国内で多くの人が活用しているLINE広告をマーケティングで導入する企業が増えています。
なかでもLINE広告は、企業が自社商品やサービスをアプローチするのに有用な手法のひとつでしょう。
本記事では、LINE広告の配信面やターゲティング、配信する際のポイントなどもあわせてまるっと解説していきます。
LINE広告とは
LINEはメッセージ機能をメインとするSNSの一種です。皆さんも毎日利用するのではないでしょうか。
どのSNS媒体の中でもアクティブユーザー数は圧倒的で、リーチユーザーは9,300万人を誇り、日本の人口の約7割に相当します。(2023年1月地点)
年齢ごとで見ても利用ユーザーは幅広く、10代~60代以上の幅広いユーザーにもリーチすることが可能な媒体です。
LINE広告のメリットとは?
まず、LINE広告のメリットについて解説していきます。メリットは大きく5つあります。
- 利用ユーザー数が圧倒的に多い
- ターゲティングの種類が豊富
- 掲載面が豊富
- LINE独自のユーザー層をターゲティングできる
- LINE広告を掲載している企業が少ない
詳しく解説していきます。
利用ユーザー数が多い
画像引用:LINE 媒体資料・ガイドラインから抜粋|LINEヤフー for Busines
始めに説明した通り、LINEは誰もが日常的に使用するコミュニケーションアプリのため、利用ユーザーが多いことが一番の大きなメリットだといえるでしょう。
年齢、性別問わずほとんどの人が毎日利用すると回答しており、認知の拡大を目的とし大々的に広告を出稿したい場合は抜群の効果をもたらす可能性が高いです。
ターゲティングが豊富
画像引用:LINE 媒体資料・ガイドラインから抜粋|LINEヤフー for Busines
ターゲティングが多岐にわたることも大きなメリットの1つです。
後述しますが、LINE広告には「オーディエンスセグメント配信」「オーディエンス配信」「類似配信」という3つの主要配信機能が存在しています。
広告配信の目的にあった配信機能で適切なターゲティングを設定することで、配信したいユーザーに広告を配信することが可能です。
掲載面が豊富
3つ目のメリットとして、掲載面が豊富である点があります。
画像引用:LINE 媒体資料・ガイドラインから抜粋|LINEヤフー for Busines
LINE広告の中でも様々な掲載面がありますが、その他にも展開されているLINEマンガやLINENEWSなどのアプリケーションの掲載面もあり、さまざまなアプリの利用ユーザーにリーチすることが可能です。
LINE独自のユーザー層をターゲティングできる
画像引用:LINE 媒体資料・ガイドラインから抜粋|LINEヤフー for Busines
LINE独自のユーザーにリーチ出来ることもメリットと言えます。
その他様々な広告媒体でリーチできる面をカバー出来るのはもちろんですが、スマートフォン利用ユーザーの中でもLINEだけがリーチ出来るユーザーが多く存在していることが上記の図より分かります。
競合が少ない
LINE広告は出稿するまでの作業が難易度が高く、出稿している企業が他のSNS広告に比べて少ない傾向にあります。そのため、競合性が低くクリック単価も低い傾向にあります。
LINE広告のデメリットとは?
様々なメリットのあるLINE広告ですが、デメリットも存在しています。デメリットも理解したうえで広告の出稿を検討しましょう。
- 広告の審査が厳しい
- 広告出稿までに時間がかかる
- 拡散する力が弱い
下記で詳しく解説していきます。
広告の審査が厳しい
後ほど詳しく解説しますが、他の広告媒体と比べて審査基準が厳しく、広告配信が出来ない商材が多くあります。
また、バナーの審査も厳しいため、バナーの入稿をしてみたところ、審査に落ちてしまい広告が配信出来ない、なんてこともあり得ます。
広告(特にクリエイティブ)は必ず審査基準を確認し作成に取り掛かることが望ましいと言えるでしょう。
広告出稿までに時間がかかる
LINE広告は入稿してから広告審査が終了するまでに5日営業日を有しており、他の広告媒体に比べて時間がかかる傾向にあります。
広告を配信する際は余裕を持って入稿するようにしましょう。
拡散する力が弱い
LINE広告はLINEが提携している配信面のみの広告の掲載になるため、拡散する力が弱い傾向にあります。
Facebook広告であればオーディエンスネットワーク、Twitter広告であればリツイートなどで広告がある程度拡散されますが、LINE広告は拡散力が弱いことも踏まえておきましょう。
LINE広告のターゲティングの種類は何があるの?
