LinkedIn広告は、主要な媒体にはない強みを持ったSNS広告です。特に活用される媒体として、TwitterやInstagramなどが多いですが、LinkedInも近年注目を集めている広告媒体のひとつです。
この記事では、LinkedIn広告メリットや配信面、ターゲティングなどについて詳しく解説していきます。LinkedIn広告の活用を検討している方や、今後の判断材料として情報を探している方は本記事を最後まで読み、媒体への理解を深めることがおすすめです。
1.LinkedIn広告について
まずはLinkedIn広告の概要について触れていきましょう。
- そもそもLinkedInとは
- Facebook広告などとの相違点
- LinkedIn広告のキャンペーンの目的
LinkedInのSNSとしての特徴や他媒体との違いなど、それぞれの項目について解説していきます。
1−1.そもそもLinkedInとは
LinkedInは、ビジネスに特化したSNSで、2003年にアメリカで提供が開始されました。海外で広く活用されており、全世界の登録者は8億人以上います。
国内でも利用者数は300万人以上となっており、今後さらなる成長が見込めるSNSです。ビジネスに特化しているので、採用・求人でも活用可能で、学習ツールとして使用するユーザもいます。
参考:2022年 7-9月期 媒体資料| LinkedIn Marketing Solutions
1−2.Facebook広告などとの相違点
LinkedInは同じくビジネスでよく使用される「Facebook」と比較されることが多いです。
TwitterやInstagramなどの媒体は、つぶやきをしたり最近のできごとを投稿するようになっているので、LinkedInと比較すると違いがわかりやすいでしょう。
下記の図のようにFacebook広告は主要年齢層が40代~50代であり、男性の比率が多いことがわかります。
画像引用:主要SNSユーザー数データ資料|株式会社ガイアックス
対して、日本国内のLinkedInの最もユーザーの多い年齢層は20代~30代となっています。
男性の比率が多いことは共通していますが、LinkedInの方が若い年齢層に利用されていることがわかります。
画像引用:主要SNSユーザー数データ資料|株式会社ガイアックス
Facebookはプライベートに関する情報を登録しますが、LinkedInでは役職や経歴などビジネスに関連した記載が可能です。
ユーザー数に関してはFacebookの方が多いため広告に関するデータも多く存在しますが、LinkedIn広告では遜色のない高精度なターゲティングが可能です。
1−3.Linkedin広告のキャンペーンの目的
Linkedin広告で設定するキャンペーンの目的は以下の通りです。
2.LinkedIn広告のメリット
Linkedin広告のメリットとして挙げられるのは以下の3つです。
- 詳細なターゲティング設定ができる
- 情報への感度が高い層にアプローチできる
- 広告費用が安く低コストで始められる
Linkedin広告を活用することで、どんな利点が発生するのか確認していきましょう。
2−1.詳細なターゲティング設定ができる
LinkedIn広告では、高精度なターゲティング機能を活用できる点が特徴です。
企業や役職などでターゲティングを設定できるので、決裁権のあるユーザーにアプローチすることも可能です。
2−2.情報への感度が高い層にアプローチできる
LinkedInは、ビジネスマンの利用者が多いため、新しい情報に対して積極的なユーザーにアプローチしやすい点もメリットです。
特に、企業向けの新規商品などは興味を持ってもらえる可能性が高いといえます。
ユーザー層がTwitterやInstagramなどとは大きく異なるため、今まで他のSNS媒体を活用し、効果が出なかった方にもLinkedIn広告はおすすめです。
2−3.広告費用が安く低コストで始められる
LinkedIn広告では最低出稿額は160円になっており、任意で設定ができます。自社の予算の都合に合わせて設定が可能なので、無理のない広告配信が可能になるでしょう。
仮に広告配信による効果がいまいち得られなかったとしても撤退の判断が簡単にできるので、リスク回避がしやすいです。
なるべく費用を抑えつつ、ビジネスマンに対して訴求を行いたい場合は最適な媒体といえます。
3.LinkedIn広告のデメリット
