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【最新】3分で分かるITP2.3|広告マーケ担当者が知っておきたいことまとめ

2020年01月23日

【最新】3分で分かるITP2.3|広告マーケ担当者が知っておきたいことまとめ

広告のターゲティング、そして成果計測はどうなってしまうのでしょうか。

2019年9月、AppleはITPのアップデート版であるITP2.3を発表し、iOS 13のSafariを始めAppleが提供するブラウザに順次実装されています。
これにより、Cookieを使ったトラッキング行為は更に制限されています。

ITP2.3で新たに規制された範囲、各広告媒体の対応状況、今後予想される動向などをご紹介します。

「とにかく要点だけを知りたい!!」という方は、目次からまとめに飛んでみてください。

1.おさらい:ITPとは

ITP2.3の詳細の前に、ITPについて振り返ります。

1-1.Appleのプライバシー保護機能

ITPとはIntelligent Tracking Preventionの略で、AppleがSafariに搭載しているトラッキング防止機能です。
Appleがこれを行うのは、インターネット広告のターゲティングに高まる嫌悪感・不信感から、ユーザーのプライバシーを守るという意図があります。

GoogleやFacebookなど、広告目的のトラッキングによって収益を獲得している他のGAFA勢力への挑戦とも言えるでしょう。

1-2.日本におけるITPの影響度

ITPの対象となるのは、Safariブラウザでインターネットを閲覧しているユーザーです。
この割合が少なければ、計測における影響も小さいと言えます。

現在の国内スマートフォンのブラウザシェアを調べてみた結果が以下です。

国内のブラウザシェアはSafariが63%と圧倒的に多いことが分かります。
つまり、ITPの影響はスマートフォンに配信する全体の6割以上に及ぶため、計測数値が大きく変わることが予測できます。

対策があればぜひ導入したいものです。

1-3.トラッキングとは

そもそもトラッキングとは何だったでしょうか。
なんとなく分かった気でいても、明確な定義は分からないという人は少なくないと思います。

トラッキングの意味は以下のとおりです。

トラッキング(Tracking)とは、特定の情報収集を目的に、人の行動やシステムの挙動、データの推移などを継続的に追跡することを指します。

参考:トラッキング(Tracking)|アドインテ

コンバージョン計測や、リターゲティングなどの“行動ターゲティング”には、この「トラッキング」を行いユーザーデータを収集する必要があります。

そしてITPとは、Appleがユーザーのプライバシーを守るために実施された、広告を目的としたユーザー行動データの収集を規制する、という機能です。

では、どのように規制をするのでしょうか?
このとき“Cookie”という言葉を理解する必要があります。

1-4.Cookieとは

Cookieとは、Webサイトから発行されるアクセス情報のことです。
テキストファイルとして送信され、ユーザーのデバイスに蓄積されます。


例えば、一度ログインしたページにもう一度アクセスしたとき、ログイン作業が省略されることがあります。
これはログインページのCookie情報を利用して、直近でログインしたユーザーに配慮しているのです。

ECサイトのカート機能なども、Cookieを活用したものが多いです。

一方で、広告のコンバージョン計測や、リターゲティングにもCookie情報が用いられています。
つまり、ITPではトラッキングを規制するためにCookieを削除する必要があります。
この削除する条件や範囲がITPの問題となっています。

また、Cookieにも大きく分けて「1st party cookie」と「3rd party cookie」の2種類があります。
カンタンにまとめると、

  • 自社サーバーから発行されるCookie = 1st party cookie
  • 第三者サーバーから発行されるCookie = 3rd party cookie

となります。

Cookieとトラッキングについては、以下の記事も参考にしてみてください。

参考:今さら聞けない【Cookieとトラッキングの仕組み】について

2.ITPによる規制範囲の変遷

これまで、ITPは1.0→1.1→2.0→2.1→2.2→2.3と度重なるアップデートがあり、その度削除対象となるCookieの範囲を広げてきました。
その変遷を見ていきましょう。

バージョン 発表日 内容
ITP1.0 2017年9月 ・3rd party cookieが制限
過去含めサイト内遷移なし→発行から24時間後に無効 30日後に削除
ITP1.1 2018年3月 ・3rd party cookieの制限強化
過去にサイト内遷移があっても、そのセッションで遷移がなければ24時間後に無効
ITP2.0 2018年9月 ・3rd party cookieの制限強化
サイト内遷移なし→即時削除
・1st party cookieも制限
4つ以上のドメインからリダイレクトされている→3rd party cookieと同じく削除
・トラッカーへのリファラ制限
トラッカー(トラッキングする第三者)と判定された場合、Cookieのリファラ情報が削除
(e.g. http://example.com/service/listing-ads.html → http://example.com)
ITP2.1 2019年3月26日 ・1st party cookieの制限強化
JavaScriptを利用する場合、最大有効期限が7日に短縮
ITP2.2 2019年5月13日 ・1st party cookieの更なる制限強化
JavaScriptを利用する場合、最大有効期限が1日に短縮
ITP2.3 2019年9月10日 ・1st party cookieの制限を更に強化
・localStorageも制限
localStorageの情報も1st party cookieと同じく制限

発表時期を見ると、加速度的にアップデートされているのが分かります。
【トラッキングを規制したいApple】対【規制をすり抜けてトラッキングしたいアドテク業界】の戦いが激化していますね。

