自社の商材やサービスを訴求するにあたって、Web広告を活用する企業は増加傾向にあります。
ただ、Web広告といってもその種類は多岐に渡り、スマートフォンの普及やSNSの浸透、動画視聴の活性化などの背景もあり、出稿できる媒体やメニュー、種類も多様化していることから自社の目的に合った広告手法の選定に悩まれる担当者も少なくありません。
Googleのリスティング広告は、数あるWeb広告の中でも最も一般的な手法です。
クリック課金型の仕組みや出稿までの手軽さ、即効性の高さなどもあり、業種業態問わず多くの企業で導入・活用されています。
そこで今回は、Googleのリスティング広告の概要や始め方、成功に導くコツなどについて、初心者でも分かりやすくポイントを中心に紹介していきます。
Googleのリスティング広告とは?
Googleのリスティング広告は、その名の通りGoogleの検索結果の中で、ユーザーが検索したキーワードに連動した形で検索結果画面の上部や下部に広告を表示させることができる手法となります。
検索連動型広告や、PPC(Pay Per Click)などとも呼ばれ、ユーザーがクリックして初めて課金対象となるクリック課金型の広告手法です。
近年のインターネットにおけるユーザー行動は、AISAS(注意→興味関心→検索・情報収集→購入→共有)モデルに代表されるように検索・情報収集が重要な意味を持ちます。
BtoBやBtoC、業種業態問わず何か情報を探す際にはGoogle検索を活用するケースは多くなります。
Googleのリスティング広告は、その検索結果画面の上部や下部に広告を表示させることができるため、比較的見込や感度の高いユーザーに対してアプローチすることが可能です。
このような顕在層に効率的に訴求できれば、その後の購入や申し込みといったコンバージョンにもつながりやすくなります。
そのため、一般的にGoogleのリスティング広告は、他のWeb広告の中でも費用対効果の高い広告手法とも言われています。
Googleのリスティング広告の仕組み
次に、Googleのリスティング広告について押さえておくべき仕組みについて紹介していきます。
効果を最大化させる上で、まずは以下の仕組みを正しく押さえておくと効果的です。
Googleのリスティング広告の課金形態
Googleのリスティング広告は、自社の広告がユーザーにクリックされて初めて課金対象となるクリック課金制となります。
そのため、逆にいうといくら広告が表示されたとしても、クリックされない限りは費用が発生することはありません。
1クリック当たりのコストは、キーワード単位にて広告主側で上限を設定することが可能です。
とはいえ、入札単価を高くしたからといって、検索結果画面の上部に多く表示される訳ではなく、逆に入札単価を低くしたとしてもキーワードによっては上部に効率的なクリックにつなげることも期待できます。
クリック単価はキーワードに応じて競合他社との入札になるため、絶えず状況を見ながら調整していくことが重要です。
自社の広告の表示順位が決まる仕組み
Googleのリスティング広告は、様々なキーワードでユーザーが検索した際のGoogle検索結果に表示されます。
通常、上部の広告表示枠は検索結果画面の3つ程度となるため、上位に表示されればその分だけユーザーの目にふれる可能性が高まります。
この広告の表示順位は、Googleが定める広告ランクによって決定され、その内訳は以下となります。
「広告ランク=入札単価×品質スコア」
入札単価とは、広告主が1クリック当たりに支払ってもいいと考える上限のコストで、広告主側で設定することが可能です。
一方で、品質スコアとは、キーワードとの関連性や広告文のクオリティ、推定されるクリック率などGoogleが定める品質に関する指標で、1から10までの数値で表され、高いほど品質スコアが高いということになります。
このような背景から、単に入札単価を上げれば上位表示される訳ではなく、キーワードに応じて最適な広告文やリンク先との関連性なども追及していく必要があります。
Googleのリスティング広告を行うメリット
続いて、Googleのリスティング広告を行うメリットについて紹介していきます。
Googleのリスティング広告は、導入・運用することで以下のようなメリットを受けることが期待できます。
コンバージョン獲得につながりやすい
概要でもふれたように、Googleのリスティング広告は、顕在層に対してアプローチすることができるため、より自社の商材やサービスの購入や申し込みといったコンバージョンにつながりやすい特徴があります。
もちろん、抽象的なキーワードで広告出稿することで、認知度拡大やブランディングを目的とした運用も可能です。
とはいえ、費用対効果を高めるのであれば、ユーザーの悩みやニーズ、最終的な決断を促すような具体化したキーワードで広告出稿していくことで、コンバージョンにつながるユーザーを確実に刈り取ることができます。
特に、自社の商材名やサービス名、ブランド名などで検索したユーザーは、自社の見込顧客になり得る可能性が高い傾向にあります。
そのため、Googleのリスティング広告で出稿しておくことも効果的です。
