マーケティングに携わっている人の中には顧客接点という言葉を聞いたことがある人がいるのではないでしょうか。
顧客接点は、マーケティングにおいて重要な項目であり、強化をすることで認知拡大やコンバージョン獲得でさらなる成果が期待できます。
本記事では、顧客接点の具体的な意味や強化方法について詳しく解説します。
顧客接点という言葉は聞いたことがあるけど、詳しい内容は知らないという人はぜひ最後までお読みください。
顧客接点とは
顧客接点とは商品などを提供している企業と消費者が接触する場面を指した言葉でマーケティング界隈ではタッチポイントとも呼ばれています。
これまでは、営業職や代理店が顧客接点の役割を担っていました。
しかし、インターネットが普及した現代においては、オフラインの手法だけでなく、 Webサイトやメールなどのオンライン手法も顧客接点に含まれます。
顧客接点が求められている理由
顧客接点が求められている要因として挙げられるのは以下の2つです。
• コロナウイルスの影響
顧客接点の強化方法などについて知る前に、まずは求められている背景について把握することが大切です。
それぞれの理由について具体的に解説します。
インターネットの普及
今まではオフラインでの顧客接点が一般的でしたが、インターネットや高性能なデバイスが普及したことで世の中に存在する顧客接点が増えています。
商品を購入するときに、マスメディアよりも動画サービスやSNSを活用する人が増加傾向にあるため、現代ではオンライン上での顧客接点を増やすことも大切です。
一方的な情報提供を行うマスメディアの広告手法よりも、インバウンドマーケティングを用いた顧客接点の強化が注目されており、多くの企業で取り入れられています。
コロナウイルスによる変化
2020年ごろから現在にかけて流行しているコロナウイルスの影響によって、大規模なイベントの開催やセミナーの企画が難しくなっています。
オンラインを活用したウェビナーなどの需要が高くなっているため、時代の変化に対応しながらマーケティングを行うには顧客接点を増やす必要があるでしょう。
新しい生活様式が広く普及したことで、コロナウイルスの収束後もオンラインを用いたイベントの需要は続いていくことが予想できます。
顧客接点を強化するメリット
顧客接点を強化するメリットは以下の3つです。
• 対応がしやすくなる
• 満足度がアップする
それぞれのメリットについて確認していきましょう。
集客力が向上する
顧客接点を増やすことで、今まで取りこぼしていたユーザーにもアピールできるメリットがあります。
デジタル化が進めば遠方にいるユーザーにまで手を広げられるため、地方に向けての活動も展開できるでしょう。
また、総務省が推進しているDX(デジタルトランスフォーメーション)の観点から見ても、顧客接点を増やすことは重要です。
デジタル化を進めて差別化を図ると同時に、集客力を上げることは今後の企業にとって欠かせない要素になっています。
参照:「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」の策定|総務省
対応がしやすくなる
オンライン会議ツールなどを導入することで、直接会う手間がなくなり、顧客と接点を持つための選択肢が増えるでしょう。
打ち合わせの場所を確保する必要もなくなるため、これまで以上にスピーディーな対応が可能になります。
直接会って話をすると、購入しなければいけないプレッシャーを感じると思っているユーザーにとっても、オンラインを活用した顧客接点の増加はメリットがあります。
満足度がアップする
顧客接点を増やすことで、顧客とのコミュニケーションにおける質が向上していきます。
なぜなら、顧客接点をデジタル化することで、今までの問い合わせ情報などの管理が容易になり、次の顧客対応で活かせるからです。
コミュニケーションの質が上がれば顧客からの満足度もさらに高くなるため、企業への評価が高くなるでしょう。
顧客接点を強化する方法
顧客接点を強化するための具体的な方法は以下の3つです。
• カスタマージャーニーの設計をする
• オムニチャンネル戦略を導入する
具体的な強化方法について熟知して、顧客接点を増やすための行動を起こしていきましょう。
ペルソナの設計をする
ペルソナはユーザーの年齢や職業だけでなく、住んでいる場所などの情報までを予想したものでターゲットよりも顧客層を細かく想定したものを指しています。
具体的なペルソナの設計をすることでどの顧客接点が特に重要なのかがさらに明確になるため、まずはペルソナの設計に力を入れることが大切です。
カスタマージャーニーの設計をする
カスタマージャーニーは時系列としてユーザーの購買行動や感情の変化に関する情報をまとめたものです。
認知から最終的な決定までがどのような流れで行われているのかを知ることで、顧客接点の状態を詳細に把握できます。
オムニチャンネル戦略を導入する
オムニチャンネル戦略はオフラインの店舗やオンラインのインターネットなど、さまざまな場所で顧客接点を持つという考え方です。
現代は、ネットの普及などによって購買行動が多様化しているため、企業側も多くのチャンネルをもってアピールすることが大切になります。
オフラインとオンラインの両方を組み合わせて、需要を満たすと同時に顧客接点を逃さないようにしましょう。
顧客接点を強化した企業事例
顧客接点を強化した企業事例として、以下の3つが挙げられます。
• 株式会社クレハ
• 無印良品
事例を知ることで、顧客接点に関する情報やより詳細な強化方法について理解できるでしょう。
企業事例についてひとつずつ紹介していきます。
キリンビール株式会社
キリンビール株式会社ではnoteを活用した顧客接点の増加を実施しています。
具体的には、noteで#社会人1年目の私へというコンテストを開催し、2ヶ月で3,000件を超える応募がありました。
過去の自分に向けたメッセージという誰もが参加できるジャンルかつ、メッセージ性の高いテーマにしたことで、多くのユーザーから支持され、顧客接点の獲得に成功した事例です。
参照:投稿コンテスト|KIRIN
株式会社クレハ
株式会社クレハはNEWクレラップの製造や販売を行なっている企業で、2014年からオンラインコミュニティを立ち上げました。
ラップを使用したレシピなどのお役立ち情報が投稿されており、コミュニケーションの場として活用されています。
現在では5万人以上のユーザーが参加しており、始めやすいうえに拡散が容易なオンラインコミュニティをうまく活用した事例のひとつだと言えるでしょう。
参照:オープン型コミュニティサイト 「クレラップ コミュニティ」 ~オープンから3週間で登録ユーザー5,000人突破~| KUREHA
無印良品
無印良品ではMUJI passportというスマートフォンアプリを導入して、顧客接点の増加を図っています。
ほとんどのショッピングアプリは、店舗やオンラインショッピングに行くことでポイントが貯まることが特徴です。
しかし、無印良品の場合はアプリに入るだけでポイントがもらえるようにしています。
ユーザーは、ポイントを増やすためにアプリを起動するため毎日無印良品を思い出してもらうという方法で顧客接点を効率的に増やした事例です。
参照:MUJI passport|無印良品
まとめ
いかがでしたか?
顧客接点は、マーケティングにおいて重要な役割を担っている用語のひとつです。
コロナウイルスの影響やインターネットの普及によって、顧客接点は今後ますます必要とされることが予想できます。
顧客接点を強化すると、企業にとってメリットがあるだけでなく、顧客の満足度向上にもつながるでしょう。
オンラインやオフラインに関わらず、積極的に顧客接点を増やしていくことをおすすめします。
また、過去の企業事例から、どんな方法で顧客接点を強化するべきなのか具体的に知っておくことも大切な要素です。