2-1.ITP1.0

最初に発表されたのは3rd party cookieの制限のみで、「過去含めサイト内遷移なし→発行から24時間後に無効」、また有効・無効を問わずCookieは30日後に削除されるというものでした。
つまり、過去訪問履歴のないドメインのLPから直帰したとき、セッション終了後に3rd party cookie情報が削除されます。

2-2.ITP1.1

1.0の制限が強化され、過去の訪問があっても直帰ユーザーの3rd party cokkieは24時間後に削除されます。

2-3.ITP2.0

ITP2.0で大幅に変更がありました。
3rd party cookieは直帰した場合即時削除。
サイト内遷移がないユーザーはリターゲティングが実質不可能となります。

更にそれだけでなく、本来は広告トラッキングのために使うことのない1st party cookieも規制の対象になり始めます。
なぜかと言うと、当時のITP1.1環境下では、リダイレクトを行い、あたかも1st party coolie かのような3rd party cookieを生成するという方法でトラッキングを行った広告媒体・計測ツールが多かったからです。

また、サイト解析のデータ集計時、トラッカー判定されたアクセスはリファラ表示をドメイン以降削除されます。

この辺りから広告媒体側とのイタチごっこが加速していきます。

2-4.ITP2.1

2.1では、1st party cookieの中でもJavascriptを用いたものの有効期限が7日まで短くなりました。

2-5.ITP2.2

同じくJavascriptを用いたものの有効期限が1日まで短縮されています。
ここまでくると、Safariブラウザでのリターゲティングが相当難しいのが分かります。

3.ITP2.3での新たな規制対象

このように、ITP2.2でも十分厳しい規制がされていますが、ITP2.3では以下の条件を追加しました。

3-1.ローカルストレージの制限

一部の広告媒体では、Cookieの代わりにlocalStorageというでデータを使うことでトラッキング情報を補っていました。
ITP2.3では、それらCookie以外のストレージデータも最大7日間で無効としました

代替案も即時潰しにかかるアップルの本気度が伺えます。

3-2.リファラーのダウングレード

サブドメイン間の遷移が行われた場合、今まで取得できていたサブドメインの情報がITP2.3環境下では取得できなくなります

リファラー情報がダウングレードする例

https://sub.social.example/some/path/?clickID=0123456789
から流入したとしても、リファラーで取得できる情報は
https://social.example
となり、取得できるサブドメインがダウングレードされる。

参考:ITP2.3の登場(1〜2.x 総まとめ)随時更新!

このように、計測の抜け道を塞ぐように規制を強めているのです。

4.広告媒体・計測ツールでの対応状況

この状況に、広告媒体側はどのような対応をしているのでしょうか。

4-1.Appleに同調

Googleはこれまで「クリックID」やタグマネージャーの「コンバージョンリンカー」を使用することでITP対策をとってきましたが、遂に3rd party cookieの使用を取りやめることを発表しました
2022年までに3rd party cookieの使用を停止するため、Googleは新たなコンバージョン計測技術を開発中だと言われています。

参考:グーグル、広告向け「クッキー」利用打ち切りへ-アップルに追随

AppleとGoogleという、IT界の2大巨人が「3rd party cookieを止めます」と言い出したら、ほかの広告媒体社も追従していくしかありません。
これから数年掛けて、3rd party cookieを使用しないコンバージョン計測がスタンダードになっていくことでしょう。

4-2.CNAME対応で計測

これだけ厳しい扱いとなった広告トラッキングですが、まだ抜け道があったのです。
1st party cookieが制限される条件は、先述のとおり「Javascriptによって生成された」Cookieです。
自社サーバーから直接発行される1st party cookieであればITPの影響を受けません

これを受けて、アトリビューション計測ツール「ADEBiS」や、DSP「Criteo」で実装されているのが「CNAME対応」です。

自社サーバーのDNS設定を行うことで、完全に現ITP環境を克服することができています。
画像参考:CNAMEを利用したトラッキング方式のご提供

コンバージョン数を正確に計測したい場合は、このCNAME対応を行える計測ツールを利用するのが良いでしょう。

しかし、ツール上で計測できたとしても、各広告媒体はITP環境下であるため、コンバージョンによる自動最適化はやはり部分的なデータしか取得できないことになります。

そのうえ、いつAppleがまたITPをアップデートして、CNAME対応の対策をしてくるか分かりません
“その場しのぎ”とまでは言いませんが、長期に渡って安心して計測できる方法とも断言できません。

※「A8」などのASPでもCNAME対応が順次進んでいるようです。
成果報酬のアフィリエイト関係者にとっては死活問題ですよね……

5.まとめ

ITP2.3の概要は以下のとおりです。

  • ITPは、Appleがユーザーのプライバシー保護を目的としたトラッキング防止機能
  • ITP2.3では、Cookieの代替策である「localStorage」も1st party cookieと同等の扱いに
  • ITP適応環境下ではサブドメインのリファラー情報が部分的に取得できなくなる
  • AppleだけでなくGoogleも3rd party cookieの使用を取りやめ予定、次世代の定番となるか
  • 社内サーバー情報を書き換える「CNAME対応」で一部のツール、広告ではITP下で計測が可能

現在のITP環境下で、完璧にコンバージョン計測を行う術はもうない、と言って良いでしょう。
アドエビスのCNAME対応を行ったり、実際の顧客データをより詳細に分析できるよう取り組むなど、空いたデータの穴を保管する必要があります。

また、Googleが新たなコンバージョンの計測方法を開発した場合、広告主側も何らかの対応を迫られる可能性があります。
常に最新情報を見逃さないよう、IAラボをチェックしていただけると幸いです!

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