LinkedIn広告には、以下のようなデメリットも存在します。
- 国内ではまだ普及率が低い
- 一部設定に制限がある
2つのデメリットについてそれぞれ解説していきます。
3−1.国内ではまだ普及率が低い
LinkedInは世界中で活用されているSNSですが、日本国内における認知度はまだ高くありません。
国内では、プライベートでTwitterやInstagramを活用し、ビジネスを目的としてFacebookも日頃から使っている人が多いのが現状です。
広告を配信しても、元々想定していたリード数やサイトへの訪問数を確保できない可能性は少なからずあるといえるでしょう。
しかし、ユーザーがまだ少ないということは、注目している企業もそこまで多くないということなので、今から始めれば先行優位を取りやすくなる利点はあります。
3−2.一部設定に制限がある
LinkedIn広告を活用する場合、キャンペーンとアカウントを紐づける必要がありますが、一回設定を行うと変更ができません。LinkedInページの変更を行いたい場合は新しくキャンペーンを作成する必要があります。
また、1つのキャンペーンごとに1つの広告セットを設定する必要がある点にも注意が必要です。同じターゲティングを施したクリエイティブを設定したい場合は、新規で任意の数のキャンペーンを作成する必要があります。
4.LinkedIn広告のメニューと配信面
LinkednI広告では、以下5つのメニューが用意されています。
- スポンサードコンテンツ
- スポンサードメッセージ
- ダイナミック広告
- テキスト広告
- イベント広告
それぞれのメニューの特徴や配信面について見ていきましょう。
4−1.スポンサードコンテンツ
スポンサードコンテンツは、ユーザーのフィードに広告を配信できるメニューです。フィードはユーザーが利用する頻度が特に多いため、広告を配信すれば効率的に認知拡大につなげることができます。
スポンサードコンテンツで活用できる広告の種類は以下の通りです。
4−2.スポンサードメッセージ
スポンサードメッセージは、ユーザーのメッセージ受信ボックスに配信可能です。「メッセージ広告」と「会話型広告」が使用できます。
メッセージ広告では、CTAとLPのURLを設置します。会話型広告はメッセージ広告とは異なり、最大5つのCTAを設置できることが特徴です。
4−3.ダイナミック広告
ダイナミック広告は、データに合わせてユーザーごとにカスタマイズされた広告を配信可能です。全部で3つの種類が存在しており、それぞれの特徴は以下となります。
4−4.テキスト広告
テキスト広告は、短い文章と画像によって構成される広告です。フィードや通知ページ、検索結果ページなどの右側に表示されます。
ユーザー情報に合わせて適切な広告が表示できます。
4−5.イベント広告
LinkedInイベントに誘導するための広告を「イベント広告」と呼びます。
インフィード広告の新しいフォーマットで、適切なオーディエンスにアプローチし、イベントへの登録を促進可能です。
5.LinkedIn広告のクリエイティブ規定
LinkedIn広告の活用時には、規定について確認して適切なクリエイティブを作成しましょう。それぞれのクリエイティブ規定は以下の通りです。
引用:Marketing Solutionsのヘルプ|inヘルプ
6.LinkedIn広告のターゲティング
LinkedIn広告で使用できるターゲティングは以下の通りです。
上記のように、LinkedIn広告では、他のSNS広告と比較しても引けを取らないクオリティのターゲティングが可能です。
参考:LinkedIn広告のターゲットオプションについて|inヘルプ
7.LinkedIn広告運用時のポイント
LinkedIn広告を運用する際は、以下の項目に留意しましょう。
- ターゲティング言語は「英語」に設定する
- 自社ページの内容を魅力的にする
- 動画広告を活用する
3つのポイントについて詳しく解説します。
7−1.ターゲティング言語は「英語」に設定する
LinkedInは世界中で使用されているSNSです。
したがって、言語を英語で登録して日々活用している国内ユーザーも多くいます。
ターゲティング言語を日本語の設定にしてしまうと機会損失になる可能性があるので、英語設定にすることがおすすめです。
7−2.自社ページの内容を魅力的にする