LINE広告ではターゲティングの種類が豊富であることがメリットとしてあげられていましたが、どのようなターゲティングの種類があるのでしょうか。
- オーディエンスセグメント配信
- オーディエンス配信
- 類似配信
下記で詳しく解説していきます。
オーディエンスセグメント配信:セグメントを指定する
まずはオーディエンスセグメント配信についてです。
地域や年齢や属性などのデモグラフィック配信や、興味関心のカテゴリー、ユーザーの行動などがこのセグメントに該当します。
詳しくは下記のようなターゲティングを指定することが可能です。
オーディエンス配信:行動データを活用する
オーディエンス配信とは、オンライン上でユーザーが取った行動データをもとにオーディエンスを作成して、既に接点のあるユーザーに配信をすることが可能です。
例えば、購入履歴のあるユーザーデータをアップロードしオーディエンスを作成して、リピータ―に向けて広告を配信したり、逆に購入履歴のあるユーザーを除外して広告の配信をすることも可能です。
ターゲティング可能なものは下記になります。
類似配信:似ているユーザーに配信
指定したオーディエンスと類似するユーザーをLINE内から新たに探し、オーディエンスサイズを拡張した状態で広告配信する機能です。
例えば、申し込み履歴のあるユーザーをオーディエンスリストとして作成し、類似配信をすれば、申し込みをしたユーザーに似ているユーザー(興味関心などが似ているとLINE内で判断)=申し込みをする確率の高いユーザーに広告を配信することが可能です。
新規ユーザーの開拓などに有効的であると言えます。
類似配信は「自動」か「手動」かで選ぶことができ、手動の場合は「類似濃度」というものを選ぶことができます。
「類似濃度」とは、オーディエンスのサイズを表しており、1%~15%まで選択が可能です。
1%であればターゲットとなるユーザー数は少なくなりますが、類似度が高くなり確度の高いユーザーとなります。
逆に15%であれば、ターゲットとなるユーザーが多くなりますが類似度は低くなります。
配信の目的にあわせて類似濃度を調節していくのが望ましいと言えます。
LINE広告の配信面は何があるの?
