昨今、Webマーケティング業界を賑わしているものでITP問題があります。計測問題、Web広告の効果不良など幅広い場面で影響をもたらしておりますが、その中でもリターゲティングの配信影響が非常に大きく出ております。
リターゲティングとは、一度企業様のページに訪れたユーザーに対して広告を配信するため確度の高いユーザーへ的確にアプローチすることができるため、取りこぼしユーザーの獲得として非常に有効的と考えられております。
今回はリターゲティング広告の効果が鈍化している中で、リターゲティングに代わる効率の良い顧客データを活用したWeb集客について具体的にまとめさせていただきます!
1.顧客資産を活用することが注目されている背景
突然ですが、みなさんは携帯電話は何を使っていますか?
iPhoneユーザーが大半を占めるのではないでしょうか。筆者はみんながiPhoneを使っているので、違う機種を使ってやるという考えのもとiPhone経験0年です。笑
そんなことはさておき、Webマーケティングをご担当されているのであれば、ITP問題について聞いたことがあると思います。ITP問題については下記の記事をご覧ください。
このITP問題の影響をさらに加速させたのがiOS14のアップデートになります。iOS14のアップデートで何が起きたかというと、大きく3つあります。
・バウンストラッキング対策が搭載
・アプリ内のウェブ表示にもITPが適用される
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つまり、ITPがより一層徹底されるようになってしまったのです。
iPhone利用ユーザーは、日本の携帯所有者全体に対して約6割を占めるといわれております。そういったユーザーに対して、Cookieが取れないや計測不備、情報をとることができず、効率のいい広告配信ができないなど起きてしまうと大きな影響をもたらすのは言わずもがなかと思います。
実際に弊社の実績を交えてお話できればと思います。今まで獲得効率が良かったリターゲティングの効果ですが、こちらをご覧ください。
リターゲティングのCV数が約65%減少しております。ディスプレイ広告を行うならまずはリターゲティングからのように、各社リターゲティング配信に依存しているのではと思います。
弊社もリタゲに依存していた広告集客で、2019年9月に関してはリタゲの配信が約3割占めておりました。
ただ、2020年9月のデータを見るとリターゲティングの配信割合が10%も満たない状態になっております。
そのような中で、リターゲティングに代わり効率のいい広告配信が求められ、顧客資産を活用した広告配信が注目されている背景となります。
2.顧客資産を活用とは?
では、顧客資産を活用するとはどういったことでしょうか。
企業が保有する顧客データを活用したWebマーケティング戦略のことです。つまりは、企業が保有する顧客資産をCRMで細かく管理して、DMPやCDPなどを活用して広告配信していくことです。
たとえば、メールアドレス、電話番号、いつ顧客になったか、LTVなど各社にとって優良顧客の基準や、アプローチをかけていきたいターゲットなど顧客データがあるからこそ見えてくることがあると思います。
ただ、そもそも顧客管理を基本情報しか管理しておらず、ほったらかし状態になってしまっているのであれば、まずは整理を行顧客データを分析することから始めることをおすすめします。
3.顧客資産を活用した広告配信方法
顧客データを活用した広告手法をアドレサブル広告と呼びます。要は、皆様が保有する顧客データと媒体が保有するユーザーデータを連携させます。
配信方法としては、大きく3つあります。
3-1.直接マッチしたユーザーに対して配信する方法
各社が保有している顧客データ(一番活用されるメールアドレスで統一)と媒体が保有しているデータが紐づいたユーザーに対して広告配信することができます。
たとえば、ECなど一度購入につながったユーザーに対して、別商材の購入などのアップセルクロスセルなどに使い、LTVを高める際に使ったりします。
3-2.マッチしたリストの類似配信
類似配信は一番使われる配信方法ですね。類は友を呼ぶのように、顧客の類似は顧客になりやすい傾向があります。お客様の属性に近い人はお客様になりやすいと考えられます。
たとえば、不動産投資のターゲット層でよく話に上がるのは高属性(年収1,000万以上、ローンの状況、職業等)の集客を如何に効率よく行えるかが重要になります。その中で、実際にご契約に繋がったユーザーの顧客データを活用することができれば、効率よく広告配信する事ができます。
マッチしたリストの類似配信は非常に可能性があり、リストの切り方によってはアプローチするユーザーとそれに合わせてクリエイティブを変えて広告配信する事ができたりするので、顧客管理が非常に重要になるのです。
3-3.マッチしたユーザーの広告配信除外
お客様になった方への広告配信が無駄になってしまうケースがあります。そういった場合に事前に除外を行うことで、広告費の無駄配信を行うことを防ぐことができます。
たとえば人材会社で、一度会員登録されたユーザーへの広告配信は必要ありません。その場合はマッチしたユーザーへの広告配信除外を事前に行っておくことが広告配信の効率化に繋がります。
4.事例
ここで具体的な事例を用いてお話できればと思います。自動車販売のケースを事例に説明していきます。
パターン①対象ユーザーのCVを増やしたい
自動車の購入を検討しているユーザーでも、対象ユーザーは限られます。ここの自動車販売の集客の事例でいくと、車の単価は300万~1,000万です。
年収が高い層ではないと車の購入には繋がりません。
パターン②顧客単価の高いCVを増やしたい
優良顧客を広げていく集客方法です。過去の購入の中で500万以上の車を購入したユーザーのリストを活用します。
また、高級車に興味関心ある層の類似配信を行う事ができれば顧客単価の高いユーザー層への獲得を効率よく行えます。
パターン③とにかくCVを増やしたい
こちらはとにかくCVを増やすための取り組みになるため、3年間でお客様になった前リストを活用して類似配信を行います。
ある程度の顧客数が無い場合はパターン③から始めていくことを推奨します。
5.まとめ
いかがでしたか。
リターゲティングの効果が悪くなっている中、さらに獲得効率の良い広告集客方法が重要になります。各社媒体のターゲティング精度が高まっている中で、類似配信の効果も非常に高まってきております。
顧客データをうまく活用することができれば広告配信の効果も担保することができるため、まずは顧客管理をしっかりと行い、データをうまく広告集客に活用することが今後の効率の良い集客の要になると考えます。