
LINEヤフー株式会社は2025年1月、
Yahoo!広告 ディスプレイ広告において
「LINE広告とLINE公式アカウントのオーディエンスを利用した広告配信が可能になる」
と発表しました。
この機能は2025年1月22日にリリースされ、
広告主はより効果的なクロスプラットフォーム戦略を実現できるようになります。
本記事では、
この新機能の概要や設定方法、活用のポイントについて詳しく解説します。
1. LINE広告とYahoo!広告のオーディエンス連携とは
1-1. 機能の概要
Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)(以下YDA運用型)において、
LINE広告とLINE公式アカウントで蓄積したオーディエンスデータを活用した広告配信
が可能になりました。
これにより、
LINEプラットフォーム上でのユーザー行動データをYahoo!広告の配信にも活用でき、
より統合的なマーケティング戦略が実現可能となります。

この機能を利用するには、
LINE広告またはLINE公式アカウントと接続されたビジネスマネージャーと
YDAアカウントを接続する必要があります。
接続後、YDA運用型で利用可能なオーディエンスリスト
「ビジネスマネージャー」を作成し、広告グループに設定することで、
LINEのオーディエンスを利用した広告配信が行えるようになります。
1-2. 利用可能なオーディエンス種類
LINEのオーディエンスデータの中で、
YDA運用型で利用可能になるオーディエンスは以下の通りです。
LINE広告のオーディエンス
- ウェブトラフィック
- IDFA/AAIDアップロード
- 電話番号アップロード
- Email Addressアップロード
- アプリイベント
- 画像クリック
- 動画視聴
- 類似拡張
LINE公式アカウントのオーディエンス
- ユーザーIDアップロード
- ウェブトラフィック
- メッセージクリック
- メッセージインプレッション
- リッチメニュークリック
- リッチメニューインプレッション
- チャットタグ
- 友だち追加経路
- 予約
なお、
以前から利用可能だった「友だち/ブロックユーザー」のオーディエンスについては、
2024年10月以降、YDA運用型で利用可能になっています。
こちらを利用するためには、「ビジネスマネージャーとYDAアカウントの接続」に加えて、
「YDAアカウントとLINE公式アカウントの接続」が必要です。
1-3. メリットと背景
Yahoo!広告とLINE広告との取り組みの一環として実現したこの機能連携により、
以下のようなメリットが期待できます。
- クロスプラットフォーム戦略の強化:
LINEとYahoo!の両プラットフォームでシームレスなターゲティングが可能になります。 - オーディエンスデータの有効活用:
LINE上で蓄積された行動データをYahoo!広告でも活用することで、
マーケティング効率が向上します。 - 多様なターゲティングオプション:
LINEのユニークなオーディエンスデータを活用することで、
より精緻なターゲティングが可能になります。
LINE広告やLINE公式アカウントで既に同様の広告を配信している場合でも、
配信プラットフォームごとの差異や、オークションの状況も異なるため、
お客様の状況に応じてYDA運用型での利用を検討することをおすすめします。
2. 設定方法と実装手順
2-1. 設定フローのステップ
LINEのオーディエンスを利用した広告配信は、以下の手順で実施します。
①ビジネスマネージャーとLINE広告・LINE公式アカウントの接続
※接続には審査があるため、数営業日かかる可能性があります。
② ビジネスマネージャーとYDAアカウントの接続
※こちらも接続には審査があるため、数営業日かかる可能性があります。
③ビジネスマネージャーからYDAアカウントへのオーディエンス共有※画像引用:(出典:LINEのオーディエンスの配信利用について)
④ビジネスマネージャーのサイドメニューから「リソース共有」→「Yahoo!広告」を選択
⑤LINEのオーディエンスを共有するYDAアカウントを選択
⑥「リソースを編集」をクリック→共有したいオーディエンスを選択※画像引用:(出典:LINEのオーディエンスの配信利用について)
⑦「ビジネスマネージャー」リストの作成
※画像引用:(出典:LINEのオーディエンスの配信利用について)
⑧YDAアカウントの広告管理ツールでオーディエンスリスト「ビジネスマネージャー」を作成
