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特性要因図(フィッシュボーン図)とは?根本原因を特定する4Mとマーケティング応用

更新日:2026年01月08日

特性要因図(フィッシュボーン図)とは?根本原因を特定する4Mとマーケティング応用

「運用型広告で目標通りの成果が出ない!」「事業の不調の根本原因が特定できない」と嘆いているあなた。

その課題のヒントは、魚の骨(フィッシュボーン)の図の中に隠されているかもしれません。

特性要因図は、
複雑な課題に対し、その原因を網羅的に特定し、具体的な改善アクションに繋げるための強力なフレームワークです。
その形から、フィッシュボーン図や魚の骨図とも呼ばれます。

本記事では、特性要因図の基礎から一歩踏み込み、
製造業の共通言語である「4M」をマーケティングに応用するノウハウ、根本原因を特定するための具体的な作成手順、
そしてリスティング広告のCPA悪化を題材にした実践例を徹底解説します。

1. 特性要因図の基本

特性要因図は、課題解決を論理的に進めるための基本的な構造と役割を持っています。

1-1. 課題を可視化する「魚の骨」

■ 特性要因図とは?

特性要因図とは、
特定の課題(特性=結果)に対し、影響を与えているすべての原因(要因)を洗い出し、
整理・構造化するためのフレームワークです。

元は製造業の品質管理のために開発されました。

■ 活用目的

  • 原因の網羅的把握:特定の課題を取り巻く要因を漏れなく洗い出す
  • 根本原因の特定:大骨・小骨・孫骨と掘り下げることで、真に解決すべき原因に辿り着く
  • チーム間の共有:課題の構造を視覚化することで、メンバー間での共通認識を形成する

1-2. 特性・背骨・大骨・小骨の役割

特性要因図は、魚の骨のような以下の構成要素でできています。

要素 役割 意味
特性 魚の頭 取り上げるべき課題、不調、結果(例:CPAが高い、売上が足りない)
背骨 中央の軸 特性に向かって引き、要素を紐付ける
大骨 太い骨 特性の直接的な要因となる大きな分類(例:人、方法、機械)
小骨/孫骨 細い骨 大骨を構成する具体的な要素や、それに潜むミクロな根本原因

1-3. 「なぜなぜ分析」との使い分け

課題解決のフレームワークとして混同されやすい「なぜなぜ分析」との使い分けを理解しましょう。

  • なぜなぜ分析
    特定の原因を「なぜ?」と繰り返し問いかけることで、原因を深く掘り下げることに特化(深掘り重視)
  • 特性要因図
    課題のすべての原因を網羅的に洗い出し、構造化することに特化(網羅性重視)

最初に特性要因図で全体像(網羅性)を把握し、その中から最も重要そうな小骨を見つけたら、
なぜなぜ分析で深掘りすると、より効果的に根本原因に辿り着けます。

2. 要因分解の切り口

特性要因図を作成する際、
最初に大骨の分類を定めることで、網羅性(MECE)を高く保ち、原因の洗い出しが容易になります。

2-1. 4M(人・機械・方法・材料)

製造業や品質管理の分野で、
大骨の共通言語として広く使われるのが4Mです。

大骨 意味 要因の例
Man
(人)
担当者、スキル、教育、
コミュニケーション
スキル不足、経験不足、ヒューマンエラー、モチベーション
Machine
(機械)
設備、ツール、システム、
環境
サーバーの遅延、ツールのバグ、古い設備、アクセス環境
Method
(方法)
手順、ルール、計画、
プロセス
マニュアル未整備、非効率な手順、データ分析の手法
Material
(材料)
製品、データ、情報、資源 クリエイティブ素材の質、過去データの正確性、予算、コンテンツ

2-2. マーケティング・サービス業の軸

4Mは製造業寄りですが、以下の切り口を使うことで、
マーケティングやサービス業の課題にも応用できます。

  • マーケティング大骨例
    集客(トラフィック) / LPO(ランディングページ) / クリエイティブ / 入札(単価)
  • サービス業大骨例
    顧客 / 従業員 / プロセス / システム

