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Google広告の虎の巻【3A“アトリビューション”編】

更新日:2023年05月26日

Google広告の虎の巻【3A“アトリビューション”編】

※この記事は2023年5月26日に更新されたものです。内容が古い可能性があります。

Googleが提唱する3A導入準備のための初期設定について説明しましたが、今回は“3つのA”の1つ、アトリビューションモデル(Attribution)について説明します。

この記事では、Google広告内のアトリビューションモデルとそのメリット、活用法を中心に紹介します。

1.アトリビューションとは?

アトリビューションとは、コンバージョンに至るまでにユーザーが接触した流入経路全てを評価する事を指し、コンバージョンに至った経路を可視化し、各ポイントで接触した広告全てをコンバージョン獲得に貢献したと評価することです。

これまでラストクリック(コンバージョンをした時の流入経路)のみを評価する方法が主流でしたが、Webマーケティング手法の多様化、複雑化に伴って、ラストクリックのみでは見えないデータが増えてきています。

例えば、「ボーナスが入ったから新しい財布が欲しい!」と思った時、みなさんはどうしていますか?

①検索エンジンで「財布 女性 おすすめ」と検索し、比較サイトやブログを訪問。★検索広告(一般Kw)
②気になったものがあれば「ブランドA 財布 おすすめ」等口コミや価格を調べる★検索広告(ブランドA 指名Kw)
③訪問先のサイトのバナー広告が気になり「ブランドB」を知る★ディスプレイ広告
④「ブランドB 財布 格安」と検索、購入★検索広告(ブランドB指名Kw検索)

従来であれば、④の「ブランドB 財布 格安」のみがコンバージョンに寄与したとしてCV1と計測されていましたが、実際には③で接触したバナー広告も購入に貢献したと考えることができます。

スマートフォンが普及し、1人で複数台のデバイスを持つことも珍しく無くなった今、ユーザーが購入の意思決定をするまでに接する情報は多岐に渡り、その経路は年々複雑になっています。

企業は、単にラストクリックにのみ着目するのではなく、実際にどの接点が購入の意思決定に最も貢献しているのか判断をする必要があります。

2.どんな場合にアトリビューション分析は有効か?

もちろんどんな場合でもアトリビューション分析が良い!というわけではありません。比較的購入までの比較検討期間が長い商品に向いていると考えられます。

具体的には、先程のような高価なブランド品、不動産売買といった商材や、下記のような事象がある場合はアトリビューション分析の導入することで改善ポイントを見つけることができます。

・コンバージョンまでに複数のチャネル(LP・フォーム等)を経由している
・コンバージョン数に占める指名検索の割合が高い(どこで指名KWを知ったのか?)
・リターゲティングからの獲得は増加しているものの、サイト全体の売上が増加していない
・アトリビューションレポートのコンバージョン数とラストクリックモデルとのコンバージョン数の乖離が大きい

反対に比較検討期間が短い商材や、コンバージョン経路がシンプルな場合はアトリビューション分析を行うメリットは小さい可能性が高くなります。

3.アトリビューションモデルの種類

現在、Google広告の検索広告で適用できるアトリビューションモデルは以下の6つです。

ビジネスの成長段階(獲得・認知それぞれの重要度)に適したモデルを使うことが大切ですが、基本的にファーストクリック、ラストクリック以外のモデルを選ぶことを推奨します。

3-1.減衰

減衰モデルでは、コンバージョンまでの時間が短いクリックにより多くの貢献度を割り当てます。

貢献度の割り当て方はラストクリックに最も近いため、アトリビューションモデルを導入する際には、このモデルを推奨します。

3-2.ラストクリック

ラストクリックでは、コンバージョン経路で最後にクリックされた広告だけに貢献度が割り当てられます。

Google広告やYahoo!広告などのコンバージョントラッキングのデフォルト設定のため、多くのケースで採用されています。また、購入に最も近い接触であるため、費用対効果を予測しやすい最も慎重なアトリビューションモデルとなります。

しかし、コンバージョンのデータを細分化し機械学習に活用するという観点では、運用上推奨されていない形式になります。

3-3.接点ベースモデル

接点ベースモデルでは、コンバージョン経路の最初と最後のクリック(その広告のキーワード)にそれぞれ40%の貢献度を割り当て、それ以外のクリックに残りの20%を割り当てます。コンバージョンに至った最初のクリックに全体の40%を振り分けるため、これまでのラストクリックとはかなり異なる結果となるでしょう。

