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【これから来る】ゲーム内広告に注目してみた!

更新日:2022年09月29日

【これから来る】ゲーム内広告に注目してみた!

※この記事は2022年9月29日に更新されたものです。内容が古い可能性があります。

近年、広告業界で注目を集めているゲーム内広告についてご存知でしょうか。
マス広告や屋外広告などと比べると、まだ多くの人に認知されていませんが、今後ゲーム内広告の流行が予想されています。

本記事では、ゲーム内広告の特徴やメリット、事例についても詳しく解説していきます。ゲーム内広告について興味がある方はぜひ最後までお読みください。

1.ゲーム内広告とは

ゲーム内広告は、ゲームアプリやオンラインゲームのなかで表示される広告を指しています。

最近ではYouTubeやTwitterなど、SNSの成長が目覚ましく、広告配信媒体としても活用されていますが、ゲーム内広告も注目を集めている広告のひとつです。通常のアプリ面の広告とは違い、ゲームの作中にある広告のことです。

今後、他の広告配信手法と同じように、自社商品を効率的にアプローチするための方法として認知される可能性が高いので、具体的な内容について理解しておくことをおすすめします。

2.ゲーム内広告が注目されている理由

コロナの影響や実況動画の流行などによってゲーム市場自体が成長していることが注目を集めている理由のひとつとして挙げられます。
「ファミ通ゲーム白書」によると、2021年時点の世界でのゲーム市場規模は約21.9兆円と推計されています。

前年比から見ても6%上昇しており、ゲームの需要が高まっていることがわかるでしょう。

また、ゲームの需要が上昇すると同時に、ゲーム内広告の市場も著しい成長を見せています。
「Allied Market Research」という市場調査を実施している企業のデータでは、ゲーム内広告の市場規模は2021年に世界全体で68億ドル(約9,700億円)を突破しました。

スマートフォンの普及もあり、ゲームを身近に楽しめる環境になったことで、多くの人がゲームに触れるようになっています。

今後はゲーム内でも広告配信をすることで、認知度向上につながる可能性が高まるでしょう。
参考:『ファミ通ゲーム白書 2022』が本日(8/25)発売。国内のゲームアプリ市場規模はほか分野を圧倒する結果に|ファミ通.COM
参考:ゲーム内広告市場調査、2030 年| Allied Market Research

3.ゲーム内広告の種類

ゲーム内広告には、大まかに分けて以下のような種類が存在します。

  • スマホゲーム内広告
  • オンラインゲーム内広告
  • プロダクトプレイスメント

それぞれの広告について特徴を解説します。

3−1.スマホゲーム内広告

スマホゲーム内で表示される広告は、さまざまなアプリケーションを通して配信されます。スマートフォンが必要不可欠となった現代では、多くの人にとって馴染みのあるゲーム内広告です。
アプリケーションのなかで表示される広告をさらに細かく分けると「ディスプレイ広告」や「動画広告」に分けることができます。

近年では特に動画広告の需要が伸びており、アプリ画面を移動した際や起動時に表示される「インタースティシャル広告」などが取り入れられています。

3−2.オンラインゲーム内広告

オンラインゲームのマップ上で、現実の屋外広告と同じように自社の製品に関する広告を設置することができます。
主にテレビゲームで取り入れることができる広告なので、日頃からゲームを趣味としている人でないと馴染みがないかもしれませんが、近年注目を集めている広告のひとつです。

利用人口が多いゲーム内で広告を配信できれば、効率的に自社商品・サービスの訴求につ繋げることが可能です。

最近では「将来的に仮想現実にいる時間の方が、現実世界にいるよりも長くなる」という考え方も登場しており、VRゲーム内で広告を配信する手法も関心を集めています。

3−3.プロダクトプレイスメント

プロダクトプレイスメントは、コンテンツ内で実際に存在する商品を登場させる広告手法です。

一般的な広告とは違い、コンテンツ内で自然に取り入れられることが特徴で、ゲームだけでなく、映画やアニメなどでも活用されています。

近年の例として有名なのは、新海誠氏が監督を務めた映画である「天気の子」です。
「天気の子」では、登場人物たちが利用している食材や背景に映る看板など、あらゆるものが現実に存在するものになっていました。

プロダクトプレイスメントを企業が取り入れると、世間で人気な作品の中で自社プロダクトを紹介できるメリットがあります。
有名なゲーム内でプロダクトプレイスメントを活用すれば、ユーザーに対して自社商品を想起させ、購買などのアクションに誘導する機会作りができるでしょう。

