Infinity-Agent Lab
マーケティング
中級者以上の教科書
お取り引き企業

LINEオーディエンスをYahoo!ディスプレイ広告で活用する方法とは?

更新日:2025年06月10日

LINEオーディエンスをYahoo!ディスプレイ広告で活用する方法とは?

LINEヤフー株式会社は2025年1月、
Yahoo!広告 ディスプレイ広告において
「LINE広告と
LINE公式アカウントのオーディエンスを利用した広告配信が可能になる」
と発表しました。

この機能は2025年1月22日にリリースされ、
広告主はより効果的なクロスプラットフォーム戦略を実現できるようになります。

本記事では、
この新機能の概要や設定方法、活用のポイントについて詳しく解説します。

1. LINE広告とYahoo!広告のオーディエンス連携とは

1-1. 機能の概要

Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)(以下YDA運用型)において、
LINE広告とLINE公式アカウントで蓄積したオーディエンスデータを活用した広告配信
が可能になりました。

これにより、
LINEプラットフォーム上でのユーザー行動データをYahoo!広告の配信にも活用でき、
より統合的なマーケティング戦略が実現可能となります。

※画像引用:(出典:【ディスプレイ広告(運用型)】LINE公式アカウント・LINE広告からのオーディエンスデータ連携について

この機能を利用するには、
LINE広告またはLINE公式アカウントと接続されたビジネスマネージャーと
YDAアカウントを接続する必要があります。

接続後、YDA運用型で利用可能なオーディエンスリスト
「ビジネスマネージャー」を作成し、広告グループに設定することで、
LINEのオーディエンスを利用した広告配信が行えるようになります。

1-2. 利用可能なオーディエンス種類

LINEのオーディエンスデータの中で、
YDA運用型で利用可能になるオーディエンスは以下の通りです。

LINE広告のオーディエンス

  • ウェブトラフィック
  • IDFA/AAIDアップロード
  • 電話番号アップロード
  • Email Addressアップロード
  • アプリイベント
  • 画像クリック
  • 動画視聴
  • 類似拡張

LINE公式アカウントのオーディエンス

  • ユーザーIDアップロード
  • ウェブトラフィック
  • メッセージクリック
  • メッセージインプレッション
  • リッチメニュークリック
  • リッチメニューインプレッション
  • チャットタグ
  • 友だち追加経路
  • 予約

なお、
以前から利用可能だった「友だち/ブロックユーザー」のオーディエンスについては、
2024年10月以降、YDA運用型で利用可能になっています。

こちらを利用するためには、「ビジネスマネージャーとYDAアカウントの接続」に加えて、
「YDAアカウントとLINE公式アカウントの接続」が必要です。

1-3. メリットと背景

Yahoo!広告とLINE広告との取り組みの一環として実現したこの機能連携により、
以下のようなメリットが期待できます。

  • クロスプラットフォーム戦略の強化:
    LINEとYahoo!の両プラットフォームでシームレスなターゲティングが可能になります。
  • オーディエンスデータの有効活用:
    LINE上で蓄積された行動データをYahoo!広告でも活用することで、
    マーケティング効率が向上します。
  • 多様なターゲティングオプション:
    LINEのユニークなオーディエンスデータを活用することで、
    より精緻なターゲティングが可能になります。

LINE広告やLINE公式アカウントで既に同様の広告を配信している場合でも、
配信プラットフォームごとの差異や、オークションの状況も異なるため、
お客様の状況に応じてYDA運用型での利用を検討することをおすすめします。