2-3. MECE(漏れ・ダブリなし)な分析

特性要因図は網羅性を重視するため、
MECE(漏れなく、ダブりなく)の視点が重要です。

  • 課題の定義
    「CPAが高い」だけでなく、「リスティング広告のCPAが昨対比20%高い」のように、
    課題の範囲と目標を明確に定める
  • 範囲設定
    特定の部署や特定の期間に限定して分析を行うことで、大骨の数を管理しやすく、分析の精度を高める

3. 図の作り方 4ステップ

特性要因図は、たった4つのステップで作成できます。

重要なのは、最後の「アクションへの落とし込み」です。

STEP1:特性を定め、背骨を引く

まず、直面している不調や課題を右端に大きく書き出します(特性)。
特性に向かって背骨を引き、分析を開始する準備をします。

STEP2:大骨を置き、要因を出す

定義した大骨(例:4M)に従い、背骨に書き出します。

大骨から、特性の直接的な要因となる小骨をブレインストーミングでリストアップします。
この際、「漏れがないか」を常に意識しましょう。

STEP3:孫骨まで掘り下げ、真因を特定する

小骨に繋がるミクロな要素を孫骨に書き出します。

各小骨に対して「なぜその小骨が発生しているのか?」と問いかけることで、根本原因に近づけます。

例:Method (大骨)→ データ分析手法が古い(小骨)→ GA4への移行が進んでいない(孫骨)

評価:インパクトと工数で優先付け

特性要因図を作成した後は、洗い出された孫骨に対して優先順位をつけます。

  • 改善インパクトの大きさ
    その孫骨を解決したとき、課題(特性)に与える影響度(例:CPAがどれだけ改善するか)
  • 工数の少なさ
    対策を講じるのにかかる時間とリソース

工数が少なく、改善インパクトの大きい対策から順に着手することで、スピード重視で課題解決を進められます。

4. 【事例】リスティング広告の改善

特性要因図をマーケティングの運用型広告に応用する実践例を見てみましょう。

4-1. 特性:CPA高騰の要因を構造化

  • 特性
    広告経由のCVが足りない
  • 大骨(マーケティング特化)
    入札戦略 / クリエイティブ / LPO / 競合環境
    例:クリエイティブ(大骨)→ 広告の関連性が低い(小骨)→ 登録キーワードの精査(孫骨)
    例:LPO(大骨)→ LPの離脱率が高い(小骨)→ モバイルの読み込み速度が遅い(孫骨)

4-2. アクション:孫骨をToDoに変換

特性要因図の右端に書き出された孫骨は、そのまま具体的なToDoに繋がります。

  • 孫骨
    「モバイルの読み込み速度が遅い」

    アクション → Web担当者にヒアリングし、LPの軽量化プロジェクトを立ち上げる
  • 孫骨
    「運用者の知識が古い」

    アクション → 最新のAdvantage+機能に関する外部研修を受講する

4-3. 共有:チームの共通認識を作る

特性要因図の最大のメリットは、可視化による共有の容易さです。

  • チームの共通言語化
    図を共有することで、各メンバーが「自分のアクション(孫骨)が、
    なぜこの課題(特性)の解決に必要か」という経緯と重要性をひと目で理解できる
  • 役割の明確化
    各孫骨に担当者(人)と期限(時間)を割り当てることで、施策実行までのスピードと確実性が向上する

もし、
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5. まとめ:正しい施策を選ぶために

特性要因図は、課題や目標を客観的に整理し、根本原因を特定するための強力なフレームワークです。

  • 活用原則
    課題を定義し、4Mなどの分類で網羅的に原因を洗い出し、工数とインパクトで優先順位をつける
  • 最終目標
    達成感で図を眺めるだけでなく、右端の孫骨を具体的なアクションに繋げることが重要

運用型広告はその特性上、常に改善され続ける好調なケースは稀です。

成果が芳しくないときこそ、
特性要因図を使って課題をいち早く突き止め、解決するための正しい施策に取りかかりましょう。

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この記事を書いた人

大学3年生から内定者インターンを開始し、2020年にインフィニティエージェント新卒3期生として入社。 約5年半の運用者経験を活かし、現在はチーフ職としてマネジメントも行いながら、新規顧客の開拓やメディア編集長に従事。 冷麺が好きで1週間に何度も食べているという偏食な一面も。

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