Infinity-Agent Lab
マーケティング
中級者以上の教科書
お取り引き企業

2025年最新!広告媒体別ルックバック(計測)期間まとめ|検索・ディスプレイ・SNS広告を網羅!設定方法まで解説

更新日:2025年09月30日

2025年最新!広告媒体別ルックバック(計測)期間まとめ|検索・ディスプレイ・SNS広告を網羅!設定方法まで解説

複数の広告媒体を運用していると、
「なぜ媒体ごとにコンバージョン数が違うのか?」
と疑問に感じることはありませんか?

その大きな要因のひとつが、
各媒体で設定されている ルックバック期間(計測期間) の違いです。

ルックバック期間を正しく理解していないと、
成果比較や効果測定を誤るリスクがあります。

本記事では、
主要な広告媒体におけるルックバック期間の仕様・設定方法・注意点を解説します。

1. ルックバック期間とは?

広告のコンバージョン計測における「ルックバック期間(計測期間)」とは、
ユーザーが広告に接触(クリックや表示、動画の視聴など)した後、
どのくらいの期間までコンバージョンを追跡して計測するかを定める期間です。

この期間内に発生したコンバージョンは、
その広告の成果としてカウントされます。

例えば、
ルックバック期間を30日に設定している場合、
ユーザーが広告をクリックしてから30日以内にコンバージョンが発生すれば、
そのコンバージョンは広告の成果として計測されます。

しかし、
31日後に発生したコンバージョンは、広告の直接的な成果としては認識されません。

2. ルックバック期間設定の重要性

ルックバック期間の設定は、
広告の効果を適切に評価するために極めて重要です。

期間を長く設定すれば、
リードタイムが長い商材でも広告効果を捉えやすくなります。

しかし、
広告の直接的な影響ではない可能性のあるコンバージョンまで
計上してしまうというリスクもあります。

逆に期間を短く設定すると、広告の直接的な効果に絞って計測できる一方、
検討期間の長い商材では広告の真の効果を過小評価してしまう可能性があります。

各媒体でルックバック期間の仕様やデフォルト設定が異なるため、
正確な効果測定を行うには、
まず各媒体の設定を正しく理解することが必要です。

3. 計測対象となるインタラクション

インタラクションとは、
ユーザーが広告に対して取るあらゆる行動の総称です。

コンバージョンを追跡可能なインタラクションは、
主に以下の3つに分類されます。

インタラクション 説明 コンバージョンの呼び方
クリック ユーザーが広告をクリックする クリックスルーコンバージョン
ビュー ユーザーに広告が表示される ビュースルーコンバージョン
エンゲージビュー
(動画視聴)
ユーザーが動画広告を
一定時間以上視聴する
エンゲージビューコンバージョン

インタラクションの種類によって、設定できる計測期間は異なります。
多くの媒体では、
クリックスルーコンバージョンの期間が最も長く設定されています。

ユーザーが広告をクリックした場合、購買意欲や関心が長く続くと考えられるためです。

一方、
ビュースルーコンバージョンは間接的な効果と位置づけられるため、
短い期間に設定されることが多いです。

4. 主要媒体のルックバック期間一覧

主要な運用型広告媒体のルックバック期間をまとめると以下の通りです。

媒体 クリック ビュー エンゲージビュー 配信後の
変更
Google広告 1~90日(30日) 1~30日(1日) 1~30日(3日) 可能
Yahoo!検索広告 1~90日(30日) 可能
Yahoo!
ディスプレイ
広告
1~90日(30日) 1~30日(3日) 可能
Microsoft広告 1分~90日(30日) 1分~30日
(1日)
可能
Meta広告 1/7日(7日) なし/1日
(1日)
なし/1日(1日) 不可
TikTok広告 1/7/14/28日 オフ/1日 不可
LINE広告※ 1~90日(30日) 可能
X広告 1/2/3/5/7/14/
30日(30日)
オフ/
1/2/3/5/7/14/
30日(1日)
可能

※媒体によってインタラクションの名称が異なる場合があります。
※括弧内はデフォルト設定です。
※LINE広告はカスタムコンバージョンの場合です。
※媒体仕様は変更される可能性があります。

5. 媒体ごとの確認・設定方法

5-1. Google広告

まずは、
Google広告におけるルックバック期間の確認・設定方法を、
実際の画面キャプチャを用いて説明します。

■ 確認・設定方法

➀ 左側メニューの「目標」から「コンバージョン」→「概要」をクリック

➁ 対象のコンバージョンアクションをクリック

➂「設定」をクリックし、各項目から計測期間を確認・変更

■ 設定可能な計測期間

  • クリックスルー:1~90日間(デフォルト30日)
  • ビュースルー:1~30日間(デフォルト1日)
  • エンゲージビュー:1~30日間(デフォルト3日)