少額からでも出稿可能
Googleのリスティング広告は、少額からでも出稿することが可能です。
テレビCMや雑誌広告、Web系の純広告などでは、掲載期間や時間、枠のサイズなどに応じて最低金額が10万円や100万円以上かかる場合もあります。
これに対してGoogleのリスティング広告では1円から始めることができます。
ひとつ前の顕在層に対してアプローチすることに加え、少額からでも出稿できる点は、中小企業やベンチャー企業などにとっては活用しやすく、多くの企業が初めて行うWeb広告として導入・運用している傾向にあります。
即効性が高く、すぐに開始することも可能
Googleのリスティング広告は、後述する設定方法を行うことで、最短即日で広告配信を行うことが可能です。
企業によっては急なキャンペーンや割引情報、イベントやセミナーの開催などが決まる場合もあります。
このような場合の集客を考えた際に、Googleのリスティング広告は即時性や即効性が高いことから効率的に活用することができます。
紙のチラシやその他のWeb広告などでは、バナーや動画などクリエイティブ素材を用意する必要がありますが、Googleのリスティング広告ではテキスト広告が中心となるため、すぐに用意することも可能です。
このような点もGoogleのリスティング広告の魅力の一つです。
Googleのリスティング広告を始めるためのステップ
Googleのリスティング広告を始める場合には、基本的に以下の手順で設定していく必要があります。
②Google 広告アカウントの開設
③広告キャンペーンの作成
④広告グループの作成
⑤キーワードの設定
⑥広告文の作成
⑦リンク先URLの設定
⑧広告表示オプションの設定
上記の手順で設定を行った後、Google側から設定した内容に関して審査が入ります。
この審査を通過すると、Google検索結果に自社の広告が表示されるようになります。
Googleのリスティング広告を成功させるためのコツ
最後に、Googleのリスティング広告を成功に導くコツについて紹介していきます。
Googleのリスティング広告は、基本的には顕在層に対してアプローチすることができますが、闇雲に設定したキーワードで広告出稿しても効果にはつながりません。
最低限、以下のポイントは押さえておくと効果的です。
キーワード選定にこだわる
Googleのリスティング広告は、クリック課金型のため、クリックされなければ費用はかかりません。
とはいえ、闇雲に多くのキーワードで広告出稿していると、思わぬキーワードで無駄なクリックが行われ、余計なコストが増えてしまう可能性も起こり得ます。
Googleのリスティング広告で広告出稿するキーワードにはマッチタイプと呼ばれる設定が可能です。
例えば、「美容院 渋谷」というキーワードでGoogleのリスティング広告出稿を考えた場合、マッチタイプ別の違いは以下となります。
このように、Googleのリスティング広告では、マッチタイプを上手く活用することで、余計なコストを未然に防ぎ、効率的にユーザーに訴求することが可能です。
いきなり多くのキーワードを闇雲に設定するよりも、範囲やマッチタイプなどを絞った上で効果検証を行い、運用しながら徐々に広げていくなど改善につなげていくと効果的です。
広告文にもこだわる
Googleのリスティング広告は、テキストによる広告文が表示される仕組みとなります。
そのため、いかにユーザーの興味を惹く広告文を作れるかが重要なポイントとなります。
広告文はタイトル(見出し文)と説明文によって構成されます。
文字制限がある中で、自社の魅力や強みを訴求するためには、キャッチコピーなどにこだわり、パワーワードなどを組み込みながら構成していくと効果的です。
また、出稿キーワードと同じ単語が広告文の中にあれば、太字表示されユーザーに強調して伝えることが可能です。
このような特性も上手く活用していくと効果につながる可能性も高まります。
広告表示オプションを活用する
Googleのリスティング広告には、広告表示オプションという機能が用意されています。
これを活用することで、広告文の下に遷移先のURL以外にも電話番号などを表示させることも可能になります。
近年、スマートフォンの普及に伴いスマホ経由で情報を検索するケースも少なくありません。
電話番号が表示されればその場でタップすることで問合せ増加につなげることも期待できます。
また、広告表示させる項目が増えれば、その分だけ掲載枠を広く活用することができ、自社の広告を目立たせることも可能です。
この広告表示オプションの活用に追加費用はかかりませんので、積極的に活用していくと効果的です。
まとめ
Googleのリスティング広告は、Web広告の取っ掛かりとして多くの企業が導入・運用しています。
顕在層に対してアプローチできるため、比較的効果にもつながりやすく、即時性や即効性という面でも効果が期待できます。
とはいえ、闇雲に始めるだけでは効果にはつながらず、無駄なコストを消化するだけで終わる可能性も起こり得ます。
今回紹介した内容も参考に、効果的なGoogleのリスティング広告の運用につなげていきましょう。