4.ゲーム内広告の利点

ゲーム内広告の利点としては、以下3つが挙げられます。

  • 若い層のユーザーにアプローチできる
  • 男女比に大きな違いがない
  • 広告を出すタイミングを図れる

ゲーム内広告を配信することで、どんなメリットを獲得できるのか確認していきましょう。それぞれの利点について解説します。

4−1.若いユーザーにアプローチできる

ゲームを活用する年代として、Z世代が多く見受けられます。

2020年の段階では、13〜19歳男性のオンラインゲーム利用者は65.5%で、20代の場合は57.7%でした。

近年ではマス媒体を活用する若い世代が減ってきているため、ゲーム内広告の活用で若いユーザーへの訴求をカバーすることも可能です。

40代以上でオンラインゲームをする人の割合も20〜40%になっているため、幅広い世代にアプローチできます。
ただし、インターネットの利用者は年代が高くなるに連れて減っていく傾向があるので、ゲーム内広告で60代以上のユーザーに効果的に訴求するのは難しい可能性があります。
参考:全体では24.1%の人が利用、13~19歳なら65.5%も…オンラインゲームの利用実情|Yahoo!ニュース

4−2.男女比に大きな違いがない

ゲームの人口を見ると、男女比の違いに大きな違いがないことが特徴です。

先述したデータを参考にすると、2020年時点での13〜19歳の女性ゲームプレイヤーは40.7%で、20代は43.2%でした。
女性のゲーム人口が増えている理由としては、女性でも楽しめるアプリケーションが増えていることや、女性ゲーマーのYouTuberが参入していることも要因でしょう。

最近では、プロのプレイヤーとして女性が試合に参加し、第一線で活躍する機会も増えています。

人口の男女比に開きがないため、ゲーム内広告ではさまざまなジャンルの製品に関する広告を配信することができます。
参考:全体では24.1%の人が利用、13~19歳なら65.5%も…オンラインゲームの利用実情|Yahoo!ニュース

4−3.広告を出すタイミングを図れる

ゲーム内広告では、広告を出すタイミングを図れるメリットもあります。

一般的なSNS広告の場合、動画視聴や他の人の投稿を見ている際に、強制的に広告が表示されることも往々にしてあります。
ゲーム内広告は、利用者がゲームに勝利したタイミングなど、不快に感じないポイントで広告を表示することが可能です。

「広告を見ることでプレイ時間を延長できる」など、付加価値も付けられるので、ユーザに受け入れられやすくなるでしょう。

5.ゲーム内広告の事例

ゲーム内広告の事例として、以下6つを紹介していきます。

  • ゲームアプリ「Jetpack Jump」
  • MMORPG「真・女神転生IMAGINE」
  • RPG「 Final Fantasy XV」
  • オンラインシューティングゲーム「ペーパーマン」
  • MOBA「 League of Legends」
  • ゲーム内広告制作プラットフォーム「Admix」

事例について把握すれば、ゲーム内広告についてより具体的に理解できます。それぞれの事例について詳しく見ていきましょう。

5−1.ゲームアプリ「Jetpack Jump」

画像引用:App Store

「Jetpack Jump」は、イギリスに拠点を置いている大手のモバイルゲームディベロッパー「Kwalee」が開発したゲームです。
ジェットパックを背負ったキャラクターを操作し、いかに遠くまで飛ばせるかを競います。

単純な操作が魅力で、21カ国においてアプリランキングの3位以内に入りました。Jetpack Jumpでは、リワード広告を導入しており、動画広告を最後まで視聴することで報酬を得られる仕組みを取り入れています。

また、ゲームの合間で自然に挿入可能なフルスクリーンビデオ広告も活用したことで、 CPMとARPDAUが2倍になりました。
ゲームアプリに最適な広告を選択して効果を最大限に発揮させた事例です。
参考:【収益化事例】人気ゲーム『Jetpack Jump』にリワード動画広告を導入、ARPDAUを2倍にしたKwalee|Pangle

5−2.MMORPG「真・女神転生IMAGINE」

画像引用:ケイブ、『真・女神転生IMAGINE』を5月24日をもって終了…9年間にわたる運営に幕

MMOは「Massively Multiplayer Online」の略称で、多人数で集って行うゲームを指しています。
「真・女神転生IMAGINE」は、2007年4月4日にリリースされ、2016年5月24日までサービスが提供されていた人気ゲームです。

真・女神転生IMAGINEのゲーム内では、期間限定で「 TSUTAYA DISCAS」のキャンペーンが行われゲーム中の「第三ホーム」という場所で広告が掲載されました。
東京が舞台ということもあって、ゲームの中で違和感なく広告が馴染み、効果的な訴求を実現しています。