広告から自社ページに訪れた相手に効果的にアプローチするには、コンテンツを充実させておく必要があります。
自社が掲げる目標や事業内容など、なるべく詳しく記載しておきましょう。
もしも表彰された経歴などがある場合は、経緯や詳しい数値なども含めて記載しておくことがおすすめです。
7−3.動画広告を活用する
情報量やインパクトが強いことから、近年では動画広告の需要が伸びています。
画像広告では伝わりきれない部分も効率的にアプローチできるため、動画も取り入れてみることがおすすめです。
動画クリエイティブを作成する際は、ストーリー性を持たせて興味を継続させたり、最初の5秒でインパクトを与えて印象に残すことが推奨されます。
8.LinkedIn広告の成功事例
LinkedIn広告の成功事例として、以下3つを紹介していきます。
- Kate Spade New York
- GitHub
- H&M
事例を知ることで具体的な活用方法を理解できるようになります。それぞれの企業が得た具体的な効果について確認していきましょう。
8−1.Kate Spade New York
画像引用:kate spade new yorkが「ニューヨークの春といえば…」をテーマに全国の店舗でイベントを開催!| PR TIMES
Kate Spade New Yorkは、ハンドバックやジュエリーなどを扱うブランドです。カラーとウィットに富んだ商品で世界中の女性から支持を集めています。認知度を高めるためにLinkedIn広告を活用しました。
女優として活躍している「ビジー・フィリップス」を起用した広告では、2.44%のエンゲージメント率と1.78%のCTRを達成し、基準値を上まっています。
143,000人以上へのユニークユーザーにもアプローチすることができ、BtoBに特化したLinkedInでBtoCでの認知向上を実現しました。
参考: Kate Spade New York Matches Messaging to Mindset with LinkedIn Campaign| LinkedIn Ads Blog
8−2. GitHub
画像引用:GitHubの使い方|Ameba
GitHubは、プログラムやデザインに関するコードを適切に保存し、公開できるソースコード管理サービスです。開発の現場で欠かせないサービスの1つになっています。
GitHubのマーケティング担当者は、これまでイベントに関するアプローチをTwitterと Twitchで行なっていましたが、新たな方法としてLinkedIn広告を使用しました。
GitHubが使用したのは、スポンサードコンテンツとメッセージ広告、イベント広告です。
結果的に、媒体平均コンバージョン率が4%の中、イベント広告によって22%の登録率を達成しています。
参考: How GitHub Used LinkedIn Event Ads to Get Nearly 1,000 Event Registrations| LinkedIn Ads Blog
8−3. H&M
画像引用:H&Mのグローバル売上が回復、けん引役は米国、中国は23%減|Forbes
H&Mは、スウェーデンのアパレルメーカーである「 H&M Hennes & Mauritz AB」が展開しているファッションブランドです。世界中で利用されており、日本国内にも117店舗存在します。
H&MグループはLinkedIn内で自社のページを作成した後、ブランド認知度を向上させるために広告を活用しました。
スポンサードビデオコンテンツの活用によって視聴者を効果的に惹きつけ、530,000人のユニークユーザーにリーチする事に成功し、5,000人の新規フォロワーも獲得しています。
参考: H&M Group Fashions a Sustainable Brand Marketing Strategy on LinkedIn| LinkedIn Ads Blog
9.まとめ
いかがでしたか?
LinkedInは、ビジネスに特化したSNSであり、他の媒体とは違った魅力があります。
細かいターゲティングはもちろんのこと、低コストで始めやすく、情報に敏感なユーザーにアプローチできることがメリットです。
まだ国内ユーザー数が少ないですが、早い段階から広告配信を始めることで、先行優位を取りやすくなるでしょう。
掲載時には、各広告メニューの特徴についても把握し、自社にあった配信面で訴求することが大切です。