LINE広告の配信面にはどのようなものがあるのか解説していきます。
配信面ごとの名称、配信面の場所を図にしてまとめました。
画像参考:LINE広告配信面|LINEヤフー for Business
LINE広告の広告フォーマットとクリエイティブサイズ
LINE広告の広告フォーマットとクリエイティブサイズについて解説していきます。
Card
Cardは横長の形式で表示され、静止画(1200×628ピクセル)と動画(画面比率16:9)のフォーマットとなっています。
トークリストやLINEVOOMやLINENEWSなど多くの配信面に対応しているフォーマットです。
画像引用:【LINE広告】クリエイティブの制作│配信面やサイズについて|LINE for Business
Square
Squareは正方形の形式で表示され、静止画(1080×1080ピクセル)と動画(画面比率1:1)のフォーマットです。
Cardと同様、トークリストやLINEVOOM、LINENEWSなどの多くの配信面に対応しています。
画像引用:【LINE広告】クリエイティブの制作│配信面やサイズについて|LINE for Business
Vertical
Verticalは動画専用(画面比率9:16)で、画面の占有面積が大きいフォーマットになっています。
LINEVOOM上では比率が3:4となり上下が切り取られた状態で表示されるため、画面の下の部分に文字を入れる際は注意が必要です。
画像引用:【LINE広告】クリエイティブの制作│配信面やサイズについて|LINE for Business
カルーセル
スライド式で画像を最大10枚まで記載可能なフォーマットです。
掲載面は限られていますが、1つの枠に複数枚の画像がセット出来るので、ストーリー式にしたい場合や複数の商品を出したい場合に有効です。
画像引用:【LINE広告】クリエイティブの制作│配信面やサイズについて|LINE for Business
Small Image(画像小)
Small ImageはLINEアプリのトークリストの上部やLINENEWS、LINE広告ネットワークで表示されるフォーマットです。
アクティブ率の高いトークリストで表示されるため、細かな文字やイラストは避け、シンプルで分かりやすいクリエイティブにすることが重要です。
なお、2022年10月以降スモールイメージでは静止画のみではなく、静止画を複数枚入れて表示させるアニメーション広告フォーマットもリリースされており、動きのある広告を出すことが可能です。
画像引用:【LINE広告】クリエイティブの制作│配信面やサイズについて|LINE for Business
LINE広告のキャンペーンの目的には何がある?
LINE広告のキャンペーンの目的は以下のようなものがあります。
参考:キャンペーン目的別設定ガイド|LINE for Business
広告を配信する目的にあわせてキャンペーンの目的を設定しましょう。
自動で配信!Dynamic Adsの活用も可能!
LINEダイナミック広告は、ユーザーの行動履歴に基づいて、興味関心にマッチした広告を自動で配信する広告です。
画像引用:LINE Dynamic Adsを利用する|LINE for Business
リターゲティングのみならず、特定のWebサイトに訪れたユーザーに類似している属性を持つユーザーへのリーチも可能です。
他のSNSではリーチできない新規獲得でも効果が見られるとのことです。
詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください!
LINE広告の費用について
LINE広告を出稿する際の費用感についても解説していきます。
LINE広告の課金方式
LINE広告の課金方式はクリック課金、インプレッション課金、友だち追加の3つに分かれています。
LINE広告の入札方法
LINE広告の入札方法は自動入札と手動入札があり、広告の配信対象や目的によって使い分けることが重要です。
確実にコンバージョンを獲得したい場合は入札を高めに設定することが可能な手動入札が望ましいと考えられますが、経験値も必要になるため、運用の初心者は自動入札を適応することが望ましいと言えるでしょう。
キャンペーンの目的別入札単価
キャンペーンの目的別にどのような課金形態になるのかを一覧でまとめました。
最低設定価格なども規定があるため、守ったうえで設定するようにしましょう。
LINE広告の掲載不可であるもの
LINE広告は審査が厳しいと始めの方でもお伝えいたしましたが、出稿出来ないサービスが存在しています。
確認してから出稿を検討することをおすすめします。
参考:LINE広告審査ガイドライン|LINE for Business
LINEに向いている商材
LINE広告を出稿する場合、どのような商材と相性がいいのでしょうか。LINE広告が向いている商材としては、以下の2点の条件に該当するものが良いでしょう。
・申し込みや購入までのハードルが低い
下記で詳しく解説していきます。