5−3.RPG「 Final Fantasy XV」

画像引用:SQUARE ENIX

「Final Fantasy XV」は、スクウェア・エニックスから2016年11月29日に販売開始されたRPGです。

広大なマップを活かしたゲーム性が特徴で、人気のシリーズということもあり、全世界で売り上げが1,000万本を突破しています。
Final Fantasy XVのゲーム内では、プロダクトプレイスメントの手法が導入されていました。

具体的にはキャラクターたちが利用するキャンプ用品として「コールマン」の商品が使われており、食材で「カップヌードル」も登場しています。特に、カップヌードルは中身を変更できるというカスタマイズ性もあって話題になりました。
Final Fantasyという人気RPGシリーズのゲーム中で自社商品を取り扱うことで、関心を持ってもらうための機会作りを実施できることがわかります。

5−4.オンラインシューティングゲーム「ペーパーマン」

画像引用:パソコン工房

「ペーパーマン」は、株式会社ゲームポットによって運営されていたFPSゲームです。
2016年12月26日に運営が終了していますが、アニメ調のキャラクターや人気声優の起用で人気を獲得していました。

2009年には、ゲーム内で広告を掲載するために1ヶ月間にわたり試験サービスを行なっています。参加した広告主は「株式会社ぐるなび」や「株式会社シマンテック」などの有名企業で、実際に掲載している広告と同様の形式で、ゲーム内で配信を行いました。
PCゲーム市場の急速な成長に伴って、広告配信への注目が高まっていることがわかる事例です。

5−5.MOBA「 League of Legends」

画像引用:『League of Legends』e-sportsタイトル紹介

「 League of Legends」は、アメリカのゲーム会社である「Riot Games」によって2009年に開発されたゲームです。
「 MOBA(Multiplayer Online Battle Arena)」というジャンルに位置しており、リアルタイム形式でチームを組んで戦います。

League of Legendsの大会では、総額にして645万ドル(約9億円)の賞金が設けられたことから世界的に人気を集めていることがわかるゲームです。
League of Legendsの公式e-スポーツの放送内では、ブランディングを施した広告配信が行われており「Mastercard」などの広告が掲載されました。

ゲーム内で表示されるバナーはゲームプレイヤーからは見えないため、ゲームの進行を阻害することなく広告配信が可能です。
また、人気ゲームの試合を視聴するユーザーに向けて効果的な訴求ができるので、認知度UPに繋げられることがメリットだといえます。

5−6.ゲーム内広告制作プラットフォーム「Admix」

画像引用:In-Play広告でゲームの収益を最大化

「Admix」は、ロンドンを拠点としており、VR・ARゲームやスマートフォン向けのゲームに広告配信を行うためのプラットフォームを提供しています。
配信可能な広告のなかには、ただのディスプレイ広告や動画広告だけでなく、ゲーム内に違和感なく溶け込む広告も利用可能です。すでに多くのゲームデベロッパーに活用されており、500以上の開発会社で利用されています。

今までに行なった広告キャンペーンは1,000を超えていて、有名な企業が続々と広告主として参加しました。例として挙げると、Uberやマクドナルド、Googleなどです。
メタバース技術への注目が集まるなか、VR・ARゲームへの広告配信にも多くの企業が期待を高めていることがわかります。

6.ゲーム内広告の課題

ゲーム市場や広告市場の拡大によって注目を集めているゲーム内広告手法ですが、まだ課題点は存在します。

特に大きな課題として挙げられるのは、ゲーム利用者の気分を害さない広告配信ができるかどうかです。
しつこい広告表示によって不快感を感じるユーザーも多いため、ユーザー体験を阻害しないように工夫することが求められるでしょう。

単純に有名なゲーム内で広告を配信できれば良いというわけではなく、ゲーム中の世界観に合った広告を表示することも大切です。
また、オンラインゲーム内などで広告を配信した後、適切な分析が可能なのかも広告主にとっては気になる課題点です。

今後、どのように課題が解決されていくのか、技術的な部分にも注目が集まります。

7.まとめ

いかがでしたでしょうか。

ゲーム内広告はマーケティング業界で注目を集めている広告配信手法のひとつです。

ゲームアプリ内だけでなく、オンラインシューティングゲームなどのマップ内でも実際の屋外広告と同じような形式で表示できます。
また、ゲーム内でより自然に商品をアプローチできるプロダクトプレイスメントも認知度向上に効果的です。

今後、e-スポーツ業界が盛り上がっていくにつれて、ゲーム内で広告を掲載する企業も増えていくでしょう。
広告を出稿する際は、ゲームアプリを運営している会社と提携することが必要になります。

引き続き動向に注目し、参入するタイミングを逃さないことが大切です。

この記事を書いた人

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