やマーケティングコンテンツを更新中です!

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