ラストクリックでの獲得キーワードは一通りの対策を行っていて、安定的にコンバージョンが獲得できる、というアカウントで導入する余地があるでしょう。コンバージョンに至る入り口と出口をバランス良く評価できるため、認知の拡大を目標とする際にも有効です。

3-4.線形モデル

線形モデルでは、コンバージョン経路で発生したすべてのクリックに貢献度を均等に割り当てます。等しく評価を振り分ける事にメリットがある場合は導入すべきですが、本当にどの接点が必要なのか判断することが難しくなる点に留意しましょう。

貢献度を割り振ること自体は重要ですが、コンバージョンが目的のキャンペーンにおいてはやはりラストクリックの影響度を無視してはいけないと思います。

3-5.ファーストクリック

ファーストクリックでは、コンバージョン経路で最初にクリックされた広告だけに貢献度を割り当てます。

ラストクリックとは正反対の評価となるため、ビックワードや認知の低いユーザーとの接点に対して高評価を付ける非常に積極的な戦略となります。

変更前の計測がラストクリックである場合、コンバージョンの定義が大きく変わるため、導入の際は注意が必要です。
また、自動入札のデータ量の観点からは、このモデルも非推奨とされています。

3-6.データドリブンアトリビューションモデル(DDA)

データドリブンアトリビューションでは、ユーザーが商品を検索し、コンバージョンに至った過程に基づいて貢献度を割り当てます。

特徴は貢献度の割り振りが自動最適化される点で、コンバージョンに対してどの広告、どのキーワード、どのキャンペーンが最も貢献したかを過去の配信データを使って判断します。

可能であれば全アカウントで採用したいアトリビューションモデルですが、欠点もあります。それは導入のハードルが非常に高いことです。

データドリブンアトリビューションは、月に15,000回以上のクリック、600件以上のコンバージョンという要件を満たさないと選択することができません。この条件を満たすユーザーは多くないため、データドリブンアトリビューションを実装することを目標とし、まずは減衰など他のモデルを実装していきましょう。

4.Google広告におけるアトリビューションモデル計測が可能な範囲

アトリビューションモデル計測が可能な範囲を3つ紹介します。

4-1.広告メニュー内でのアトリビューション計測

広告メニュー内でアトリビューション計測ができるのは、Google広告の検索広告のみです。

Google広告のディスプレイ広告や、Yahoo!の検索広告、ディスプレイ広告にはこの機能がない点に注意しましょう。

4-2.広告メニュー間のアトリビューション計測

広告メニュー間のアトリビューション計測については、アドエビスなどの計測ツールを活用することで可能となります。

またGoogle Analyticsも、アトリビューションモデルのモデル比較ツール機能を有しており、これも無料で利用することができます。ツールと設定>アトリビューション>から閲覧できます。 ※アトリビューション計測にはパラメータ設定が必要です

モデルの比較から閲覧することができ、比較や比較対象なども変更できるため、様々なカスタムが可能となっています。

これまでラストクリックのみでは効果が悪いと思っていた広告メニューが、間接的な貢献によってコンバージョン数が2倍近く増加するケースもありますので、利用したことのない方はぜひ利用してみてください。

4-3.Googleアナリティクスのアトリビューション計測

Google広告のアトリビューション分析と違い、カスタムパラメータを設定することで、自然検索なども含めたクロスチャンネルでの分析が可能になります。

広告戦略で活用している全てのプラットフォームを横断して広告費用の細分杯が可能になります。

また、Google広告のスマート自動入札の活用に関しては、ラストクリックモデルのみとなっているため、自動入札の場合は注意が必要です。Yahoo!広告やFacebook広告等、他社の広告プラットフォームの入札に干渉することはできません。

5.まとめ

いかがでしたか?

今回は、3Aのアトリビューションについて説明しました。弊社には、Google広告のアトリビューションについてはもちろん、アトリビューション分析ツールの設定、分析データの活用なども実績が多数あります。お困りのことがあればぜひお気軽にご相談ください!

この記事を書いた人

超シンプルに一目惚れで入社。入社2ヶ月で編集長に就任し、Infinity-Agent Labを軌道に乗せました♪(←自慢です。笑)編集長の経験から、各媒体の最新情報のキャッチアップの早さには自信があります。生粋のEXILEオタクです!

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