2. 設定方法と実装手順

2-1. 設定フローのステップ

LINEのオーディエンスを利用した広告配信は、以下の手順で実施します。

①ビジネスマネージャーとLINE広告・LINE公式アカウントの接続
※接続には審査があるため、数営業日かかる可能性があります。

② ビジネスマネージャーとYDAアカウントの接続
※こちらも接続には審査があるため、数営業日かかる可能性があります。

③ビジネスマネージャーからYDAアカウントへのオーディエンス共有※画像引用:(出典:LINEのオーディエンスの配信利用について

④ビジネスマネージャーのサイドメニューから「リソース共有」→「Yahoo!広告」を選択

⑤LINEのオーディエンスを共有するYDAアカウントを選択

⑥「リソースを編集」をクリック→共有したいオーディエンスを選択※画像引用:(出典:LINEのオーディエンスの配信利用について

⑦「ビジネスマネージャー」リストの作成

※画像引用:(出典:LINEのオーディエンスの配信利用について

⑧YDAアカウントの広告管理ツールでオーディエンスリスト「ビジネスマネージャー」を作成

⑨共有されたLINEのオーディエンスから「基にするオーディエンス」を選択

※画像引用:(出典:LINEのオーディエンスの配信利用について

⑩作成したオーディエンスリスト「ビジネスマネージャー」を広告グループに設定

⑪配信を開始

2-2. 注意事項

「ビジネスマネージャー」リストに関する注意点

  • リスト作成後、オーディエンスサイズが反映されるまでに最大3日ほどかかる
  • 1つのYDAアカウントに対して、
    「ビジネスマネージャー」リストの作成上限数は100件
  • MCCアカウントへのオーディエンスリスト共有はできない
  • 「ビジネスマネージャー」リストを基にした「類似ユーザー」は作成できない
  • 一部の広告配信面においてはユーザーの識別ができず、
    「ビジネスマネージャー」リストによるターゲティングが適用されない場合がある

データ連携が停止する主なケース

  • 基のオーディエンスが削除された場合
  • YDAアカウントとビジネスマネージャーの接続が停止した場合
  • ビジネスマネージャーとLINE公式アカウントの接続が停止した場合
  • ビジネスマネージャーでオーディエンスが事後審査否認となった場合

データ連携が停止した場合、
当該リストのユーザーサイズは「0」になり、配信・除外利用ができなくなります。

この場合、
データ連携停止の原因を解決した後、新しくリストを作成し直す必要があります。

3. 活用ポイントと実務上の留意点

3-1. 効果的な活用シナリオ

LINEのオーディエンスをYahoo!広告で活用する効果的なシナリオとしては、
以下のようなケースが考えられます。

  • クロスプラットフォームリターゲティング
  • 顧客育成戦略の強化
  • オムニチャネルマーケティングの実現
  • クロスプラットフォームリターゲティング
    LINE上でコンテンツに興味を示したユーザーに対して、
    Yahoo!プラットフォーム上で関連広告を表示することで、
    コンバージョン率の向上が期待できます。
  • 顧客育成戦略の強化
    LINE公式アカウントの友だちやメッセージを開封したユーザーに対して、
    Yahoo!広告でさらに詳細な情報や関連商品を訴求することで、
    顧客育成プロセスを加速できると考えられます。
  • オムニチャネルマーケティングの実現
    複数タッチポイントでのユーザー接点を作ることで、
    ブランド認知からコンバージョンまでの顧客体験を最適化できると考えられます。

3-2. 実務運用上の注意点

実際の運用にあたっては、以下の点に留意することをおすすめします。

  • オーディエンスの鮮度管理
  • クリエイティブの一貫性
  • データ連携状況の定期確認
  • プラットフォーム間のパフォーマンス比較
  • オーディエンスの鮮度管理
    LINEのオーディエンスデータは定期的に更新されますが、
    「ビジネスマネージャー」リスト作成後のデータ更新については注意が必要です。
    適宜新しいリストを作成し直すことを検討しましょう。
  • クリエイティブの一貫性
    LINE上とYahoo!広告上で異なるクリエイティブを使用する場合でも、
    メッセージの一貫性を保つことが重要です。
    ブランドイメージや訴求内容に統一感を持たせましょう。
  • データ連携状況の定期確認
    データ連携が突然停止するケースもあるため、
    定期的に連携状況を確認し、問題がある場合は迅速に対応することが大切です。
  • プラットフォーム間のパフォーマンス比較
    同じオーディエンスを使用する場合でも、
    LINEとYahoo!では配信結果が異なる可能性があります。
    両プラットフォームのパフォーマンスを比較分析し、最適な予算配分を検討しましょう。

4. まとめ

LINE広告とLINE公式アカウントのオーディエンスデータを
Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)で活用できるようになったことで、
より統合的なデジタルマーケティング戦略の実現が可能になりました。

この機能を活用することで、ユーザー行動の理解を深め、
より効果的な広告配信を実現することができるでしょう。

設定の際には、
接続条件や注意事項を十分に理解し、適切に運用することが重要です。

また、
データ連携の状況を定期的に確認し、
必要に応じてオーディエンスリストの再作成を行うなど、継続的な管理も欠かせません。

LINEとYahoo!の両プラットフォームを活用した
クロスプラットフォームマーケティングにより、顧客との接点を増やし、
より効果的なマーケティング活動を展開していきましょう。

この記事を書いた人

大学3年生から内定者インターンを開始し、2020年にインフィニティエージェント新卒3期生として入社。 約5年半の運用者経験を活かし、現在はチーフ職としてマネジメントも行いながら、新規顧客の開拓やメディア編集長に従事。 冷麺が好きで1週間に何度も食べているという偏食な一面も。

Category  / 目的のカテゴリから読みたい記事をチェック!

Return Top