自社のマーケティングや広告・プロモーション施策の効果を高めるためには、ターゲットを明確化しておくことが重要です。
ターゲットの決め方は、自社の目的や戦略によっても異なりますが、STP分析やペルソナ分析などのフレームワークを活用することで、明確にすることも可能です。
今回は、ターゲットの決め方・設定方法などについて、基本的な概要からメリットなどとあわせポイントを中心に紹介していきます。
ターゲットユーザーとは?
そもそもターゲットユーザーとは、自社の商品やサービスを提案・販売していく上で対象となるユーザー層のことを指します。
例えば、化粧品を販売している場合、それを利用するユーザーは20代なのか40代なのか、日々活用するものなのか、オシャレしたいタイミング用のものなのかなど商品独自の特性などが存在します。
これをより具体的にまとめていくと、どういったユーザーに訴求するべきかという指標が見えてきます。
これがターゲットとなり、設定したターゲットをふまえてアプローチすることで、売上増加や利益拡大につなげることが可能になります。
ターゲットユーザーの設定は、自社のマーケティングにおいて必要不可欠です。
目的と合わせ設定することで、コンバージョン獲得だけでなく、無駄な露出やコストを抑え、広告・プロモーション施策の費用対効果を高める効果も期待できます。
セグメントとの違い
ターゲットと近しい言葉に、セグメントと呼ばれるものも存在しており、混在するケースも多いですがそれぞれ意味は異なります。
例えば、先ほどの化粧品の例でいうと、20代と40代という年齢層はターゲットを設定する上での指標となります。
この指標がセグメント(区切り)となり、その他の性別や地域、職業などもセグメントに含まれます。ターゲットユーザーは、このようなセグメント別に設定していきます。
ターゲットユーザーを決めておくことのメリット
ターゲットユーザーの設定は、企業側だけでなくユーザー側にとっても効果が期待できます。
① 効果的なマーケティングの戦略や方向性の策定
ターゲットユーザーを決めておくことは、自社のマーケティングや広告・プロモーション施策の戦略につなげやすくなります。
例えば、20代女性向けと40代男性向けでは広告出稿先の媒体選定だけでなく、キャッチコピーやページデザインなど、アプローチ方法が大きく異なります。
スムーズなマーケティング戦略を策定するためにも、ターゲットの決め方にはこだわることが重要です。
② コンバージョン獲得と費用対効果の向上
ターゲットを明確化した上で、適切に広告・プロモーション施策を行うことが重要です。
Web広告などでは、数値・データをもとにユーザー属性や行動を可視化し、ターゲティング設定を行うことが可能ですが、過去の購入履歴や閲覧履歴などをもとにターゲットを設定することもできます。
このようなターゲティング設定を活用し、ピンポイントでアプローチできれば無駄を省きながらターゲットへのアプローチが可能です。
一般的にプロモーション予算には限界があるため、ターゲットをもとに費用対効果を高めることは、売上増加や利益拡大の面でも効果が期待できます。
③ 社内や関係者間における認識の共有
ターゲットの明確化は、社内や関係者間における認識の共有という面でも効果が期待できます。
自社のマーケティングにおいて、規模が大きくなればなるほど担当する人間が増え、目標や認識を共有する必要が出てきます。
一部の業務を外部に委託している場合、制作会社や広告代理店、コンサルティングなどと認識を共有しておかなければなりません。
リスクを回避する上でも、あらかじめ設定したターゲットを共有しておくことが重要です。
ターゲットユーザーの決め方・設定方法
ターゲットユーザーの決め方は、自社の目的などによっても異なりますが、以下のセグメントを基準に分類していくと効果的です。
① ユーザー属性
ユーザー属性とは、年齢や性別、職業、収入・所得、家族構成などが挙げられます。
② ユーザーの地域
ユーザーの居住地域・エリアは、都道府県だけでなく市区町村など細かく指定する場合もあれば、関東・関西といったエリアで区切るケースもあります。
③ ユーザー心理や行動
ユーザー心理や行動もターゲットユーザーの決め方・設定には欠かせません。
どういったものに興味関心が高いのか、過去の行動履歴などをもとに分類していきます。
このような分類を細かく行うことで、ターゲットユーザーを徐々に絞り込んでいくことが可能になります。
ターゲットユーザーの決め方で活用できるフレームワーク
ターゲットを効率的に設定していく上で、以下のフレームワークを活用すると効果的です。
① STP分析
STP分析とは、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字を取ったフレームワークです。
ターゲットと合わせ市場における自社の立ち位置を可視化することが可能です。
競合他社との差別化を図り、マーケティングを円滑に進めるためにも効果が期待できます。
② ペルソナ分析
ペルソナ分析は、ターゲットとなるユーザーをより細分化して設定するフレームワークです。
ターゲットを深掘りして架空の人物における心理や行動まで詳細に設定していきます。
このように徹底的に設定したターゲット像に対して戦略立てていくことで、マーケティング効果を高める効果が期待できます。
ターゲットユーザーの効果的な決め方のコツ
最後に、ターゲットユーザーの効果的な決め方のコツについて紹介していきます。以下の要素を押さえておくと効果的です。
① 目的を踏まえた適切なセグメント選定
ターゲットユーザーの決め方において、セグメントの選定は重要になります。
例えば、年齢や性別だけでは適切なターゲットを絞り込めず、無駄な露出やコストを増やす可能性も高まります。
ターゲットを絞ったアプローチを行うのであれば、少なくとも年齢や性別、地域とあわせ、ユーザー心理や行動などもセグメントに加え絞り込んでいくことが重要です。
特に、ユーザー心理や行動はコンバージョン増加につなげる上でも効果的です。
② ターゲットの絞り込みはマイナスにつながる可能性もある
ターゲットを絞り込みすぎてしまうことは、マーケティング効果を悪くしてしまう可能性もあります。
効率を考え様々なセグメントによってターゲットを絞り込みすぎれば、アプローチできるユーザーの総数は減少してしまいます。アプローチ先が減れば、当然ながら新規顧客の母数は減ります。
マーケティング効果を高めるためには、認知度拡大も必要不可欠です。
認知を目的としたアプローチは、直接的なコンバージョンにはつながらなくとも、中長期的には欠かせない施策となります。
ターゲットの絞り込みに固執するのではなく、認知も含めバランスよく展開していくことが重要です。
まとめ
ターゲットの決め方は、その後のマーケティング効果にも影響してきます。効果を高めるためには適切なターゲットの絞り込みが求められます。
今回紹介した内容も参考に、STP分析やペルソナ分析なども活用しながら、自社の目的に合ったターゲットを設定していきましょう。