⑨共有されたLINEのオーディエンスから「基にするオーディエンス」を選択
※画像引用:(出典:LINEのオーディエンスの配信利用について)
⑩作成したオーディエンスリスト「ビジネスマネージャー」を広告グループに設定
⑪配信を開始
2-2. 注意事項
「ビジネスマネージャー」リストに関する注意点
- リスト作成後、オーディエンスサイズが反映されるまでに最大3日ほどかかる
- 1つのYDAアカウントに対して、
「ビジネスマネージャー」リストの作成上限数は100件 - MCCアカウントへのオーディエンスリスト共有はできない
- 「ビジネスマネージャー」リストを基にした「類似ユーザー」は作成できない
- 一部の広告配信面においてはユーザーの識別ができず、
「ビジネスマネージャー」リストによるターゲティングが適用されない場合がある
データ連携が停止する主なケース
- 基のオーディエンスが削除された場合
- YDAアカウントとビジネスマネージャーの接続が停止した場合
- ビジネスマネージャーとLINE公式アカウントの接続が停止した場合
- ビジネスマネージャーでオーディエンスが事後審査否認となった場合
データ連携が停止した場合、
当該リストのユーザーサイズは「0」になり、配信・除外利用ができなくなります。
この場合、
データ連携停止の原因を解決した後、新しくリストを作成し直す必要があります。
3. 活用ポイントと実務上の留意点
3-1. 効果的な活用シナリオ
LINEのオーディエンスをYahoo!広告で活用する効果的なシナリオとしては、
以下のようなケースが考えられます。
- クロスプラットフォームリターゲティング
- 顧客育成戦略の強化
- オムニチャネルマーケティングの実現
- クロスプラットフォームリターゲティング
LINE上でコンテンツに興味を示したユーザーに対して、
Yahoo!プラットフォーム上で関連広告を表示することで、
コンバージョン率の向上が期待できます。 - 顧客育成戦略の強化
LINE公式アカウントの友だちやメッセージを開封したユーザーに対して、
Yahoo!広告でさらに詳細な情報や関連商品を訴求することで、
顧客育成プロセスを加速できると考えられます。 - オムニチャネルマーケティングの実現
複数タッチポイントでのユーザー接点を作ることで、
ブランド認知からコンバージョンまでの顧客体験を最適化できると考えられます。
3-2. 実務運用上の注意点
実際の運用にあたっては、以下の点に留意することをおすすめします。
- オーディエンスの鮮度管理
- クリエイティブの一貫性
- データ連携状況の定期確認
- プラットフォーム間のパフォーマンス比較
- オーディエンスの鮮度管理
LINEのオーディエンスデータは定期的に更新されますが、
「ビジネスマネージャー」リスト作成後のデータ更新については注意が必要です。
適宜新しいリストを作成し直すことを検討しましょう。 - クリエイティブの一貫性
LINE上とYahoo!広告上で異なるクリエイティブを使用する場合でも、
メッセージの一貫性を保つことが重要です。
ブランドイメージや訴求内容に統一感を持たせましょう。 - データ連携状況の定期確認
データ連携が突然停止するケースもあるため、
定期的に連携状況を確認し、問題がある場合は迅速に対応することが大切です。 - プラットフォーム間のパフォーマンス比較
同じオーディエンスを使用する場合でも、
LINEとYahoo!では配信結果が異なる可能性があります。
両プラットフォームのパフォーマンスを比較分析し、最適な予算配分を検討しましょう。
4. まとめ
LINE広告とLINE公式アカウントのオーディエンスデータを
Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)で活用できるようになったことで、
より統合的なデジタルマーケティング戦略の実現が可能になりました。
この機能を活用することで、ユーザー行動の理解を深め、
より効果的な広告配信を実現することができるでしょう。
設定の際には、
接続条件や注意事項を十分に理解し、適切に運用することが重要です。
また、
データ連携の状況を定期的に確認し、
必要に応じてオーディエンスリストの再作成を行うなど、継続的な管理も欠かせません。
LINEとYahoo!の両プラットフォームを活用した
クロスプラットフォームマーケティングにより、顧客との接点を増やし、
より効果的なマーケティング活動を展開していきましょう。