ターゲットユーザーの幅が広い
SNSの中でも、利用ユーザー数が多いLINEは幅広い多くのユーザーに広告を出せることが強みです。
その強みを活かすには、ニッチで一部のユーザに特化している商材よりも、どの年齢でもターゲット層になりうる商材に向いています。
申し込みや購入までのハードルが低い
普段連絡ツールとして活用されるLINEでは、ニーズが顕在化されていない潜在層のユーザーを狙うことが望ましいです。
検討期間が長くなるような商材では効果が出にくい傾向にあります。申し込みのハードルが低かったり、比較的安価で気軽に購入できる商材が向いていると言えます。
LINE広告のコツ
LINE広告を運用するうえでのコツはなに?と考えている方も多いのではないでしょうか。
今回は、弊社で運用をして出た、運用のコツについて解説していきます。
アクションを促せるクリエイティブの作成を目指す
なんといってもLINE広告はクリック率を向上させることがポイントです。
小さな画面で、しかも小さな面で広告を配信するので、分かりやすくアクションを促せるクリエイティブを作成することが重要となります。
そもそもクリックが発生していないと効果に繋がりにくい広告であるとLINE広告に判断され、広告が表示されにくくなってしまいます。
そのためにも、LINE広告で展開されている良いクリエイティブの3つの条件を紹介します。
①まず、指先を止めてもらえる
LINE広告は、LINEアプリや各種ファミリーサービス内の配信面に広告が表示されるため、ユーザーがスマホの画面をスクロールする中で指先を止めて貰えるかどうかが重要です。
ビジュアルがありがちで退屈なものになっていないか、同じ画面内に表示される他のコンテンツに埋もれないようなインパクトが重要です。
②パッとみてわかる、印象に残る
LINE広告は配信面によっては小さく表示されたり、デフォルトの色が白いため、要素を詰め込み過ぎず、且つ目立つ色味で視認性を高めることが重要です。
伝えたいメッセージが混在していたり、雑多な印象を与えたりするクリエイティブはNGと言われています。
③ユーザー起点のメッセージ
テキストやビジュアルの表現が「共感できるもの」になるように意識することが大切です。
「自分ごと」として捉えられない、出稿側の意図ばかりが目立つクリエイティブはタップされにくいです。
クリエイティブに含めるメッセージは必ずユーザー起点にし、その課題を捉えたメリットを感じられる内容にすることが重要です。
広告配信の初動はデモグラフィック配信にする
LINE広告のターゲティングに活用されているオーディエンスデータは、以下の情報以外は「みなし属性」となっています。
・アプリ起動時の位置情報(許可したユーザーのみ)
・購買経験(個人を特定しない形式)
・携帯キャリア・OS
そのため、LINE広告の初動は年齢や性別、地域など、最低限のターゲティング設定を行うことをおすすめします。
「みなし属性」とは、LINEファミリーサービスを利用する際にユーザーが任意で入力した性別・年齢・エリア情報・LINEコンテンツ内での行動履歴をもとに分類したものです。
LINEの登録は電話番号のみで可能であるため、実名登録をするFacebookに比べるとターゲティング精度は劣ってしまいます。
そのために、ターゲティングを配信初動から絞り込んでしまうと、機会損失になってしまう可能性があるのです。
自動最適化配信を活用する
自動最適化配信を活用すると、機械学習によって自動的に入札の最適化が行われます。
目標に向けて自動的に調整してくれるため、初めてLINE広告を使う人には活用がおすすめです。
審査のガイドラインを確認しておく
LINE広告の審査ガイドラインでは、広告配信ができないジャンルの説明や、薬用・化粧品などの表示について記載がされています。
ガイドラインを参考にすると、宗教やギャンブル、アダルト関連の広告は出稿できません。
また、医薬品ではないものに対して治療や回復などの表現を使ったり、安全性や効果を絶対的に訴える表示も禁止されています。
広告の作成をしても審査に通らなければ意味がないため、事前に規約を確認をしてから審査を受けることがおすすめです。
PDCAを回す
LINE広告は特に検証のスパンが短い広告です。
複数のクリエイティブを配信し、クリック率や遷移率、獲得率などの分析と改善を繰り返していくのが望ましいです。
勝ちパターンを見つけることができれば広告配信の効率はぐっと高まります。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は、LINE広告のメリットからフォーマット、運用のコツまでまるまる解説していきました。
LINE広告はリスティング広告やFacebook広告とは違い、専用でクリエイティブの作成などをする必要があります。
効果的なクリエイティブを作成し、LINE広告で成果を出していきましょう!
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