Google広告の特徴は、
3つすべてのインタラクションタイプに対応しており、設定範囲も比較的柔軟な点です。

エンゲージビューコンバージョンでは、
ユーザーが動画広告を10秒以上視聴してから、
どのくらいの期間内のコンバージョンを計測するかを設定します。

たとえば計測期間を3日に設定した場合、
視聴から3日以内に発生したコンバージョンはカウントされますが、
4日目以降のコンバージョンは対象外となります。

コンバージョンアクション作成後も計測期間の変更が可能で、
プルダウンから選択するほか、カスタム期間の設定も行えます。

※[5-1. Google広告]での画像引用(出典:Google広告管理画面

5-2. Yahoo!検索広告

Yahoo!検索広告は検索連動型広告のため、
クリックスルーコンバージョンの計測となります。

■ 確認・設定方法

➀ 画面右上にある「ツール」をクリック

➁「ライブラリー」の「コンバージョン測定」をクリック

➂ 対象のコンバージョン名をクリック

④「計測期間」から計測期間を確認・変更

■ 設定可能な計測期間

  • クリックスルー:1~90日間(デフォルト30日)

設定範囲はGoogle広告と同様に1~90日間と幅広く、
コンバージョン設定後の変更も可能です。

公式では、
計測期間が短いと計測されるコンバージョンが大幅に減少する可能性があるため、
計測期間は7日以上にすることを推奨しています。

※[5-2. Yahoo!検索広告]での画像引用(出典:Yahoo!広告ヘルプ

5-3. Yahoo!ディスプレイ広告

Yahoo!ディスプレイ広告では、
クリックスルーコンバージョンとエンゲージメントビューコンバージョンの計測が可能です。

■ 確認・設定方法

➀ 画面右上にある「ツール」をクリック

➁「ライブラリー」の「コンバージョン測定」をクリック

➂ 対象のコンバージョン名をクリック

④「計測期間」から計測期間を確認・変更

■ 設定可能な計測期間

  • クリックスルー:1~90日間(デフォルト30日)
  • エンゲージビュー(動画視聴):1~30日間(デフォルト3日)

Yahoo!ディスプレイ広告では、
2025年9月18日に計測期間がアップデートされました。

  • 変更前:7〜90日間
  • 変更後:1〜90日間

コンバージョンの計測期間が拡大することで、
より柔軟なコンバージョン計測が可能になります。

また、エンゲージビューは「動画視聴」として、
動画の10秒以上再生(10秒未満は再生完了時)を基準とした計測期間を設定できます。

※[5-3. Yahoo!ディスプレイ広告]での画像引用(出典:Yahoo!広告ヘルプ)
※参考:LINEヤフー for Business, Yahoo!広告ヘルプ

5-4. Microsoft広告

Microsoft広告では、
コンバージョン目標作成時にルックバック期間として
「コンバージョンウィンドウ」を設定します。

■ 確認・設定方法

➀ 左側メニューの「コンバージョン」から「コンバージョン目標」をクリック

➁ 対象の目標名をクリック

➂ 「コンバージョン目標の詳細」内の「詳細設定」から確認・設定

■ 設定可能な計測期間

  • クリックコンバージョン:1分~90日間(デフォルト30日)
  • ビュースルーコンバージョン:1分~30日間(デフォルト1日)

Microsoft広告の特徴は、
計測期間を最小1分から設定できる点にあり、他媒体と比べて細かい調整が可能という点です。

コンバージョン目標作成後も期間を変更できるため、
運用状況に応じて最適な設定を探ることができます。

なお、
ビュースルーコンバージョンは主にオーディエンス広告で利用されます。

※[5-4. Microsoft広告]での画像引用(出典:Microsoft広告管理画面

5-5. Meta広告

Meta広告では、
広告セットの作成時にルックバック期間として「アトリビューション設定」を行います。

■ 確認・設定方法

➀ 対象の広告セットの「編集」をクリック

➁「コンバージョン」内の「その他のオプション」をクリック

➂「アトリビューション設定」から計測期間を確認・設定
※設定は、新規の広告セットのみ可能です。

■ 設定可能な計測期間

  • クリックスルー:1日、または7日間(デフォルト7日)
  • ビュースルー:なし、または1日間(デフォルト1日)
  • エンゲージビュー(動画のみ):なし、または1日間(デフォルト1日)

Meta広告のエンゲージビューコンバージョンでは、
動画が10秒以上再生された場合、
または10秒未満の動画であればその全体の97%が再生された場合にカウントされます。

注意点として、
Meta広告は他媒体に比べて計測期間が短く、選択肢も限定的(カスタム入力不可)です。

また、
広告セット公開後は設定を変更できず、
修正したい場合は新しい広告セットを作成する必要があります。

そのため、
Meta広告では事前に十分に検討したうえで設定することが大切
です。

※[5-5. Meta広告]での画像引用(出典:Meta広告管理画面

5-6. TikTok広告

TikTok広告は、
Meta広告と同様の仕様で、
広告セット作成時にアトリビューション期間を設定します。

■ 確認・設定方法

➀ 対象の広告グループの「編集」をクリック

➁「入札と最適化」内の「アトリビューションウィンドウ」をクリック

➂「アトリビューションウィンドウ」から計測期間を確認・設定
 ※設定は、新規の広告セットのみ可能。

【設定可能な計測期間】

  • クリックスルー:1日間
  • ビュースルー:オフ、1日

TikTok広告も比較的短い計測期間となっており、
クリックスルーの最大期間は28日間です。

これは主にモバイル中心のプラットフォームであることと、
ユーザーの行動パターンが即時性を重視する傾向にあるためと考えられます。

また、広告配信後に計測期間の変更はできません。

※[5-6.TikTok広告]での画像引用(出典:TikTok広告管理画面

5-7. LINE広告

LINE広告には2種類のコンバージョン計測方法があり、
ルックバック期間の設定が異なります。

ここでは、
期間が柔軟に指定できる「カスタムコンバージョン」の設定方法を紹介します。

■ 確認・設定方法

➀ 画面左上の「≡」から「レポートと計測」の「カスタムコンバージョン」をクリック

➁ カスタムコンバージョン一覧で対象のコンバージョンを選択

➂ 基本情報の「有効期間」から確認・設定

■ 設定可能な計測期間

  • コンバージョンコード:30日間(固定・変更不可)
  • カスタムコンバージョン:1~90日間(デフォルト30日)

コンバージョンコードは、
「LINE Tag」を設置したページにユーザーが訪問すると
コンバージョンをカウントします。

コードの有効期間は30日ですが、
カスタムコンバージョンを使えば1~90日の範囲で設定可能です。

カスタムコンバージョンは、次のような場面で便利です。

  • コンバージョンコード設置場所以外にコンバージョン地点を設置したい場合
  • URLベースやカスタムイベントベースでコンバージョンを計測したい場合
  • 有効期間を柔軟に変更したい場合

自社の商材や広告の特性に応じて、最適な計測方法を選びましょう。

※[5-7. LINE広告]での画像引用(出典:LINEヤフー for Business

5-8. X広告(旧:Twitter広告)

X広告では、
「ポストエンゲージメント」と「ポストビュー」という概念で計測期間を設定します。

■ 確認・設定方法

➀ 画面上の「ツール」から「イベントマネージャー」をクリック

➁ イベントマネージャーで各コンバージョンのアトリビューション期間が確認

➂ 変更したい場合は、対象のコンバージョンの「イベントを編集」をクリック

④「イベントの詳細」から変更が可能

■ 設定可能な計測期間

  • ポストエンゲージメント:1、2、3、5、7、14、30日(デフォルト30日)
  • ポストビュー:オフ、1、2、3、5、7、14、30日(デフォルト1日)

ポストエンゲージメントは、
広告へのいいね、リポスト、フォロー、返信、リンクのクリックなどの
エンゲージメント後に発生したコンバージョンを対象とします。

ポストビューは、
広告を見ただけでエンゲージメントしなかった場合のコンバージョンを追跡します。

どちらのアトリビューション期間も、
設定に迷う場合はデフォルト値(ポストエンゲージメント:30日、ポストビュー:1日)を
選択することが推奨されています。

※[5-8.X広告]での画像引用(出典:X広告管理画面
※参考:X広告に関するヘルプセンター

6. まとめ・注意点

ルックバック期間は媒体ごとに設定内容や期間の範囲が異なることを説明してきました。
その中で特に重要なポイントは以下の通りです。

■ ルックバック期間の注意点

  • 媒体ごとに対応するインタラクションタイプが異なる
  • Meta広告やTikTok広告は計測期間が短く、公開/配信後の変更ができない

■ 運用時のポイント

  • 複数媒体を運用する場合は、計測期間の違いを考慮して成果を比較する
  • 商材の検討期間に合わせて適切な期間を設定する

配信媒体が増えるほど、各媒体の設定確認が疎かになりやすくなります。

しかし、
ルックバック期間の誤設定は効果測定や機械学習の精度に影響し、
誤った運用判断につながる恐れがあります。

本記事を参考に、
運用中の媒体設定を改めて見直し、
正確な効果測定とデータドリブンな広告運用に役立ててみてください。

※本記事は公式情報をもとに作成していますが、一部当社の見解を含みます。また、記載内容は効果や成果を保証するものではありません。

この記事を書いた人

2023年に株式会社インフィニティエージェントへ入社。 大学4年生から内定者インターンとして広告運用の実務を経験してきました。 現在は、広告運用で培った経験を活かし、SNSやメディアの運営に奮闘中です。 毎年必ず海外旅行に出かけるほどの旅行好きで、新しい文化や価値観に触れることが大好きです。

Category  / 目的のカテゴリから読みたい記事をチェック!

Return Top